JPS6312715Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はオーブンで焼菓子を作る際に、焼き上
つた菓子がモールドから外れ易くなるように、モ
ールドに予め離型剤（オイル）をスプレイするた
めの装置に関するものである。

〔従来技術〕

一般に、オーブンで焼菓子を作る際、焼き上つ
た菓子をモールドの凹部から取り出すときにそれ
が容易に行われるように、上記凹部に菓子の生地
を充填する前に、その凹部に離型剤（オイル）を
塗布する必要がある。

従来、この作業は、スプレーガンによる手作業
か、或いは第１図に示すような装置によつて行わ
れていた。

第１図はオイルスプレイを自動的に行わせるよ
うにした従来装置の一例を示すもので、チエーン
式の搬送コンベアａによつてモールドｂを間欠輸
送するようにした装置において、上記モールドｂ
の凹部ｃの上方位置に、該凹部ｃに向けてオイル
を噴射してミストを塗布するようにしたスプレイ
ノズルｄをスプレイ架台ｅに支持して設け、且つ
前記スプレイノズルｄをオイルポンプｆを介して
オイルタンクｇに接続した構成を有している。

しかし、上記従来装置においては、スプレイノ
ズルｄから噴射したオイルのミストが外部に飛散
し、作業環境を著しく悪化させて衛生上の問題を
生じると共に、凹部ｃ以外へもオイルが塗布され
ることにより焼上り後に焦げ付き等の汚れを生じ
ると共に、周辺機器の汚れ等を生じ、後の掃除が
大変である等の問題を生じていた。

〔考案の目的〕

本考案は、モールドの凹部にオイルをスプレイ
する際、オイルミストの外部への飛散を防止し
て、作業環境の改善を図ると共に、不必要個所へ
のオイルミストの付着を防止することを目的とし
てなしたものである。

〔考案の構成〕

本考案は、上記目的を達成するために、スプレ
イノズル部に、モールドの凹部以外にオイルミス
トが飛散、付着するのを防止するための通気性カ
バーを設けたものである。

更に詳述すると、第２，３図に示す如く、チエ
ーン式の搬送コンベヤ１によつてモールド２を間
欠的に搬送し、下流側において生地（焼菓子の原
料）をモールド２の凹部３に充填する装置４を備
えた構成において、上記充填装置４の上流側直前
位置のモールド２上方部に、モールド２の凹部３
に向けてオイルを噴射するスプレイノズル５を配
置する。スプレイノズル５は、エアーシリンダ６
によつて上下動可能にスプレイ架台７に支持され
ており、且つスプレイノズル５の下端部外周に
は、スプレイノズル５から噴射されたオイルミス
トがモールド２の凹部３以外に飛散しないように
形成した通気性カバー８が着脱自在に取付けられ
ている。通気性カバー８は、ウレタン等の通気性
をもつ材料によつて構成されており、オイルミス
トの付着等によつて通気性が低下した場合には、
スプレイノズル５から取外して洗うことにより通
気性を回復させて再使用することができるように
なつている。また、前記スプレイノズル５は、給
油管９によりオイルポンプ１０を介してオイルタ
ンク１１に接続されていると共に、前記エアーシ
リンダ６は、空気管１２により空気開閉弁１３を
介して圧縮空気源１４に接続されている。図中１
５は、前記スプレイノズル５部に設けたスプレイ
開閉弁１６、及び前記空気開閉弁１３の作動を行
う制御装置であり、前記間欠輸送を行う搬送コン
ベア１の作動信号１７を入力して指令を出すよう
になつている。また１８は搬送コンベア１のチエ
ーン間を連結支持する支持材を示す。

〔作用〕

搬送コンベア１はモールド２の間欠輸送を行つ
ており、モールド２が停止している間に、前記充
填装置４によつてモールド２の凹部３に生地を充
填する。

これと同時に、前記搬送コンベア１が停止する
と、その信号１７が制御装置１５に入力され、ま
ず空気開閉弁１３が開けられる。これによりエア
ーシリンダ６が伸長してスプレイノズル５が下降
せしめられ、よつて通気性カバー８の下端が第３
図中仮想線で示すようにモールド２の上面に接触
するようになる。続いて、この状態でスプレイ開
閉弁１６が所定時間開けられ、オイルがスプレイ
ノズル５から噴射される。このとき、モールド２
の凹部３を通気性カバー８によつて包囲するよう
にしているので、オイルを凹部３だけに塗布する
ことができ、且つ飛散しようとするオイルミスト
も通気性カバー８の通気性によつて捕捉されて空
気（圧力）だけが外部に逃がされるようになる。

スプレイ開閉弁１６が閉じられると、続いて空
気開閉弁１３が閉じられ、エアーシリンダ６に備
えたばね等の作用によりスプレイノズル５が上昇
せしめられ、モールド２上面と通気性カバー８下
端との間に間隙が形成される。このとき充填装置
４による生地の充填も終了している。続いて、上
記モールド２が搬送コンベヤ１により凹部３の１
ピツチ分だけ間欠輸送されて、前記操作が繰返さ
れる。また、上記操作により通気性カバー８が汚
れて目詰りが生じた場合には、取り外して洗うこ
とにより再使用したり、或いは新しいものと取り
替えることができる。

尚、本考案は上記した構成にのみ限定されるも
のではなく、オイルを空気圧力によつて噴射させ
る方式のスプレイノズルにも適用し得ること、モ
ールドに対する通気性カバーの接触、離反はスプ
レイ架台を上下動させたり、或いはピンジヨイン
トを介して回動させるなどによつて行うようにし
ても良いこと、その他本考案の要旨を逸脱しない
範囲内において種々変更を加え得ること、等は勿
論である。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案のオイルスプレイ装置
によれば、スプレイノズル部に、通気性カバーを
備えたことにより、オイルをモールドの凹部のみ
に塗布して外部への飛散、付着を防止することが
でき、よつて作業環境の改善を図り得ると共に、
汚れを掃除するための手数を削減できる優れた効
果を奏し得る。また、モールドに対して通気性カ
バーを接触、離反させ得るようにすれば、オイル
ミストの漏れをなくすことができ、しかも搬送コ
ンベアによるモールドの輸送に対しても何等支障
を来すことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の一例を示す説明図、第２図
は本考案の一例を示す平面図、第３図は第２図を
方向から見た正面図である。 １は搬送コンベア、２はモールド、３は凹部、
５はスプレイノズル、６はエアーシリンダ、７は
スプレイ架台、８は通気性カバー、１０はオイル
ポンプ、１３は空気開閉弁、１４は圧縮空気源、
１５は制御装置、１６はスプレイ開閉弁を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モールドの凹部に向けてオイルを噴射するスプ
   レイノズル部に、モールドの凹部以外へのオイル
   ミストの飛散を防止するための通気性カバーを設
   けたことを特徴とするオイルスプレイ装置。