JPS6311043Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は延伸性のフイルムを引伸しながら被包
装物の周囲に筒状に被せて包装する包装機に於け
るフイルムの製筒装置に関する。

（従来の技術） サランラツプ等の商標名で提供されるストレツ
チフイルムは、それを延伸させると無数のミクロ
状の穴が形成され、これらの穴は水分は逃がしに
くいが通気性があるので、トレイにいれた肉や青
果物の包装用によく使用される。この種のフイル
ムを使用して行う包装機のうち、連続作業式のも
のは、帯状のフイルムの両側縁を一対のエンドレ
スチエンに等間隔に設けた多数のクリツプで挾持
し、該チエンの回転でフイルムを横方向に引伸し
ながら運搬し被包装物の周囲に筒状に巻きつける
構造である。しかし、第７図の如くクリツプ７，
７を両横方向にひつぱると、フイルムは硬いクリ
ツプの近くが局部的に引伸ばされ、トレイＴ９の
上部の肝心な箇所に通気穴が形成されないばかり
か、フイルムの両側の極端に薄くなつた部分が破
れる等の欠点があつた。

（考案が解決しようとする問題等） 本考案は上記の点に鑑みフイルムを平均的に延
伸させさせながら被包装物の周囲に巻きつける製
筒装置を提供することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記の目的を達成するために、被包装
物を下から支えて運搬するコンベヤの両側に一対
のエンドレスチエンを前記被包装物の運搬方向に
下降傾斜する状態に設置し、前記両チエンに等間
隔に設けた多数のクリツプでフイルムの両側を支
持し、前記チエンの回転によりフイルムを運搬し
ながら被包装物の周囲に筒状に巻きつけるように
した包装機において、前記被包装機を運搬するコ
ンベアの上部に被さりその下を被包装物が通過し
得るように前記両チエンの内側にアーチ型つまり
円弧形のシヤフトをフイルムの運搬方向にやや傾
けて設置するとともに、前記フイルムに多数のコ
ロを回転自在に設けたものである。

（作用） コンベヤによつて運搬される被包装物はアーチ
形のシヤフトの下を通過する。一方フイルムは前
記シヤフトに設けた多数のコロの上に接触しトン
ネル形に変型しながら運搬される。この場合円弧
型のシヤフトはフイルムの運搬方向に傾斜して設
けられているので、該シヤフトを上から見ると傾
いた分だけ円弧型にみえる。従つて、かかる円弧
状態のシヤフトに支持した多数のコロの転がり方
向は、全体的にみて末広がり状になり、フイルム
は前記の各コロの転がり作用のため、コロの転が
り方向に広げられ、フイルムは全体的に延伸され
る。そして、かかる延伸した状態で被包装物の周
囲に被せられるのである。

（実施例） 本考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図及び第２図に示すように、被包装物、つ
まり商品をいれたトレイＴを３種類のコンベア
１，２，３で運搬するようにしている。第１コン
ベア１は両側の一対のフレーム１１，１１の間で
無端状のチエン１２を連続回転させると共に、該
チエンに設けたアタツチメント１３でトレイＴを
押し且つ該トレイをフレーム１１，１１内に形成
した溝１４内でスライドさせて運搬するようにし
ている。また、前記の第２コンベア２は前記第１
コンベアに続いて２本の無端状のベルト１５，１
５を適宜数のプーリ１６，１６……に支持して配
置すると共に、前記トレイＴを搭載して運搬する
ようにしている。さらに、前記の第３コンベア３
は前記第２コンベアに続いて一対のエンドレスベ
ルト１７，１７をプーリ１８，１８……を支持し
て両側に配置しトレイＴを両側から挾持して運搬
するようにしたものである。

一方、前記第１コンベア１の後で且第２コンベ
ア２の両端に設けた細長い基板２４，２４上部に
は一対のエンドレスチエン２５，２５をそれぞれ
チエンホイル２６，２７，２８に支持し且つ進行
方向に下降傾斜状に配置している。前記チエン２
５，２５は多数のクリツプ（図示せず）を等間隔
で備え、これらクリツプで第３図に示すような帯
状のフイルムＦの両側縁を次々と挾持して運搬す
るもので、前端の一対のチエンホイル２６，２６
と後端の一対のチエンホイル２８，２８との間で
テンシヨンホイル２７，２７によりチエン２５，
２５の間隔を広げてフイルムＦが横方向に延伸す
る如くしている。また、前記チエン２５，２５の
後端上部に３角形の一対のプレート３１，３１を
水平に配置し、これらプレート３１，３１のそれ
ぞれの後端を軸３２，３２を介して機台に枢支す
るとともに、前記軸３２，３２に固定したプーリ
３３，３３と前記プレート前端に設けたプーリ３
４，３４とにそれぞれベルト３５，３５を張設し
且つこれら両ベルトをＶ字形に配置している。

