JPS6311917Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として蒸気変換弁などのバルブの
開閉に用いる２個のモータで駆動される二段速度
の電動操作機に関する。

この種の操作機はバルブのストロークを規制す
るためのリミツトスイツチや弁体の位置を発信す
るための開度発信器などが設けられ、これらのも
のはそれぞれ操作機の出力軸の位置を正確に検出
するものでなければならない。そして二段速度形
の電動操作機においては当然のことながらこのリ
ミツトスイツチと開度発信器とはともに低速、高
速いずれの駆動の場合であつても出力軸の位置の
検出ができることが必要で、そのために従来は出
力軸の一端を延長し、これに減速機構を介してリ
ミツトスイツチと開度発信器との結合が行なわれ
ていた。その結果二段速度形の電動操作機は一般
に使用される一段速度形の電動操作機とは別の長
尺の出力軸が用いられ、これの取り扱いが面倒で
かつコスト高となる欠点があつた。

詳述すると従来のダブルモータ式二段速度形電
動操作機はたとえば第１図に示すように構成さ
れ、それは低速側のモータ１より出力軸１０に到
つて噛み合い結合された平歯車２および３、ウオ
ーム４およびウオーム歯車５、太陽歯車６および
後述する高速側と共通になる遊星歯車７、そして
腕８よりなる減速歯車装置９と、高速側のモータ
１１より出力軸に到つて噛み合結合されたウオー
ム１２およびウオーム歯車１３、内歯歯車１４お
よび前述の遊星歯車７、そして腕８よりなる減速
歯車装置１５と、出力軸１０の一端に減速歯車群
を介して結合された開度発信器１７およびリミツ
トスイツチ１８よりなる出力軸位置検出装置とを
主構成要素として備えている。そして太陽歯車
６、遊星歯車７、腕８、出力軸１０および内歯歯
車１４の関係は差動歯車装置として知られるもの
で出力軸１０はモータ１とモータ１１とにより駆
動された場合はそれぞれ異なつた速度すなわち二
段速度が得られるようになつている。なおモータ
１により駆動した場合の内歯歯車１４はウオーム
１２、ウオーム歯車１３により、モータ１１によ
り駆動した場合の太陽歯車６はウオーム４、ウオ
ーム歯車５による自動締り作用でそれぞれ回動が
規制されている。

一方一段速度形電動操作機はたとえば第２図に
示すように、モータ１と出力軸２０との間に噛み
合い結合された平歯車２および３、ウオーム４お
よびウオーム歯車５よりなる減速歯車装置１９
と、出力軸２０にウオーム歯車２１、ウオーム２
２および減速歯車群１６を介して結合された開度
発信器１７およびリミツトスイツチ１８よりなる
出力軸位置検出装置とを主構成要素として備えて
いる。

以上のように両電動操作機の間には構成上の相
異点があり、とくに二段速度形における出力軸１
０の一段速度形の出力軸２０に比して大幅に長く
なり、このことが二段速度形を取扱が面倒で高価
にする要因となつていた。

この考案は上記従来の欠点を除去して開度発信
器およびリミツトスイツチの検出精度を低下させ
ることなく取扱が容易でかつ安価なダブルモータ
式二段速度形電動操作機を提供することを目的と
する。

第１のモータに減速歯車装置を介して結合さ
れ、一端に第１の結合部が設けられ、回動動作す
る駆動軸と、該駆動軸の外周同心上に回転可能に
支承され一端に第１の接手を有するさや軸に結合
された出力軸位置検出装置と、を備えた一次操作
機構と、 ウオーム歯車装置と、遊星歯車と太陽歯車とを
有する遊星歯車装置とよりなる減速歯車装置を介
して第２のモータに結合され、回動動作する出力
軸を備え、該出力軸の一端には前記遊星歯車を支
承する腕が設けられ、該腕の延在部の先端には前
記第１の接手と結合可能な第２の接手が設けら
れ、前記太陽歯車には前記第１の結合部と結合可
能な第２の結合部が設けられてなる二次操作機構
と、 を備え、前記一次操作機構と前記二次操作機構
とを前記第１の接手と前記第２の接手、および前
記第１の結合部と前記第２の結合部をそれぞれ介
して結合可能に構成する、 ことによつて達成される。

