JPS6312121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば複写機等のような記録装置に
結合されてページ揃えを行うソータ等に用いられ
る偏向装置に関する。

周知のように、この種の偏向装置としては、２
位置選択型の偏向板であつて、第１の位置におか
れるとき通常の記録紙の排紙皿となり、第２の位
置におかれるときソータ等へ記録紙を給送する偏
向装置が知られている。

ところで、このような機能をもつた偏向装置に
おいては、仮に偏向板上の一部を排紙皿として利
用する場合に多数の記録紙が捕集されると、この
重量によつて偏向板を切替える時駆動系統が過負
荷となり、損傷されるおそれがある。このため、
従来では、偏向板上に記録紙検知器を設けて捕集
された記録紙が偏向板上より除去されない限り、
偏向板を第２の位置に切換えることができないよ
うにされている。かしながら、このような構成で
は、たつた数枚の割込み記録紙が偏向板上に捕集
されている場合でも、直ちにソータによるページ
揃え等が再開できず複写操作に精通した監視要員
の手を煩わせる必要があり、また記録紙の除去を
怠つて紙づまり等の発生で作業能率を著しく悪化
させる等の問題がある。

本出願人は、特願昭54−153384号記載の明細書
によつて、偏向板上に記録紙が捕集されている場
合でも動作可能な偏向装置を提案している。

すなわち、記録装置から排出される記録紙を引
取り、これをソータ等へ給送する取入部搬送装置
に設けられる偏向装置において、先端を前記記録
装置に接続され、かつ第１の切換位置におかれる
とき前記取入部搬送装置上に設けられる主排紙皿
の受面となして記録紙の重量の一部を受ける上板
と、この上板と一体的に運動できるように支持さ
れ、かつ前記上板が第２の切換位置におかれると
き、この上板と協働して記録紙を取入部搬送装置
へ指向させる下板とを備えるソータ等の偏向装置
を提案した。

ここで、上記提案によつて、上記上板上に大量
の記録紙が排出され、その重量による負荷をうけ
た状態で、第２の切換位置から第１の切換位置に
あるいは第１の切換位置から第２の切換位置に切
換える際、重量に抗して作動し、あるいは重量に
もとずく力のかゝつた状態でロツクし、さらにロ
ツクを解除して初期の状態に復帰することは、大
きな動力と複雑な機構を必要とし、特に負荷の変
動によつて作動が左右される欠点があつた。

本考案は上記の欠点を一掃すべく特に考案され
た装置である。即ち記録装置から排出される記録
紙を引取り、これをソータへ給送する取入部搬送
手段と、先端を前記記録装置に接続され、かつ第
１の切換位置におけれるとき前記取入部搬送手段
上に設けられる主排紙皿の受面となして記録紙の
重量の一部を受ける上板と、この上板と一体的に
運動できるように支持され、かつ前記上板が第２
の切換位置におかれるとき、この上板と協働して
記録紙を取入部搬送装置へ指向させる下板とを備
えるソータの偏向装置において、上板と下板の切
換動作を行う歯車と、該歯車を駆動するレバー
と、該レバーを駆動するカムと、該カムを駆動す
るモーターと、前記レバーを所定位置に係止する
ストツプカムと、該ストツプカムの係止、解除を
行う係止部材とからなることを特徴とするソータ
の偏向装置によつて上記目的を達成するものであ
る。

第１図〜第２図において、ソータは自由な位置
に移動できる台車１を備え、この台車１上には垂
直方向の支持フレーム２が立設され、この支持フ
レーム２には、全体を符号３，４，５でそれぞれ
示された取入部搬送装置、分配部搬送装置及び排
紙皿装置が取付けられる。

取入部搬送装置３は、基部を前記支持フレーム
２に支持された平らたい箱状の基台６を備える。
複写機Ａの排紙口Ｂの高さに応じて図示を省略す
る調節機構により傾斜角度を調節できる。この基
台６の内部には、２対のプーリ７，８が内蔵さ
れ、これらのプーリ７，８の間には一部を基台６
の上面に露呈された無端状の搬送ベルト９が掛渡
される。そして先端を斜降された前記基台６上に
は、前記基台６に掛渡された軸１０（第１図）を
中心に開放できる主排紙皿１１が位置される。こ
の主排紙皿１１の底部には前記搬送ベルト９の上
面に転接される複数の従動ローラ１２が支持され
る。したがつて、取入部搬送装置３に取込まれた
複写機Ａからのコピー紙は、搬送ベルト９と従動
ローラ１２とに挟持されて搬送される。

