JPS629402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、流し台に垂設した排水トラツプと、
家屋壁面から水平方向に突出した排水管との連結
中心線間のずれを調整して流し台と排水管とを水
密的に連結する排水装置の改良に関する。

現今の高層集合住宅等では、厨房の機械化、組
織化が推進され、流し台の据え付け場所、排水管
の突出箇所等は、建築時に予め設定され、しかも
排水トラツプと排水管との垂直、水平方向の連結
には、フレキシブル管は耐久性に問題があるとし
て規制され、耐久性に富む硬質プラスチツク製の
直管で連結され排水装置としている。

従つて、厨房家具の配設時の僅かな位置ずれ、
或は壁面からの排水管の突出位置ずれを直管同士
をエルボで、しかも狭小な流し台下位の空間内で
連結作業して補正吸収せねばならないので作業が
困難であり、連結に無理があつた。

従来の連結状態を、第１図縦断正面図、第２図
の縦断側面図で示す。

第２図は正しい連結状態であるが、第１図は、
排水トラツプ２と、排水管３の連結中心線Y₁，
Y₂との間に左右の位置ずれ“Ｌ”がある場合を
示している。

図中、立管４、横引管６は、ともに直管であ
り、エルボ５、管継手７により、排水トラツセ２
と排水管３は連結されている。

第１図の状態においては、立管４は、その上・
下端部において強制連結による変形歪み、空隙が
生じ、排水トラツプ２、エルボ５との水密が悪く
なり、水漏れの原因となつていた。

本考案は、前記位置ずれ状態のまま、排水トラ
ツプと排水管を容易に、正確、水密に連結する排
水装置であり、構造簡単なアダプタによつてその
目的が達せられることとなつたものである。

本考案の最も要旨とするアダプタ１３の実施例
を、第３図以下において説明する。

アダプタ１３は断面ほぼ漏斗状の基体２１と、
これに受けられる偏心フランジ２３付き短管２４
と、これらを排水トラツプ８側に固定する袋ナツ
ト２６から構成されて、内部に異径管路を形成し
て壁面側の横管１０に連結されるものである。

前記アダプタ１３の偏心フランジ付き短管２４
は、平面ほぼ円板状で、その中心点Ｘから間隔Ａ
を隔てた点Ｙを中心とした偏心フランジ２３を一
端に有し、該短管２４の管口２４′を、排水トラ
ツプ８の溢水筒兼排水管又は溢水管に連結した排
水管口９に立管１２を介して連設される。

基体２１の構成は、厚肉フランジ１８と、短管
２０とから成り、断面漏斗状で、厚肉フランジ１
８の上端面において、中心方向へ順次、口縁部を
介して凹溝２２、その内方に１段低く環状突起を
介して流入口１７、更に１段低く小径即ち前記立
管１２、排水管１０と同内径の流出管１９が、短
管２０の内径として連続して設けられている。

前記流入口１７は、前記管口２４′の口径より
も少くとも前記間隔Ａの寸法だけは大径である。

該基体２１と、偏心フランジ付き短管２４と
は、前記凹溝内のパツキン２５を介して袋ナツト
２６が基体外周にねじ着されることにより、一体
的に締着されて排水トラツプ８の下端部に固定垂
設される。

以上の構成に係るアダプタ１３は、排水管口９
と、排水管１０とが仮想中心線において正面視し
て“Ａ”だけ偏位している場合に、立管１２の下
端部に短管２４を嵌着し、袋ナツト２６をゆるめ
た状態で、該短管２４を立管１２の外周に回転さ
せると、基体２１の中心は、点Ｘを中心とした半
径Ａの円弧を画く。従つて左・右方向へ夫々Ａ寸
法の範囲で回動し、その可動範囲は、短管２４の
回転角度で決する。該左右回動により、前記の左
右の“ずれ”が調整され、排水管口９と排水管１
０とは、基体下端のエルボ１４、横管１５、アダ
プタ１６を介し、何らの無理や強制連結の必要な
く、正確、水密的に連結可能となる。

