JP4818532B2 - 粉体定量供給機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体を空気圧・粉圧の影響を少なくして所定供給量排出する粉体定量供給機であって、特に排出する粉粒体を空気輸送して供給する粉体定量供給機において空気圧で供給量の精度が低下するのを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気輸送管内に粉粒体を送り込む粉体定量供給機に於いて、空気輸送管の空気圧が定量供給機構に作用して、空気が定量供給機構、その貯室及び上方の貯槽へ移動し、これが粉粒体の移動を乱して正確な定量供給の障害となっていた。具体的には、粉体を低圧圧送する直接空気輸送用粉体定量供給機に於いて、空送圧がサイロ側の粉圧より高くなった場合、空送管側のエアーがサイロ側にリークするバブリング現象とその現象に起因したラットホールが発生し、エアーの吹き抜け抵抗が低下する。その結果、リークエアー量が増加するにしたがって供給量が減少し、定量供給機としての性能が保持できない状態となる。
この解消方法として、
A.摺動部をエアシールして非接触(供給盤と貯室底部及び摺切板との間に隙間がある状態)にする方式が案出された。
この方式は部品の耐久性が高くコストが低いので広く採用されている方式があるが下記の問題がある。
(1) 部品の加工精度による軸振れや熱膨張等の寸法変化を考慮する必要があるため、隙間を0.3mm以下にすることは困難である。
(2) エアーシール機能はサイロ内の粉体圧とシール機能に依存する方式であり粉体のかさ密度が低いほど粉体シール機能が低くなるため、適用可能な空送圧損が8kPa以下に限定される。
B.又この方式に代え、エアースプリングで摺切板と供給盤を接触させる方式が案出されている。
エアースプリングで摺切板を供給盤に接触させ、エアースプリング内圧と空送管圧力を均圧させることで、摺動部の接触圧力を調節できる機構が提案されているが、この方式には下記の欠点がある。
(1) 供給盤外周(部曲面部)にはシール機構を適用できないのでエアシール性能に限界がある。
(2) エアースプリングによる均圧方式は供給盤部の隙間を小さくし、且つエアースプリングとの摺動圧力を低くして摺動抵抗を低くし、耐久性を向上させることができる方式であるが、反面、圧力バランスが崩れた場合(供給盤側の圧力とスプリング側に差圧が発生)低い差圧で隙間が発生する可能性がある。
(3) サイロ側の粉体シール機能が高い場合、空マスのエアーがサイロ側に脱気できないため、撹拌円筒内の圧力が空送管側の圧力より高くなり、差圧が一定以上になるとエアースプリングが差圧により圧縮されて供給盤部の隙間が増加しフラッシングが発生する可能性がある。
(4) エアースプリングは低い差圧で変形するため、ブリッジやラットホールの崩壊による急激な圧力上昇により隙間が増加し、フラッシングが発生する危険性がある。
(5) 1台の定量供給機に複数の供給部を有する多方向供給機の場合は各空送ライン間に差圧が生じている場合、撹拌円筒内とエアースプリングの圧力に差異が生じるため均圧システムが影響を受ける。
(6) 万一エアースプリングが摩耗等で損傷した場合、隙間が増加し定量性能が失われる。
C.ゴム製ローターによるシール方式
羽根部を受盤に圧接させる方式でシール機能は高いが下記の欠点がある。
(1) 耐久性が低い
羽根先端部が常時受盤と摺動するため、早期に摩耗が進行し、シール機能が低下する。
(2) ゴムの熱膨張係数が高いため、ローター側面を完全にシールすることができないので、リークエアーを完全に遮断できない。
D.固定ローターによる方式
計量マス部は固定で上下の摺切板が回転する機構でシール部が少ない利点はあるが、粉体入り口及び出口が1面しかないので下記の欠点がある。
(1) 充填側の上面のみでは空マス内のエアーと粉体との置換が困難であるため外部エアーによる強制充填が必要である。
(2) 排出側も下面の粉体吐出口のみではリーク圧力に抗して粉体が落下できないので、外部エアーによる強制排出が必要である。
(3) 強制充填及び強制排出用エアーを使用すると、撹拌円筒内の圧力が変動し、マスに充填されたかさ密度も変動するため供給量が変動する。
