JPS6312086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は移動式格納装置、詳しくは複数のス
プロケツトと、これらスプロケツト間に張設する
無端帯とから成る移動装置の２組を対向状に配置
して、これら移動装置の無端帯間に複数の格納棚
を架設し、前記移動装置の駆動により前記各格納
棚を周回させるごとくした移動式格納装置に関す
る。

この種格納装置に金型などの被格納物を格納す
る場合、移動装置の駆動により空の格納棚を前記
格納装置の前面側に周回位置させ、この空の格納
棚に被格納物を積載し、該格納棚を再び周回させ
て被格納物を格納するのであり、また前記被格納
物の取出時には、所望の被格納物が積載された格
納棚を前記格納装置の前面側に周回位置させて、
該格納棚から被格納物を取出すごとくしている。

ところで従来の格納装置にあつては、前記被格
納物の格納・取出時に、該被格納物が軽量・小形
の場合は、手で簡単に持上げて格納・取出作業が
できるのであるが、前記被格納物が大形で重量大
の場合には、前記格納・取出作業が簡単にはでき
なかつたのである。

また従来の格納装置では、前記格納棚に重量大
の被格納物を一旦積載すると、該被格納物の移動
が困難であり、従つて被格納物の積載後に、さら
に別の被格納物を順次積載するような場合に、詰
合わせて積載することができず、前記格納棚の格
納量が少なくなつて、該格納棚を有効利用するこ
とができなかつたのである。

本考案は以上のごとき各種問題に鑑みて考案し
たもので、その目的は、格納棚にフオークリフト
のフオーク爪挿入間隔を形成することにより、フ
オークリフトなどの取出機つまり機械力を用い
て、格納棚への被格納物の格納・取出作業を極め
て簡単かつ省力的に行なうことができ、また被格
納物の格納棚上における積載位置を変更可能とな
し、前記被格納物を格納棚上に詰合わせて積載す
ることにより、格納棚の格納量を大となして、該
格納棚を有効利用できる格納装置を提供すること
にある。

しかして本考案の構成は、前記格納棚を、前記
無端帯に連結され、かつ、前記スプロケツトの軸
方向に延びる長さをもつ棚本体と、ローラを備
え、後部に被格納物のストツパーを設けた複数の
受体とから構成し、これら受体を、前記棚本体の
上面に、受枠を介して、前記棚本体の長さ方向に
取付位置変更可能に取付けると共に、前記棚本体
の上面と前記受体の上面との間にフオークリフト
のフオーク爪挿入間隔を設けたことを特徴とする
ものである。

以下本考案にかかる移動式格納装置を図面の実
施例によつて説明する。

図中１は移動式格納装置の機枠で、該機枠１内
に、上下対向状に設けた１対のスプロケツト２
ａ，２ｂと、該スプロケツト２ａ，２ｂ間に張設
した無端帯３とから成る移動装置４の２組を、所
定間隔をあけて左右対向状に配置すると共に、前
記各移動装置４の無端帯３間に複数の格納棚５を
架設して、前記移動装置４の駆動により前記各格
納棚５を前記機枠１の上下方向に周回させるごと
くしている。

しかして前記格納棚５は、第２図のごとく、前
記無端帯３に連結され、かつ、前記スプロケツト
２ａ，２ｂの軸方向に延びる長さをもつ棚本体６
と複数の受体７とから構成し、受体７に、複数の
ローラ８と、後部に被格納物のストツパー９を設
けると共に、前記受体７を、前記棚本体６の上面
に、受枠７ｂを介して、前記棚本体６の長さ方向
に取付位置変更可能に取付けるごとくしたのであ
る。

具体的には、前記棚本体６を所定間隔をあけて
平行に延びる２本の角形棒杆６ａと、該各棒杆６
ａの長さ方向両端に結合した２枚の側板６ｂとか
ら形成し、この各側板６ｂを前記各無端帯３に、
棚本体６が常に水平状態で周回されるごとく支持
させるのである。

また前記受体７は、上部を開放した断面コ形状
をなし、かつ前記棚本体６の前後方向に延びる２
本１組とする複数組の杆体７ａ……から形成し、
該各杆体７ａの内方前部で前後位置に２個のロー
ラ８を、それぞれ外周一部を前記杆体７ａの上端
開放部から上方に突出させて、回転自由に支持さ
せると共に、前記各杆体７ａの後部側に前記スト
ツパー９を設ける一方、前記各杆体７ａの両側で
下面に、前記棚本体６の各棒杆６ａに係合可能な
断面コ形の受枠７ｂをそれぞれ一体に設け、これ
ら各受枠７ｂを前記各棒杆６ａに係合させて、前
記各杆体７ａを前記各棒杆６ａの長さ方向に取付
位置変更可能に取付けるのである。

斯くして前記格納棚５への被格納物Ａの格納時
に、該被格納物Ａの大きさに応じて、前記受体７
における各杆体７ａの間隔を調整して前記棚本体
６の各棒杆６ａ間に取付け、また前記被格納物Ａ
が小形の場合には、複数の杆体７ａを用い、該各
杆体７ａの間隔を小として前記各棒杆６ａ間に取
付け、前記各杆体７ａに設ける各ローラ８上に被
格納物Ａを載置して内方に押動させ、該被格納物
Ａの先端下面が前記各杆体７ａ上に当接し、かつ
被格納物Ａの後端一部が前記後部ローラ８上に載
置された状態に、被格納物Ａを前記各杆体７ａ上
に積載格納するごとくなすのである。

さらに前記棚本体６の上面と前記受体７の上面
との間、つまり前記棚本体６の上面と、前記受体
７に設けるローラ８の上面との間には、第３，４
図のごとく、フオークリフトＦにおけるフオーク
爪ｆの挿入間隔ｌを形成するのであり、前記被格
納物Ａの格納棚５からの取出時に、前記フオーク
リフトＦのフオーク爪ｆを前記間隔ｌから内方に
挿入して、このフオークリフトＦで前記被格納物
Ａを外部に取出すごとくなすのである。

