JPS631137B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はデツキプレートの端部を閉塞する方
法の改良に係る。

近年コンクリート建築物の床構造には梁の上に
デツキプレートをかけ渡し、この上にコンクリー
トを打設する方法が行なわれているが、通常のデ
ツキプレートではその長手方向の両端面は開放さ
れているためこの開口部から打設した生コンクリ
ートが流出するほか、梁材とデツキプレートとの
重なり部分の耐火被覆が複雑になる等の欠点があ
る。

このためデツキプレートの端部を閉塞すること
が要望され、種々の方法が提案されており、例え
ばデツキプレートの端部に切り目を入れてから上
面をプレス加工で押しつぶしたり、或いは切り目
を入れなくとも中子を使用して端部を押しつぶし
たのち中子を取除いて更にその部分を圧着させて
リブ状にするなど複雑な閉塞方法を採用してい
る。

本発明は上記のような従来の閉塞方法を改良し
た簡単なデツキプレート端部閉塞方法を提供する
ことを目的とし、山面と谷面とが中間斜面を介し
て交互に接続するデツキプレートの端部を閉塞す
る方法において、下型の上にデツキプレートの端
部をのせ、その端縁部が谷面と同じ平面に達する
まで中央ポンチでデツキプレート山面を上方から
押して山面端部に傾斜面を形成すると共に、該山
面端部傾斜面両側に続く中間斜面端部を該山面端
部傾斜面側に山形状に折曲げ、続いて中央ポンチ
の両側のサイドポンチで上方から該山形部の頂部
を押して山面端部傾斜面に重なるように折りたた
むことを特徴とするデツキプレート端部の閉塞方
法に係る。

次に添付図面を参照して本発明の方法を説明す
る。

第１〜６図に要部を示すポンチおよび下型は本
発明の実施に適当なものであつて、中央ポンチ１
はベース板３に固設された２枚のサイドポンチ２
の間に、両サイドポンチ２に設けられた案内溝２
ａに案内されて摺動可能にかつ前進位置が該案内
溝２ａの底２ｂによつて規制されて、ベース板３
との間に圧縮状態のスプリング４を介してベース
板３に取付けてある。中央ポンチはスプリング４
によつて押されてサイドポンチ２から突き出てい
るが、下方から強く押されればスプリングの弾力
に抗して、両サイドポンチ間を摺動してその先端
面が両サイドポンチの先端面とほぼ一列になるま
で後退するようになつている。

ベース板３は例えば通例の流体圧シリンダに接
続するか或いは機械プレスの上部ラムに取付けて
使用する。

下型は第４〜６図に示すようにデツキプレート
の山形に相当する雄型５の先端部６が斜めに切落
された形状で台板７に取付けられている。先端部
斜面６の下端には傾斜面に続いて中央ポンチ１の
先端平面部１ａがはまりこむ溝９を設け、中央ポ
ンチ１によつて後述するように山面端部斜面１１
を充分に押し圧するようにしておくとよい。

このような構造のポンチと下型とを使用する場
合の本発明の方法を説明すれば、まず第８図Ａの
如きデツキプレート１０の端部を第７図Ａの如く
下型８の上に山と山、谷と谷とが嵌まるように置
き、下型８の雄型先端斜面６との間にデツキプレ
ートの山面端部斜面１１形成しながらベース板３
を降下させ第７図Ｂの如くに中央ポンチ１でデツ
キプレート１０の山面端部１２をスプリング４の
反力によつて上方から押し下げて行く。

この場合各山の両側の谷面を押え型で押えてお
かなくとも隣接した各山によつて拘束されて谷面
が横方向へ動くことはないが、左右両端の谷面は
押え型で横方向へ動かないように押えておくとよ
い。

中央ポンチ１を下げて行くに従つて第８図Ｂに
示す山面端部傾斜面１１に続く中間斜面１３の端
部の稜線部１４は山面端部傾斜面１１に引張られ
て該端部斜面側に第７図Ｃに１５で示すように山
形状に折れ曲がる。

