JPS6314018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は板金製の内燃機関の水冷式排気マニホ
ールドに関するものである。

船外機用内燃機関として使用するためには、そ
の機関重量をできるだけ軽減することと、その機
関自体をできるだけコンパクトにする必要があ
る。

また船外機用機関等の様に機関全体がカウリン
グでカバーされている場合には、排気マニホール
ドのまわりを水で冷却してやらないと排気マニホ
ールドが排気で赤熱し、そのためカウリング内の
温度が上昇して吸入空気温度が上り性能劣化をお
こすと同時に周辺に使用されているプラスチツク
又はゴム部材に損傷をおこす結果となる。

特に、吸気ポートと排気ポートとが同じ方向に
設けられている場合には、吸気ポートと排気ポー
トとの間の距離がとれず、加熱された排気マニホ
ールドにより吸気マニホールド内の吸気の温度が
上昇し、空気の充填効率の面で問題がある。

そこで、排気マニホールドを冷却水で冷却する
必要があるが、このような水冷式排気マニホール
ドは重量がかさむと共に、コンパクト化がはかれ
ないという欠点があつた。

そこで本考案は、前記従来の水冷式排気マニホ
ールドにおける欠点を解消するためになされたも
のであり、軽量で、かつ安価な板金構造の水冷式
排気マニホールドを提供することを目的としたも
のである。

即ち、本考案の水冷式排気マニホールドは、内
燃機関のシリンダヘツドの排気ポートに合致する
排気導入穴を有する平板状の板金部材に対し、そ
の排気導入穴から排気排出路への排気通路を形成
する椀形の内側板金部材を取付けると共に、その
内側板金部材の外側に、冷却水供給管及び排水通
路に連通する水衣部を形成する椀形の外側板金部
材を取付けることにより構成し、しかして、排水
通路を形成する排水管を排気排出路を形成する排
気管の外側に同心的に設けたことを特徴としてい
る。

以下図面を参照して本考案の一実施例を説明す
るが、第１図は本実施例の水冷式排気マニホール
ドの側断面図、第２図は第１図の−方向の正
面図、第３図は第２図の−方向の要部側断面
図である。

まず、この排気マニホールドは、第１図の右側
にその一部を示す垂直軸内燃機関のシリンダヘツ
ド１の２個の排気ポート２Ａ，２Ｂの出口に合致
する排気導入穴３Ａ，３Ｂを有する比較的厚肉の
平らな板金部材４に対し、それぞれほぼ相似の椀
形形状に成形された２個の内側板金部材５及び外
側板金部材６をそれらの全周で突き合わせ溶接な
どにより取り付けて、板金製の二重構造にしてい
る。

上記椀形の内側板金部材５と平板状の板金部材
４との間には、該内側板金部材５の下方に貫挿し
て固着された排気管７の排気排出路８に連通する
薄型で椀形状の排気通路１７が区画される。排気
導入穴３Ａ，３Ｂから導入された排気Ｅは、排気
通路１７を経て、排気排出路８から機関外部へ排
出される。

次に、上記椀形の内側板金部材５及びその外側
を覆うように取付けられたほぼ相似の椀形外側板
金部材６との間には、水衣部９が区画される。し
たがつて、水衣部９は排気通路１７を外側から全
面的に覆うような形で設けられる。水衣部９は、
その下部で冷却水供給管１０を接着して連通する
と共に、その上部に連通させた冷却水排出管１１
及び１点鎖線で示すゴムホース１２を経由して、
上記排気管７の外側を覆うようにこれと同心的に
設けられた排水管１３の内側と排気管７の外側と
の間の排水通路１４に連通している。

なお、上記水衣部９と排水通路１４との間に
は、第３図に示す隔壁１５が設けられており、水
衣部９の冷却水Ｗが直接排水通路１４に導入され
ないようにしている。

上記の構成からなる本考案の水冷式排気マニホ
ールドは、板金構造からなり、第２図に示す複数
のボルト穴１６に、図示されていない締付ボルト
を貫挿し、ガスケツトパツキン等を介してシリン
ダヘツド１に対して締付けを行ない、排気ガスの
シールを行なつている。

また、排気ポート２Ａ，２Ｂからの排気Ｅは前
述した通り、排気導入穴３Ａ，３Ｂから前記の排
気通路１７に導入され、排気管７の排気排出路８
を通つて下部に排出され、一方冷却水Ｗは冷却水
供給管１０から水衣部９の下部に導入され、上方
から冷却水排出管１１を通り、ゴムホース１２を
経由して排水通路１４を下り、排気Ｅと共に機関
外部に排出される。

従つて、本考案の水冷式排気マニホールドは、
排気ポートから出た排気を、直ちに薄型椀形状の
排気通路内で、これを全面的に覆つている水衣部
によつて冷却するので、高温の排気が冷却媒体と
の間で大きな接触面積を保つことができ、排気マ
ニホールドが十分に冷却される。従つて、排気ポ
ートの近くの同一側に吸気ポートを設けている内
燃機関においても、その吸入空気の充填効率を向
上することができる。

また、排気排出路内でも、排気はさらに排水通
路により冷却されるので、本考案の排気マニホー
ルドは、排気導入から排出に到るまで、全体的に
冷却される結果となり、周辺の熱損傷を起し易い
部品を十分に保護することができる。

また、本考案の水冷式排気マニホールドは板金
構造であり、軽量で、かつ安価に製作できる上、
各板金部材、排気管、排水管、冷却水供給管等の
部品を予め組立て、ユニツトとしておき、これを
シリンダヘツドに取付けるという簡単な工程を用
いることができるので、その製作、取付けも又容
易であるという利点があり、特にコンパクト化及
び軽量化が要求される船外機用内燃機関等に対し
て有効に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における水冷式排気
マニホールドの側断面図、第２図は第１図の−
方向の正面図、第３図は第２図の−方向の
要部側断面図である。 １……シリンダヘツド、２Ａ，２Ｂ……排気ポ
ート、３Ａ，３Ｂ……排気導入穴、４……板金部
材、５……内側板金部材、６……外側板金部材、
８……排気排出路、９……水衣部、１０……冷却
水供給管、１４……排水通路、１７……排気通
路、７……排気管、１１……冷却水排出管、１３
……排水管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘツドの排気ポートに合致する排気導
   入穴を有する平板状の板金部材と、該排気導入穴
   から排気排出路への排気通路を形成するように、
   前記平板状の板金部材に取付けられた椀形の内側
   板金部材と、該内側板金部材の外側に、これを覆
   うように取付けられて、その間に、冷却水供給管
   及び排水通路に連通する水衣部を形成する椀形の
   外側板金部材とよりなり、該排水通路は同心的に
   構成された排気管と排水管との間に形成され、排
   気排出路と共に外部に開いていることを特徴とす
   る内燃機関の水冷式排気マニホールド。