JPS6310290B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、圧油潤滑及び内燃機関の運転状態に
応じて、前記内燃機関の圧油循環流路に介装され
た油圧モータにより駆動される冷却水ポンプを備
えた水冷式内燃機関に関する。

この種の水冷式内燃機関では、その冷却水ポン
プの回転数が、Ｖベルトとかを介しての機械的駆
動機構によつて、その機関回転数に左右されるも
のとなつている。このような冷却水ポンプは、そ
の内燃機関の最大負荷に見合う冷却水用として設
定されるので、ある部分負荷範囲の運転状態に対
しては、冷却水の送り込み量が、その内燃機関の
冷却用として必要ではないまでのものとなつてし
まう。

また、内燃機関の潤滑油用油圧ポンプの送り込
み量は、その内燃機関の最低の負荷回転数の際に
も潤滑用として十分な油が送り込まれるように設
定されなければならない。

このような運転条件に対応できる水冷式内燃機
関用の冷却水ポンプとして、特開昭53−347号公
報には、潤滑油ポンプにより潤滑するエンジンオ
イル回路に、この潤滑するエンジンオイルの少な
くとも一部により駆動される油圧モータを設け、
この油圧モータに冷却水ポンプを直結すると共
に、前記エンジンオイル回路に前記油圧モータに
所定温度以下でオン・オフ切換える制御弁を直列
に設け、かつこの制御弁に対して流量制御弁を並
列に設けた構成が開示されている。この構成では
オン・オフ切換弁とそれに並列の流量制御弁とに
よつて所定温度以下では油圧モータを駆動停止し
て潤滑油全部を流量制御弁を介してオイルだめへ
還流し、所定温度以上では油圧モータを駆動した
後の油と流量制御弁を通る油とを合流させてオイ
ルだめへ還流して循環油の一部を使用して冷却水
ポンプを駆動するべく動力節約をするものである
が、所定温度以上著しく上昇した場合で内燃機関
が高速回転になつた場合、高速駆動され続ける油
圧モータから排出される油が全部循環流路を通り
要循環部を経由してオイルだめへ排出されてしま
うので、圧油循環流路中にある要循環部の信頼で
きる潤滑に必要な量以上の油をもオイルだめへ排
出してしまい、また、潤滑流路の途中の流体抵抗
を増大せしめて動力損失及びエネルギー損失を招
く欠点があつた。

本発明が解決しようとする技術的課題は、内燃
機関の圧油循環流路内の要潤滑部の信頼できる確
実な潤滑に必要以上の油圧モータからの排出油を
オイルだめへバイパスさせて、内燃機関の高速回
転に伴う圧油循環流路に多量の油が流れることに
よる抵抗損失を防止し、且つ不要な動力損失を防
ぐことである。

上記技術的課題を解決するために講じた技術的
手段は、冷却水温度に応じて制御され、かつ運転
温度より低い冷却水温度の際には油圧モータへの
油供給の絞り込みを可能とする調節機構が設けら
れ、かつ油圧モータの油排出流路内に制御機構が
組込まれており、この制御機構は圧油循環流路の
流路内の潤滑油圧力に応じて作動可能であり、こ
の潤滑油圧力が信頼できる確実な潤滑のために必
要な値を超過した場合、前記油圧モータから来る
油をオイルだめへの流路に排出し、また、前記必
要値以下に低下した場合、前記油圧モータから来
る油を前記圧油循環流路に流し込むべく構成する
ことである。

この構成によればその内燃機関の高回転数の際
に余分となる油は、冷却水ポンプ用の油圧モータ
の駆動用に使われるのである。この発明でなけれ
ば排出制御によつてむだに失われていた油の活用
と、その油圧モータで現実化される方策すなわち
前記の調節機構を使つて冷却水の温度に応じて冷
却水ポンプの回転数が制御され得るようにするこ
とと、によつてその内燃機関の摩擦損失が、在来
構成の場合にくらべて減少させられ得ることとな
る。

その内燃機関の低回転数で負荷が与えられてい
る場合、すなわち排出制御される油はないが冷却
水流れが必要とされるというような範囲の場合、
上に述べた冷却水ポンプ制御機構によつて、潤滑
のために必要な油の全量あるいは一部分が、その
冷却水ポンプの油圧モータの作動用に使われるの
である。

旧来の冷却系統で必要とされてきたサーモスタ
ツトによる冷却水温度の制御は、冷却水ポンプの
油圧式駆動にあつては無くてよいものとなる。冷
却水の温度レベルは流量それ自体とともに制御さ
れるわけである。

冷却水ポンプ回転数、ひいてはそれで送り込ま
れる冷却水量の制御のために、本発明によればそ
の調節機構が冷却水温度に応じて制御されてお
り、運転温度より低い冷却水温度の際にはその油
圧モータへの油供給が絞り込まれる。

また、油圧モータの油排出流路内に設けられた
制御機構は、圧油循環流路の流路内潤滑油圧力
が、信頼できる確実な潤滑に必要な値を超過した
場合は油圧モータからの油をオイルだめへの流路
へ排出し、前記必要値以下に低下した場合は圧油
循環流路内に流し込むことができる。

この制御機構により、圧油循環流路中にある要
潤滑部の信頼できる確実な潤滑に必要な油のみを
元の圧油循環流路内に流し込み、必要以上の油を
オイルだめに直接排出することができるから、内
燃機関の高速回転に伴つて圧油循環流路に不要な
多量の油が流れることが自動的になくなり、不要
な動力損失を防止できるに至り、引いてはこの分
に見合うだけ動力の小さい油圧ポンプその他の装
置ですませることができるに至つた。