また、第２図に示されたように先端部を複写機
Ａの排紙口Ｂに臨まされる取入部搬送装置３の先
端には、同排紙口Ｂから排出されたコピー紙を前
記取入部搬送装置３または前記主排紙皿１１へ振
分ける偏向手段１３が設けられる。前記基台６の
軸１４を支点として傾動できる偏向手段１３は、
前記主排紙皿１１の一部を構成する上板１５と、
偏向手段１３がはね上げられたとき、この上板１
５と協働して排紙口Ｂからのコピー紙を取入部搬
送装置３へ案内する下板１６とを備えている。

即ち、前記偏向手段１３は、複写機Ａからの割
込み複写信号や特殊紙使用信号および／またはソ
ータの“ジヤム”（紙づまり）緊急停止信号によ
つて励磁される周知の電磁ソレノイドまたは他の
機構により第２図に実線で示した位置に位置し
て、主排紙皿１１上に割込みコピー紙および／ま
たは過渡的なコピー紙を排出する。

取入部搬送装置３によつて搬送されたコピー紙
は、この取入部搬送装置３の後端に接続された垂
直方向の分配部搬送装置４に引取られ、搬送され
たコピー紙は、対応排紙皿３０上に排出される。

第３図および第４図は、本考案の特徴的構造部
である前記偏向手段１３の支持・駆動部の詳細を
示し、前述したように上板１５と下板１６は一体
的に運動できるように軸１４に支持されている。
そして後述する駆動装置によつて切換位置に回動
される前記軸１４は、駆動装置の過負荷を予防す
るため、固定された付勢ばね３９を支持し、この
付勢ばね３９の自由端部３９ａは前記下板１６の
底面に圧接され、偏向手段１３の重量を負担して
いる。後述より明らかとなるけれども、本考案に
おいては、この付勢ばね３９は、かならずしもこ
の位置に設ける必要はなく、切換運動を伝える駆
動系統の一部に付勢ばね３９に相当する蓄勢手段
を設ければよい。

第４図は、偏向手段１３の駆動・制御部の詳細
であり、前記軸１４は軸端に設けられた平歯車４
０によつて切換位置に連動される。即ち、前記基
台６に組込まれた制御モータ４１の出力軸ピニオ
ン４２は矢印方向に回転されるものであつて、こ
の出力軸ピニオン４２はカム４３と一体化された
減速歯車４４に噛合わされる。

出力軸ピニオン４２が矢印方向（第４図で時計
方向）に回転すると、減速歯車４４は反時計方向
に回転し、減速歯車４４と一体化したカム４３に
よつて、別に設けた軸４５を回動中心として回動
するレバー４６上のローラ４７を押し上げる。な
お、その際ローラ４７でストツプカム５１をバネ
５２に抗して反時計方向に回動させる。

その後、カム４３はローラ４７との圧接状態が
終る位置まで、即ちカム４３の頂部まで接触回転
した後停止する。ローラ４７はカム４３との圧接
状態がおわると、この位置で減速歯車４４の回転
軸５０を回動中心とした係合部材であるストツプ
カム５１の接触部５１ａと圧接状態となる。

ストツプカム５１は、回動軸５０を回動中心と
してバネ５２によつて、時計方向に引く力が働い
ている。ストツプカム５１の一端の係止部５１ｂ
は、係止部材５８によつてロツクされている。

