JPS628778B2 - - Google Patents

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JPS628778B2
JPS628778B2 JP14286877A JP14286877A JPS628778B2 JP S628778 B2 JPS628778 B2 JP S628778B2 JP 14286877 A JP14286877 A JP 14286877A JP 14286877 A JP14286877 A JP 14286877A JP S628778 B2 JPS628778 B2 JP S628778B2
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JP
Japan
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group
dye
compound
layer
diffusion
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JP14286877A
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English (en)
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JPS5369033A (en
Inventor
Maieru Erunsuto
Reejitsuhi Uorufugangu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agfa Gevaert AG
Original Assignee
Agfa Gevaert AG
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Filing date
Publication date
Application filed by Agfa Gevaert AG filed Critical Agfa Gevaert AG
Publication of JPS5369033A publication Critical patent/JPS5369033A/ja
Publication of JPS628778B2 publication Critical patent/JPS628778B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B29/00Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling
    • C09B29/24Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from coupling components containing both hydroxyl and amino directing groups
    • C09B29/28Amino naphthols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B29/00Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling
    • C09B29/34Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from other coupling components
    • C09B29/36Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from other coupling components from heterocyclic compounds
    • C09B29/3604Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from other coupling components from heterocyclic compounds containing only a nitrogen as heteroatom
    • C09B29/3647Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from other coupling components from heterocyclic compounds containing only a nitrogen as heteroatom containing a five-membered ring with two nitrogen atoms as heteroatoms
    • C09B29/3652Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from other coupling components from heterocyclic compounds containing only a nitrogen as heteroatom containing a five-membered ring with two nitrogen atoms as heteroatoms containing a 1,2-diazoles or hydrogenated 1,2-diazoles
    • C09B29/366Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from other coupling components from heterocyclic compounds containing only a nitrogen as heteroatom containing a five-membered ring with two nitrogen atoms as heteroatoms containing a 1,2-diazoles or hydrogenated 1,2-diazoles containing hydroxy-1,2-diazoles, e.g. pyrazolone
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C8/00Diffusion transfer processes or agents therefor; Photosensitive materials for such processes
    • G03C8/02Photosensitive materials characterised by the image-forming section
    • G03C8/08Photosensitive materials characterised by the image-forming section the substances transferred by diffusion consisting of organic compounds
    • G03C8/10Photosensitive materials characterised by the image-forming section the substances transferred by diffusion consisting of organic compounds of dyes or their precursors

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は写真学的拡散転写方法、特に染料拡散
転写方法(転染法)に関するものである。また本
発明は、染料拡散転写方法によりカラー写真画像
を形成させる方法、ならびに、この目的のために
適した写真材料を提供するものである。この写真
材料は新規な耐拡散性の酸化可能化合物を含むも
のであり、しかして該新規化合物はその分子の中
に写真学的に有用な基(fragment)を含んでお
り、そしてこの化合物は、酸化物の形で存在する
ときよりも非酸化物の形で存在するときに、前記
の写真学的に有用な基を一層容易に放出し得るも
のである。この基が拡散性のものである場合に
は、これは他の写真層の方に拡散し、そこで、所
望効果をあらわすものである。本発明の1具体例
では、前記の写真学的に有用な基は拡散性染料の
残基であり得、そしてこの場合には、前記の酸化
可能化合物は、特にカラー写真用染料拡散転写法
において色素供与化合物(染料供与化合物)とし
て使用できるのである。このような化合物は、そ
れが非酸化物の形で存在するときに拡散性染料を
放出し得るものであり、一方、該化合物が酸化物
の形で存在するときには、このような放出を行い
得ないのである。 染料拡散転写方法によりカラー写真画像を形成
させるための公知方法は沢山あるが、次の方法が
近年重要視されるようになつた。すなわち、色素
供与化合物を耐拡散性物質の形で配合し、現像操
作実施中に該色素供与化合物から拡散性染料また
は染料前駆体を画像の形の通りに離脱させて画像
受入層の方に移す(転写させる)ことからなる方
法が重要視されるようになつた。 この目的のために適した色素供与化合物は多数
あるが、その例には独国特許第1095115号明細書
記載の耐拡散性カラーカツプラーがあげられる。
これは、現像操作実施中に第1芳香族アミンから
なる発色現像薬化合物の酸化生成物との反応によ
り「カラーカツプリング反応のときに生じた染料
またはプレフオーム染料(preformed dye;前も
つて形成された染料)」を拡散性物質の形で放出
し得るものである。勿論この場合の現像薬化合物
の選択範囲は発泡現像薬の範囲内のみに限定され
る。 もう1つの適当な耐拡散性色素供与化合物は、
独国特許公開公報第1930215号記載の化合物であ
る。この化合物は、離脱可能ヒドラゾン基により
耐拡散性付与基に結合している「潜在的拡散性を
有するプレフオーム染料残基」をもつている。こ