次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

ばねの力に逆らつてシリンダ内へはめ込まれて
いる制御ピストン、すなわちふたつの制御縁部備
え付きのもの、からなるものであり、そのシリン
ダは端面部がひとつの流路を介して前記圧油循環
流路の流路につながれているもので、その圧油循
環流路内圧力次第で両制御縁部のそれぞれでもつ
て、その圧油循環流路への流路なりオイルだめへ
り流路なりを、締め切つたり開放したりする、働
きのものとされている、という構成のものがあ
る。

添付図面を参照すれば、この発明がよりよく理
解される。

吸込み濾過器１を通して油が油ポンプ２で吸込
まれる。ついで、その油は、弁という形態で示さ
れている調節機構３が開放されているならば、そ
れを通つて流路１２の、主油流路へ、さらには図
に示されてはいない内燃機関の軸受け箇所へ、と
導き通じているところ、に到達する。その調節機
構３が締め切られているならば、油は、管路１
２，４，１０内の矢印で示されたように、枝分か
れ流路４を経て油圧モータ５へ流れ、そのモータ
は軸５′を介して冷却水ポンプ６を駆動する。そ
の液圧モータ５のあと、その油は、制御機構であ
る制御ピストン７の位置状態次第で、流路１０を
経て流路１２内へ戻つてさらに潤滑用に使われる
か、あるいは、抵抗なしに流路１１を経てオイル
だめ内へ行くか、のいずれかとなる。その制御ピ
ストン７は流路９を介して流路１２につながれて
いるもので、そのピストンの位置状態はその流路
１２内の油圧に応動するものとなつている。その
流路１２内の油圧が潤滑のための必要な程度を超
過して上昇すると、その圧力連通流路９を介して
その制御ピストン７はばね８に逆らつて図での左
の方へ移し動かされる。そうなると、油圧モータ
５と流路１２とのあいだの介在流路１０がその制
御ピストン７の制御縁７″によつて締め切られ、
同時に、その液圧モータ５からオイルだめへの流
路１１は開放される。

その流路１２内の油圧がそうした必要程度より
下へ落ち込むと、そのばね８がその制御ピストン
７を図で見ての右の方へ押し動かすこととなり、
オイルだめの流路１１がその制御ピストン７の制
御縁７″によつて締め切られ、流路１２へのつな
ぎ流路１０の方は開放される。

こうなると、その液圧モータ５のあと、油がふ
たたび流路１２内へ戻ることとなつて、潤滑用と
して十分な油のあるものとなる。

流路１２内でのあまりに高い不測な油圧を避け
るために、さらに安全弁１３が組付けられるよう
にしてもよい。この安全弁は、油冷却器や油濾過
器がある場合には、それらのあとのところへ組付
けられる。好ましくは、そうした安全弁が、その
内燃機関の潤滑油の主分配流路内で、はじめて組
付けられるようにするのがよい。

こうして、油圧モータ５や水ポンプ６の回転数
が、潤滑油の助けのもとで弁３で、冷却水の温度
に応じて調整されるものとなるのである。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る水冷式内燃機関の実施例の
要部を示すブロツク図である。 ２……油ポンプ、３……調節機構、５……油圧
モータ、７……制御機構、１０……第１流路、１
１……オイルだめへの流路、１２……圧油循環流
路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧油潤滑、及び内燃機関の運転状態に応じ
   て、前記内燃機関の圧油循環流路に介装された油
   圧モータ５により駆動される冷却水ポンプ６を備
   えた水冷式内燃機関において、冷却水温度に応じ
   て制御され、かつ運転温度より低い冷却水温度の
   際には前記油圧モータ５への油供給の絞り込みを
   可能とする調節機関３が設けられ、かつ前記油圧
   モータ５の油排出流路内に制御機構７が組込まれ
   ており、この制御機構７は前記圧油循環流路の流
   路１２内の潤滑油圧力に応じて作動可能であり、
   この潤滑油圧力が信頼できる確実な潤滑のために
   必要な値を超過した場合、前記油圧モータ５から
   来る油をオイルだめへの流路１１に排出し、ま
   た、前記必要値以下に低下した場合、前記油圧モ
   ータ５から来る油を前記圧油循環流路に流し込む
   べく構成されていることを特徴とする水冷式内燃
   機関。 ２ 前記調節機構３として油ポンプ２と冷却水の
   温度に応動する弁が前記圧油循環流路１２内に設
   けられていて、前記油ポンプ２と調節機構３との
   あいだのところにその油圧モータ５への分岐流路
   ４が接続され、前記モータは、第一の流路１０を
   介しては前記圧油循環流路の流路１２に、また、
   第二の流路１１を介してはオイルだめに、接続可
   能なものとされていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載の内燃機関。 ３ 前記制御機構７がバネ８の付勢力に抗してシ
   リンダに組込まれた制御ピストン、すなわちふた
   つの制御縁部７′，７″備え付きのもの、からなる
   ものであり、前記シリンダは端面部がひとつの流
   路９を介して前記圧油循環の流路１２に接続さ
   れ、その圧油循環流路内圧力に応じて両制御縁部
   ７′，７″のそれぞれでもつて、前記圧油循環流路
   への流路１０又はオイルだめへの流路１１を、選
   択的に開閉可能であることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項又は第２項に記載の内燃機関。