JPS629545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はキヤプスタン軸へのテープの巻付き
を防止し得るようにしたテープレコーダ等におけ
るテープの巻付防止装置に関する。

従来からテープレコーダにおいては磁気テープ
をピンチローラとキヤプスタン軸とで挟持し、こ
のキヤプスタン軸を回転駆動することにより前記
磁気テープを所定の方向に走行させ、磁気ヘツド
による再生、録音、消去を行つている。すなわ
ち、第１図は従来のカセツトテープレコーダにお
けるテープ走行部の一例を示すもので、１は磁気
テープ２を収納してなるカセツト、３は録音、再
生ヘツド、４は消去ヘツド、５，６はガイドロー
ラ、７はキヤプスタン軸、８はピンチローラで、
左側のハブ９に巻かれている磁気テープ２がキヤ
プスタン軸７とピンチローラ８の回転によつて矢
印方向に走行されることにより、右側のハブ１０
に巻き取られ、この時消去ヘツド４によつて消去
が行なわれ録音、再生ヘツド３によつて録音もし
くは再生が行なわれるようになつている。

ところで、薄い磁気テープを使用したりあるい
はまたカセツト１とか磁気テープ２の駆動機構が
円滑に作動しなかつたりした場合には、第２図
ａ，ｂに示すように磁気テープ２にたるみが生
じ、このような状態が続くと、第２図ｃに示すよ
うに磁気テープ２がキヤプスタン軸７もしくはピ
ンチローラ８に巻き付いて絡み、磁気テープ２を
損傷するといつた事故が起る欠点があつた。

この考案は上述したような点に鑑みてなされた
もので、空気をキヤプスタン軸内に設けた空気通
風孔に導いて同キヤプスタン軸のテープの接触部
に設けた複数個の空気排出口から流出させるとい
う極めて簡単な構成により、テープの巻付きを防
止するようにしたテープレコーダ等におけるテー
プの巻付防止装置を提供するものである。

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。

第３図はこの考案に係るテープ巻付防止装置を
備えたキヤプスタン軸部の一実施例を示す縦断面
図、第４図は要部斜視図である。これらの図にお
いて、キヤプスタン軸７はその下端がベースプレ
ート１１にスラスト軸受１２によつて回転自在に
軸支され、小径に形成された上端部のキヤプスタ
ン本体７Ａがシヤーシ１３に設けた軸受孔１４を
貫通しかつ該孔１４に軸受１５を介して回転自在
に軸支されている。また、前記キヤプスタン軸７
の下端部７Ｂにはフライホイール１６が嵌合固定
されており、このフライホイール１６の上面と前
記シヤーシ１３および下面と前記ベースプレート
１１との間には適宜な間隙が設けられている。前
記キヤプスタン本体７Ａの中心にはほぼ全長にわ
たつて空気通風孔１７が形成されており、この空
気通風孔１７の下端部は前記キヤプスタン軸７の
下端部７Ｂにおいて例えば十字状に分岐されてい
る。またキヤプスタン本体７Ａのテープ接触部、
すなわち磁気テープ２がピンチローラ８によつて
圧着される部分には複数個の微小な空気排出口１
８が直径方向に穿設されて前記空気通風孔１７と
それぞれ連通している。一方、前記フライホイー
ル１６の下面には前記空気通風孔１７の十字状に
分岐された各分岐部１９ａ〜１９ｄ（１９ａと１
９ｃのみ示す）にそれぞれ対応連通する４個の空
気取入口２０ａ〜２０ｄが周方向に等配されて設
けられると共にこれらの空気取入口２０ａ〜２０
ｄに対応して空気取込み板２１がそれぞれ設けら
れている。したがつて、フライホイール１６を矢
印方向（テープ再生方向）に回転させると、フラ
イホイール下部の空気は前記空気取込み板２１に
よつて導かれ各空気取入口２０ａ〜２０ｄに流入
する。そして、空気取入口２０ａ〜２０ｄに流入
した空気は前記空気通風孔１７を通り空気排出口
１８から流出する。

なお、前記フライホイール１６の上面にはホイ
ールの駆動機構を構成するローターマグネツト２
２と、フライホイール１６の回転数を検出するた
めの周波数発電機（以下FGと呼ぶ）用マグネツ
ト２３が固定され、前記シヤーシ１３の下面には
前記ローターマグネツト２２に対応して駆動コイ
ル２４が、FG用マグネツト２３に対応してFG基
板２５が固定されている。この場合、フライホイ
ール１６の駆動機構としてはダイレクト・ドライ
ブ方式に限らず、リム駆動方式、ベルト駆動方式
等を採用してもよいことは勿論である。

かくして上記構成によるテープの巻付防止装置
によれば、空気通風孔１７に導かれていた空気が
空気排出口１８から流出するため、磁気テープ２
がキヤプスタン軸７もしくはピンチローラ８に巻
付くことがなく、磁気テープ２を安定に走行させ
得る。

なお、上記実施例はフライホイール１６の回転
によつて空気を取り込み、空気通風孔１７に導く
ようにした場合について説明したが、これに限ら
ず小さなエアポンプ等を使用して空気を強制的に
送り込むようにしてもよい。

また、上記実施例はカセツトテープレコーダに
実施した場合について説明したが、この考案はこ
れに何ら限定されることなく、オープンリールデ
ツキ、ビデオテープレコーダ（VTR）等のテー
プをキヤプスタン軸とこれに圧着されるローラと
で走行させるようにした機器すべてに対して適用
実施し得ることは勿論である。

以上説明したようにこの考案に係るテープレコ
ーダ等におけるテープの巻付防止装置によれば、
キヤプスタン軸内に空気通風孔を設け、キヤプス
タン軸のテープが圧着される部分に前記空気通風
孔の一端と連通する複数個の空気排出口を設け、
この空気排出口より前記空気通風孔に導かれた空
気を流出させるように構成したので、テープのキ
ヤプスタン軸もしくはピンチローラへの巻付き事
故および巻付きに伴うテープの損傷等を防止し、
テープを安定かつ走行させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカセツトテープレコーダにおけ
るテープ走行部を示す図、第２図ａ，ｂ，ｃはテ
ープの巻付きを説明するための図、第３図はこの
考案に係るテープの巻付防止装置をカセツトテー
プレコーダに実施した場合のキヤプスタン軸部の
一実施例を示す縦断面図、第４図は要部斜視図で
ある。 ２……磁気テープ、７……キヤプスタン軸、８
……ピンチローラ、１７……空気通風孔、１８…
…空気排出口、２０ａ〜２０ｄ……空気取入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤプスタン軸の内部に空気通風孔を設けると
   共に前記キヤプスタン軸のテープ接触部に複数個
   の空気排出口を設けて前記空気通風孔の一端と連
   通させ、前記空気通風孔の他端側より導かれる空
   気を前記空気排出口より流出させるようにしたこ
   とを特徴とするテープレコーダ等におけるテープ
   の巻付防止装置。