の化合物はカラーカツプラーとはみなし得ないも
のであつて、実際に、この拡散性染料残基の離脱
のために適した現像薬化合物の選択範囲は決して
常用発色現像薬の範囲内のみに限られるものでは
なく、ピロカテコール等の白黒現像薬もまた有利
に使用できるのである。 耐拡散性色素供与化合物のもう1つの例には、
独国特許公開公報第1772929号記載のものがあげ
られる。この化合物は或特別の基を含んでいて、
現像操作実施中に酸化閉環反応によりプレフオー
ム染料残基を拡散性物質の形で放出し得るもので
ある。該独国特許公開公報記載の化合物は2つの
グループに分けることができる。そのうちの1つ
のグループの化合物は現像のために常用発色現像
薬化合物を必要とするものである。すなわちこれ
らの化合物は発色現像薬化合物の酸化生成物とカ
ツプリング反応を行い、そして其後の閉環反応の
ときにプレフオーム染料残基を拡散性物質の形で
離脱、放出し得るものである。もう1つのグルー
プの化合物はそれ自身ハロゲン化銀現像薬として
の役割をも果し得るものであつて、したがつてこ
れはその酸化物の形になつたときに上記の閉環反
応に関与して、(他種現像薬化合物の不存在下に
おいてさえ)拡散性染料を放出し得るものであ
る。 次に、独国特許公開公報第2242762号記載の耐
拡散性色素供与化合物について説明する。この化
合物はスルホンアミドフエノールまたはスルホン
アミドアニリンであつて、これは、現像操作実施
中に起る酸化反応の後に現像薬のアルカリの作用
により分解して、遊離スルフアモイル基を有する
拡散性染料を放出し得るものである。 前記の公知色素供与化合物はすべてネガ画像形
成材料としての働きをなすものである。すなわ
ち、これは常用(ネガ用)ハロゲン化銀乳剤と一
緒に使用されたときに写真学的に有用な基を放出
し、しかしてこの基は大抵の場合において、現像
により生じたネガの銀画像に対応する画像状分布
状態で放出される拡散性染料である。したがつ
て、ポジの染料画像(カラー画像)の形成の場合
には直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤を使用するかま
たは適当なリバーサル操作を行う必要がある。 さらに、独国特許公開公報第2402900号および
第2543902号にも、耐拡散性色素供与化合物が開
示されている。この化合物は、アルカリ性現像条
件下に分散反応を起して、拡散性染料の如き写真
学的に有用な基を放出し得るものであるが、これ
が酸化物の形のときには、該分解反応の実施は困
難または不可能である。この型の化合物は、ポジ
の転写カラー画像の形成のために、常用のネガ用
乳剤と一緒に使用できるものである。 前記の公知色素供与化合物のうちから、すべて
の点ですぐれた化合物、すなわち充分な反応性を
有しかつ充分安定な化合物を選び出すことは困難
である。この種の化合物は、アルカリ性現像の開
始時には拡散性染料を放出せず、画像状分布状態
で現像されたハロゲン化銀により画像の形の通り
に行われる酸化反応の後においてのみ、拡散性染
料を放出し得るものであるべきである。一方、酸
化物または非酸化物の形の前記色素供与化合物か
らの拡散性染料の放出は、充分速やかに行われな
ければならず、さらにまた、該拡散性染料の転写
も充分速やかに行われなければならない。 此度、1群の新規な耐拡散性の酸化可能化合物
が見出された。これは、非酸化物の形で存在する
ときに現像薬のアルカリの影響下に分解反応を起
して、写真学的に有用な基(特に拡散性染料)を
放出するが、該化合物が酸化物の形で存在すると
きには前記分解反応を起さないかまたは少ししか
起さないものである。 「したがつて本発明は、写真学的拡散転写操作
(たとえばカラー写真画像形成のための写真学的
染料転写操作)を行うために、少なくとも1つの
感光性ハロゲン化銀乳剤と、該層に付随せる耐拡
散性の酸化可能化合物とを有する写真材料を使用
して、この化合物は、非酸化物の形で存在すると
きにはアルカリ性現像条件下で分解反応を起し易
く、これによつて写真学的に有用な基(たとえば
拡散性染料)が放出されるが、前記化合物が酸化
物の形で存在するときには前記の分解反応が起ら
ないかまたは前記の非酸化物の形が存在するとき
よりもずつと低い程度でしか該分解反応が起らな
いという性質を有するものであり、この写真材料
に画像形成露光を行いそしてハロゲン化銀現像薬
で現像し、このハロゲン化銀現像薬の酸化生成物
により前記の耐拡散性の酸化可能化合物を酸化
し、これによつて、この酸化可能化合物を「アル
カリにより分解できないかまたはごく低度にしか
分解できない形のもの」に変換させ、一方、残存
せる非酸化物の形の酸化可能化合物を前記アルカ
リ性媒質の影響下に分解させ、その結果として写
真学的に有用な基を放出させることを包含する写
真学的拡散転写方法に関するものである。前記の
写真学的に有用な基が拡散性染料である場合に
は、これを画像受入層に移し(転写させ)、その
中に染料画像を形成させることができる。このよ
うな場合に使用される前記の耐拡散性化合物のこ
とを、以下では「色素(染料)供与化合物」と称
することにする。本発明方法の特徴は、前記の耐
拡散性の酸化可能化合物が次式で表わされる化合
物であることである。 上式において、Aは写真学的に有用な基を表わ
し; Xは2価の結合基を表わし; mは0または1であり、 R1は非置換または置換アルキル基、アルアル
キル基またはアリール基を表わし; R2は水素、もしくは非置換または置換アルキ
ル基、アルアルキル基またはアリール基を表わ
し; R3、R4およびR5は互いに同一または相異なる
基であつてよく、そしてこれは水素、ハロゲン、
アルキル基、アルコキシ基またはアシルアハン基
を表わし; あるいはR4はR5と一緒になつて、縮合ベンゼ
ン環を完成させるのに必要な残基を表わし; ただしR1、R2、R3、R4およびR5のうちの少な
くとも1つは、耐拡散性を付与する残基を含むも
のである。 前記の式()において、Aは既述の如く写真
学的に有用な基の残基、特に拡散性染料または染
料前駆体(プレカーサー)の残基を表わす。 Xは、好ましくは、式−R−(L)p−(R)qの2価
の結合基を表わす。 Rは炭素原子を1〜6個有するアルキレン基、
または非置換または置換アリーレン基またはアル
アルキレン基を表わし、しかして上記の2つのR
基は互いに同一または相異なるものであつてよ
い。たとえばRは非置換フエニレン基であつても
よく、あるいは、アルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン、アシルアミノ基、アシル基(たとえば−
COCH3)またはアルコキシカルボニル基からなる
群から選ばれた1種またはそれ以上の置換基で置
換されたフエニレン基であつてもよい。 Lは−O−、−CO−、CONR7−、−SO2−NR7
−、−O−CO−NR7、−S−、−SO−または−SO2
−を表わす。 R7は水素またはアルキル基を表わす。 p=0または1。 q=0または1;ただしp=1の場合にはq=
1。 R1およびR2は互いに同一または相異なる基で
あつてよく、そしてこれらの基は非置換または置
換アルキル基、アルアルキル基またはアリール基
を表わし、たとえば炭素原子1〜18個のアルキル
基(たとえばメチル基、エチル基、n−ヘキシル
基、n−オクチル基、n−ウンデシル基、n−ド
デシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル
基、n−ペンタデシル基、n−ヘプタデシル
基)、アルアルキル基(たとえばベンジル基)、ア
リール基(たとえばフエニル基)を表わす。ある
いはR2は水素を表わす。 R3、R4およびR5は互いに同一または相異なる
基であつてよく、そしてこれらは水素、ハロゲン
(たとえば塩素、臭素)を表わし、あるいは炭素
原子18個以下のアルキル基またはアルコキシ基を
表わし、あるいはアシルアミノ基(この基の中の
アシル基は脂肪族または芳香族カルボン酸または
スルホン酸から導かれたものである)を表わす。
あるいは、R5はR4と一緒になつて、置換または
非置換の縮合ベンゼン環を完成させるのに必要な
残基を表わすものであり得る。 m=0または1。 ただし置換基R1、R2、R3、R4、R5のうちの少
なくとも1つは、耐拡散性付与基(耐拡散性付与
用残基)を有するものである。 前記の非酸化物の形の酸化可能化合物から離脱
し得る前記の写真学的に有用な基は拡散性を有す
るものであつてよく、そしてこれは現像抑制剤、
現像薬、ハロゲン化銀溶媒、および特に染料また
は染料先駆体を含有するものであり得る。前記の
写真学的に有用な基は、前記の非酸化物の形の酸
化可能化合物から放出された後に、同じ層(すな
わち前記の放出が行われた層と同じ層)で所望効
果を奏するか、あるいは、拡散後に他の層(この
写真材料の中の他の層)において所望効果を奏す
るものであり得る。 原則として、前記の写真学的に有用な基の一例
である染料残基は任意の系列の染料から導かれた
ものであつてよいが、この染料は、感光材料中の
諸層を通過して画像受入層の方に充分拡散し得る
程度の拡散性を有するものでなければならない。
この目的のために、この染料残基に1またはそれ
以上の水溶性付与基を結合させてもよい。適当な
水溶性付与基の例には、カルボキシル基、スルホ
基、スルホンアミド基、スルフアモイル基、脂肪
族および芳香族ヒドロキシル基があげられる。或
場合には、前記スルフアモイル基は前記分解反応
後にも染料に結合したまま残留することがあり得
る。ただし、たとえばZが−NH−SO2−である
場合には、この基自体が染料分子にかなり高度の
アルカリ媒質中拡散性を付与することがあち、し
たがつてこの場合には、別個の水溶性付与基を存
在させることは決して必須要件ではない。本発明
方法に特に適した染料の例には次のものがあげら
れる:アゾ染料、アゾメチン染料、アンスラキノ
ン染料、フタロシアニン染料、インジゴイド染
料、トリフエニルメタン染料、金属錯体染料、有
色金属錯体。 用語「染料先駆体の残基」は、写真処理のとき
の或慣用工程において、あるいは追加工程におい
