JPS63125332A - 壁面外装用防水化粧シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、多孔質外壁面に接着、貼合せ等を行うことに
より多孔質外壁に防水層を付与せしめ得るに好適な外装
用防水化粧シートに関し、詳しくは特定の坪量、および
透気度をもつ繊維シート部材に水性弾性塗料が塗布、含
浸されたシート部材からなる防水層と化粧用水性塗料で
形成された化粧層とを積層してなる外装用防水化粧用シ
ートである。

〈従来の技術〉 木材、軽量コンクリート等の多孔質外壁材で構成された
外壁は、防水性に乏しい欠点を有しているにもかかわら
ず、軽量である利点を生かして、アクリル系エマルジョ
ン等を外表面に塗布するなどの方法で防水性を補いつつ
広く用いられている。

特に近年軽量コンクリートは、その断熱性、軽量性、さ
らには堅牢性と相俟ってプレハブコンクリート工法によ
る規格化、量産化によって著しい需要の伸長を示してい
る。

このような多孔質外壁へ防水性を付与せしめるべく検討
した結果、本発明者らは、既に繊維質部材の表面に水性
弾性塗料を塗布し、浸潤させて防水層を形成し、その防
水層の表面に化粧用樹脂塗料を付着させた防水化粧シー
ト（特開昭６１−１５１３５１号）を提案し、さらにこ
れを用いる防水性付与の方法を提案した。

〈発明が解決しようとする問題点〉 前記従来の外壁への塗料の塗布による防水性の付与にあ
っては、その塗布の方法が養生を必要とし、又塗料ミス
トにより、たとえば、公害が生じるなどの問題がある。

更に、通常、塗装に当り足場の関係上、いわゆる足場ム
ラという換装ムラが発生し、美観上の問題を生じるばか
りでなく、塗膜の濃淡が発生し防水性にも問題があった
。

また、前記本発明者らの提案になる防水化粧シートにつ
いても、前記防水層を形成するに当り繊維質部材への水
性弾性塗料の含浸が、用いる繊維質部材の特性によって
は、均一かつ有効に行われず、部分的に防水効果が不完
全となる場合を生ずることが有った。このことばかりで
なく、この防水化粧シートをＡＬＣ板などの多孔質外壁
材で構成した外壁に接着剤により貼合せて用いる場合、
繊維質部材の特性如何によっては前記防水化粧シートと
接着剤層との間で層間剥離を生じ、防水効果を充分に果
すことが出来ないという解決すべき技術上のａ題があっ
た。

そこで、極めて有用性の高い軽量コンクリートなどの多
孔ａｍ材で構成された外壁に、予め施工するかまたは現
場で施工することにより、実用上問題なく防水性を付与
せしめるために、前記技術上の諸欠点を克服した新規防
水性の付与に用いられる化粧シートの出現が待望されて
いた。

く問題点を解決するための手段〉 本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意検討した結果
、用いる繊維質シート部材の坪量、透気度等と、前記不
均一含浸に起因するとみられる部分的防水効果の不完全
性の発現や、前ｉ２層間剥離現象の発生等とが強く関連
していることを見出し、上記透気度等を好適に選定する
こと等により、前記防水効果の不完全性の発現を防止し
得るとともに１層間剥Ｗ１現象をも起さない外装用防水
化粧シートを得て、前記従来技術上のｉａＭを克服し、
多孔質壁材で構成されてなる外壁の効果的な防水性の付
与を可能ならしめたのである。

すなわち、本発明は坪量１０〜１００ｇ／ｒ＆かつ透気
度１秒以下の繊維質シート部材（１）と化粧層（３）と
中間の防水層（２）からなり、該防水層（２）の一部が
水性弾性塗料を前記繊維質シート部材（１）に含浸させ
た水性弾性塗料含浸部（４）である外装用防水化粧シー
トである。ここにいう水性弾性塗料含浸部（４）は繊維
質シート部材（１）の一部に水性弾性塗料含浸部（８）
を残して形成されたものが本発明により得られる効果を
より好ましいものとすることができる。

本発明にいう繊維質シート部材は、ガラス繊維。

ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維等の合
成繊維を構成素材として得られるシート状物であり、た
とえば不織布の形態で得られるシート状物が安価に得ら
れる点でより好適に用いられる。

これらのシート状物の坪量は、１０〜１０（ｌ　ｇ　／
　ｎ（のものが好ましく、４０〜６０ｇ／ｒｒｆのもの
がより好適である。　この坪量がｌＯｇ／ｍ２以下の領
域では繊維密度が小さ過ぎるため得られる防水化粧シー
トの強度が実用上不充分であり好ましくなく、また。

坪量が１００ｇ／♂以上の領域に至ると繊維密度が大に
なり過ぎ水性弾性塗料の均一な含浸が期待できず、得ら
れる防水化粧シートの防水性が不完全なものとなり本発
明の効果を享受することができな一丸。

