JPS6311614B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はサイドスリツプテスターに関し、特に
被試験車の車輪のアライメント不良によるサイド
スリツプ量を車輪の略軸芯方向に横移動するフレ
ームの下部に設けた回動台の回動量におきかえ
て、該回動量を検出器で読み取ることによつて車
輪のサイドスリツプ量を知ることができる自動車
車輪のサイドスリツプテスターに関する。

従来、サイドスリツプテスターの一種として滑
動板上に左右一対の踏板を横移動自在かつリンク
にて関係的に移動するように載置し、自動車の車
輪を踏板上に載せることによつて、滑動板の指示
器に自動車車輪軸の正、不正を指示すると共に、
踏板の指示器に車輪のサイドスリツプに応じて移
動し、これを指示器に表示する、いわゆる踏板横
移動式の検査装置が実施化されている。この検査
装置は被試験車を左右一対の踏板上に通過させ、
その際、車輪のアライメント（車輪整例）の起因
により踏板が横移動し、該移動量により車輪のサ
イドスリツプ量を知るものである。しかし、該検
査装置は被試験車を前後に移動させつつサイドス
リツプ量を測定するので、手数と時間を要する。
特に、サイドスリツプを適正値になるよう修正す
る作業の際は、繰返し測定を行なわなければなら
ず、場所と時間と手数などを要した。また被試験
車を床面と踏板前後の接目部分を通過させるの
で、車輪が該接目部分を通過する際に必然的にサ
イドスリツプ量の誤差を生じさせるなどの欠点が
あつた。一方、車輪のアライメントに起因するス
ラストを受けて軸方向の移動をする測定ローラー
を一対の平行ローラー間に配設し、前記測定ロー
ラーをローラー昇降器で車輪のトレツド下側に軟
圧接させて測定するサイドスリツプ測定装置も提
案されている（実公昭55−11478号）。この装置は
前記移動踏板式の検出装置の欠点を解消し、サイ
ドスリツプ量を連続して測定できる点で極めて適
切な効果を奏するものである。しかしながら、測
定時、測定ローラーの車輪に対する接触が被試験
車の車体重量を直接支持したものでなく、かつ路
面と異なつた円筒状ローラーで車輪に軟圧接せし
めるため実際の道路走行の再現性に欠け、したが
つて、正確なサイドスリツプ量を測定することが
できないという欠点があつた。

本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、車輪
のアライメントを調節しながら測定値もすぐ読む
ことができ、それ故に作業、測定時間を短縮する
ことができると共に、実際の踏面走行状態を再現
することにより極めて正確なサイドスリツプ量を
検出することができ、さらに装置全体をコンパク
トにすることにより整備場でのスペースもそれほ
ど要しないなどの自動車車輪のサイドスリツプテ
スターを得るにある。

以下、図面に示す実施例により本発明を詳細に
説明する。

第１図乃至第４図に示す実施例において、Ａは
被試験車の左右の車輪１に対応するように左右対
称に設けられた（本実施例では他方を図示せず）
自動車車輪のサイドスリツプテスターである。２
は被試験車の車輪１の軸回転方向とは逆方向ある
いは後述する平行ローラーの略軸回転方向に車輪
回転に応じてまたは後述する駆動装置によつて回
転する回転伝導部で、この回転伝導部２は被試験
車の重量を車輪１を介して実際の路面走行状態に
支持するベルト、チエーンなどの帯状部材３、本
実施例ではベルト３と、このベルト３を張設する
前後一対の平行ローラー４，５と、これらの平行
ローラー４，５の平行軸６，７をそれぞれ支承し
かつフレーム８の両端部寄りの位置に固設された
複数の軸受９とから構成されている。１０は前記
フレーム８の下部に設けられフレーム８の移動に
対して回動する本実施例ではフレームよりも広い
面積を有する矩形状の回動台で、この回動台１０
はフレーム８の下部四隅に設けられた複数の転子
１１を介して矩形状のフレーム８が車輪１のアラ
イメント（車輪整列）不良に起因するサイドスリ
ツプのために左右に、すなわち、車軸の略軸芯方
向に横移動するように支持している。１２は第１
図で示すようにフレーム８に取付けられ該フレー
ムを略横方向（第１図の矢印方向）に案内する案
内部材で、この案内部材１２は垂直軸１３を有す
るフレーム８の前端部左右に設けられた複数の軸
受１４と、回動台１０の前端部左右に設けた垂直
軸１５を有する複数の軸受１６とをそれぞれ介し
て軸支された左右一対の平行リンクである。１７
は前記回動台１０下部の略中心部に固設された該
回動台と共動する回動軸である。１８は中央部に
前記回動軸１７を枢着する軸受部１９を備えかつ
回動台１０の下面に周設したボールベアリング２
０のための上部レース２１と対応する下部レース
２２を有するベースである。２３は第１図に示す
フレーム８の後端中央部に突出させた回動台１０
上の後端部中央寄りの位置に所要間隔を設けて左
右対称に設けた回動伝導部２あるいはフレーム８
の移動方向を検知する移動方向検知器２４，２５
と接触可能な接触子である。２６は接触子２３と
は反対側で一点鎖線で示す中央線Ｘ上に位置する
ように回動台１０の前端中央部に突設したレバー
で、該レバー２６には回動台１０の回動を制禦す
るための回動装置２７、本実施例では作動杆２７
ａがレバー２６に枢着された油圧シリンダー２７
ｂが取付けられている。この回動装置２７は特に
図示しないがネジ手段を用いても良い。また該レ
バー２６の先端部には回動台１０の回動量を検出
器２８から測定するためのたとえば摺動子２９が
取付けられている。なお、前後一対の平行ローラ
ー４，５は車輪１の回動に応じて回転するが第４
図で示すように回転伝導部２を構成する平行ロー
ラー４，５の１つに駆動装置３０を備えても良
い。すなわち、フレーム８Ａの後端右側に駆動モ
ーター３０ａを取付けるための突出部３１を形成
し、駆動モーター３０ａのプーリー３０ｂと平行
ローラー５の平行軸７端に取付けたプーリー３０
ｃとに動力伝達手段としてのベルト３０ｄ等を巻
装する。