て、酸化反応により、あるいはカツプリング反応
により、あるいは発色団(系)中への助色団
(基)の顕出(exposure)により、たとえば鹸化
反応により、染料に変換できる化合物残基を意味
するものである。この意味での染料先駆体は、処
理中に他の染料に変換されるカツプラーまたは染
料、もしくはリユウコ染料であり得る。以下の文
節において、染料残基と染料先駆体残基とを区別
する必要がない場合には、染料残基と染料先駆体
残基との両者を含めて「染料残基」と記載するこ
とにする。 前記一般式においてXは2価結合基であるが、
その具体例には次式の基があげられる。 −CH2−CH2−O−CH2−CH2−、
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】−CH2−CH2−SO2−C6H12 −、 および−C3H6−NH−CO−C2H4− 好ましくは、Y1およびY2はヒドロキシル基ま
たはアミノ基を表わす。ただし、この2つの置換
Y1およびY2が互いに同一であることは必らずし
も必要ではない。n=0の場合にはY2はオルト
−位置にあることが好ましく、n=1の場合には
Y2はパラ−位置にあることが一層好ましい(Y1
の位置基準)。このような配列構造を有するため
に、本発明に係る化合物は、酸化されたときにo
−キノイド系または一層好ましくはp−キノイド
系(置換基Y1およびY2を含むもの)になり得る
のである。Y1および/またはY2が−NH−SO2R9
である場合には、R9は写真学的に不活性な残基
(たとえばアルキル基、フエニル基)であること
が好ましい。 一般式を有する酸化可能化合物類のうちで、
或グループの化合物は他のグループのものより一
層好ましいものであることが判つた。たとえば、
n=1である化合物は、n=0である化合物より
も酸化反応性が一般に一層良好である。したがつ
て、n=0である酸化可能化合物の使用時には
「n=1である酸化可能化合物の酸化のために必
要な酸化ポテンシヤルよりも一層高度の酸化ポテ
ンシヤルを有する酸化生成物になり得るような現
像薬」を使用することが必要であろう。本発明に
係る化合物のもう1つの重要な官能性(すなわ
ち、酸化反応性以外の重要な官能性)は、該化合
物が非酸化物の形で存在するときの加水分解反応
性である。アルカリ性現像薬媒質中での加水分解
は比較的速やかに行われ、これによつて、写真学
的に有用な基が速やかに放出されることが好まし
い。一方、この加水分解の開始期は、現像薬の酸
化生成物または現像可能ハロゲン化銀による「画
像の形の通りに行われる酸化反応」が完了する時
点まで遅らせるのが好ましく、これによつて、写
真学的に有用な基(たとえば拡散性染料)の「画
像の形の通りの移行(転写)」が確実に実施でき
るのである。かように、加水分解反応の反応速度
は酸化反応の反応速度に適合した値にすることが
好ましいのであるが、この調整は、加水分解反応
性に大きい影響を与える前記置換基を適当に選び
出すことにより容易に行うことができる。この加
水分解性は、式()中の結合基−SO2−の性状
に大きく左右され、特に基−SO2−の電気陰性度
に大きく左右される。所望程度の加水分解性を有
する化合物を得るためには、基−SO2−と共働す
る置換基R1およびR2を本発明の範囲内で1群の
置換基類のうちから適切に選択することが一般に
必要であろう。たとえば、R2は水素であり、R1
は非置換または置換アルキル基またはアルアルキ
ル基であることが好ましい。 本発明に係る色素供与化合物が「完全な分子」
(intact molecules)として存在するときは、こ
れは、写真材料中の各層を充分透過し得るような
拡散性を有するものであつてはならないことに注
目されたい。この目的のために、この化合物は耐
拡散性付与基を有し、しかしてこの耐拡散性付与
基は、たとえば置換基R1〜R5のうちのいずれか
の中に存在させることができ、あるいは、基R5
と基R4とにより形成された縮合ベンゼン環の中
に存在させることができる。 この色素供与化合物は、前記の種々の置換基が
長鎖アルキル残基を含まないものであるときでさ
え充分な耐拡散性を有することがあり得る。なぜ
ならば、染料残基の「分子の寸法」それ自体がこ
のような条件下においてさえ充分に大きい場合が
あり得るからである。そのほかの場合には、この
色素供与化合物に充分に大きい残基を結合させる
ことにより、該化合物に充分な耐拡散性を付与す
ることができる。 ここに「耐拡散性付与基」とは、写真材料に常
用される親水性コロイド中で本発明の化合物が耐
拡散性物質の形で存在し得るように該化合物に耐
拡散性を付与する基のことである。この目的のた
めには、一般に直鎖状または分枝状脂肪族基を有
する有機基を用いるのが好ましく、しかして該有
機基はまた同素環または複素環または芳香族基を
有するものであつてもよく、その炭素原子数は一
般に8〜20個であり得る。これらの残基(すなわ
ち耐拡散性付与基)は分子中の「残りの部分」に
直接または間接的に結合させることができる。間
接結合の場合には、たとえば次の基のうちのいず
れかを介して結合できる:−NHCO−、−NHSO2
−、−NR−(ここにRは水素またはアルキル基を
表わす)、−O−、−S−、−SO2−。この耐拡散性
付与基はさらに水溶性付与基をも有することがで
き、水溶性付与基の例にはスルホ基、カルボキシ
ル基があげられるが、これらはアニオンの形で存
在するものであつてもよい。この化合物の拡散性
(または耐拡散性)はその分子全体の寸法に左右
されるものであるから、或場合には、たとえば分
子が充分大きいものである場合には、比較的短か
い鎖長を有する基を耐拡散性付与基として使用す
るだけで充分であろう。 式()の酸化可能化合物の具体例を以下に示
す。 前記化合物のうちの若干のものの製造例を以下
に示す。他の化合物は、この製法を少し変えた製
法に従つて製造できる。 化合物1 (a) 2−テトラデカノイルハイドロキノンは次の
文献に記載の2−ステアロイルハイドロキノン
の製法と同様な方法に従つて製造できた:アー
ムストロング等「J.Am.Chem.SOc.」、第82
巻、第1928頁(1960年)。その融点は101〜103
℃であつた。 (b) 2−テトラデシルハイドロキノン 前記カルボニル化合物1aを用いてウオルフー
キシユナー還元反応を行つた。 2−テトラデカノイルハイドロキノン64gを
ヒドラジンハイドレート30g、粉砕された
KOH45gおよびトリエチレングリコール300ml
と一緒に2時間還流した。其後に還流冷却器を
デシンジング冷却器(descinding cooler)と
交換し、反応混合物を195℃までの高温に4時
間加熱した。冷たくなつてから反応混合物を水
800mlの中に注ぎ入れ、かくして得られたサス
ペンジヨンに抽出操作を、エーテルを用いて数
回行つた。抽出物(エキストラクト)を一緒に
して水洗し、蒸発させた。残留物をベンゼン
250mlから結晶させた。 収量22g;融点108〜109℃。 (c) 2−テトラデシル−5−ホルミル−ハイドロ
キノン 塩化チタン()4.5mlを化合物1b(6.12
g)のサスペンジヨン(媒質はジクロロメタン
120ml)に、5℃において保護用窒素雰囲気中
で添加した。α・α−ジクロロ−ジメチルエー
テル6.3gを、冷却操作を行なわずに添加し
た。かくして得られた溶液を35℃において、塩
化水素の発生が止むまで撹拌した。次いでこの
混合物を、若干量の砕氷および5%塩酸120ml
の添加により分解し、次いでエーテルを用いて
抽出操作を3回行つた。エーテル抽出物を集め
て2%炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、そして水
洗した。有機溶液をNa2SO4で乾燥し、蒸発操
作を行つた。黄褐色の残留物をリグロインから
再結晶した。 収量3g;融点66〜69℃。 (d) 2−テトラデシル−5−ヒドロキシメチル−
ハイドロキノン 硼水素化ナトリウム(ナトリウムボロハイド
ライド)0.31gの水溶液(水の量は2ml)を前
記アルデヒド化合物1c(2.45g)のメタノール
溶液(メタノールの量は30ml)に、撹拌下に保
護用窒素の存在下に40℃において添加した。 20分後に、この反応液を5%硫酸100ml中に
注ぎ入れた。生じた沈殿を吸引過により分離
し、乾燥した。再結晶操作を、ブチルクロライ
ドを用いて実施した。 収量1.95g;融点106〜108℃。 (e) 4−〔4−(1−フエニル−3−メチル−ピラ
ゾロン−(5)−イル−(4)−アゾ)−3−メトキシ
−ベンゼンスルホンアミド〕−ベンゼンスルフ
イン酸 4−(1−フエニル−3−メチル−ピラゾロ
ン−(5)−イル−(4)−アゾ)−3−メトキシ−ベ
ンゼンスルホクロライド4.07g、4−アミノベ
ンゼンスルフイン酸1.6gおよびジメチルアニ
リン1.2gをジメチルホルムアミド6ml中に入
れて20℃において3時間撹拌した。この溶液を
2N−塩酸200ml中に注ぎ入れた。この塩析操作
により、所望生成物である染料がスルフイン酸
化合物として得られた。 収量4g。 (f) 化合物1 カルビノール化合物1d(1.68g)の酢酸溶液
(酢酸の量は90ml)を、スルフイン酸化合物1e
(2.64g)と酢酸ナトリウム0.56gとのエタノ
ール溶液(このときエタノール溶媒は80%エタ
ノール液であつて、その量は25mlであつた)と
混合した。この混合物に濃硫酸0.2mlを添加し
た後に、該混合物を4時間還流した。かくして
得られた溶液を水中に注ぎ入れ、エチルアセテ
ートを用いて抽出操作を行つた。抽出物を集め
て5%酢酸ナトリウム溶液で洗浄した。次い
で、水性相が無色になるまで水洗した。蒸発操
作により溶媒を除去した後に、残留物をブチル
クロライドとリグロインとの1:1混合物と一
緒にして加熱した。得られた残留物をブチルク
ロライドと一緒にしてすりつぶし操作を行つて
結晶化させ、次いでエチルアセテートから再結
晶した。 収量0.65g;融点165〜170℃。 化合物3 (a) 2・3−ジメチル−5−テトラデカノイル−
ハイドロキノン ジメチルハイドロキノン〔「Acta Pharm.