さらに、前記一対のフイルム延伸用チエンの間
に多数の滑車を軸受して形成した弓形のフイルム
案内要素３８を配置している。より詳しくは、第
４図の如く中間部分をアーチ形にしたシヤフト３
９に多数の滑車４０，４０を回転自在に支持する
と共に、前記シヤフトの両端を基材４２を介して
台フレーム４１に固定して構成したもので、前記
台フレームには縦方向の２条の長穴４１ａを形成
し、該長穴にボルト・ナツト４１ｂで前記基材４
２をスライド自在に固定し、前記長穴の長さの範
囲でアーチ型シヤフト３９を上下可変調整できる
ようにしている。また、第５図の如くアーチ型シ
ヤフト３９をフイルムＦの進行方向に30度ほどに
傾きを形成している。

しかして、第１図に示した各種類のコンベア及
びチエンはそれぞれ連動して回転する。チエン２
５，２５に設けたクリツプは前後のプーリ２６，
２８と同軸に設けたカムに接触することによつて
開放し、フイルムをキヤツチし、また開放する。
第２図に示すような状態に配置したフイルムＦを
両側のチエンのクリツプで挾持して斜め下方向に
運搬し、一方、コンベア１２はトレイＴを前記フ
イルムの下に送りいれる。フイルムを横方向に延
伸させるテンシヨンホイル２７，２７の近くに案
内要素３８を設けているので、フイルムは比較的
張りを保つた状態で滑車４０……の上面に乗りあ
げ、両者間の摩擦でもつて滑車４０を回転させな
がらフイルムは運搬される。第６図に示すように
フイルムの進行方向に傾けたアーチ型のシヤフト
３９は、それを上から見た形状も円弧型になるの
で、各滑車４０……の転がり方向は末広がり方向
である。従つて、フイルムは前記滑車の転がりに
よつて全体が横方向に延伸されてトレイＴのうえ
に被される。そして、チエン２５，２５の末端上
域にＶ字型に配置したベルト３５，３５は、クリ
ツプから放されたフイルムの両側縁を合掌状に紋
りこみ該フイルムをトレイの周囲で筒状化する。

なお、トレイの高さの大きいもの、または案内
要素３８によるフイルムＦの押しあげ度合を調整
する場合は、ボルト・ナツト４１ｂを緩めて案内
要素を上に移動することができる。

（効果） 本考案はストレツチフイルムを横方向に延伸さ
せる一対のチエン間に、アーチ型のシヤフトに多
数の滑車を設けて形成した案内要素をもうけると
共に、前記シヤフトをフイルムの運搬方向に傾け
て、前記滑車の転がり方向が末広がり状になるよ
うにし、前記ストレツチフイルムの中間部分をふ
くめて全体的に延伸させてトレイに被せるように
したから、トレイの上面に相当する部分に通気穴
を形成することができ、その上、フイルムは局部
が過延伸していないから、流通過程でフイルムの
破れが起きることがない、等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は前図の側面図、第３図はフイルムの製筒化する
状態の説明図、第４図は第１図における−線
における断面図、第５図は前図における−線
断面図、第６図は要部の平面図、第７図は従来例
の説明図である。 １……第１コンベヤ、２……第２コンベヤ、３
……第３コンベヤ、１２……チエン、１５……ベ
ルト、１７……ベルト、２４……基板、２５……
チエン、３０……クリツプ、３５……ベルト、３
８……フイルム案内要素、３９……シヤフト、４
０……滑車、Ｆ……フイルム、Ｔ……トレイ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被包装物を容れたトレイＴを下面から支えて運
   搬するコンベヤの両側で前記トレイの運搬方向に
   下降傾斜するように配置した一対の基板２４，２
   ４に、多数のクリツプ３０，３０……を等間隔に
   設けた無端状のチエン２５，２５を長円状に複数
   のチエンホイル２６，２８，２６，２８を介して
   支持すると共に、前記両チエン２５，２５の前後
   端の略中間部分の対抗面にそれぞれテンシヨンホ
   イル２７，２７を設け、該テンシヨンホイルの部
   分で前記チエン２５，２５の間隔を広げる一方、
   前記両チエン２５，２５の後端上部にその対抗面
   がＶ字型になるように一対のエンドレス状のベル
   ト３５，３５を複数のプーリに支持して配置し、
   前記両チエン２５，２５のクリツプによつて支持
   した帯状のフイルムＦを該チエンによつて前記ト
   レイＴと同速で両横方向に延伸しながら運搬し、
   さらに該フイルムの両側縁を前記のＶ字型の両ベ
   ルト３５，３５によつて合掌状に絞り込んでトレ
   イの周りで製筒化するようにした包装機におい
   て、前記の両側のチエン２５，２５に支持される
   フイルムＦの下側で且前記トレイ運搬用コンベヤ
   の上側にアーチ形のシヤフト部分を配置するよう
   に、該アーチ形シヤフトの両端から垂下するシヤ
   フトを前記の両側のチエンとトレイ運搬用コンベ
   ヤとの間を通して機台に固定すると共に、前記ア
   ーチ形シヤフト部分に多数の滑車４０，４０……
   を回転自在に支持して案内要素３８を構成し、前
   記各滑車の下側を前記トレイ運搬用コンベヤで運
   搬されるトレイが通過し且該各滑車の上面に前記
   フイルムが接触するようにする一方、前記各滑車
   とフイルムとの接触が離れない範囲で前記のアー
   チ形シヤフト部分を前記フイルムの運搬方向に傾
   けたことを特徴とする包装機の製筒装置。