JPS63101093A - 被覆ア−ク溶接棒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、各種構造物の構築の際における骨組みの接
合や、肉盛溶接などに使用される被覆アーク溶接棒に関
するものである。

（従来の技術） 従来、この種の被覆アーク溶接棒は、第２図に示すよう
な断面構造のものが使用されている。

すなわち、第２図に示す被覆アーク溶接棒１１・は、心
線１２の表面に被覆剤１３を被せたものであり、心線１
２は通常の場合その直径が２〜８ｍｍ、長さが２００〜
９００ｍｍのものとなっている。

このような被覆アーク溶接棒１１において、被覆剤１３
は、■保護筒の形成によるアークの安定化およびアーク
雰囲気への大気浸入の阻止（大気による溶接金属の酸化
、窒化防止）、■溶融金属の脱酸精錬、■溶接金属への
合金添加、■溶接金属の冷却速度の調整、■良好な溶接
ビードの形成、などの役割を有しており、アーク安定剤
、ガス発生剤、スラグ生成剤、脱酸剤０合金添加剤。

固看剤などからなっているつ （発明が解決しようとする問題点） このような被覆アーク溶接棒を用いる被覆アーク溶接法
は、被覆アーク溶接棒と母材との間にアークを発生させ
て溶融接合する筒便な方法であるため、広範囲にわたっ
て使用されているが、被覆剤は吸湿性を有しているもの
であるため、保管状態が悪いとき、例えば１セツトのう
ちの一部のみを使用し、残りを長い間保存しておくとき
などには、被覆剤の吸湿量が多くなることから、溶接金
属中の拡散性水素量を増大させたり、溶接作業性（とく
にビード外観）を低下させたりすることがあるという問
題点があった。

（発明の目的） この発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたも
ので、吸湿性の著しく小さい被覆アーク溶接体を提供す
ることを目的としているものである。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） この発明は、心線の表面に被覆剤を有する被覆アーク溶
接体において、前記被覆剤の表面に樹脂被膜を設けた構
成をなすことを特徴としているものである。

第１図はこの発明による被覆アーク溶接棒の断面構造例
を示しており、この被覆アーク溶接棒１は、心線２の表
面に被覆剤３を有し、前記被覆剤３の表面に樹脂被膜４
を形成してなるものである。

この発明による被覆アーク溶接棒１において、心線２の
直径および長さはとくに限定されないが、一般的には従
前どおりに直径が２〜８　ｍ　ｍ　。

長さが２００〜９００ｍｍ程度のものとなる。そして、
この心線２の材質においてもとくに限定されないもので
ある。

また、被覆剤３は１例えば、アーク安定剤。

ガス発生剤、スラグ生成剤、脱醜剤１合金添加剤、固着
剤等を混合させたものが使用され、例えばイルミナイト
系（Ｄ４３０１）、ライムチタニア系（０４３０３）、
高セルローズ系（Ｄ４３１１）、高酸化チタン系（Ｄ４
３１３）。

低水素系（０４３１６）、鉄粉酸化チタン系（Ｄ４３２
４）、鉄粉低水素系（Ｄ４３２６）、鉄粉酸化鉄系（Ｄ
４３２７）、特殊系（Ｄ４３４０）等のものが用いられ
るが、とくに限定はされない。

さらに、前記被覆剤３の表面に設けられる樹脂被膜４の
材質においても特に限定されず、種々の熱可塑性樹脂や
熱硬化性樹脂などが使用され、例えば熱可塑性樹脂の場
合には、ポリオレフィン。

ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェ
ニレン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂ならびに２種
以上の単量体が重合して生成された共重合体、例えば、
オレフィン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メ
タクリル酸共重合体。

エチレン−エチルアクリレート共重合体などを用いるこ
とができ、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂などを用
いることができる。

そして、前記樹脂被膜４の厚さについては、より望まし
くは０．００１ｍｍ以上０．８０ｍｍ以下とするのがよ
い、すなわち、あまり薄すぎると樹脂被膜４を設ける効
果が十分に得られないことがあり、反対に厚すぎると悪
臭が発生したりして溶接作業性を低下させることがあり
うるためである。

（実施例１） この実施例１では、第３図に示す直径５．０ｍｍ、長さ
４５０ｍｍの心線（２、１２）の表面に被覆剤（３、１
３）を被覆した被覆アーク溶接体（１、１１）を使用し
、第１表に示すように、Ｎｏ、　　１　（比較例）とし
て樹脂被膜を設けないもの、Ｎｏ、　２　（比較例）と
して樹脂被膜（４）を被覆剤（３）の半分（第３図Ａの
部分）のみに設けたもの、およびＮ００３〜８（発明例
）として樹脂被膜（４）を被覆剤（３）の全体（第３図
Ｂの部分）に設けたものについて試験した。