Suecica」、第5巻、第215頁(1968年)〕56gと
ミリスチン酸147.5gとのジクロロメタン溶液
(ジクロロメタンの量は200ml)に、35〜40℃に
おいて三弗化硼素を飽和させた。この溶液を1
晩中放置した後に、これを2時間還流した。こ
の反応混合物を、酢酸ナトリウム113gの水溶
液(水の量は1000ml)の中に入れて撹拌した。
30分間後にジクロロメタン層を分離し、これを
5%炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄した。有機
溶媒を除去した後に、残留物をリグロインから
再結晶した。 収量80g;融点101〜102℃。 (b) 2・3−ジメチル−5−α−ヒドロキシテト
ラデシル−ハイドロキノン 硼水素化ナトリウム6.4gの水溶液(水の量
は40ml)を、ケト化合物3a(70g)のメタノー
ル溶液(メタノールの量は600ml)に30℃にお
いて撹拌下に滴下した。冷却操作を行つて温度
を30℃以下に保つた。30分後に反応混合物を水
1で希釈し、希硫酸で酸性化した。生じた沈
殿をエチルアセテート中に入れ、有機層を分離
した。エチルアセテートの除去後に、残留物を
ブチルクロライドと一緒に加熱することにより
該残留物を精製した。 収量60g;融点132℃。 (c) 2−メトキシ−5−(β−ヒドロキシナフチ
ルアゾ)−ベンゼンスルフイン酸のナトリウム
塩 2−メトキシ−5−アミノ−ベンゼンスルフ
イン酸1.87gをNaOH(0.4g)と共に水18mlに
溶解した。NaNO2(0.7g)および氷15gの添
加後に、濃塩酸3mlを、撹拌下に徐々に添加し
た。この溶液をさらに15分間撹拌し、次いでこ
れを、β−ナフトール1.44gと炭酸ナトリウム
2.5gとの水溶液(水の量は30ml)に5〜8℃
において撹拌下に除々に滴下した。5〜8℃に
おいて1時間撹拌した後に、生じた沈殿を吸引
過により分離し、10%塩化ナトリウム溶液で
洗浄し、クレーを用いて乾燥した。 収量3.2g。 (d) 化合物3 カルビノール化合物3b(1.75g)を60℃にお
いて酢酸60mlに溶解し、これに染料スルフイネ
ート化合物3c(2g)の水溶液(水の量は25
ml)を添加した。この反応混合物を50℃におい
て30分間撹拌し、次いで冷却した。生じた沈殿
を傾シヤにより溶媒から分離し、エチルアセテ
ート中に入れた。濃厚な該エチルアセテート溶
液を数回水洗し、リグロインの添加により化合
物3を沈殿させた。 収量1.5g;融点149〜151℃。 化合物4 (a) 4−〔4−アセトアミド−5−ヒドロキシ−
6−(2−クロロフエニルアゾ)−ナフタリン−
(1)−スルアミド〕−ベンゼンスルフイン酸 4−アセトアミド−5−ヒドロキシ−6−
(2−クロロフエニルアゾ)−ナフタリン−(1)−
スルホクロライド2.19g、4−アミノベンゼン
スルフイン酸0.79gおよびジメチルアニリン
0.6gをジメチルホルムアミド30ml中に入れて
作つた混合物(混合液)を20℃において2.5時
間撹拌し、次いで2N−塩酸150ml中に入れて撹
拌した。生じた沈殿を吸引過により分離し、
希塩酸で洗浄し、クレー上でプレスし、乾燥し
た。 収量2.4g。 (b) 化合物4 染料スルフイン酸化合物4a(2.23g)を無水
酢酸ナトリウム0.5gと共に3N−酢酸40mlに溶
解し、この溶液をカルビノール化合物3b(1.4
g)の酢酸溶液(酢酸の量は50ml)と混合し
た。この混合物を50℃において1.5時間撹拌し
た。冷却後に、生じた沈殿を吸引過により分
離し、酢酸で洗浄し、乾燥した。この粗製物質
を其後にエチルアセテート30mlと共に加熱し、
過により不溶解成分を分離し、液を濃縮し
た。数時間放置後に、パープル色の化合物4が
該濃縮残留物から沈殿した。 収量0.9g;融点167〜170℃。 化合物5 (a) 4−{3−〔5−ヒドロキシ−8−(2−メチ
ルスルホニル−4−ニトロ−フエニルアゾ)−
ナフチル−(1)−アミノスルホニル〕−ベンゼン
−スルホンアミド}−ベンゼンスルフイン酸 この化合物は、化合物4aの製法と同様な方法
に従つて製造した。ただし、此度は4−アセト
アミド−5−ヒドロキシ−6−(2−クロロフ
エニルアゾ)−ナフタリン−(1)−スルホクロラ
イド2.19gの代りに3−〔5−ヒドロキシ−8
−(2−メチル−スルホニル−4−ニトロ−フ
エニルアゾ)−ナフチル−(1)−アミノスルフホ
ニル〕−ベンゼン−スルホクロライド3.13gを
使用した。 収量3.6g。 (b) 化合物5 この化合物は、前記の化合物4の製法と類似
の方法に従つて製造した。ただし此度は染料ス
ルフイン酸化合物4a(2.23g)の代りに染料ス
ルフイン酸化合物5a(3g)を使用した。 収量:0.95g(エチルアセテート/リグロイン
から再結晶)。 化合物6 (a) 4−〔4−(1−フエニル−3−N−メチルカ
ルバモイル−ピラゾロン−(5)−イル−(4)−アゾ
−ベンゼンスルホンアミド〕−ベンゼンスルフ
イン酸 この化合物は、前記のスルフイン酸化合物4a
の製法と同様な方法に従つて製造した。ただし
此度は4−(1−フエニル−3−N−メチルカ
ルバモイル−ピラゾロン−(5)−イル−(4)−ア
ゾ)−ベンゼンスルホクロライド2.1gを4−ア
ミノベンゼンスルフイン酸0.79gと反応させ
た。 (b) 化合物6 この黄色染料化合物は、前記の化合物4の製
法と同様な製法に従つて、前記の染料スルフイ
ン酸化合物6a(2.16g)から製造した。 収量0.93g;融点128〜131℃。 化合物9 既述のカルビノール化合物3b(3.5g)およ
び1−フエニル−5−メルカプトテトラゾール
1.9gをベンゼン100mlに溶解しした。濃硫酸
0.05mlの添加後に、この溶液を2時間還流し
た。このベンゼン溶液を水洗し、乾燥し、濃縮
した。残留物をブチルクロライド中に入れ、
過して未反応の1−フエニル−5−メルカプト
−テトラゾールを分離、除去し、次いでコラム
−クロマトグラフイ〔定置相:シリカゲル;溶
媒混合物:ベンゼン/エチルアセテート(40:
1)〕により精製した。 収量1.95g;油状物(融点測定不能)。 本発明の主な具体例において使用される前記酸
化可能化合物は色素供与化合物であつて、この場
合における「写真学的に有用な基」は拡散性染料
である。したがつて、以下の文節では主として色
素供与化合物について詳細に説明することにす
る。しかしながら、本発明の範囲は決してこの具
体例の範囲内に限定されるものではなく、前記酸
化可能化合物中には染料または染料前駆体の代り
に他の種々の写真学的に有用な基を、種々の目的
に応じて適宜存在させることができるということ
に注目されたい。 本発明に係る色素供与化合物は、写真材料中の
写真層を形成させるためのキヤスチング液の中
に、常用配合方法のいずれかに従つて配合でき
る。この色素供与化合物の使用量(キヤスチング
液1当り)は比較的広い範囲内で種々変えるこ
とができ、個々の場合における最適使用量は簡単
な試験により容易に決定できるであろう。たとえ
ば、この色素供与化合物は5〜80g使用でき、好
ましくは20〜40g使用できる(キヤスチング液1
当り)。所望効果を得るために、耐拡散性色素
供与化合物とハロゲン化銀との間に或特定の関係
(「付随関係」という)を確立しておかなければな
らないが、この関係は、公知の乳化方法(乳剤調
製方法)を利用することにより確立できる。この
種の方法は、たとえば英国特許第791219号、第
1099415号、第1099416号および第1099417号明細
書に記載されている。また、この色素供与化合物
の水性分散液を作り、これを公知の乳化方法のい
ずれかに従つて写真層の中に配合することも可能
である。この種の方法は、たとえば英国特許第
791219号および第1099414号〜第1099417号明細書