更に、本発明の効果を得るためには、前記繊維質シート
の透気度は前記坪量が１０〜１００　ｇ　／背の好適領
域にあっても、１秒以下であるという条件を満たすこと
が必要であり、透気度が１秒を越える領域に至ると、前
記高坪量領域におけると同様に水性弾性塗料の均一な含
浸が得られず、この防水化粧シートの防水性は、不完全
なものとなり好ましくない。坪量がｌＯｇ／％以上であ
る限りにおいて透気度が１秒以下であれば得られる防水
化粧シートは本発明の効果を享受し得るものとなる。

本発明に用いられろ防水層形成ｎＩの′ＡＣ性弾性塗料
に用いるエマルジョンとしては、比較的樹脂成分が多い
領域で用いられるエマルジョンであって。

塗膜が弾力性、防水性を有するものであれば好適に用い
られ、　たとえばアクリル系エマルジョン、アクリル／
スチレン系エマルジョン、アクリル／酢ビ系エマルジョ
ン、エチレン／酢ビ系エマルジョン、ベオパ／酢ビ系エ
マルジョン等のエマルシコンがある。なかでもアクリル
系エマルジョンがより好適に用いられる。

前記水性弾性塗料は、これらのエマルジョンに、酸化チ
タン、炭酸カルシウムなどの無機顔料または／およびフ
ィラーを配合し、通常、粘度がたとえば３０００〜４０
００センチポイズ（ｃｐｓ）の領域に調整して得られる
。

本発明の化粧層の形成に用いられる化粧塗料用エマルジ
ョンとしては保管性、施工性の観点から粘着性がなく、
弾力性、防汚性を有する塗料の配合とする必要があり、
無機顔料、フィラー等の配合割合が異なるが、前記防水
層用のエマルジョンが用いられる。特にスチレン、アク
リル系エマルジョンの如き比較的硬度のあるエマルジョ
ンに。

塗布後揮発し、残存量が減少する可塑剤を加えたものが
より好適に用いられる。この化粧用塗料の粘度は、通常
、たとえば３５００〜４５００ＣＰＳに調整される。

本発明の外装用防水化粧シートを得るに当っては、第１
図に示すように前記坪量および透気度を有する繊維質シ
ート部材（１）の表面に防水層（２）を形成するための
前記水性弾性塗料を塗布し、シート部材断面に含浸せし
めて含浸部（４）を形成した後、シート部材の一表面に
、化粧用水性塗料を塗布して化粧Ｍ（３）を形成積層す
るとよい。　この場合繊維質シート部材の一表面ないし
その表面近傍内部に水性弾性塗料の未浸潤部（８）が存
在するようにその塗料の塗布含浸を行うことが接着性、
保管時のシート部材間接着を防ぐことが出来て好ましい
。

化粧層の塗布積層形成法としてはロールコータ−、スプ
レー、フローコーター、ドクターナイフ等を用いる方法
が好適に用いられる。水性弾性塗料を塗布後１００〜１
２０℃の温度で１分間程度乾燥することにより、防水層
（２）、化粧Ｍ（３）が形成できる。乾燥後の化粧層（
３）表面は凹凸模様が好ましく出現する。

なお１本発明にいう透気度は、　ＪＩＳ　Ｐ　８１１７
に準拠して、得られる測定値である。

本発明の外装用防水化粧シートを、第２図に示すように
、多孔質壁材たとえば軽量コンクリート板（ＡＬＣ板）
などで構成した外壁面下地（７）に接着剤層（６）にて
貼着させる。その際、接着剤層（６）とこの防水化粧シ
ートとの間の眉間剥離性防止の観点から、上記のように
化粧シートの一表面に前記水性弾性塗料の含浸が及ばず
接着剤がこの化粧シートの表面ないし、表面近傍の内部
へ浸透、含浸し得るようにシート部材に水性弾性塗料未
含浸部（８）を存在せしめておくことが本発明品をより
有用なものとする。この表面ないし表面近傍においては
、第１図の水性弾性塗料未含浸部（８）が接着剤の浸潤
により接着剤含浸部（５）を形成して、第２図のように
接着剤が繊維を抱合して、接着剤Ｍ（６）の一部となる
ことにより前記層間剥離現象をより確実に防止する。眉
間剥離防止効果は、シート部材の坪量が１０〜１００ｇ
／ｒｒｆの領域にあり透気度が１秒以下でなければ好適
に発現し得ない、詳しくは明らかでないが、前記の良好
な防水層形成に係る背景の現象と同類の現象に起因する
と推察される。

更に、前述のように繊維質シート部材の一表面ないし表
面近傍内部に水性弾性塗料の未浸潤部（８）が存在する
ようにこの塗料を含浸させると、粘着性を有するこの塗
料が表面に達しないので、本発明の外装用防水化粧シー
ト製品を巻取る操作時に、表面の粘着性が操作の支障と
なることを回避し、かつ、保管上からも極めて好適であ
る。

〈作用及び発明の効果〉 本発明は、以上のような構造の外装用防水化粧シートで
あるから、水性弾性塗料の繊維質シート部材への含浸は
均一であり、不均一含浸に起因して部分的に防水効果が
不完全となるような欠陥部の発生を完全に排除したもの
となっている。また、前記部材の一部を水性弾性塗料の
未浸潤部（８）としたことにより接着剤層と、この化粧
シートとの接着性を良好にし、より確実に前述のような
層間剥離を防止することができたのである。この態様に
おいては、接着剤の一部が未浸潤部に含浸し、接着剤層
の一部となり、層間剥離の発生防止をより確実にするの
である。