この試験において、被覆アーク溶接棒（１゜１１）とし
ては、イルミナイト系（Ｊ　Ｉ　５Ｄ４３０１）、ライ
ムチタニア系（ＪＩＳＤ４３０３）および低水素系（Ｊ
ＩＳ　　Ｄ４３１６）のものを使用し、樹脂液ｒＭＪ４
としては、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂（Ｅ　Ｒ）
、熱可塑性樹脂であるポリエチレン（ＰＥ）およびポリ
アミド１２（ナイロン１２：ＰＡ１２）を用いてそれぞ
れ厚さ０．０３０ｍｍで被覆したものを使用した。

そして、上記被覆アーク溶接棒（１、１１）を温度３５
℃、湿度９０％の空気浴中で保管し、所定日数経過毎（
最長６０日）に取り出して、溶接電流２１ＯＡ、Ｗ杯速
度３０ｃｍ／ｍｉｎの条件でビードオン溶接を行ない、
溶接全居中における拡散性水素量を測定した。この結果
を第１表に示す。

また、上記空気浴中に６０日間保管した被覆アーク溶接
棒を使用して上記条件でビードオン溶接を行なった際の
溶接作業性（アーク安定性、スパッタおよびヒユーム発
生量、ビード外観）を評価したところ、第１表に示す結
果であった。

第１表に示すように、被ｖａ剤３の表面全体に樹脂被膜
４を設けた本発明による陥、３〜８（発明例）の被覆ア
ーク溶接棒１を用いて溶接を行なったところ、所定の空
気浴中に６０日間保管したあとにおいても、溶接金属中
の拡散性水素量はかなり少なく、溶接作業性は良好であ
った。

これに対して、樹脂被膜４を半分だけ設けた崩、２（比
較例）の被覆アーク溶接体を用いた場合には、溶接金属
中の拡散性水素量が多くなり、ビート外観も悪いもので
あった。また、樹脂被膜４を設けないＮｏ、１（比較例
）の被覆アーク溶接体を用いた場合には、溶接金属中の
拡散性水素量がさらに多く、ビート外観もさらに悪いも
のであった。

（更施例２） この実施例２では、第３図に示す直径５．０ｍｍ、長さ
４５０ｍｍの心線２の表面に被覆剤３を被覆した被覆ア
ーク溶接棒（ＪＩＳ　　Ｄ４３１６）１を使用し、被覆
剤３の全表面に熱可塑性樹脂であるポリエチレンからな
る樹脂被膜４を第２表に示すようにｏ、ｏｏｏａ〜１　
、０００ｍｍの厚さで被覆したものを温度３５℃、湿度
９０％の空気浴中に保管し、所定日数経過毎（最長６０
日）に取り出して、溶接電流２１０Ａ、ｐ杯速度３０ｃ
ｍ／ｍｉｎの条件でビードオン溶接を行ない、溶接金属
中における拡散性水素量を測定した。この結果を第２表
に示す。

また、上記空気浴中に６０日間保管した被覆アーク溶接
棒を使用して上記条件でビードオン溶接を行なった際の
溶接作業性を評価したところ第第２表に示すように、樹
脂被膜４の厚さが０．００１ｍｍ　（Ｎｏ、１２）　〜
０．８００ｍｍ（ＮＯ，１６）であるときには、溶接金
属中の拡散性水素量が少なく、６０日保管後の被覆アー
ク溶接体を用いたときの溶接作業性も良好であった。

しかし、樹脂被膜４の厚さが小さすぎるとき（Ｎｏ、１
１）には、その効果が少ないため溶接金属中の拡散性水
素量が多く、また溶接作業性もあまり良くなかった。さ
らに、樹脂被膜４の厚さが大きすぎるとき（Ｎｏ、１７
）には、溶接金属中の拡散性水素量は当然のことながら
少ないものの。

溶接作業性が良くないものであった。したがって、この
実施例２の場合には樹脂被膜４の厚さを０．００１〜０
．８００ｍｍとするのが良いことが確認された。

［発明の効果］ 以上説明してきたように、この発明によれば。

心線の表面に被覆剤を有する被覆アーク溶接棒において
、前記被覆剤の表面に樹脂被膜を設けた構成を有するも
のであるから、被覆剤の吸湿量を著しく少ないものとす
ることが可能であり、それゆえ、長期間保存したあと溶
接に供したときでも溶接作業性が良好であるとともに溶
接金属中の拡散性水素量が著しく少ない溶接継手部や肉
盛溶接部などを得ることができるようになるという非常
に優れた効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による被覆アーク溶接棒の断面形状を
例示する説明図、第２図は従来の被覆アーク溶接棒の断
面形状を例示する説明図、第３図は被覆アーク溶接棒の
側面説明図である。 １・・・被覆アーク溶接棒。 ２・・・心線。 ３・・・被覆剤、 ４・・・樹脂被膜。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）心線の表面に被覆剤を有する被覆アーク溶接棒に
   おいて、前記被覆剤の表面に樹脂被膜を設けたことを特
   徴とする被覆アーク溶接棒。
2. （２）樹脂被膜は、その厚さが０．００１ｍｍ以上０．
   ８０ｍｍ以下であることを特徴とする特許請求の範囲第
   （１）項記載の被覆アーク溶接棒。