に記載されている。また、この色素供与化合物の
水性分散液を作り、これを所定のキヤスチング液
に添加することも可能である。この場合には、こ
の色素供与化合物の水性スラリーに微細化ミリン
グを行うのがよいが、このミリングは、鋭い稜角
を有する砂を添加して烈しい撹拌を行うことによ
り、あるいは超音波を用いることにより実施でき
る。もう1つの配合方法は、この色素供与化合物
をいわゆるマイクロカプセルの形でハロゲン化銀
(および任意的に現像薬)と一緒に写真層の中に
配合することからなるものである。この場合に
は、互いに感度(増感度)の異なる2種またはそ
れ以上の感光性ハロゲン化銀乳剤および適当な前
記耐拡散性化合物を混合していわゆる混合粒乳剤
を作り、これを単式層(single layer)の中に配
合することができるが、この配合方法はたとえば
米国特許第2698794号明細書に記載されている。
しかしながら、この化合物をアルカリ性水溶液か
ら親水性バインダーの方に移行させることからな
る配合方法は、あまり好ましいものではない。こ
の化合物はアルカリ性現像条件下で加水分解し易
いものであり、そしてこの加水分解性は本発明の
必須要件の1つであるから、この配合操作実施中
に、不所望の「早期加水分解」が起らないように
注意を払わなければならない。 この耐拡散性色素供与化合物は感光層またはそ
の隣りの層に入れることができる。たとえば、シ
アン染料を放出し得る化合物は赤感層に付随させ
ることができ、マゼンタ染料を放出し得る化合物
は緑感層に付随させることができ、黄色染料(イ
エロー染料)を放出し得る化合物は青感層に付随
させることができる。 用語「付随」、「付随せる」は、「生成された銀
画像」と「耐拡散性色素供与化合物の酸化生成物
の画像状分布状態」との間に「画像に関する対応
関係」が確立できるように、ハロゲン化銀乳剤と
色素供与化合物とが相互にインタラクシヨンし得
るようにするために、ハロゲン化銀乳剤と色素供
与化合物とを、或相互関係を保つように配置する
ことを意味するものである。 付随させるべき色素供与化合物は、ハロゲン化
銀乳剤層自体の中に、あるいは該ハロゲン化銀乳
剤層の隣りの層の中に入れるのが好ましく、しか
してこの「隣りの層」は、露光操作実施時の入射
光の方向からみて該ハロゲン化銀乳剤層の後方に
位置する層であることが好ましい。本発明に係る
色素供与化合物は、銀画像の現像の実施時に現像
薬の酸化生成物により画像の形の通りに酸化され
得るものである。しかして、これらの化合物の非
酸化部は現像薬のアルカリまたはアクチベーター
のアルカリの影響下に分解反応を起し、染料残基
を拡散性物質の形で放出する。この現像のため
に、普通の写真用ハロゲン化銀現像薬が有利に使
用できる。ただしこの現像薬は、酸化生成物にな
つたときに、本発明に係る色素供与化合物を酸化
し得る能力を有するものでならない。 適当な現像薬の例には次のものがあげられる。 ハイドロキノン N−メチルアミノフエノール、 1−フエニル−3−ピラゾリドン、 1−フエニル−4・4−ジメチル−3−ピラゾ
リドン、 1−フエニル−4−メチル−4−ヒドロキシメ
チル−3−ピラゾリドン、 1−フエニル−4・4−ビス−ヒドロキシメチ
ル−3−ピラゾリドン、 アミノフエノール、 N・N−ジエチル−p−フエニレンジアミン、 N−エチル−N−ヒドロキシエチル−p−フエ
ニレンジアミン、 3−メチル−N・N−ジエチル−p−フエニレ
ンジアミン、 N・N・N′・N′−テトラアルキル−p−フエ
ニレンジアミンたとえばテトラメチル−p−フエ
ニレンジアミン、 トリエチルスルホブチル−p−フエニレンジア
ミン、 1・4−ビス−ピロリジノベンゼン、 レダクトン。 本発明方法における現像薬の選択範囲は発色現
像薬の範囲内のみに限定されるものではなく、普
通の白黒用現像薬もまた有利に使用できることに
注目されたい。このことは、後者の現像薬では変
色傾向が低いという点からみて非常に有利なこと
である。 これらの現像薬は写真材料中の層の中に含ませ
てもよい。この場合には、該層の中の現像薬はア
ルカリ性アクチベーター液により活性化できる。
あるいは、現像薬はアルカリ性処理液またはペー
スト中に含ませてもよい。本発明に係る色素供与
化合物のうちの若干のものは現像薬としての性質
をも有するから、この場合には補助現像薬化合物
の使用が省略できることもあり得る。このような
場合には、この色素供与化合物が現像可能ハロゲ
ン化銀により直接酸化され得る。 現像操作実施中に放出された拡散性染料の画像
状分布状態は、未現像ハロゲン化銀の画像状分布
状態に一致するものであるから、ポジのカラー転
写画像の形成のために直接ポジ用ハロゲン化銀乳
剤を使用することまたは適当なリバーサルプロセ
スを実施することは、必らずしも必要ではなく、
常用のネガ用乳剤を用いてもよいのである。 これらの乳剤は、たとえば化学熟成実施中にア
リルイソチオシアネート、アリルチオ尿素または
チオ硫酸ナトリウムの如き硫黄化合物の添加によ
り化学増感できる。還元剤もまた化学増感剤とし
て使用でき、その例には次のものがあげられる:
ベルギー特許第493464号および第568687号明細書
等に記載の錫化合物。また、ポリアミンたとえば
ジエチレントリアミン、アミノメタンスルフイン
酸誘導体(たとえばベルギー特許第547323号明細
書記載のもの)も使用できる。 金、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウ
ム、ロジウムの如き貴金属、およびこれらの金属
の化合物もまた適当な化学増感剤である。この化
学増感方法は次の文献に記載されている:R.コ
スロウスキー「Z.Wiss.Phot.」、第46巻、第65頁
〜第72頁(1951年)。 また、これらの乳剤はポリアルキレンオキサイ
ド誘導体でも増感でき、その例には次のものがあ
げられる:1000〜20000の分子量を有するポリエ
チレンオキサイド;アルキレンオキサイドと脂肪
族アルコール、グリコール、ヘキシトールの脱水
環化生成物、アルキル置換フエノール、脂肪族カ
ルボン酸、脂肪族アミン、脂肪族ジアミンまたは
アミンとの縮合生成物。この縮合生成物の分子量
は少なくとも700であるべきであり、1000以上で
あることが好ましい。特定の効果を得るために、
これらの増感剤を組合わせて使用することも勿論
可能であつて、このことはたとえば次の文献に記
載されている:ベルギー特許第537278号明細書;
英国特許第727982号明細書。 これらの乳剤に光学増感(スペクトル増感)を
行うことも可能であり、この種の増感剤の例には
次のものがあげられる:常用モノメチンまたはポ
リメチン染料たとえば酸性または塩基性シアニ
ン、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、メロシ
アニン、オキソノール、ヘミオキソノール、スチ
ロール染料;3核型または多核型(4核以上)メ
チン染料たとえばローダシアニン、ネオシアニ
ン。この種の増感剤はたとえば次の文献に記載さ
れている:F.M.ヘーマー「ザ、シアニン、ダイ
ズ、アンド、リレーテツド、コンパウンズ」
(1964年)、インターサイエンス、パブリシヤー
ズ、ジヨン、ウイリー、アンド、サンズ、ニユー
ヨーク。 これらの乳剤は常用安定剤を含有でき、その例
には次のものがあげられる:同極性化合物、芳香
族環または複素環(たとえばメルカプトトリアゾ
ール環)を有する水銀塩化合物;単純水銀塩;ス
ルホニウム水銀複塩;他の水銀化合物。アザイン
デンも適当な安定剤であつて、特にテトラ−およ
びペンタ−アザインデンが好ましく、ヒドロキシ
ル基またはアミノ基で置換された該アザインデン
化合物が一層好ましい。この型の化合物はたとえ
ば次の文献に記載されている:ビア「Z.Wiss.