上記構成にあつては第３図で示すように、左右
一対のサイドスリツプテスターＡ（但し、他の一
つは図示せず）のベルト３上に被試験車の車輪１
を各々載せ、被試験車のエンジンにより車輪１を
または駆動装置３０により平行ローラー５を回転
させてベルト３を回転する。そうすると、被試験
車の車軸のアライメントの状態によりベルト３の
動きと車輪１の回転方向に角度差が生ずるなら
ば、つまり両者が平行でなくなると被試験車の重
量を直接受けているベルト３に対して横方向の力
（サイドフオース）が生じ、フレーム８は、たと
えば第３図の矢印Ｂ方向へ移動する。フレーム８
が一点鎖線の位置から実線で示す位置まで略横移
動すると、フレームの接触子２３と回動台の左側
移動方向検知器２４とが接触する。その時両者の
接点信号により図示しない電磁弁を介して回動装
置２７が油圧シリンダー２７ｂの作動杆２７ａを
伸縮させ、車輪１と回転伝導部２のベルト３とが
同一（平行）となるよう第３図で示す二点鎖線の
位置まで回動台１０を回動させる。その結果、前
記接触子２３と左側移動方向検知器２４とが離
れ、“断”となり、回動台１０の回動が停止する。
この時、回動台１０の回動角または回動量Ｃがレ
バー２６の先端部に設けた摺動子２９の移動量、
すなわち車輪１のサイドスリツプ量におきかえら
れて、回動台１０の回動量を検出する検出器２８
によりサイドスリツプ量を知ることができる。

次に第５図および第６図に示す本発明の異なる
実施例につき説明する。なお、これらの実施例の
説明に当つて、前記本発明の実施例と同一部分に
は同一符号を付して重複する説明を省略する。

第５図の実施例において、前記本発明の実施例
と主に異なる点は案内部材１２Ａである。

すなわち、この案内部材２１Ａはフレーム８Ｂ
の下面よりも下部に設けられており、平行ローラ
ー４，５の軸芯方向に所要間隔で回動台１０Ａ上
に固設された一対のレール３２，３３と、これら
のレール３２，３３上を走行するフレーム８Ｂの
下部四隅付近に取付けられた複数のガイド付き車
輪３４、本実施例では鍔付き車輪とから構成され
ている。このような構成にあつても前記実施例と
同様な作用、効果を得ることができる。

第６図の実施例において、前記第１図の実施例
と主に異なる点は、第５図の実施例と同様にフレ
ーム８ｃを横方向に案内する案内部材１２Ｂであ
る。この案内部材１２Ｂは回動台１０Ｂ上面に固
設された複数の軸受３５を介して平行ローラー
４，５の軸芯方向に設けられた前後一対のロツド
（他方は図示せず）３６と、これらのロツド３６
をスライドするフレームの下部に固設された複数
の直線スライドベアリング３７とから構成されて
いる。このような構成にあつても車輪１のアライ
メント不良によるサイドスリツプを回転伝導部２
を介して間接的に受けるフレーム８Ｃを横移動自
在に案内することができる。

