JPS6312565B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ≪発明の目的≫ （産業上の利用分野） 本発明は茶樹より摘採したばかりの大量の茶生
葉を所望の工程へ順次移送し、ないしは移送に先
立ち一時的に貯留する工程において用いる移送用
コンベヤ装置に関するものであつて、特に本出願
人がすでに出願に及んでいる特願昭57―198724号
「茶生葉管理方法およびその装置」に包含されて
いる前記装置についてこれを分割出願に及ぶもの
である。

（発明の背景） 前記出願において本出願人は、従来この種の茶
生葉の管理手法の欠点を解消する対策を提案して
いる。即ち従来この種の茶生葉の管理手法にあつ
ては、第３図に示すように茶生葉ｇをコンベヤＣ
で移送する際に、コンベヤ側壁Ｗと茶生葉ｇとの
間で過大な摩擦が生じ、茶生葉ｇがそこで団塊
g′のような状態になつてしまい、これが原因で製
茶原料たる茶生葉の品質を著しく低下させてい
た。このような従来技術の欠点に鑑み、前記出願
にあつては通気性を有するコンベヤ本体に対しそ
の側壁の構成部材を従来の常識外であつた木板で
構成することにより、このような茶生葉ｇの団塊
g′の発生を防止するとともに、下方からの通気状
態を常に均等に行わせるためにコンベヤ本体の単
位長さごとに送風がなされるようにし、もつて前
記欠点を除去するようにしたものである。

≪出願の意義≫ ところで前記出願において開示した装置におけ
るコンベヤ装置について着眼すると、この装置自
体茶生葉を供給移送する上で各別の作用効果を奏
するものであり、このような実態に鑑み当該部分
を別途権利取得すべく新たに出願に及ぶものであ
る。

（発明の構成） （目的達成の手段） 即ち本発明たる茶生葉の移送用コンベヤ装置
は、長尺の通気性を有するコンベヤ本体の両側
に、木板をもつて構成した側壁を設け、一方コン
ベヤ本体の搬送面下方からはコンベヤ本体の単位
区画ごとに分断して送風がなされるように構成し
たことを特徴として成るものであり、もつて前記
目的を達成しようとするものである。

（実施例） 以下本発明を第１図及び第２図に示す実施例に
基づいて具体的に説明する。符号１は本発明たる
茶生葉の移送用コンベヤ装置であつて、このもの
は適宜鋼材等によつて形成した機枠２によつて各
主要部材が組み付けられている。まず機枠２の下
方には長尺の通気性を有するコンベヤ本体３が設
けられるものであつて、コンベヤ本体３を構成す
る通気性スラツト４により通気性が確保される。
そしてコンベヤ本体３の一方の端部にはモータ及
び減速機等を主体とした駆動部５を設けるもので
あり、ここから適宜回転出力をコンベヤ本体３の
一方のプーリに伝達し、これを駆動する。更に本
発明の特徴的構成としてコンベヤ本体３の両側に
はここから一定の高さにまで立ち上がるように側
壁６を設けるものであつて、この側壁６は少なく
とも内側の面を木板によつて構成する。一方コン
ベヤ本体３の走行軌道のほぼ側傍部には送風装置
７を設けるものであつて、この送風装置７はコン
ベヤ本体３の長手方向を単位区画ごとに区切るよ
うにして複数基設けられ、部分的な送風がなされ
るように構成する。これらの装置が茶生葉の移送
用コンベヤ装置１の主要構成部材であり、更に補
機類として次のような装置を具える。まず符号１
０は投入装置であつて、一例としてコンベヤ本体
３の一方の端部近くに設けられ、その投入シユー
ト１０′を偏向自在とし、均一な投入がなし得る
ようにする。勿論茶生葉の移送用コンベヤ装置１
に対し茶生葉ｇを投入するのは必ずしもコンベヤ
本体３の端部からのみでなくともよく、例えばコ
ンベヤ本体３の長手方向に並ぶように多数の茶生
葉ｇの供給用シユートを臨ませておき、コンベヤ
本体３の搬送開始端から終端までの適宜の位置で
投入できるようにしてもよい。勿論、可動シユー
トによりコンベヤ本体３の全範囲に投入できるよ
うにしてもよい。更にコンベヤ本体３の前後方向
の両端部には端部壁板１１，１２を設けるもので
あり、この実施例では一例として投入装置１０側
の端部壁板１１はその上端がコンベヤ本体３の上
方に覆い被さるように適宜傾斜した角度に形成さ
れる。尚、この傾斜角αは仮に端部に茶生葉ｇが
投入された際にそれが自然に崩壊して形成する安
息角とほぼ一致するような角度が好ましく、具体
的には35゜〜50゜程度の角度である。一方、他の端
部側には掻落装置１３を設けるものであり、これ
によつてコンベヤ本体３上に積層状態に移送され
てくる茶生葉ｇを順次掻き落として、次の送り出
し装置１４上に移載するように図る。従つてこの
実施例では投入装置１０側が搬送軌道の開始端で
あり、掻落装置１３側が搬送軌道の終端である
が、このような補機類を用いずに、且つまた駆動
部５におけるモータからの最終的な出力を正逆転
自在としておくときには、いずれの側あるいはそ
の途中であつても、これらを移送開始端とするこ
とができる。

