JPS6312105Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は粉状材料気送装置に関するものであ
る。

乾燥した材料を貯蔵しつつこれを施工現場に搬
送する手段として、気密タンクの底域にコーン状
をなしたフイードホイールを内蔵させ、このフイ
ードホイールに近い部位に、フイードホイールの
下側に配したポケツト群に噴口が臨むごとくエア
吹込みノズルを固定する一方、エア吹込みノズル
の直下又は側方に向け吐出部を設け、吐出部と接
続したホースにより先端のノズルなどへ気流搬送
する構造のものが知られている。

このタイプの気送装置は、材料を要時まで乾燥
状態を保たせながら貯蔵できることや、ポケツト
の容積とフイードホイールの回転数の制御により
比較的容易に定量吐出を行えるため、炉の補修の
ための炉材吹付け機などに多く利用されている
が、気送材料が炉材のような粒度の荒いものでな
く、急結剤やセメントなどのいわゆる微粉と称さ
れるものである場合には、フイードホイールの上
面とエア吹込みノズルの下面（噴口面）とのすき
間からかなり多量に侵入し、ポケツトに吹込まれ
る圧縮エアにより吐出部に吸込まれる現象が生じ
る。

この対策としてエア吹込みノズルの下側に翼板
または調整板と称する張出し部材を設け、この張
出し部材でエア吹込みノズルゾーンをカバーし、
ポケツト内に充填された粉状材料の摺り切りを行
う構造のものもあるが、張出し部材の下面とフイ
ードホイールの上面にはすき間があり、そのすき
間の減少は加工精度から限界があると共に、フイ
ードホイールは回転中にわずかながら上下方向の
振れを伴うため、すき間を小さくすると張出し部
材と摩擦を起し、回転不整や異常摩耗が生ずる。
そのため、この方法をとつても粉状材料の漏れを
防止できず、定量吐出精度の低下による添加量の
バラツキが生じやすいという不具合があつた。

本考案は上記のような従来のこの種気送装置の
不具合を解消し、急結剤などの粒度の細かい材料
を気送する場合に高精度の定量吐出を行える構造
簡易な粉状材料気送装置を提供しようとするもの
で、その特徴とするところは、エア吹込みノズル
の底面を残して外周を囲むノズルフードの底板部
に、フイードホイールの複数のポケツト分に相当
する接触面積を有しエア吹込みノズルの噴口に対
応する位置に開口を形成した弾性体を取付け、タ
ンク内底に張設したスペーサーには吐出口を中心
として複数のポケツト分に相当する大きさの窓孔
を形成し、この窓孔にノズルの噴口に対応する開
口を有する弾性体を取付けたことにある。

以下本考案を添付図面に示す実施例に基づき説
明する。

第１図は本考案による粉状材料気送装置の一例
を示すもので、１はタンクであつて、上側には気
密蓋１２を有する材料投入口１０が設けられ、下
側には底部１１に近くフイードホイール２が配さ
れている。フイードホイール２は中心に駆動軸１
３を有し、コーン部より上側にはアジテータ２０
が固定されると共に、コーン部に続くリング状部
には全周にわたり一定の間隔でポケツト２１が形
成されている。

３は屈曲状のエア吹込みノズルで、フイードホ
イール近傍のタンク側壁部に内設され、先端下面
にはポケツト２１に臨む噴口３１が形成され、後
端はエア供給管１４が接続されるようになつてい
る。４は前記エア吹込みノズル３の噴口軸線方向
に設けられた吐出口であり、図示するものではタ
ンク底部（底側部を含む）１１およびその上のス
ペーサー１５を貫く開孔４１とこれと同心状の筒
状部材４２とから構成されている。

上記のような構造は従来のこの種気送装置とほ
ぼ同様であるが、本考案は、前記フイードホイー
ル２の上下面とりわけエア吹込みノズルを含みそ
の両側のポケツト複数個分づつのゾーンに適度の
圧力をもつて接するブロツク状や板状の弾性体
５，５′を取付けたもので、すなわち、具体的に
は、第２図と第３図のようにエア吹込みノズル３
の底面を残して外周を囲む空所を備えたノズルフ
ード７を用い、これの背板部８をもつてタンク内
壁に固定すると共に、下側の底板部９に前記弾性
体５をビスなどにより固定し、噴口３１に対応す
る位置に開口５１を形成している。

また、本考案は、フイードホイールの底面側か
らの粉状材料の漏出をも防止するため、底部に張
つたスペーサー１５の一部すなわち吐出口４を中
心としてポケツト数個分の領域に窓孔１６を形成
し、この窓孔１６を介して板状の下側弾性体５′
を取付け、この下側弾性体５′とさきのエア吹込
みノズル側の弾性体５によりフイードホイール２
を上下面から挾持するようにしている。

弾性体５，５′はゴム質または合成樹脂質など
の可縮材料からなつており、シールに必要な厚さ
を備えると共にポケツト２１の数個分以上の接触
面積を有している。本実施例では下側の弾性体
５′を円形としているがこれに限られるものでな
いのはもとよりであり、 その他図面において、１７はバルブ、１８はレ
ベルスイツチ、１９はモータである。

