JPS629403Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、流し台に垂設した排水トラツプと、
家屋壁面から水平方向に突出した排水管との連結
中心線間のずれを調整して流し台と排水管とを水
密的に連結する排水装置の改良に関する。

現今の高層集合住宅等では、厨房の機械化、組
織化が推進され、流し台の据え付け場所、排水管
の突出箇所等は、建築時に予め設定され、しかも
排水トラツプと排水管との垂直、水平方向の連結
には、フレキシブル管は耐久性に問題があるとし
て規制され、耐久性に富む硬質プラスチツク製の
直管で連結され排水装置としている。

従つて、厨房家具の配設時の僅かな位置ずれ、
或は壁面からの排水管の突出位置ずれを、直管同
士をエルボで、しかも狭小な流し台下位の空間内
で連結作業して調整、吸収せねばならないので作
業が困難であり、連結に無理があつた。

従来の連結状態を、第１図縦断正面図、第２図
の縦断側面図で示す。

第２図は正しい連結状態であるが、第１図は、
排水トラツプ２と、排水管３の連結中心線Y₁，
Y₂との間に左右の位置ずれ“Ｌ”がある場合を
示している。

図中、立管４、横引管６は、ともに直管であ
り、エルボ５、管継手７により、排水トラツプ２
と排水管３は連結されている。

第１図の状態においては、立管４は、その上・
下端部において強制連結による変形歪み、空隙が
生じ、排水トラツプ２、エルボ５との水密が悪く
なり、水漏れの原因となつていた。

本考案は、前記位置ずれ状態のまま、排水トラ
ツプと排水管を容易に、正確、水密に連結する排
水装置であり、構造簡単なアダプタを、排水トラ
ツプの下位において付設することによつてその目
的が達せられることとなつたものである。

本考案の最も要旨とするアダプタ１３の実施例
を、第３図以下において説明する。

アダプタ１３は、ほぼ円筒状の基体１９と、こ
の基体の上下端面に支承される偏心フランジ２
１，２１′付き短管２２，２２′と、これら基体及
び偏心フランジ付き短管を、排水トラツプ８の下
端に嵌着した立管１２、及びエルボに嵌着した立
管１４に夫々回動可能に嵌着するとともに、その
所定偏心回動状態を固定する袋ナツト２５，２
５′、とから構成されて、内部に大径管路を形成
して壁面側の水平排水管１０を偏心状態のまま連
結するものである。

前記アダプタ１３の偏心フランジ付き短管２
２，２２′は、平面ほぼ円板状で、その中心から
所定間隔Ｌを隔てた点を中心とした管口２２ａ，
２２′ａを有する偏心フランジ２１，２１′の上面
に突設されて排水トラツプ８の溢水筒兼排水管、
又は溢水筒に、上下動可能に連結した排水管口９
に連結した立管１２、及び下位のエルボ１５に嵌
着した立管１４に夫々嵌着されるとともに、基体
の上・下端面に回動可能に嵌着され、後記する基
体の大径流水口１８と連通して大径管路を形成す
る。

基体１９の構成は、厚肉側壁の上・下端面にお
いて、口縁部に夫々環状凹溝２０，２０′、その
内方に１段低く環状突起を介して大径の流水口１
８を設けている。

前記流水口１８は、前記管口２２ａ，２２′ａ
の口径よりも少くとも前記間隔“Ｌ”の２倍強寸
法だけは大径で、経験的に得た連結ずれ寸法のほ
ぼ最大量である。

該基体１９と、偏心フランジ付き短管２２，２
２′とは、前記凹溝内のパツキン２３，２３′を介
して袋ナツト２５，２５′が基体外周にねじ締着
されることにより、一体的に結合されて排水トラ
ツプ８の下位において立管１２、及び排水管側の
立管１４の夫々下・上端部に定着される。