以下この考案の実施例を図面に基づき説明す
る。第３図において前記第１図の従来形操作機お
よび第２図のこの考案の基礎になつた一段速度形
操作機と符号を対応させ異なるところについて説
明する。この実施例の異なるところはそれぞれに
モータを備えるユニツト化された一次操作機構３
１および二次操作機構３２の組み合せによつて二
段速度形を構成することで欠点の除いたことであ
る。そして一次操作機構３１は第２図に示した通
常の一段速度形の大方の部材を使用し、異なると
ころとしてウオーム歯車５に結合される駆動軸３
３の軸端に差し込み結合可能なたとえばキー３４
を設け、ウオーム歯車２１を駆動軸３３の外周同
心上に回転可能に支承され一端にたとえばクラツ
チなどの第１の接手３５を備えるさや軸３６に結
合されている。一方二次操作機構３２は第１図に
示した従来の二段速度形の出力軸１０を除く遊星
歯車装置部の大方の部材を使用して構成されてお
り、異なるところとして出力軸３０が遊星歯車７
を軸支する腕８に結合可能まで短縮され、腕８に
設けられた延在部８ａに第１の接手３５と結合可
能な第２の接手３７が、また太陽歯車６に駆動軸
３３に設けられたキー３４が差し込み結合可能な
キー溝３８がそれぞれ設けられている。

従つてこの構成によれば出力軸位置検出装置を
構成する開度発信器１７およびリミツトスイツチ
１８は、第１図に示した従来形における長尺物の
出力軸１０を用いることなくして出力軸３０の位
置を正確に伝達することができる。

以上述べたようにこの考案によれば一段速度形
の電動操作機をこの実施例のような二段速度形を
相定のもとに一次操作機構としてユニツト化し、
これに遊星歯車装置にモータを取付けユニツト化
した二次操作機構を組み合わせることでダブルモ
ータ式二段速度形電動操作機の構成が可能とな
り、これによつて取り扱い易くて安価なダブルモ
ータ式二段速度形電動操作機の提供ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のダブルモータ式二段速度形電動
操作機の一例の構成原理図、第２図はこお考案の
基礎になつた従来の一段速度形電動操作機の一例
の構成原理図、第３図はこの考案によるダブルモ
ータ式二段速度形電動操作機の一実施例の構成原
理図である。 １：第１のモータ、２，３，４，５：減速歯車
装置を構成する歯車、６，７，１４：遊星歯車装
置を構成する歯車、８：遊星歯車装置の腕、１
１：第２のモータ、１７，１８：出力軸位置検出
装置を構成する開度発信器とリミツトスイツチ、
３０：出力軸、３１：一次操作機構、３２：二次
操作機構、３３：駆動軸、３５：第１の接手、３
７：第２の接手。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 第１のモータに減速歯装置を介して結合され、
   一端に第１の結合部が設けられ、回動動作する駆
   動軸と、 該駆動軸の外周同心上に回転可能に支承され一
   端に第１の接手を有するさや軸に結合された出力
   軸位置検出装置と、 を備えた一次操作機能と； ウオーム歯車装置と、遊星歯車と太陽歯車とを
   有する遊星歯車装置とよりなる減速歯車装置を介
   して第２のモータに結合され、回動動作する出力
   軸を備え、 該出力軸の一端には前記遊星歯車を支承する腕
   が設けられ、該腕の延在部の先端には前記第１の
   接手と結合可能な第２の接手が設けられ、前記太
   陽歯車には前記第１の結合部と結合可能な第２の
   結合部が設けられてなる二次操作機構と； を備えてなり、 前記一次操作機構と前記二次操作機構とを、前
   記第１の接手と前記第２の接手、および前記第１
   の結合部と前記第２の結合部をそれぞれ介して結
   合可能に構成したことを特徴とするダブルモータ
   式二段速度形電動操作機。