本考案は上記のような構成からなるので、材料
投入口１０から急結剤などの粉状材料を投入して
気密蓋１２により密閉し、この状態で駆動軸１３
を所定の回転数で駆動すると共にエア吹込みノズ
ル３に所定圧力の圧縮エアを送給する。こうすれ
ば、タンク内に貯蔵された粉状材料は底層からフ
イードホイール２に配されているポケツト２１に
充填され、フイードホイール２が回転して各ポケ
ツト２１が吐出口４の直上を通過するごとにエア
吹込みノズル３の噴口３１から噴射きれる圧縮エ
アにより吐出口４へ排出され、図示しないホース
を介して所要機器たとえば混合ノズルやメインホ
ースなどに気送され、他材料と混合して施工され
る。

上記のようなタンク１からの排出に際し、本考
案ではエア吹込みノズル３の噴口３１を中心とし
て両側に弾性体５を取付け、この弾性体５の下面
をフイードホイール２の上面と適度の圧力で密接
させるようにしている。そのためフイードホイー
ル２の上下の振れがこの部位で吸収され、エア吹
込みノズル３の周辺が気密にシールされる。この
ようなことから、粉状材料が粒度の細かいもので
あつてもエア吹込みノズル３の下面とフイードホ
イール２のすき間から吐出口４に侵入することが
皆無となり、正確にポケツト容積分だけの材料が
吐出されることになる。

しかも、本考案はフイードホイール２の下面側
のスペーサー１５に形成した窓孔１６を介して弾
性体５′を取付け、これに噴口に対応する開口５
１′を形成しており、吐出ゾーンにおけるフイー
ドホイール２の上下面が弾性的に挾圧されるため
フイードホイール２の変位がより確実に吸収され
ると同時にシール性が高くなり、ポケツト２１の
上下面すなわちフイードホイール２とエア吹込み
ノズル３のあいだおよびフイードホイール２とス
ペーサー１５ないしタンク底部のあいだへの材料
侵入と吸込み吐出が完全に防止される。また、同
時にフイードホイール２とスペーサー１５との接
触による摩耗も防止される。

以上説明した本考案によるときには、タンク１
とフイードホイール２およびエア吹込みノズル３
を備えたタイプの粉状材料搬送装置において、前
記エア吹込みノズル３の底面を残して外周を囲む
ノズルフード７の底板部９に、フイードホイール
２の複数のポケツト分に相当する接触面積を有し
エア吹込みノズル３の噴口に対応する位置に開口
５１を形成した弾性体５を取付け、タンク内底に
張設したスペーサー１５には吐出口４を中心とし
て複数のポケツト分に相当する大きさの窓孔１６
を形成し、この窓孔にノズル３の噴口に対応する
開口５１′を有する弾性体５′を取付けたので、エ
ア吹込みノズル３とフイードホイール上面間およ
びスペーサー１５とフイードホイール下面間にギ
ヤツプを有せしめたままフイードホイール２を高
速回転しても、これにより生ずる上下の振れを各
回転毎に制振してエア吹込みノズル３の噴口３１
と吐出口４とポケツト２１とを精密に整合させる
ことができ、したがつて弾性による広い面での密
着作用とあいまち、タンク内の微粉を正確に計量
して高速、連続吐出することができる。

しかも、スペーサー１５、フイードホイール、
エア吹込みノズル３の加工精度、組立精度を低く
抑えることが可能になるため製作が容易となり、
また、ノズルフード７の取外しにより弾性体５
を、スペーサー１５の窓孔１６からの脱着により
弾性体５′をそれぞれ簡単に交換できるため、メ
インテナンスも容易化することができるなどの優
れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の全体的構成を示す部分切欠側
面図、第２図は本考案の要部を示す縦断側面図、
第３図は同じくその部分切欠平面図である。 １……タンク、２……フイードホイール、３…
…エア吹込みノズル、４……吐出口、５，５′…
…弾性体、９……底板部、１５……スペーサー、
１６……窓孔、２１……ポケツト、３１……噴
口、５１，５１′……開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粉状材料を収容するタンク１と、該タンクに回
   転自在に内蔵されたフイードホイール２と、該フ
   イードホイールの周部に配されたポケツト２１に
   噴口が望むエア吹込みノズル３と、エア吹込みノ
   ズル３に対峙するごとくタンク底側に設けられた
   吐出口４とを備えたものにおいて、前記エア吹込
   みノズル３の底面を残して外周を囲むノズルフー
   ド７の底板部９に、フイードホイール２の複数の
   ポケツト分に相当する接触面積を有しエア吹込み
   ノズル３の噴口に対応する位置に開口５１を形成
   した弾性体５を取付け、タンク内底に張設したス
   ペーサー１５には吐出口４を中心として複数のポ
   ケツト分に相当する大きさの窓孔１６を形成し、
   この窓孔にノズル３の噴口に対応する開口５１′
   を有する弾性体５′を取付けたことを特徴とする
   粉状材料気送装置。