尚、図中、９′は、立管嵌着時、上下取付寸法
調整のため、一旦上昇させる立管１２の当り止め
段部である。

以上の構成に係るアダプタ１３について、排水
管口９と、排水管１０とが、第３図の仮想中心線
X₁，X₂において正面視してＬ，Ｌ（2L）だけ偏
位している場合の前記両管９，１０と、アダプタ
の流水口１８の位置関係を第５図に示す。

同図中、Ｘは、排水管口９の中心、X₁は、同
中心線、X₃は排水管１０の中心線、Ｚは同中
心、１８は流水口、Ｙは、同中心、、X₂は同中心
線、Y₁は排水管中心、Y₂は、流水口中心、Ａは
偏心半径である。

従つてＸとＺとの“2L”の“ずれ”は、該図
中、流水口の中心と“ｍ”の間隔を存して流水口
１８内で補正され、第３，４図の通りの状態で排
水管口９と排水管１０を偏心連結している。今、
仮に“ずれ”が2Lより大であると、各短管が、
流水口とともに偏心回動し、図中、前記中心線
Y₂は中心線Y₁と接近し、場合によつては、間隔
“ｍ”は“０”となる関係を有する。

以上の関係、作用を有する本考案のアダプタＣ
による前記左右のずれの調整は、壁面からの排水
管の突出配管を、排水トラツプ８のほぼ直下まで
管継手１７、横管１６、エルボ１５によつて予め
測定して行つてしまい、次に、アダプタＣの介在
によつて排水管口９と排水管１０との左右ずれの
調整を行うものである。

その手順は、基体下端のエルボ１５に立管１４
を嵌着し、アダプタＣの上端の短管２２に立管１
２を挿通して、立管１２を排水管口９内へ上方突
入させて該アダプタＣの下端短管２２′を、前記
立管１４の上端に嵌着させて取付け、夫々基体
上、下部外周の、ゆるめられている袋ナツト２
５，２５′の内部で偏心回動を行い、左右ずれの
調整と、これに伴う前後の偏心調整を上、下短管
で行つた後、前記袋ナツト２５，２５′を締めつ
けて偏心連結を完了する。

尚、アダプタＣの連結介在箇所は、前記に限ら
ず、横管１６との置換によつて行つてもよいこと
勿論である。

以上の構成に係る本考案の排水装置は、次の効
果を奏する。

１ 流し台水槽下面の排水トラツプと、家屋壁面
からの排水管との間に、正面視して左右の連結
位置ずれが存在しても、そのままの状態でアダ
プタＣの上下端面の各偏心短管を、所定角度回
動させるだけで、一々、左右、前後のずれ寸法
を計測したり、適応処置を施したりする手間も
なく、何人にも何らの取付工具もなしに容易、
正確にずれの調整ができることなつたものであ
る。

２ 前記左右の位置ずれの調整が、流し台下位の
狭小空間内の内奥でない比較的前寄りで、目視
下に、上下短管の回動操作だけでできるので流
し台の据付け、排水工事が迅速にでき、しかも
水密も良好で、堅固な排水装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例における連結歪状態を示す縦
断側面図、第２図は、同上正しい連結状態を示す
縦断正面図、第３図は、本考案排水装置の縦断正
面図、第４図は、同上縦断側面図、第５図は、同
上、排水トラツプ、排水管、アダプタの流水管、
の位置関係を示す簡略線図。 ８……排水トラツプ、９……排水管口、１０…
…排水管、１２，１４……立管、Ｃ……アダプ
タ、１８……流水口、１９……基体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水槽底面の排水トラツプと、家屋壁面から水平
   に突出した排水管を、直管と、エルボとにより連
   結する排水管路において、基体に所定大径の流水
   口１８を有し、該流水口の上、下両端面に、夫々
   偏心フランジ付短管２２，２２′を、回転可能に
   取付けて成るアダプタＣを、該各短管２２，２
   ２′の偏心回動により、前記排水管路内所定箇所
   に連結、介在させることにより、前記排水管と排
   水トラツプとの連結位置ずれを調整するようにし
   たことを特徴とする流し台の排水装置。