Phot.」、第47巻、第2頁〜第27頁(1952年)。他
の適当な安定剤の例には複素環式メルカプト化合
物、たとえばフエニルメルカプトテトラゾール;
第4級ベンゾチアゾール誘導体;ペンゾトリアゾ
ール。 この写真層に使用されるバインダーはゼラチン
が好ましいけれども、このゼラチンの一部または
全部を他の天然または合成バインダーでおきかえ
ることもできる。この天然バインダーの例には次
のものがあげられる:アルギン酸およびその誘導
体(たとえば塩、エステル、アミド);セルロー
ズ誘導体たとえばカルボキシメチルセルローズ、
アルキルセルローズ(たとえばヒドロキシエチル
セルローズ);澱粉またはその誘導体たとえばエ
ーテル、エステル;カラゲネート。適当な合成バ
インダーの例にはポリビニルアルコール、部分的
に鹸化されたポリビニルアセテート、ポリビニル
ピロリドンがあげられる。 この写真層は常法に従つて硬膜化(硬化)で
き、硬膜剤の例には次のものがあげられる:ホル
ムアルデヒド、カルボキシル基を有するハロゲン
置換アルデヒドたとえばムコブロム酸;ジケト
ン;メタンスルホン酸エステル;ジアルデヒド。 本発明に係る染料拡散転写方法に使用される感
光要素は、1またはそれ以上のハロゲン化銀乳剤
層、およびそれに付随せる耐拡散性色素供与化合
物を有するものである。画像受入要素では、ここ
に画像の形の通りに転写された拡散性染料により
所望カラー画像が形成できるようになつている。
この転写(移行)を行うために、現像操作実施時
の少なくとも或一定の時間にわたつて、感光要素
と画像受入要素とを相互に密着させなければなら
ない。これによつて、現像の結果として感光要素
中に画像状分布状態で生じた拡散性染料が画像受
入要素に転写できるのである。この密着は現像開
始後または現像前に行うことができる。後者の方
法はたとえば次の場合に利用できる。すなわち、
この染料拡散転写方法に使用される写真材料中の
感光要素と画像受入要素とが一体化ユニツト(以
下「モノシート材料」と称する)の形になつてお
り、この一体化ユニツトが現像操作完了後でさえ
そのまま維持され、すなわち、染料(色素)転写
実施後でさえ感光要素と画像受入要素との相互分
離は行われないような場合に、前記の「後者の方
法」が有利に利用できる。このような写真要素配
列方法はたとえば独国特許公開公報第2019430号
に記載されている。 本発明に係る染料拡散転写方法に有利に使用で
きるモノシート材料は、たとえば次の層状要素を
有するものであり得る。 (1) 透明な基層(支持体)、 (2) 画像受入層、 (3) 遮光層、 (4) 少なくとも1つの感光性ハロゲン化銀乳剤層
と、該層に付随せる少なくとも1つの耐拡散性
色素供与化合物とを有する感光要素、 (5) レターデイング層、 (6) 酸性重合体層、 (7) 透明な基層。 このモノシート材料の各要素はたとえば次の配
置方法に従つて配置できる。互いに相異なる2つ
の部材〔すなわち「感光部」(層状要素1〜4)
と「カバーシート」(層状要素5〜7)との2つ
の部〕を別々に調製する。次いでこの2つの部材
を、それらの活性面を互いに向かい合わせるよう
にして一緒にし、これを相互に結合(接着)させ
る。もし所望ならば、正確に計算された量の処理
液を収容するための空間をこの2つの部材の間に
確保するために、この2つの部材の間にスペーサ
ーストリツプを介在させてもよい。層状要素5お
よび6は一緒になつて中和系を構成するものであ
るが、これは前記の配置個所の他にあるいは該配
置個所の代りに、感光部の基層と画像受入層との
間に配置してもよいが、この場合には配列順序を
逆にするのがよい。 感光部とカバーシートとの間に処理液導入手段
を設けることができる。この導入手段の例には、
この材料の側部に配置される「破壊できる容器」
があげられるが、この容器は、機械力を与えたと
きに、このモノシート材料中の互いに隣接させる
2つの層の間にその内容物を流出し得るものであ
る。 本発明に係る写真材料の重要な部分な感光要素
である。単純な(single)染料転写プロセスの場
合には該感光要素は、感光性ハロゲン化銀乳剤層
と、それに付随せる耐拡散性色素供与化合物とを
含有するものである。この耐拡散性化合物は感光
性ハロゲン化銀乳剤層の隣りの層の中に、あるい
はこのハロゲン化銀乳剤層自体の中に存在させる
ことができる。後者の場合には、色素供与化合物
の主吸光波長範囲がハロゲン化銀乳剤層の主感光
波長範囲に一致しないように、画像形成染料
(image dye)を選ぶのが好ましい。 真の色の多色型転写像を形成させるために、感
光要素には、付随関係にある色素供与化合物と感
光性ハロゲン化銀乳剤層との組合せが3組配置さ
れる。しかして一般に色素供与化合物の吸光波長
範囲は、それと付随関係にあるハロゲン化銀乳剤
層の感光スペクトル範囲に実質的に対応するもの
になるようにするのがよい。この場合には、感度
をできるだけ確実に最高値に保つために、色素供
与化合物を、露光時の入射光線の方向からみて当
該ハロゲン化銀乳剤層の後方にある別個のバイン
ダー層の中に存在させることが一般に必要であ
る。 ハロゲン化銀乳剤の現像時に生じた現像薬の酸
化生成物の作用の及ぶ範囲は、付随せる色素供与
化合物のみに限定されなければならない。したが
つて、付随関係にない他層の方に現像薬の酸化生
成物が拡散するのを避けるために、感光要素内に
若干の離隔層(セパレーチング層)を設けるのが
一般に有利である。 この離隔層は、たとえば、現像薬の酸化生成物
と反応し得る適当な物質を含むものであつてよ
い。あるいは、現像薬が発色現像薬である場合に
は、耐拡散性カラーカツプラーを離隔層の中に存
在させてもよい。したがつて、本発明の好ましい
具体例に従えば、感光要素内に次の構成成分
(層)が、次の順序で(下から上に)配置でき
る。 青感性ハロゲン化銀乳剤層 拡散性黄色染料を放出し得る耐拡散性化合物を
含む層 離隔層 緑色増感ハロゲン化銀乳剤層 拡散性マゼンタ染料を放出し得る耐拡散性化合
物を含む層 離隔層 赤色増感ハロゲン化銀乳剤層 拡散性シアン染料を放出し得る耐拡散性化合物
を含む層 勿論これらのハロゲン化銀乳剤層は別の配列順
序で配列することもできる。しかしそのような場
合には、所定の付随関係を確実に保つために、付
随層の配置場所を発色系の配置場所に応じて適宜
変えなければならない。 感光要素の下側に配置される前記遮光層は、水
性アルカリ処理液を透過し得るものであり、した
がつて拡散性染料をも透過し得るものである。こ
れの主な役割は次の2つである。第1に、これは
現像後に元の感光要素内に残つた画像形成用の銀
(image silver)と、ネガカラーとして残つた色
素供与化合物とをカバーするために役立つもので
あり、したがつて、感光要素内の透明な基層(支
持体)を介してこの写真材料をみた場合には、ポ
ジの転写画像しか見えない。第2に、感光要素の
「画像受入層と向かい合つた片面」に底部から光
が入るのを防止するため遮光カバーとして、前記
遮光層は役立つものである。後者の役割は、次の
ような場合には特に重要である。すなわち、モノ
シート材料を露光操作実施後にもカメラ内に入れ
たままにしておいてアルカリ性処理液と接触さ
せ、次いでこれをカメラの外側に引出して外部で
現像するような場合に、この「後者の役割」は非
常に重要である。 充分な遮光性と充分な拡散性材料−透過性とを
有する前記遮光層は、たとえば、無機または有機
暗色顔料(好ましくは黒色顔料)を適当なバイン
ダー(たとえばゼラチン液)中に分散させて作つ
たサスペンジヨン(たとえばカーボンブラツクの
サスペンジヨン)から調製できる。現像操作実施
中に充分な遮光性を確実に保つためには、ゼラチ
ン中にカーボンブラツクを10〜90重量%(乾燥時
の全量基準)を含む厚さ0.5〜2μの遮光層を用
いるだけで一般に充分であろう。使用される顔料
の粒子径は臨界条件ではないが、この粒子径は
0.5μよりも実質的に大きくない値であることが
好ましい。 この遮光層は、前記黒色顔料層の他に、白色顔
料層をも含むものであることが好ましい。この白
色顔料層は前記黒色顔料層の下側に配置できる。
この白色顔料層の目的は、黒色顔料層をカバーし
て、画像のための白色のバツクグラウンドを提供
することである。任意の白色顔料がこの白色顔料
層のために有利に使用できるが、この白色顔料
は、必要な隠蔽力を得るために層厚を過度に大き
くする必要のないものでなければならない。この
ような白色顔料の例には次のものがあげられる:
硫酸バリウム;亜鉛、チタン、珪素、アルミニウ
ムおよびジルコニウムの各酸化物;ステアリン酸
バリウム;カオリン。好ましい白色顔料は二酸化