係止部材５８は、５３を回動軸として、バネ５
７によつて反時計方向に付勢され、電磁ソレノイ
ド５４が励磁されているときは係止部５１ｂをロ
ツクしている。

一方、レバー４６の基部の扇形歯車４９は、さ
きの偏向手段１３の回動軸１４の端面にある平歯
車４０に噛合されている。

いま、割込みコピー等が終了してソータにコピ
ー紙を送りたい場合に、制御モータ４１が回転さ
れると、レバー４６はカム４３の形状に応じて、
その取付軸４５を中心として枢動され、扇形歯車
４９によつて最終的に軸１４に時計方向に回動さ
せる。（第３図では反時計方向となる。）このた
め、軸１４は偏向手段１３の重量を負担する付勢
ばね３９を介して偏向手段１３にこの切換運動を
伝える。なお、前記制御モータ４１は、複写機か
らの割込み終了信号等によつて偏向手段１３を第
３図の実線示の位置から仮想線で示す位置へはね
上げ、このはね上げ位置を感知するマイクロ・ス
イツチ４９の指令によつて制御モータ４１が停止
されるけれども、このマイクロ・スイツチ４９が
偏向移動される定められた予定時間内に偏向手段
１３を感知しない場合には自動停止するように回
路構成されている。また、このマイクロ・スイツ
チ（図示せず）の信号はページ揃え再開可能信号
としても利用される。

以上の説明で明らかなように、偏向板１５を排
紙皿の一部とし、かなりのコピー紙の重量が負荷
されている場合でも、ピニオン４２と減速歯車４
４の歯車比を適当にとり、カム４３の形状を作動
時の負荷が一様となるように設定することによつ
て、制御モータ４１は大きな出力を必要としない
で作動することとなる。

次に、割込み複写信号“ジヤム”緊急停止信号
や特殊紙使用信号が発信されると、これらの信号
によつて、まず電磁ソレノイド５４の励磁を解除
すると、バネ５６によつて付勢されたレバー５５
は、取付軸５３を回動中心として時計方向に回動
し、レバー５５の立上り部５５ａは係止部材５８
を時計方向に付勢して、係止部５１ｂのロツクが
解除される。

ストツプカム５１とローラ４７の圧接は、逃げ
勾配となつているのと偏向板１５の自重による落
下力が働き出力軸ピニオン４０により扇形歯車４
９を介してレバー４６が時計方向に回動力が働
き、前記圧接力の回転分力はバネ５２の張力に打
勝つてストツプカム５１は反時計方向に回動し、
レバー４６は時計方向に回動し、軸１４は反時計
方向に回動する。（第３図では時計方向となる）
第３図で偏向手段１３は実線の位置に移動する。

上記の構造は、説明からも明らかなように、ス
トツプカム５１の接触部５１ａの勾配を適当にと
ることで、バネ５２の張力よりもやゝ大きな時計
方向へのトルクがかかるようにするときは、係止
部５１ｂのロツクを解除することは力を要するも
のでなく電磁ソレノイド５４は大きな容量は必要
としない。

以上述べたように、本実施例の偏向装置は、コ
ピー紙の重量に基ずく負荷が変動しても同じよう
に作動し、かつ制御モータや電磁ソレノイドは特
に大きな出力を要しないで、偏向手段１３を自由
に切換えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を施したソータの全体外観斜
面図、第２図は、同ソータの断面図、第３図は、
偏向装置の拡大断面図で、第４図は、偏向装置の
駆動部の平面図である。 １３……偏向手段、１４……軸、４１……制御
モータ、４３……カム、４７……ローラ、５１…
…ストツプカム（係合部材）、５４……電磁ソレ
ノイド、５８……係止部材、５２，５６，５７…
…引張バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録装置から排出される記録紙を引取り、これ
   をソータへ給送する取入部搬送手段と、先端を前
   記記録装置に接続され、かつ第１の切換位置にお
   かれるとき前記取入部搬送手段上に設けられる主
   排紙皿の受面となして記録紙の重量の一部を受け
   る上板と、この上板と一体的に運動できるように
   支持され、かつ前記上板が第２の切換位置におか
   れるとき、この上板と協動して記録紙を取入部搬
   送装置へ指向させる下板とを備えるソータの偏向
   装置において、上板と下板の切換動作を行う歯車
   と、該歯車を駆動するレバーと、該レバーを駆動
   するカムと、該カムを駆動するモーターと、前記
   レバーを所定位置に係止するストツプカムと、該
   ストツプカムの係止、解除を行う係止部材とから
   なることを特徴とするソータの偏向装置。