JPS631133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドレンを機外に排出するための配管
を無くした冷暖房機に関する。

冷房運転時に空気調和機の室内側熱交換器で発
生する凝縮水（ドレン）の処理にはやつかいな問
題が多々ある。通常、これはドレン配管によつて
屋外に排出されるが、その配管にさいし充分な勾
配がとれなかつたり施工が著しく困難な場合もあ
り、ときには逆勾配となつたりする。また長期使
用の間に配管内にゴミ等が堆積したりもする。こ
のためドレンが充分に流れなくなつて悪臭や漏水
を発生させる原因となる。

このため、従来よりこのドレンを吹き飛ばした
り、室外側熱交換器と接触させて流動化させたり
する種々の提案がなされているが、いずれも、基
本的には、ドレン処理のためだけに対策を施すも
のであつて不経済となり、またそのためには機器
の内部構造の配置に制約を受けるのが通常であつ
て、いかなる機器のいかなる機器配置の場合にあ
つても、汎用的に適用できるものとは言えないも
のであつた。

本考案はこのような問題の解決を目的としたも
ので、冬期において加湿機能を具備させると同時
にこの加湿器を夏期のドレン処理用に併用させた
空気調和機を案出したものである。すなわち本考
案の冷暖房機は、図面に示した如く、還気を取入
れて室内に給気する室内側熱交換器１と、外気を
取入れて排気する室外側熱交換器２との間でヒー
トポンプを形成する冷暖房機において、強制的に
水蒸気または水滴を発生する加湿器３を設置し、
この加湿器３で発生する水蒸気または水滴を前記
の給気または排気のいずれかに選択して放出する
管路を設け、この加湿器３に室内側熱交換器１で
発生するドレンを導くための水路を施設し、暖房
運転時に該加湿器３により給気を加湿し冷房運転
時に該加湿器３によりドレンを排気に放出するよ
うにしたことを特徴とするものである。

より具体的に説明すると、第１図は、本考案の
冷暖房機の要部を図解的に示したもので、室内側
においては、室内側熱交換器１にフアン４によつ
て室内の還気５を取入れて、給気６を室内に供給
する一方、室外側においては、室外側熱交換器２
にフアン７によつて外気８を取入れて排気９を屋
外に排出する。１０は圧縮器、１１は四方弁、１
２は絞り弁（キヤピラリーチユーブ）であり、こ
れらと室内側熱交換器１および室外側熱交換器２
とを図示のように冷媒配管することによつて、暖
房運転時は室内側熱交換器１を凝縮器に、室外側
熱交換器２を蒸発器として機能させ、他方、冷房
運転時は、四方弁１１の切り換えによつて、室内
側熱交換器１を蒸発器に、室外側熱交換器２を凝
縮器として機能させる。

このような通常の空気熱源ヒートポンプ式空気
調和機において、暖房運転時の給気の湿度調整の
ために加湿器３を設置する。本考案において、こ
の加湿器として、水蒸気または水滴（霧）を強制
的に発生させるものを使用する。水蒸気を強制的
に発生させるものとしては通常の電気加熱式のも
の、また水滴を強制的に発生させるものとしては
通常の超音波式のものが便宜である。とくに、後
者の超音波式の噴霧器が好適である。図はこれを
用いた場合を示す。暖房運転時には、水槽１３に
加湿用の水を入れ、これを超音波加湿器３に導い
て微水滴を発生させ、管路１４を経て給気６中に
噴霧してこれを加湿する。

本考案はこの加湿器３を冷房運転時のドレン処
理に有効利用するもので、このために、加湿器３
で発生する水蒸気または水滴を、前記の給気６に
導く管路１４のほかに、室外側の外気−排気の径
路に導く管路１５を施設し、この管路１４と管路
１５とは弁１６によつて切り換えられるようにす
る。この管路１５は室外側の空気通路に開口して
いる。そして室内側熱交換器１で発生するドレン
を受けるドレンパン１７と水槽１３とを水路１８
で接続し、ドレンパン内のドレンは水槽１３に自
然滞留するようにする。この構成により、冷房運
転時において、弁１６を管路１５に通ずるように
切り換えておくと、室内側熱交換器１で生成する
ドレンは、水槽１３に溜りこれが加湿器３で強制
的に水蒸気または水滴に変換され、管路１５を経
て室外側を流れる空気中に噴霧され、自動的に屋
外へ排出される。また、暖房運転時には、弁１６
を管路１４に通ずるように切り換えれば、前述の
とおり冬期の乾燥した空気を適度に加湿する加湿
器としての通常の機能を果たすことになる。従つ
て本考案は暖房運転では通常必要とするが、冷房
運転では通常は不要である加湿器を、冷房運転時
におけるドレン処理用に有効利用するものであ
り、とくにドレン処理用のためだけにドレン対策
機器を配置する従来の諸提案とはこの点で大きな
相違がある。

第２図は、本考案を壁面取付型の冷暖房機に適
用した例を示したもので、図中の参照数字は、第
１図で説明した部材に対応している。この第２図
の例に限らず、汎用の冷暖房機に対して本考案は
簡易に適用できるものである。

このように、本考案は、加湿処理とドレン処理
を選択して実現できるようにしたものであるから
冒頭に述べた本考案の目的が効果的に達成できる
ものであり、ドレン配管不要冷暖房機として非常
に実用的価値のあるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の冷暖房機の機器配置系統図、
第２図は本考案を壁面取付型冷暖房機に適用した
例を示す略断面図である。 １…室内側熱交換器、２…室外側熱交換器、３
…加湿器、４…室内側フアン、７…室外側フア
ン、１０…圧縮器、１１…四方弁、１２…絞り
弁、１３…水槽、１４…給気側に通ずる管路、１
５…排気側に通ずる管路、１６…切り換え弁、１
８…ドレンの水路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 還気を取入れて室内に給気する室内側熱交換
   器１と、外気を取入れて排気する室外側熱交換
   器２との間でヒートポンプを形成する冷暖房機
   において、強制的に水蒸気または水滴を発生す
   る加湿器３を設置し、この加湿器３で発生する
   水蒸気または水滴を前記の給気または排気のい
   ずれかに選択して放出する管路を設け、この加
   湿器３に室内側熱交換器１で発生するドレンを
   導くための水路を施設し、暖房運転時に該加湿
   器３により給気を加湿し、冷房運転時に該加湿
   器３により室内側熱交換器１で発生するドレン
   を排気に放出するようにしたことを特徴とする
   冷暖房機。 (2) 加湿器３は超音波噴霧器である実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の冷暖房機。