チタンである。この場合のバインダー、濃度およ
び粒子径については、黒白顔料の場合における前
記の諸条件がそのまま適用できる。この白色顔料
層の厚みは、バツクグラウンドおよび所望白色度
の値に応じて種々変えることができる。この厚み
は一般に5〜20μであることが好ましい。 本発明に係るモノシート材料は遮光層自体を含
む代りに、「遮光層を感光要素と画像受入層との
間に形成させるための層形成手段」を有していて
もよい。この層形成手段は、曇化剤(clouding
agent;たとえば顔料)含有液を含む容器の形の
ものであつてよく、そしてこれはこのモノシート
材料の側部に配置できる。しかしてこの容器は、
機械力を与えたときに上記の2つの層の間にその
内容物を放出し、この2つの層の間に所望顔料層
を形成できるようになつているものである。 画像受入層は、基本的には、拡散性染料を定着
させるための染料モルダントを含むバインダーか
らなるものである。 酸性染料のために使用されるモルダントは、長
鎖第4級アンモニウム−または−ホスホニウム化
合物もしくは第3級スルホニウム化合物であるこ
とが好ましく、その例には米国特許第3271147号
および第3271148号明細書に記載の化合物があげ
られる。酸性染料との反応により離溶性化合物を
形成し得るような若干種の金属塩およびそのハイ
ドロオキサイドもまた使用できる。この染料モル
ダントは画像受入層の中の常用親水性バインダー
中に分散でき、このようなバインダーの例には次
のものがあげられる:ゼラチン、ポリビニルピロ
リドン、部分的にまたは完全に加水分解されたセ
ルローズエステル。或種のバインダーはそれ自体
モルダントとしての役割をも果し得るものである
が、かかるバインダーの例には次のものがあげら
れる:独国特許公告公報第1130284号等に記載の
ビニルアルコールとN−ビニルピロリドンとの共
重合体または重合体混合物;第4級窒素塩基の重
合体(たとえば米国特許第2484430号明細書等に
記載のN−メチル−N−ビニルピリジンの重合
体)からなるバインダー。また。独国特許公開公
報第2009498号等に記載のアシルスチレン重合体
のグアニルヒゾラゾン誘導体も、モルダント作用
を有するバインダーである。しかしながら、最後
に述べたモルダント作用を有するバインダーは、
一般にゼラチン等の他種バインダーと一緒に使用
されるであろう。 一般に写真分野において慣用されている透明な
支持体用材料(基層形成材料)が、本発明に係る
モノシート材料のための透明な支持体用材料とし
て使用でき、その例には、フイルムの形のセルロ
ーズエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネートおよび他のフイルム形成性重合体
があげられる。前記のアルカリ性処理剤は感光材
料のPH値を比較的高いPH値(約11−14)に調節
し、現像を開始させかつ染料を画像の形の通りに
放出させる働きをなすものである。しかしなが
ら、この染料、および形成された画像は、このよ
うな高いPH値のものではあまり安定ではないこと
が見出された。したがつて、現像完了後にこの写
真材料を中性または微酸性状態に調整することが
必要である。この目的は、現像操作実施中に徐徐
にアルカリ性処理剤に接近し得るような酸性重合
体を含む層を、この写真材料に追加層として取付
けることにより達成できる。ここに「酸化重合体
層」は、酸性基(好ましくはスルホ基またはカル
ボキシル基)を含む重合体化合物を含むバインダ
ー層を意味する用語である。これらの酸性基は前
記処理剤中のカチオンと反応して塩を形成するも
のであつて、これによつて該処理剤のPH値が低下
するのである。勿論この重合体化合物(および酸
性基)は、該層中に耐拡散性物質の形で添加され
る。 多くの場合において、この酸性重合体はセルロ
ーズ誘導体またはポリビニル化合物の誘導体であ
り得るが、他の重合体化合物も使用できる。適当
な酸性重合体の例には次のものがあげられる:遊
離カルボキシル基を有するセルローズ誘導体、た
とえば遊離カルボキシル基を有するセルローズジ
カルボン酸セミエステル(たとえばセルローズア
セテート水素フタレート、セルローズアセテート
水素グルタレート、エチルセルローズアセテート
水素サクシネート、セルローズアセテート水素サ
クシネート水素フタレート);他種ジカルボン酸
無水物またはスルホン酸無水物(たとえばo−ス
ルホ安息香酸無水物)で変性されたセルローズの
エーテルおよびエステル;カルボキシメチルセル
ローズ;ポリスチレンスルホン酸;ポリビニル水
素フタレート;ポリビニルアセテート水素フタレ
ート;ポリアクリル酸;カルボキシル基またはス
ルホ基で置換されたポリビニルアルコールとアル
デヒドとのアセタール、たとえばo、m−または
p−ベンズアルデヒドスルホン酸または−カルボ
ン酸;部分的にエステル化されたエチレン/マレ
イン酸無水物共重合体;部分的にエステル化され
たメチルビニルエーテル/マレイン酸無水物共重
合体。 この酸性重合体層は、前記処理剤のPHを当初の
値(11−14)から低下させて最終的には該物質を
ほとんど中性または微酸性(PH=5−8)にする
に充分な量の酸性基を含んでいなければならな
い。 このPH値低下のときのタイムデレイ
(timedelay)は、常法に従つて該酸性重合体層を
いわゆるレターデイング層で被覆することにより
達成できる。このレターデイング層はアルカリ不
透過層であつて、この層は、アルカリに不活性な
重合体(たとえばポリビニルアルコール、または
部分的にアセタール化されたポリビニルアルコー
ル)からなるものであることが好ましい。 PH値低下の際のタイムデレイの程度は、このレ
ターデイング層の層厚および組成を適当に調節す
ることにより、調整できる。 新しい型の透過性を有する重合体含有バリヤー
層(barrier layer)も既に公知であり、たとえば
独国特許公開公報第2455762号に記載されてい
る。 酸性重合体層とレターデイング層との組合せか
らなる系である中和系は、たとえば独国特許第
1285310号明細書に開示されている。この型の層
の組合せは本発明に係る写真材料内に配置でき、
たとえば感光部材中の透明な基層と画像受入層と
の間に配置できる。 もう1つの配置方法は、酸性重合体層とレター
デイング層からなる中和系を前記カバーシート上
に配置することである。勿論この2つの層は、前
記処理剤のアルカリが酸性重合体層に到達する前
にレターデイング層を透過しなければならないよ
うな層配列順序で配列しなければならない。 本発明に係る染料拡散転写方法は、適当な自己
現像式カメラの中で、または該カメラを用いて有
利に実施できるものである。たとえば、光線が頂
部から入るのを防ぐための遮光液を、感光要素の
露光操作実施後に感光要素とカバーシートとの間
に分布させるための器具を、このカメラに取付け
ることができる。この種のカメラには1対のスク
イズローラーを取付け、このローラーの間を経由
してモノシート材料が引出せるようにし、そし
て、このモノシート材料の側部に配置された容器
がこのローラの間を通過するときに破れて開口
し、その中の内容物がこのモノシート材料中の層
の間に放出されるようにするのが好ましい。 感光要素は、それがスクイズローラを通過した
後にはその両面が遮光層により保護され、不所望
の光線漏れが防止できるようになつているから、
露光操作実施後の写真材料は現像開始直後でさえ
カメラから引出すことができる。 画像形成露光実施後のモノシート材料を処理す
るために、感光要素を水性アルカリ処理液と接触
させる。画像形成露光実施後のハロゲン化銀乳剤
層は、これによつて現像薬化合物の存在下に現像
され、そして、現像により生じた銀画像に対応す
る画像状分布状態で、現像薬化合物の酸化生成物
が生ずる。この現像薬化合物の酸化生成物は前記
の付随せる色素供与化合物を酸化し、そしてこの
ときに、アクチベーターまたは現像薬のアルカリ
の作用下に、画像状分布状態の非酸化物の形の前
記色素供与化合物が拡散性染料を放出するのであ
る。 この水性アルカリ処理液は増粘剤(粘度上昇
剤)を含んでいてもよく、その例にはヒドロキシ
エチルセルローズがあげられる。これはまた常用
現像促進剤、安定剤、銀塩溶媒、カブリ生成剤、
酸化防止剤および他の添加剤を含んでいてもよ
い。 本明細書には、本発明の若干の具体例につい
て、すなわち前記の写真学的に有用な基が拡散性
染料または拡散性染料前駆体であるような具体例
について、詳細に開示されている。しかしなが
ら、本発明は上記以外の種々の態様でも実施し得
るものであり、たとえば、前記の写真学的活性基