なお、第５図の実施例の場合レール３２，３３
を多少折曲させても良くまた、前述のガイド付車
輪３４は、必ずしもガイド付とする必要はなく、
フレーム８Ｂが略横移動できるようにフレーム８
Ｂの下面と回動台１０Ａの上面間にガイド部材を
形成しても良い。

以上の説明から明らかなように本発明にあつて
は、次に列挙するような効果を得ることができ
る。

(1) 被試験車の車輪のアライメント不良によるサ
イドスリツプ量を車軸の軸芯方向に略横移動す
るフレームの下部に設けた回動台の回動量にお
きかえて、かつ該回動量を直ちに検出器を介し
て表示器から読み取ることによつて車輪のサイ
ドスリツプ量を知ることができる。

(2) 被試験車の重量を回転伝導部の帯状部材に直
接支持せて、回転伝導部の帯状部材と共に車輪
を連続回転させ、または車輪の回転に応じて回
転伝導部の帯状部材を連続回転させるので、実
際の路面走行状態を再現できる。したがつて、
正確なサイドスリツプ量を測定することができ
ると同時に、従来の踏板移動式サイドスリツプ
テスターのように測定時、被試験車を数回前後
移動させる必要がないので、車輪のアライメン
トを調節しながら測定値を表示器によつて繰返
し直ちに読み取ることができる。それ故に、作
業が簡単でかつ測定時間を短縮できる上に、踏
板移動式にみられるような乗込み時の際に生ず
る必然的な誤差も発生しない。

(3) 装置全体が非常にコンパクトになつたので、
整備場などに取付ける際それほどスペースを要
しない。

(4) フレームに案内部材を取付けたので、該案内
部材によりフレームの横移動が正確に案内され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す概略平面図、
第２図は本発明の一部を断面で示した左側面から
の概略説明図、第３図は本発明の作用を説明する
概略平面図、第４図は本発明に駆動装置を備えた
説明図、第５図および第６図は本発明の異なる実
施例を示す各々概略説明図である。 １……車輪、２……回転伝導部、３……帯状部
材、４，５……平行ローラー、６，７……平行
軸、８，８Ａ，８Ｂ，８Ｃ……フレーム、９，１
４，１６，３５……軸受、１０，１０Ａ，１０Ｂ
……回動台、１１……転子、１２，１２Ａ，１２
Ｂ……案内部材、１７……回動軸、１８……ベー
ス、２３……接触子、２４……移動方向検知器、
２６……レバー、２７……回動装置、２８……検
出器、２９……摺動子、３０……駆動装置、３
２，３３……レール、３４……ガイド付き車輪、
３６……ロツド、３７……直線スライドベアリン
グ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被試験車の車輪を略水平面で保持しかつ前記
   車輪が回転可能である帯状部材を備えた回転伝導
   部と、この回転伝導部を介して前記車輪が回転し
   たときに発生するサイドスリツプにより該回転伝
   導部に伝達されるサイドフオースを受けて車輪の
   略軸芯方向に移動するフレームと、このフレーム
   に取付けられ該フレームの移動を案内する案内部
   材と、前記フレームを回動可能に支持した回動台
   と、この回動台の回動量を検出する検出器と、こ
   の検出器により検出された前記回動台の回動量を
   表示する表示器とからなる自動車車輪のサイドス
   リツプテスター。 ２ 回動台には回転伝導部の移動方向を検知する
   移動方向検知器と、該移動方向検知器により検知
   された移動方向により回動台を左右いずれかに選
   択回動させる回動装置とがそれぞれ取付けられて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の自動車車輪のサイドスリツプテスター。 ３ 回転伝導部は被試験車の重量を車輪を介して
   路面走行状態に支持するベルトと、このベルトを
   張設する前後一対の平行ローラーと、これらの平
   行ローラーを回転可能に支持する複数の軸受とか
   ら構成されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の自動車車輪のサイドスリツプテス
   ター。 ４ 回転伝導部の平行ローラーには駆動装置が備
   えられていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項または第３項記載の自動車車輪のサイドスリ
   ツプテスター。 ５ 案内部材はフレームの前端部に設けた軸受と
   回動台の前端部に設けた軸受とをそれぞれ介して
   軸支された左右一対の平行リンクであることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の自動車車輪
   のサイドスリツプテスター。 ６ 案内部材は平行ローラーの軸芯方向に所要間
   隔で回動台に設けられた一対のレールと、これら
   のレール上を走行するフレームの下部に取けられ
   た複数の鍔付き車輪とから成ることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の自動車車輪のサイド
   スリツプテスター。 ７ 案内部材は回動台に固設された複数の軸受を
   介して平行ローラーの軸芯方向に設けられた前後
   一対のロツドと、これらのロツドをスライドする
   フレームの下部に取付けられた複数のベアリング
   とから成ることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の自動車車輪のサイドスリツプテスター。