引き続いてベース板３を降下させて中央ポンチ
１の先端平面部１ａが下型の溝９に嵌まるまで充
分に押し下げると山面先端部斜面１１の下縁１６
は第８図Ｄに示されるようにデツキプレートの谷
面端縁部線Ｌ―Ｌより多少後退した位置で谷面と
同じ高さになるから、下型８の傾斜面６とその両
側の６ａとの間に山面端部傾斜面１１を押えてお
いて、更にベース板３をスプリング４の弾力に抗
して下げて行けば中央ポンチ１の両側のサイドポ
ンチ２が降下し、第７図Ｃに示すように山形状リ
ブ１５の頂部に当り、これを下方へ押すようにな
る。該山形状リブは山面端部傾斜面１１の形成に
伴なつてそれに引張られて形成されたので該斜面
側に倒れているから、サイドポンチ２で上方から
押されると中央ポンチ側に折れ曲がる。

更にベース板３を降下させて行くと両サイドポ
ンチによつて山形状リブ１５は第７図Ｄに示すよ
うに平らに押したたまれ、第８図Ｄに示すように
デツキプレート端部は閉塞される。

上記の説明においては説明を簡単にするために
デツキプレートの一山の端部閉塞について説明し
たが、複式のポンチと下型とをデツキプレートの
山の数だけならべて設ければデツキプレートの全
山の端部を同時に閉塞できることは容易に理解さ
れよう。

以上説明したように本発明の方法ではデツキプ
レートの山面端部１２を押し圧して傾斜面１１を
形成しながら中間斜面と山面端部との稜線部分１
４を山面端部傾斜面１１の方へ引張つて折り曲
げ、該山面端部傾斜面１１の両側に山形状リブ１
５を形成し、続いて中央ポンチ１の両側に設けた
サイドポンチ２を下げて山形状リブ１５を中央ポ
ンチ１の方へ押し倒し、折りたたんでデツキプレ
ート端部を閉塞するからポンチ降下の一工程によ
つてデツキプレートの端部を閉塞できることにな
り、きわめて能率的である上に装置も簡単なもの
でよく、デツキプレート端部の閉塞状態は実用的
に充分である。

また本発明の方法で閉塞したデツキプレートは
第８図Ｄに示すように側端の谷面１８の立上り側
縁１９の端部を外側に押倒して平坦部１７を設け
ておけば、隣り合うデツキプレートの側端の谷面
を容易に重ね合わせて複数枚のデツキプレートを
平行に並べることが出来るほかに、第９図に示す
ようにＮ枚のデツキプレートのそれぞれの左右谷
面ａ，ｂの一方の端の重なり部分Ｃを他方の重な
り部分よりも多くしてN₁，N₂…と順次重ねて行
き、複数枚のデツキプレートを円弧状にカーブさ
せて連結することもできるので、当該デツキプレ
ートの利用範囲を拡大することができる等実用上
大きな効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本発明の方法の実施に使用す
るポンチおよび下型の一例を示し、第１〜第３図
はそれぞれポンチの平面図、一部破断正面図およ
び側面図、第４〜第６図はそれぞれ下型の平面
図、正面図および側面図、第７図はデツキプレー
ト端部の閉塞の経過をポンチとの関係で示す正面
図、第８図は第７図に対応するデツキプレート端
部閉塞状態を示す斜面図、第９図は本発明の方法
で端部を閉塞したデツキプレートの使用の一例を
説明するための平面図である。 １……中央ポンチ、２……サイドポンチ、３…
…ベース板、４……スプリング、５……雄型、６
……雄型先端斜面、７……台板、８……下型、９
……溝、１０……デツキプレート、１１……山面
端部斜面、１２……山面端部、１３……中間斜
面、１４……稜線部、１５……山形状リブ、１６
……山面端部斜面下縁、１７……平坦部、１８…
…側端の谷面、１９……側縁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 山面と谷面とが中間斜面を介して交互に接続
   するデツキプレートの端部を閉塞する方法におい
   て、下型の上にデツキプレートの端部をのせ、そ
   の端縁部が谷面と同じ平面に達するまで中央ポン
   チでデツキプレート山面を上方から押して山面端
   部に傾斜面を形成すると共に、該山面端部傾斜面
   両側に続く中間斜面端部を該山面端部傾斜面側に
   山形状に折曲げ、続いて中央ポンチの両側のサイ
   ドポンチで上方から該山形部の頂部を押して山面
   端部傾斜面に重なるように折りたたむことを特徴
   とするデツキプレート端部の閉塞方法。