JPS6310594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 この考案は、スイツチ等の操作軸を回転させる
操作つまみの取付構造に関するものである。

技術的背景およびその問題点 従来、スイツチ等の操作軸の端部に操作つまみ
を取付ける取付構造は種々のものが存する。これ
らのうち、操作つまみの取付方向が変化でき、軸
との嵌合時に回り止めがなされる形状の一例を第
１図ないし第４図に基いて説明する。まず、スイ
ツチ１からは操作軸となるつまみ取付軸２が回転
自在の状態で突出されている。このつまみ取付軸
２の端部外周には、複数の突起３が形成されてい
る。これらの突起３の軸方向中間部には溝部４が
形成されている。そして、この溝部４により前記
突起３には係止段差部５が形成されている。

ついで、指示部６を有する操作つまみ７の内面
には前記つまみ取付軸２の垂直な外周面８と嵌合
する内周面９と前記突起３が嵌合する凹部１０と
による嵌合部１１が形成されている。そして、そ
の操作つまみ７の外側面からは前記溝部４に先端
が当接する取付ねじ１２がねじ着されている。

しかして、つまみ取付軸２に操作つまみ７の嵌
合部１１を嵌合させ、取付ねじ１２を締め付ける
ことにより固定される。しかるに、つまみ取付軸
２と操作つまみ７の嵌合部１１との嵌合は円周方
向の遊びがある。すなわち、スイツチ等のつまみ
取付部などにおいてはコスト的な面から寸法精度
を高めることができないためかなりの遊びがあ
り、取付ねじ１２がゆるんだり、その当接部に変
形が生じたりしたときには操作時に操作つまみ７
がガタつくおそれもあるものである。なお、この
とき取付ねじ１２が係止段差部５に当るため、操
作つまみ７が脱落することはないが、操作時にガ
タ付きがあることはその操作感をきわめて損なう
ものである。

考案の目的 この考案は、操作時にガタ付きが生じることが
ない操作つまみの取付構造を得ることを目的とす
る。

考案の概要 この考案は、つまみ取付軸の端部に適度の勾配
を付された多角形の複数の斜面を形成し、これら
の斜面に適合して嵌合される嵌合内壁を操作つま
みに形成したので、つまみ取付軸に操作つまみを
取付けただけで両者間に遊びが生じることがな
く、取付ねじの締付けは補助的なものとなり、し
かも、操作時に取付ねじに外力が加わることがな
いので取付ねじのゆるみも生じにくいものであ
り、これにより、操作感を向上させるように構成
したものである。

考案の実施例 この考案の一実施例を第５図ないし第８図を基
いて説明する。まず、つまみ取付軸１３の端部に
は嵌合端部１４が形成されている。この嵌合端部
１４は多角形、すなわち、八角形をなし、先細り
となる勾配を付された斜面１５を有し、これらの
斜面１５の中間部には溝状係止部１６を有する。

ついで、操作つまみ１７の内面には嵌合内壁１
８が形成されている。この嵌合内壁１８は前記嵌
合端部１４と適合するように八角形をなした斜面
１９を有する。そして、前記操作つまみ１７に
は、その指示部２０と逆方向に位置させてねじ孔
２１が形成され、このねじ孔２１には取付ねじ２
２がねじ着されている。

このような構成において、つまみ取付軸１３の
嵌合端部１４に操作つまみ１７の嵌合内壁１８を
嵌合させると両者は結合される。そして、斜面１
５，１９の勾配を摩擦角以内に設定しておけば、
操作つまみ１７が抜け落ちることはない。このよ
うにして操作つまみ１７を取付けた後に側方から
取付ねじ２２を締め付ける。

このようにして取付けられた操作つまみ１７
は、つまみ取付軸１３との間で斜面１５，１９を
密接させた結合状態であるため、操作時に遊びが
生じることがなく、また、取付ねじ２２にも外力
が作用することがない。そのため、つまみ取付軸
１３と一体化された操作がなされ、きわめて操作
感がよい。また、取付ねじ２２は、操作つまみ１
７が軸方向に引張られたときの動きを止めるため
に作用する。

なお、実施に当つては、つまみ取付軸１３の端
部に嵌合端部１４を別部材で形成して固定するよ
うにしてもよく、操作つまみ１７の内部に別部材
をインサートして嵌合内壁１８を形成するように
してもよい。さらに、取付ねじ２２はバネ座金を
介在させてその取付後のゆるみが生じにくいよう
にすることが望ましい。

考案の効果 この考案は、上述のように適度の勾配を付され
た多角形による複数の斜面を有する嵌合端部をつ
まみ取付軸に形成し、この嵌合端部に適合する嵌
合内壁を操作つまみに形成したので、両者の嵌合
を遊びのない嵌合とすることができ、側方から溝
状係止部に当接する取付ねじを締め付けても操作
つまみの操作時に取付ねじに外力が作用すること
がなく、これにより、長時間にわたつてガタ付き
のない操作状態を得ることができ、操作つまみに
軸方向の引張力が作用しても取付ねじにより動く
ことがなく、安定した取付状態を得ることができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は操作つまみ取付状態の斜視図、第２図
は従来の一例を示す断面図、第３図はつまみ取付
軸の平面図、第４図は操作つまみの底面図、第５
図はこの考案の一実施例を示す断面図、第６図は
つまみ取付軸の側面図、第７図はその平面図、第
８図は操作つまみの底面図である。 １３……つまみ取付軸、１４……嵌合端部、１
５……斜面、１６……溝状係止部、１７……操作
つまみ、１８……嵌合内壁、２２……取付ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. つまみ取付軸の端部に適度の勾配を付された多
   角形による複数の斜面とこれらの斜面の中間に形
   成された溝状係止部とよりなる嵌合端部を形成
   し、操作つまみの内面に前記嵌合端部の斜面に適
   合した勾配を有してその嵌合端部に嵌合される嵌
   合内壁を形成するとともに嵌合方向と直交する方
   向から前記溝状係止部に当接する取付ねじを設け
   たことを特徴とする操作つまみの取付構造。