該アダプタ１３により、連結可能となつた排水
管１０は、あとはその前後方向の長さのずれを、
前後調整用のアダプタによつて、調整すればよい
のである。尚、第４図に示す、前後調整用のアダ
プタ１６は、内面中央にリング状の係止突起２７
を有し、且つ先端面を内方に傾斜するテーパ面２
８とすると共に、先端外周にねじ部２９を有する
筒状の基体３０と、該ねじ部と螺合する袋ナツト
３１と、該袋ナツトと基体３０との間に介挿され
るパツキン３２とから成り、該前後調整用のアダ
プタは基体３０の先端において、前記横管１５と
スライド可能に嵌合され、且つ、基体３０の後端
において前記排水管１０に嵌合される。

前記両アダプタ１３，１６から成る本考案の連
結装置は、予め、排水管１０にアダプタ１６の基
体３０を挿着し、横管１５に袋ナツト３１を、緩
挿するとともに、その後端部を、前記基体３０の
前部に挿着しておく。他方、アダプタ１３を立管
１２に緩挿して該立管を一旦、排水管口９の上方
へ押込み、ほぼ位置ずれに対応させてアダプタ１
３の偏心フランジ２３を回動させてエルボに嵌
め、前記横管の前後を調整して該エルボに嵌め
て、夫々の袋ナツト２６，３１を締着するように
成つている。

前記両アダプタ１３，１６は、その取付け位置
をとり換えてもその作用、効果になんらの変りも
ない。

以上の本考案排水結装置は次の効果を有する。

即ち、流し台下位空間内の排水管口と壁面から
突出開口する排水管の左右連結中心がずれている
場合でも、流し台の移動や排水管の開口位置の変
更を要せず、単に左右調整用のアダプタ１３を所
要角度回転させるとともにその偏心回動に伴う前
後寸法のずれを、簡単な構造のアダプタ１６で調
整するのみで、極めて狭小な空間内で、容易に該
ずれを調整して、洗し台の排水口と躯体側排水管
とを水密的正確・円滑に連結できるようになつ
た。

しかも、アダプタ１３は、偏心フランジ付き短
管と大・小径の流入・流出口を有する基体と袋ナ
ツトの簡単な構成部材から成り、複雑な取付工具
も要さずに確実・堅固に連結が可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の流し台の排水装置の実施例を示
し、第１図は、従来例において連結中心のずれた
状態の要部縦断側正面図、第２図は、同上正しい
連結状態を示す要部縦断正面図、第３図は、本案
排水装置の要部縦断正面図、第４図は、同上要部
縦断側面図、第５図は本考案の要部であるアダプ
タの偏心回転の説明図である。 ８……排水トラツプ、９……排水管口、１０…
…排水管、１１……壁、１３……アダプタ、１４
……エルボ、１６……アダプタ、１７……流入
口、１９……流出口、２１……基体、２２……凹
溝、２３……偏心フランジ、２４……短管、２６
……袋ナツト、３０……基体、３１……袋ナツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水槽底面の排水トラツプと、家屋壁面から水平
   に突出した排水管を、垂直管、エルボ、横管によ
   り連結する排水装置において、偏心フランジ２３
   を突設した短管２４と、該偏心フランジより大径
   のフランジ部１８の一端に、前記短管口径より大
   径の流入口１７を有し、他端に前記排水管或は連
   結用エルボとほぼ同口径の流出口１９を同心に設
   けた基体２１とを、前記偏心フランジ２３を基体
   ２１の流入口に臨ませて回動可能に定着し、袋ナ
   ツト２６にて短管２４と基体２１とを一体的に締
   め付けるようにして成るアダプタ１３と、一端か
   ら挿入した管内端の当り止め用の係止突起２７を
   有し、他端には進退可能に挿入した管を袋ナツト
   ３１により、固定するようにしたアダプタ１６と
   を、前記垂直管と横管に連結し、該垂直管と横管
   との連結位置ずれを補正するようにしたことを特
   徴とする流し台の排水装置。