JPS6313287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は建築物の壁、天井等を構築するに用
いる軽量化コンクリート板に関する。

従来技術 近年、オートクレーブ養生軽量気泡コンクリー
ト板（ALC板）、常温養生した軽量気泡コンクリ
ート板、パーライトシラス、火山灰等を骨材とし
た軽量骨材コンクリート板等嵩密度が0.5〜1.9t／
m³程度の軽量化コンクリート板が壁、天井材とし
て広く用いられるに到つた。これら軽量化コンク
リート板は軽量で耐火性があり、断熱性が優れる
等の長所を有するが、釘類の打込み性、保釘性が
乏しく、その表面に外装材あるいは内装材等の表
面材を取付けようとすると、別途胴縁等を設けそ
の上に表面材を取付けなくてはならず、施工に手
間がかかり、かつ耐火性能が低下するなど問題が
あつた。

考案の目的 この考案は上記事情に鑑みなされたもので、そ
の目的は釘類を用い表面材を取付けることができ
る軽量化コンクリート板を提案するにある。

考案の構成 この考案になる軽量化コンクリート板は、その
表面に可撓性物質を混入し釘類の打込み性および
保釘性を付与したモルタルからなる突部を固着し
て構成されている。

作 用 この軽量化コンクリート板は建築物の躯体鉄骨
等に取付けて壁、天井等を形成した後、その表面
に表面材を突部位置に釘類を打込み固定して取付
けることができる。

実施例 第１図、第２図に示すこの考案になる軽量化コ
ンクリ−ト板は、軽量気泡コンクリ−ト板１の表
面に釘類の打込み性および保釘性がある断面台形
の突条２を所定の間隔で並列に固着して設け構成
されている。

軽量気泡コンクリ−ト板１はポルトランドセメ
ントを主原料とし硅砂、パ−ライト、発泡剤を配
合した組成物を原料とし、嵩密度1.1t／m³、であ
る。突条２はポルトランドセメントを主原料とし
熱可塑性合成樹脂エマルジヨンを10％添加しなか
つたモルタルからなつている。その他ポリマーセ
メントモルタル、ラテツクスセメントモルタルあ
るいはそれらにグラスフアイバー、スチールフア
イバー等の補強繊維を混入したものが使用でき
る。また、軽量気泡コンクリ−ト板１と突条２と
はその間にまたがり、アンカー鉄筋３を配し固着
一体化してある。

第３図はその表面に表面材４を取付けた状態を
示すもので、表面材４は突条２の位置で釘５を打
込み固定されている。

この実施例の軽量化コンクリ−ト板を製造する
一例を挙げるならば、以下の通りである。予め合
成樹脂エマルジヨンを配合したモルタルを用い、
アンカー鉄筋３を配筋して突条２をつくり、この
突条２を型枠内底面の所定位置にアンカー鉄筋３
の先端を上方に向け配置しておき、この上に発泡
性セメントスラリーを注入し軽量気泡コンクリ−
ト板１を塑造してこの軽量化コンクリ−ト板を得
る。

変形例 この考案で用いる突部は熱可塑性合成樹脂エマ
ルジヨンを配合したモルタルを用い突条となした
が、点状の突部を碁盤目位置などに配置してもよ
い。また、熱可塑性合成樹脂エマルジヨンの代り
に、木片、オガクズあるいはゴム細片、パ−ライ
ト粒等可撓性材を配合しても、釘打ち性および保
釘性を付与することができる。前記実施例では嵩
密度1.1t／m³の軽量気泡コンクリ−ト板１からな
る軽量化コンクリ−ト板を基板となしたが、この
ほか、ALC板、軽量骨材コンクリ−ト板等嵩密
度0.5〜1.9t／m³の軽量化コンクリート板を用いて
もよい。また、基板と突部とは必ずしもアンカー
鉄筋をまたがり配し固着せしめる必要はない。

考案の効果 この考案は以上の通りであり、この軽量化コン
クリート板は、従来の胴縁等の下地を設けて表面
材を取付ける必要があつたコンクリート板に比
べ、表面材を直接釘類により取付けができ施工の
能率化が達成できる。また、基板となる軽量化コ
ンクリート板の耐火性を損なう恐れもない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は実施例の軽量化コンクリート
板の斜視図および断面図、第３図は表面材を取付
けた軽量化コンクリート板の断面図である。 １……軽量気泡コンクリート板、２……突条、
３……アンカー鉄筋、４……表面材、５……釘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軽量化コンクリート板の表面に、可撓性物質を
   混入し釘類の打込み性および保釘性を付与したモ
   ルタルからなる突部が固着してあることを特徴と
   する軽量化コンクリート板。