本発明は以上述べたような具体的な構造を有す
るものであり、これによつて次のような茶生葉ｇ
の移送作用がなされる。まずコンベヤ本体３を駆
動部５の駆動によつて走行させ、一方、投入装置
１０から茶生葉ｇを投入すると適宜このものがコ
ンベヤ本体３における通気性スラツト４上に供給
され、コンベヤ本体３の走行に従つて順次移送さ
れてゆく。尚この際に端部壁板１１の傾斜角αを
茶層の安息角とほぼ合致させておくときには投入
された茶生葉ｇの後方斜面が更に崩れ落ちること
がなく、より高く積層させることができる。因み
にこのような傾斜角αを設けず単に垂直に形成し
た場合には積層したとしてもせいぜい数10cm程度
の高さであるが、このような構成をとることによ
りその約二倍程度の高さに積層させて移送するこ
とができる。このような移送を継続し、順次コン
ベヤ本体３に茶生葉ｇを積層させてゆくと、側壁
６と茶生葉ｇとの間で側圧が高くなり当然抵抗が
増加するが、一見表面が粗く感じられる木板であ
つても木質部に形成されている微細な小孔木目等
により通気性が確保され、且つ茶生葉ｇとの相対
的な摩擦係数は極めて低いから、実用上では問題
とならない程度に移送の抵抗のない状態で順次移
送されてゆく。因みに本発明で要件とする木板を
張設する場合には、その木目をコンベヤ本体３の
長手方向に沿わせるようにすることが望ましい。
そして更にコンベヤ本体３の搬送面下方からは各
区分ごとに送風装置７からの送風がなされ、新鮮
な空気がコンベヤ本体３の通気性スラツト４を通
して、その下方から供給され、茶生葉ｇの層間を
通過する際に茶生葉ｇの呼吸熱を奪うので、茶生
葉ｇを新鮮な状態で貯蔵ないしは移送することが
できる。勿論この送風装置７に対し更に加湿装置
を付加すれば尚好ましい。このようにして移送さ
れた茶生葉ｇはコンベヤ本体３の搬送軌道終端に
至ると適宜他のコンベヤないしはホツパ、その他
に移載されるものであつて、この実施例では掻落
装置１３によつてその頂部が掻き落とされつつ、
更に茶生葉ｇの下層も送り出し装置１４側に崩壊
しながら移載される。

≪発明の効果≫ 本発明は以上述べたようにコンベヤ本体３の両
側部に側壁６を形成するにあたり、これを木板に
より構成したから、茶生葉ｇの層が高く積層され
ることによつて茶生葉ｇの側圧が大きくなつた場
合であつても、側壁６との摩擦でその近傍の茶生
葉ｇが団塊状となるようなことがなく、大量の茶
生葉ｇを常に新鮮に保ち、且つこれを傷つけるよ
うなことがなく貯蔵し、更に必要時にこれを送り
出すことができる。また送風装置７をコンベヤ本
体３の長手方向の単位区画ごとに設けたことによ
つて、コンベヤ本体３上の各部に常に適正の送風
をすることができ、茶生葉ｇに対し常に好ましい
通気を行うことができる。更に以上述べたような
効果が相乗的に作用し、透気むらを起こすような
ことがなく常に高品位の茶生葉ｇを供給すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明たる茶生葉の移送用コンベヤ装
置の一部破断側面図、第２図は同上平面図、第３
図は従来装置の平面図であつて、茶生葉の移送途
中において団塊の生ずる状態を示すものである。 １；茶生葉の移送用コンベヤ装置、２；機枠、
３；コンベヤ本体、４；通気性スラツト、５；駆
動部、６；側壁、７；送風装置、１０；投入装
置、１０′；投入シユート、１１，１２；端部壁
板、１３；掻落装置、１４；送り出し装置、ｇ；
茶生葉、g′；茶生葉の団塊、α；傾斜角。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 長尺の通気性を有するコンベヤ本体の両側
   に、木板をもつて構成した側壁を設け、一方コン
   ベヤ本体の搬送面下方からはコンベヤ本体の単位
   区画ごとに分断して送風がなされるように構成し
   たことを特徴とする茶生葉の移送用コンベヤ装
   置。