JPS6310401Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、スチームによる加熱手段を具備し
た高周波加熱装置に関するものである。

高周波発振器から供給される高周波とスチーム
を利用して食品を加熱する高周波加熱装置におい
ては、加熱室の相対向する部分に高周波発振器の
冷却風の導入口とその排気口をそれぞれ開口する
とともに各開口にシヤツターを開閉自在に設けて
いる。すなわち、高周波調理を行う場合には、各
開口のシヤツターをいずれも開くことにより、高
周波発振器の冷却風が導入口から加熱室内に流入
して食品から発生する水蒸気とともに排気口から
外部へ放出され、一方、スチーム調理を行う場合
には、各開口のシヤツターをいずれも閉じること
により、加熱室内にスチームを充満させている。

しかしながら、特にスチーム調理において、導
入口がシヤツターで閉じられているにもかかわら
ず、加熱室内に充満したスチームがシヤツターの
隙間から漏れ出して吸気風路を経てマグネトロン
側へ逆流し、絶縁劣化や動作不良を起こすなどの
欠点があつた。

この考案はかかる点に注目してなされたもの
で、高周波発振器の冷却風を加熱室に導入するた
めの吸気風路にスチームが侵入した場合における
安全性の確保を目的としたものである。

以下この考案を図示実施例について説明する
と、１は内部に加熱室３を形成した金属製の加熱
箱２が設けられた本体で、加熱室３の前面開口を
開閉自在に覆う扉６７を有している。

１１は加熱箱２内部の相対向部分に複数個ずつ
それぞれ対応するように一体に突設した支持部、
１２はこの支持部に載置される金属製の仕切板
で、全面に多数の透孔１３を有している。

１４は同じく支持部１１に必要に応じて載置さ
れる金属皿、１５は加熱室３の底部中央に形成し
た凸部で、この中央には貫通孔１６を設けてい
る。１７は凸部の周囲に形成した凹部で、水抜き
孔１８が形成されている。１９は貫通孔１６を貫
通するよう加熱室３の底面に着脱自在に取り付け
られた金属軸受、２０は底板６の下方に設置した
ギヤーモータ、２１はこのモータの駆動軸２２と
係脱自在に係合する金属製連結体で、下部には駆
動軸２２との係合用切欠き２３が、また上部には
その中央に正六角形の係合穴２４とこの周辺に円
形のかさ部２５とをそれぞれ形成している。２６
は軸受１９に挿通された正六角柱状の駆動棒、２
７は耐摩耗性材料からなる軸受筒、２８はターン
テーブルで、周辺を複数個のローラー２９により
支持され、かつ下面中央には駆動棒２６の上端と
係脱自在に係合する正六角形の穴３０が設けられ
ている。

３１，３２は加熱室３内の上部と下部にそれぞ
れ水平に設けられたほぼＷ字形のヒータ、６５は
前記モータ２０の金属ケース、６６はこのケース
の下面に設けた通気孔、７５は加熱室３の底部に
設けた水抜孔１８から滴下する水滴を受けるよう
に本体１の下方に４本の脚１３８で形成された空
間Ｈ内に挿入設置される密閉容器状の集水器で、
全体が合成樹脂の一体成型で作られている。

８４は加熱室３の天井面に設けた電波供給口、
８５はこの供給孔を閉塞する耐熱性のカバー、８
６は供給孔８４の上方を覆う導波管で、マグネト
ロン８７のアンテナ部８８を収納している。８９
は本体１の底部に設けた吸気孔から外気を吸引
し、これをマグネトロン８７の発熱部９１へ送る
送風機、９２はマグネトロン８７へ送られた前記
送風機を加熱室３の側面上部に設けた小孔群から
なる導入口９３へ導く吸気ダクト、９４はこのダ
クトと天板９とによつて形成される吸気風路Ｋを
導入口９３の手前で遮断するように設けられた吸
気シヤツターで、枢軸９５に一端を固定された支
持板９６と、この支持板の両面に固着されたゴム
製の環状当て板９７，９８とからなつている。９
９は吸気風路Ｋの上面すなわち天板９に形成した
排気孔である。

しかして前記吸気シヤツター９４は第３図に示
すように、導入口９３を密閉し排気孔９９が開放
される位置Ａと、導入口９３と排気孔９９の両方
が同時に開放される位置Ｂと、導入口９３を開放
し排気孔９９を密閉する位置Ｃとの３つの位置に
任意に切り換えてその位置に保持させておけるよ
うになつている。