(4) マス粉体吐出口部がサイロ側の粉圧を直接受ける位置にあるので充填かさ密度はサイロ内の粉圧変動の影響を受けやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの方式の問題点を解消し、摺動抵抗が低くてしかも高いシール性能を得ることができ、空気圧・粉圧等の影響を少なくして高精度の給粉を可能とする粉体定量供給機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 粉体を貯える貯室の周辺側底部に外周に羽根を放射状に複数設けて羽根間に粉体が収容される小室を複数形成した円盤状の供給盤を小室の一部が貯室外になるように配置し、同供給盤を回転させる回転駆動部を設け、同貯室外の供給盤部分をケーシングで密閉し、同ケーシングに供給盤の小室に収容した粉体を外部に排出する粉体吐出口を設けた粉体定量供給機に於いて、ケーシングと供給盤との間の間隙に弾性体のシール材を取付けて、同間隙から粉体と空気の移動を遮断するとともに、同シール材が供給盤の上面とケーシングの天井面との間隙に放射状に取付けられた上面シール材と,ケーシングの天井面と供給盤との間隙で小室の内側位置に円弧状に取付けられた上面リングシール材と,供給盤の周端とケーシングとの間隙に取付けられた周面シール材と,ケーシングの底面と供給盤の下面との間に放射状に取付けられた下面シール材と,ケーシングの底面及び貯室底面と供給盤の下面との間隙で小室の内側位置にリング状に取付けられた下面リングシール材とから構成され、高精度の供給精度を得ることを特徴とする粉体定量供給機
2) 粉体吐出口が空気輸送管の管路中に設けられた前記1)記載の粉体定量供給機
3) シール材の先端の接触部を先細り形状とした前記1)又は2)何れか記載の粉体定量供給機
にある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は回転する供給盤とその外周のケーシング・貯室底部との間の空隙に弾性体のシール材を設けたことによって、シール材が弾性変形して空隙をよく遮断し、シール性がきわめて高くなり、供給盤の外周空隙を介しての空気及び粉体の移動を停止させる。ケーシングの天井壁の下面及び貯室底部の上面に設けた半径方向に放射状に設けたシール材によって空気・粉体の円周方向の移動を遮断し、又、ケーシングの天井壁の下面又は貯室底部の底面に設けた円弧状のシール材は、供給盤の上面・下面での半径方向の空気・粉体の移動を遮断する。
シール材の取付けは、接着・焼付接合・嵌着等の手段による。
更に、シール体との先端を先細り形状(M形状にV字状溝を設ける形状とすることで、よく変形して圧接し易くなり、シール性が更に良好となる。
本発明のリングシートの数は複数設けることでシール性を高めることができる。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例は供給盤とケーシングとの間の間隙に、上面シール材と下面シール材を放射状に設け、又供給盤の小室の内側に上面リングシール材と下面リングシール材とを設け、又ケーシングと供給盤との対向する側面に周面シール材を設けた例である。これらシール材はゴム質で断面M型の先細り形状である。
【0007】
図1は、実施例の縦断面図である。
図2は、実施例の供給盤と上面シール材と周面シール材と上面リングシール材とを示す説明図である。
図3は、実施例のケーシング下面の下面シール材と下面リングシール材とを示す説明図である。
図4は、実施例の要部を示す断面図である。
図5は、実施例のケーシング天井壁を示す説明図である。
図6は、実施例のケーシング底面部を示す説明図である。
図7は、実施例のシール材の断面形状例を示す説明図である。
【0008】
図中、Sは実施例の粉体定量供給機、1は貯室、1aは貯室底面、1bは貯室側面、1cは貯室底面1aの周辺部分に設けた供給盤3への粉体充填口、2は貯室内に設けた撹拌羽根、2aは同撹拌羽根を回動させるモータ駆動部、3は供給盤、3aは同供給盤の外周に周設した羽根、3bは同羽根間に形成される粉体を収容する小室、3cは供給盤を回動させるモータ駆動部である。4は供給盤3の貯室1外部分を封止するケーシング、4aは粉体を吐出する粉体吐出口、4bは摺切板となるケーシング天井壁、4cはケーシング底面壁である。5は粉体吐出口4aに空気を上下方向に送り込む空気輸送管、6aはケーシング天井壁4bの下面で小室3bの回転軌跡となる領域の位置に放射状に取付けた上面シール材、6bはケーシング天井壁4bの下面で小室3bの内側となる位置に円弧状に取付けた上面リングシール材、6cは供給盤の外周端とケーシング側面との間をシールする周面シール材、6dはケーシング底面壁4cの上面で供給盤3の小室3bの回転軌跡となる領域の位置に放射状に取付けた下面シール材、6eはケーシング底面壁4cの上面で小室3bの内側に円状に設けた下面リングシール材である。7は貯室1の上方に設けた粉体サイロである。
【0009】
この実施例では、粉体サイロ7の粉体は貯室1に流下し、貯室1の底面にある撹拌羽根2によって撹拌されながら、貯室1の底面の粉体充填口1cから落下して供給盤3の小室3bへ充填される。供給盤3はモータ駆動部3cで所定速度で回転されていて、小室3bに充填された粉体は供給盤3の回転によって貯室1内から貯室外のケーシング4に移動するときにケーシング天井壁4bで摺切られて一定量にされて回転し、粉体吐出口4aの位置に到ると空気輸送管5の空気流によって小室3b内の粉体は運ばれて空気輸送管5によって搬送される。
【0010】