前記格納装置の機枠１には、第４図に示すごと
く、前面側に安全カバー１０を設け、該カバー１
０の下部に開口窓１１を形成すると共に、前記カ
バー１０の下端を開放して、前記被格納物Ａの格
納棚５への格納・取出時に、前記カバー１０の下
端からフオークリフトＦの台車ｄを挿込み、かつ
該フオークリフトＦのフオーク爪ｆを前記開口窓
１１から内方に挿込んで、前記被格納物Ａを格
納・取出すごとくしている。

このとき、前記機枠１における左右両側で、か
つ前記フオークリフトＦの台車ｄと同じ高さ位置
には、前記移動装置４に連動するフオトセンサー
などの感知センサーＳを設け、前記フオークリフ
トＦの前記カバー１０内方への挿込時に、前記セ
ンサーＳを作動させて、前記移動装置４を自動停
止させるごとくなすことが安全対策上望ましい。

また図の実施例では、前記棚本体６を形成する
各棒杆６ａの内、前部側棒杆６ａに、ストツパー
１２を着脱自在に取付け、前記格納棚５への被格
納物Ａの格納時に、前記ストツパー１２を前記棒
杆６ａに取付けることにより、被格納物Ａの前方
への脱落を防止するごとくしている。

なお、前記ストツパー１２を取付けなくても、
前記受体７の前部にのみローラ８を設けることに
より、被格納物Ａの前方への脱落を防止するごと
く成してもよい。

また前記格納棚５を前記各移動装置２の無端帯
３間に支持するにあたつては、第１図に示すごと
く、前記機枠１に上下方向に周回する２つのガイ
ドレール１３を設けると共に、前記格納棚５の各
側板６ｂにそれぞれ３本の支持杆１４を設ける一
方、この１つの支持杆１４を前記ガイドレール１
３に支持案内させ、かつ他方２つの支持杆１４を
前記無端帯３に支持させて、該無端帯３の駆動に
伴ない前記格納棚５を、水平状態を保持しながら
上下方向に周回移動させるごとくしている。

尚、前記格納棚５への被格納物Ａの格納・取出
にあたつては、フオークリフトＦのみならず上部
に多数のローラをもつローラ台を用い、該ローラ
台を前記格納棚５の前面に当てがつて、この格納
棚５のローラ８及び前記ローラ台のローラを介し
て被格納物の格納・取出を行なうことも可能であ
る。

本考案の移動式格納装置は以上のごとく構成し
たもので、格納棚５への被格納物Ａの格納時に
は、移動装置４の駆動により空の格納棚５を安全
カバー１０の開口窓１１と対向するごとく周回位
置させ、前記格納棚５の棚本体に対し受体７の取
付位置を変更調整して、フオークリフトＦにより
持運んできた被格納物Ａを、前記受体７のローラ
８を介して内方に転動格納させるのである。

また前記格納棚５から被格納物Ａを取出すとき
には、第４図に示すごとく、移動装置４により前
記格納棚５を安全カバー１０の開口窓１１と対向
状に周回位置させ、この開口窓１１から前記格納
棚５の棚本体６と受体７間に形成する間隔ｌへと
フオークリフトＦのフオーク爪ｆを挿込み、この
フオークリフトＦにより被格納物Ａを外部に取出
すことができるのである。

以上説明したごとく本考案の移動式格納装置で
は、ローラを備え、後部に被格納物のストツパー
を設けた受体を、前記棚本体の上面に、受枠を介
して、前記棚本体の長さ方向に取付位置変更可能
に取付けるごとくしたから、前記受体の棚本体に
対する取付位置を変更することにより、格納棚に
被格納物を整然と詰合わせて積載することがで
き、前記格納棚の格納量を増大して、該格納棚の
有効利用ができるのである。また前記棚本体の上
面と受体の上面との間に、フオークリフトのフオ
ーク爪挿入間隔を形成したから、前記格納棚への
被格納物の格納・取出作業を、フオークリフトや
ローラ台などの取出機械を用いて極めて簡単かつ
省力的に行ない得るに至つたのであり、しかも前
記受体に設けたローラにより、前記被格納物の格
納棚への格納・取出作業が楽に行なえるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる移動式格納装置の一部
省略側面図、第２図は同要部の拡大斜面図、第３
図は同側面図、第４図は格納棚からの被格納物の
取出状態を示す一部切欠側面図である。 ２ａ，２ｂ……スプロケツト、３……無端帯、
４……移動装置、５……格納棚、６……棚本体、
７……受体、８……ローラ、９……ストツパー、
Ｆ……フオークリフト、ｆ……フオーク爪、ｌ…
…フオーク爪挿入間隔、Ａ……被格納物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のスプロケツトとこれらスプロケツト間に
   張設する無端帯とから成る移動装置の２組を対向
   状に配置して、これら移動装置の無端帯間に複数
   の格納棚を架設して、前記移動装置の駆動により
   前記各格納棚を周回させるごとくした移動式格納
   装置であつて、前記格納棚を、前記無端帯に連結
   され、かつ、前記スプロケツトの軸方向に延びる
   長さをもつ棚本体と、ローラを備え、後部に被格
   納物のストツパーを設けた複数の受体とから構成
   し、これら受体を、前記棚本体の上面に、受枠を
   介して、前記棚本体の長さ方向に取付位置変更可
   能に取付けると共に、前記棚本体の上面と前記受
   体の上面との間にフオークリフトのフオーク爪挿
   入間隔を設けたことを特徴とする移動式格納装
   置。