１００は天板９上を排気孔９９を含む排気室１
０１と送風機８９やマグネトロン８７を含む吸気
室１０２とに仕切る仕切板で、この上端はパツキ
ン１０３を介して本体１の天板の内面に当接して
いる。１０４は排気室１０１に対応しかつ排気孔
９９の直上に位置して本体１に設けた排出孔、１
０５は排気孔の近傍に設置した高圧トランス、１
０６は高圧コンデンサで、このコンデンサと高圧
トランス１０５はマグネトロン８７の高圧電源回
路を構成するものである。

１０７は吸気ダクト９２の下面に形成した複数
個の小径排水孔、１０８は吸気ダクト９２とマグ
ネトロン８７の下方で排水孔１０７に対向して設
けた水受板、１０９はヒユーズボツクス、１１０
は導入口９３と相対する側の加熱室３の側壁面上
部に形成した小孔群からなる排気口、１１１は加
熱室３の外部に設けた排気ダクトで、一端を排気
口１１０に接続し、又他端を本体ケース１の上面
に形成した排気孔１１４に接続し、内部に断形Ｌ
字形の排気風路Ｅを形成するとともにこの排気風
路を開閉する排気シヤツター１１６が設けられて
いる。

１２５は本体１内に配置された密閉式の給水タ
ンク、１２６はこの給水タンクから定水位機構を
介して給水が行なわれる蒸気発生器でヒータを備
えている。１２７はこの蒸気発生器の内部と加熱
室３の内部とを連通させる接続チユーブ、１２８
は操作盤で、この表側には調理選択つまみ１２
９、スチーム及び電熱加熱時間設定つまみ１３
０、高周波加熱時間設定つまみ１３１を備え、か
つ背面側にはタイマー１３２，１３３や調理切換
えスイツチ１３４等をそれぞれ取付けている。

以上の構造において、まず高周波調理を行なう
場合には選択つまみ１２９の設定により吸気シヤ
ツター９４と排気シヤツターとはいずれも開く位
置に設定されるので、送風機８９とマグネトロン
８７が運転され、高周波が電波供給口８４から加
熱室３内へ照射される一方、マグネトロン８７の
冷却風が導入口９３から導入され、加熱室３内を
循環したのち排気口１１０から排気風路Ｅを経て
外部へ放出されるので、食品から発生する水蒸気
が同時に排出され、高周波によるスピード調理が
行える。

次にスチーム調理を行なう場合は、選択つまみ
１２９をスチーム調理に設定すると吸気シヤツタ
ー９４と排気シヤツター１１６はそれぞれ閉じる
ように設定されるので、蒸気発生器１２６から加
熱室３内にスチームが噴出されるとこのスチーム
の充満により食品は効率良く加熱調理される。

そして、スチーム調理の際にスチームが導入口
９３と吸気シヤツター９４とのすき間から吸気風
路Ｋに漏出したような場合、又、ヒータ３１，３
２に通電した電熱調理の際にその熱気が同様に吸
気風路Ｋに漏出したような場合には、スチームや
熱気が吸気風路Ｋの上面に設けた排気孔９９から
速みやかに排出され、さらにこのスチームや熱気
が本体１に排気孔９９と対応して設けた排出孔１
０４から本体１の外部へ排出されるものであり、
吸気ダクト９２を経てマグネトロン８７側へ逆流
することを防止すると同時に本体１と加熱箱２の
間に流れ込むのを防止できるものである。なお、
吸気風路Ｋに漏出して冷され水滴となつたスチー
ムは、排水孔１０７から水受板１０８上に滴下す
るから同様にしてマグネトロン８７側へ流れてゆ
くのを防止できる。

以上のようにこの考案によれば、高周波発信器
の冷却風を加熱室に導入するための吸気風路の上
面に排気孔を設けるとともにこの排気孔に対応す
る本体の上面に排出孔を設けているから、スチー
ムや熱気が万一吸気風路へ漏出しても速みやかに
風路外さらには本体外に排出でき、スチームや熱
気に起因する電気部品や、電気回路の動作不良や
絶縁劣化などの不具合を防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示した高周波加
熱装置の縦断面図、第２図はその要部切欠き縦断
面図、第３図はその要部断面図である。 １……本体、３……加熱室、８７……高周波発
振器、Ｋ……吸気風路、９９……排気孔、１０４
……排出孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高周波発振器から高周波が供給されるようにし
   た加熱室に蒸気発生室からスチームを供給するよ
   うにしたものにおいて、上記高周波発振器の冷却
   風を加熱室に導入するための吸気風路の上面に排
   気孔を設けるとともにこの排気孔に対応する本体
   の上面に排出孔を設けてなる高周波加熱装置。