がカブリ防止剤、現像抑制剤、硬膜剤(硬化
剤)、現像薬、または現像促進用物質であるよう
な実施態様においても本発明は有利に実施できる
ものである。これらのすべての場合において、前
記の写真学的活性基は画像の形の通りの分布状態
で放出され、すなわち、ネガ用乳剤の使用時には
未現像ハロゲン化銀の画像状分布状態に対応する
分布状態で放出されるのである。かように本発明
は、種々多数の画像形成方法を提供するものであ
る。 実施例 1 セルローズトリアセテートからなる透明な基層
の上に、モルダント層、光線反射層および感光性
ハロゲン化銀乳剤層を、この順序で形成させた。
これらの層のキヤスチングは次の方法に従つて行
つた。 モルダント層(モルダンチング層) スチレン1部とN・N−ジメチル−N−ヘキサ
デシル−N−ω−アミノプロピル−アンモニウム
ブロマイドのマレイン酸イミド1部との共重合体
3.75gをエタノール15mlに溶解し、この溶液を5
%ゼラチン水溶液75ml中に均質に分散させた。5
%サポニン水溶液2.6mlおよび2%ムコクロル酸
水溶液1mlを添加した後に、このキヤスチング液
の粘度(キヤスチング粘度)を約11cpsに調節
し、この液を透明なセルローズトリアセテートホ
イルの上にデイツプ−コーチング操作により40℃
において5m/分の被覆速度で被覆した。 光線反射層 TiO2(42g)を水20ml中に入れて作つたスラ
リーを、8%ゼラチン水溶液150ml中に分散さ
せ、そしてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムの5%水溶液5mlおよび5%サポニン水溶液5
mlを添加した。 ムコクロル酸の2%水溶液1mlの添加後に、こ
の分散液を40℃においてその粘度を約13cpsに調
節し、そしてこれを乾燥モルダント層の上にデイ
ツプ−コーテイング操作により約5m/分のキヤ
スチング速度で被覆した。 ハロゲン化銀乳剤層 後記の表に記載の酸化可能化合物の各々を1ミ
リモルづつエチルアセテート5mlに溶解し、そし
てこれを5%ゼラチン水溶液25ml中に均質に分散
させ、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの
5%水溶液5mlを添加した。さらに5%ゼラチン
液50mlおよび2%ムコブロム酸水溶液1mlを添加
した後、得られた分散液をキヤスチング用
(ready−to−cast)ハロゲン化銀乳剤18gを混合
した。このハロゲン化銀乳剤は、乳剤1当り硝
酸銀(AgNO3)74gを用いて製造されたもので
あつて、ゼラチン対銀の比率は1.1:1であり、
そしてこのハライドは、アイオダイド0.67モル%
を含むブロマイドであつた。かくして得られた混
合物(キヤスチング液)を、乾燥された光線反射
層の上にデイツプ−コーチング操作により40℃に
おいて5m/分の速度で被覆した。 かくして得られた種々のサンプルの「感光層を
有する片面」を灰色段階くさびの後方で露光し、
次いで次の組成の現像薬組成物の中で18℃におい
て4分間現像し、水洗し、乾燥した。 現像薬組成物 エチレンジアミノテトラ酢酸のナトリウム塩
1.5g 硼 砂 11.5g ヘキサメタ燐酸ナトリウム 1.0g 1−フエニル−3−ピラゾリジノン 2.0g KBr 3.0g 水 残 部 全 量 1000ml なお、この現像薬組成物のPH値は1N−NaOHの
添加によりPH=12.5に調節した。 各サンプルにおいて、充分に現像された階段く
さびの画像がポジカラー画像として形成され、そ
してこれは透明な基層を介して見ることができ
た。色濃度すなわちカラー濃度(DnioおよびDna
)を、反射濃度計を用いて有色フイルターの後
で測定したが、その結果を次の第1表に示す。
【表】 実施例 2 実施例1に記載の感光性ハロゲン化銀乳剤層と
同様な乳剤層を、キヤスチング操作により透明な
セルローズトリアセテート基層(層支持体)の上
に形成させた。 ただし、この場合の試料1の中の感光層は、
(実施例1記載の化合物の代りに)前記カルビノ
ール化合物3bを1ミリモル含むものであつた。 試料2の中の感光層は、前記カルビノール化合
物3bの他に、さらに化合物9を0.2ミリモル含む
ものであつた。 これらの試料を実施例1記載の処理方法に従つ
て処理した。これらの試料の色濃度を測定した
が、その結果を第2表に示す。
【表】 上表から明らかなように、化合物3bは低露光
区域(Dnio)において著しいカブリを生成させ
るものであるが、このカブリが化合物9の添加に
よりかなり減少でき、一方、高露光区域の濃度
(Dnax)が化合物9の存在のために低下するとい
うことは全く認められなかつた。このことから明
らかなように、この現像抑制剤は、化合物9が実
質的に非酸化物の形で存在する場合にのみ該化合
物から放出されるのである。換言すれば、実質的
に、非酸化物の形の化合物9からのみ該現像抑制
剤が放出されるのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも1つの感光性ハロゲン化銀乳剤層
    と、それに付随せる耐拡散性の酸化可能化合物と
    を含む写真材料を使用し、この耐拡散性の酸化可
    能化合物は次式 (ここにAは写真学的に有用な基を表わし; Xは2価の結合基を表わし; mは0または1であり、 R1は非置換または置換アルキル基、アルアル
    キル基またはアリール基を表わし; R2は水素、もしくは非置換または置換アルキ
    ル基、アルアルキル基またはアリール基を表わ
    し; R3、R4およびR5は互いに同一または相異なる
    基であつてもよく、そしてこれは水素、ハロゲ
    ン、アルキル基、アルコキシ基またはアシルアミ
    ノ基を表わし; あるいはR4はR5と一緒になつて、縮合ベンゼ
    ン環を完成させるのに必要な残基を表わし; ただしR1、R2、R3、R4およびR5のうちの少な
    くとも1つは、耐拡散性を付与する残基を含むも
    のである) を有するものであり; この写真材料に画像形成露光を行いそしてハロ
    ゲン化銀現像薬で現像し、このハロゲン化銀現像
    薬は、酸化物の形のものになつたときに前記の耐
    拡散性の酸化可能化合物を酸化してこれを、アル
    カリにより分解できないかまたは少ししか分解で
    きない形のものに変換できるものであり;一方、
    アルカリによる分解反応の結果として、画像の形
    の通りに分布した非酸化物の形の酸化可能化合物
    から、写真学的に有用な拡散性の基が放出される
    ことを特徴とする写真学的拡散転写方法。 2 特許請求の範囲第1項記載の方法において、
    前記の写真学的に有用な基が拡散性染料または染
    料前駆体の残基であり、そして、前記の非酸化物
    の形の酸化可能化合物から放出された拡散性染料
    または染料前駆体を画像受入層に移し、すなわち
    転写することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の方法。 3 式()中のR1および/またはR2が炭素1
    〜18個の非置換または置換アルキル基であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項
    に記載の方法。 4 式()中のR1および/またはR2がメチル
    基、エチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
    基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ト
    リデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデ
    シル基またはn−ヘプタデシル基であることを特
    徴とする特許請求の範囲第3項に記載の方法。 5 式()中のR3、R4および/またはR5は炭
    素原子18個以下のアルコキシ基またはアルキル基
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項−
    第4項のいずれか一項に記載の方法。 6 式()中のR1が水素であり、R2が水素、
    アルキル基またはベンジル基であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項−第5項のいずれか一
    項に記載の方法。
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