また、本発明の外装用防水化粧シートは繊維質シート部
材を、防水層形成用基材として用いたものであることに
起因して実用上好ましい強度を有している。なお、本発
明の外装用防水化粧シートは、試験の結果、ＪＩＳ　Ａ
　６９１０５．１０（透水試験）、同５．１２（耐候性
試験）、同５．１３（伸長性試験）に合格した。更に、
この防水化粧シートをＡＬＣ板の如き下地に貼着したも
のは、ＪＩＳ　Ａ　６９１０５．８（付着強さ試験）、
同５．９（温水繰り返し試験）、　同５．１１（＊撃試
験）の各試験に合格しており、更に、本発明の前記効果
を除き、ＪＩＳ　Ａ　６９１０に規定される外装用塗料
と同等の性能を有するものとなっている。

〈実施例〉 以下、実施例により本発明の外装用防水化粧シートの具
体的材料及び製造法を詳しく説明するが、これら実施例
に限定するものではない、なお、部とあるのは重量基準
で示したものである。

坪量５０ｇ／ｍ２、透気度０．５秒の厚さ０．０７ｍｍ
（７）グラスウール不織布に下記配合割合の水性弾性塗
料をロールコータ−を用いて一表面上に塗布不織布内部
へ含浸せしめた。

アクリル樹脂エマルジョン　　　１００部酸化チタン　
　　　　　　　　　　１０部炭酸カルシウム　　　　　
　　　　９０部顔料　　　　　　　　　　　　　０．８
部界面活性剤　　　　　　　　　　０．２部粘度　　　
　　　　　　　３０００〜４０００ｃｐｓ。

塗布、含浸に際して前記不織布の他の表面に水性弾性塗
料の含浸部が達しないように操作した。

次いで熱風乾燥機内で１１５℃の熱風を用いて３分間乾
燥した。

次に、乾燥塗布面上に下記配合割合の化粧用塗料をロー
ルコータ−を用いて塗布した後、１１５℃の熱風乾燥機
内で３分間乾燥した。

スチレン／アクリル樹脂エマルジョン　１００部酸化チ
タン　　　　　　　　　　　　　　１０部炭酸カルシウ
ム　　　　　　　　　　　　５０部顔料　　　　　　　
　　　　　　　　　　０．８部界面活性剤　　　　　　
　　　　　　　０．２部可塑剤　　　　　　　　　　　
　　　　　８部粘度　　　　　　　　　　　　３５００
〜４５００ｃｐｓ。

得られた外装用防水化粧シートは表面に凹凸模様を有す
る美感豊かなシートであった。

なお水性弾性塗料を塗布、含浸後の乾燥時間が不足する
場合、（例えば１分間の乾燥時間）には、多少凹凸模様
が浅く減少したが、外装用防水化粧シートとしての性能
には何ら問題はなかった。

得られたこのシートは、ＪＩＳ　Ａ　６９１０５．１０
（透水試験）、同５．１２（耐候性試験）、同５．１３
（伸長性試験）の各試験に合格した。また、この化粧シ
ートの表裏面の粘着性は極めて小さく巻取操作において
全く問題のないものであった。

次いで１本実施例で得た外装用防水化粧シートの裏面に
接着剤を１５０ｇ／耐塗布し、下地とするＡＬＣ板上に
も接着剤を２００　ｇ　／ｍ２塗布し貼着した。接着剤
としてはフィラー人アクリル系接着剤を用いた。外装用
防水化粧シートが複合されたＡＬＣ板は。

前記未含浸部に接着剤が含浸されたものとなっており、
実際の使用に際し前記層間剥離を全く生じない優れたも
のであった。

この複合ＡＬＣ板は、　ＪＩＳ　Ａ　６９１０５．８（
付着試験）、同５．９（温冷繰返し試験）、同５．１１
（衝撃試験）のいずれの試験にも合格した。

更に下地にスレート板を用い、前記の接着剤を下地に１
５０　ｇ　／ｍ塗布し、前記シーｌ−裏面には１８０ｇ
／ｒｒｆｉＪｌ布して貼着した複合スレート板について
も同様の結果を得た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る外装用防水化粧シートの断面図で
あり、第２図は接着時の同断面図である。 （１）繊維質シート部材 （２）防水層（水性弾性塗料塗布、含浸部）（３）化粧
層

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　坪量１０〜１００ｇ／ｍ＾２かつ透気度１秒以下の
   繊維質シート部材（１）と化粧層（３）と中間の防水層
   （２）からなり、該防水層（２）の一部が水性弾性塗料
   を前記繊維質シート部材（１）に含浸させた水性弾性塗
   料含浸部（４）である外装用防水化粧シート。 ２　水性弾性塗料含浸部（４）が繊維質シート部材（１
   ）の一部に水性弾性塗料未浸潤部（８）を残して形成さ
   れた特許請求の範囲第１項記載の外装用防水化粧シート
   。