ここで空気輸送管の空気圧はケーシング4と供給盤3との間の間隙に作用し、貯室1内,粉体サイロ7内へ流入しようとするが、シール材によってその空気移動及び空気圧・粉圧による粉体の移動を防止している。
【0011】
小室3bの羽根3aの上辺、下辺を介しての円周方向の空気・粉体の流れは放射状に複数設けた上面シール材6aと下面シール材6dによって防止し、又ケーシング内側面と供給盤3の外周端との間は周面シール材6cによってシールされ、更に、供給盤3とケーシング4の半径方向への空気・粉体移動は上面リングシール材6bと下面リングシール6eによってシールしている。これら3方向を遮断するシール材によって空気・粉体の移動を防止し、空気輸送の空気圧、及び粉体からの大きな粉圧による空気・粉圧との影響を抑え、高精度な定量供給としている。
【0012】
特に、上記上面シール材6a,上面リングシール材6b,周面シール材6c,下面シール材6d,下面リングシール材6eの先端はM形状で先細りとなって変形し易くすることで摩擦を少なくしてシール性を良好なものとしている。
【0013】
尚、図7にシール材の断面形状例を示している。図中(a)は、断面M形状で両端が先細りとなっていて、図中(b)は、断面が正三角形で中央が尖がっている三角形状、(c)は断面I型の例である。断面M形状のものが、他のシール材との間の境界の気密性を高くできるので好ましい。
【0014】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば供給盤とケーシングとの間の間隙をシール材でもってシールすることで空気圧・粉圧の影響で空気・粉体がリークするのを防止し、その影響を抑えている。
特に放射状の上面シール材・下面シール材,円弧状の上面リングシール材・下面リングシール材及び周面シール材とによってシールすることで略それらのリークを防止して影響をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の縦断面図である。
【図2】 実施例の供給盤と上面シール材と周面シール材と上面リングシール材とを示す説明図である。
【図3】 実施例のケーシング下面の下面シール材と下面リングシール材とを示す説明図である。
【図4】 実施例の要部を示す断面図である。
【図5】 実施例のケーシング天井壁を示す説明図である。
【図6】 実施例のケーシング底面部を示す説明図である。
【図7】 実施例のシール材の断面形状を示す説明図である。
【符号の説明】
1 貯室
1a 貯室底面
1b 貯室側面
1c 粉体充填口
2 撹拌羽根
2a モータ駆動部
3 供給盤
3a 羽根
3b 小室
3c モータ駆動部
4 ケーシング
4a 粉体吐出口
4b ケーシング天井壁
4c ケーシング底面壁
5 空気輸送管
6a 上面シール材
6b 上面リングシール材
6c 周面シール材
6d 下面シール材
6e 下面リングシール材
7 粉体サイロ
S 粉体定量供給機
Claims (3)
- 粉体を貯える貯室の周辺側底部に外周に羽根を放射状に複数設けて羽根間に粉体が収容される小室を複数形成した円盤状の供給盤を小室の一部が貯室外になるように配置し、同供給盤を回転させる回転駆動部を設け、同貯室外の供給盤部分をケーシングで密閉し、同ケーシングに供給盤の小室に収容した粉体を外部に排出する粉体吐出口を設けた粉体定量供給機に於いて、ケーシングと供給盤との間の間隙に弾性体のシール材を取付けて、同間隙から粉体と空気の移動を遮断するとともに、同シール材が供給盤の上面とケーシングの天井面との間隙に放射状に取付けられた上面シール材と,ケーシングの天井面と供給盤との間隙で小室の内側位置に円弧状に取付けられた上面リングシール材と,供給盤の周端とケーシングとの間隙に取付けられた周面シール材と,ケーシングの底面と供給盤の下面との間に放射状に取付けられた下面シール材と,ケーシングの底面及び貯室底面と供給盤の下面との間隙で小室の内側位置にリング状に取付けられた下面リングシール材とから構成され、高精度の供給精度を得ることを特徴とする粉体定量供給機。
- 粉体吐出口が空気輸送管の管路中に設けられた請求項1記載の粉体定量供給機。
- シール材の先端の接触部を先細り形状とした請求項1又は2何れか記載の粉体定量供給機。
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JP2001152412A JP4818532B2 (ja) | 2001-05-22 | 2001-05-22 | 粉体定量供給機 |
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JP2001152412A JP4818532B2 (ja) | 2001-05-22 | 2001-05-22 | 粉体定量供給機 |
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