JPS628498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液面減少警報装置に関し、特にリード
スイツチを作動させるフロートを所定位置に円滑
かつ確実にガイドし、かつ車両の振動、傾斜等に
よる誤報をなくす液面減少警報装置に関するもの
である。

本考案は液圧ブレーキ装置に用いられるタンデ
ム型マスタシリンダまたはシングル型マスタシリ
ンダおよび液圧クラツチ装置に用いられるマスタ
シリンダの液面減少の警報に広く適用される。

従来のこの種のマスタシリンダの液面減少警報
装置として、リザーバ内にリードスイツチを水平
方向に配設し、液面の減少にともないマグネツト
を固定したフロートが下動し所定液位に達したと
きリードスイツチが動作するようにしたものがあ
る。このものにあつては、リードスイツチを収納
したリードスイツチケースをリザーバのキヤツプ
に固定し、リザーバに垂直方向に配設し、これに
フロートをガイドさせるものに対してリードスイ
ツチケースとキヤツプとが一体となつていないの
で、作動液の充填、補給時に、リード線のねじれ
およびリードスイツチの損傷に配慮して作業をす
る必要がない利点を有している。しかし、リザー
バに水平方向に配置されたリードスイツチ上にフ
ロートのマグネツトを確実に位置させることがで
きなかつたり、その構造が複雑であり、また車両
の振動や傾斜により作動液の液面が傾いた際に
は、その液面変化量がリザーバの周辺部分で大き
いことから、リザーバ内壁に沿つて昇降するフロ
ートの変化量が大きくなり、その結果作動液があ
るにもかかわらず、フロートが下降した状態とな
り誤つて警報を発する等の問題があつた。

したがつて本考案の目的は、リザーバの中間部
に水平方向に配置されたリードスイツチとガイド
リブとによりフロートの降下限とするとともに、
このリードスイツチケースに配置されたリードス
イツチの直上に位置するようにリザーバ内側にフ
ロートを簡単かつ確実にガイドしてその位置で保
持し、適正に動作するようになし、かつ車両の振
動や停車時に傾斜することがあつても、作動液が
十分であるにもかかわらずフロートが下降した状
態とならないようにし、また逆作用しないよう
に、すなわちフロートがリードスイツチケースを
境にマスタシリンダの補助液溜に落ち込まないよ
うにリブ連結部とリードスイツチケースとで位置
決めし誤報が生じないようにした液面減少警報装
置を提供するにある。

前記シリンダ本体のリザーバ取付フランジ部直
上に対向するリザーバの中間部にリードスイツチ
ケースを内方へ一体突設し、リザーバの内側に前
記フロートの降下をガイドするガイドリブを適数
本中間部に向うにしたがいリザーバ中心方向に突
出傾斜形成するとともに、前記ガイドリブを中間
部にてリードスイツチケースと同一水平線上で連
結部を介して水平面を一体連結せしめ、フロート
の降下にしたがいガイドしマグネツトがリードス
イツチ作動位置になるように配設したことを特徴
とするものである。

以下、本考案を液圧ブレーキ装置のタンデム型
マスタシリンダに適用した一実施例について説明
する。

シリンダ本体１の上面には、リザーバ取付フラ
ンジ部２が一体に突出して成形され、その内部は
隔壁３によりプライマリ側の液室に連通する補助
液溜４とセコンダリ側の液室に連通液路５を介し
て連通する補助液溜６とが区画されている。リザ
ーバ７は合成樹脂で成形され、その取付部８をリ
ザーバ取付フランジ部２に嵌装し、リザーババン
ド９で緊締してシリンダ本体１に取付けられてい
る。リザーバ７の中間部７ａにはリードスイツチ
ケース１０が内方へ一体に突出して形成されてお
り、その取付状態においてリードスイツチケース
１０は隔壁頂部直上でその水平線に近接し、かつ
この水平線と平行となつている。このリードスイ
ツチケース１０内には、外部からリードスイツチ
１１を固定した基板１２が差し込まれ、接着剤等
にて固定され容易に外れないようになつている。

前記リザーバ７の内壁には、互いに対向する４
本のガイドリブ１３が、一方の対向する一対のガ
イドリブ１３はリードスイツチケース１０と同方
向に中間部で連結し、他方の対向する一対のガイ
ドリブ１３はリードスイツチケース１０と直交方
向に中間部７ａで連結して配設される。このガイ
ドリブ１３は、中間部７ａに向うにしたがつて内
方へ突出する傾斜部１３ａと、中間部７ａのリー
ドスイツチケース１０と同位置で水平に中心へ延
び両者を連結する連結部１３ｂとからなつてい
る。そしてガイドリブ１３は円盤状を呈するフロ
ート１４の下降をガイドする傾斜面１３ｃと、フ
ロート１４に固定されたマグネツト１５の位置を
リードスイツチ１１の直上にガイドしかつその位
置に保持する垂直面１３ｄと、リードスイツチケ
ース１０の上面と同一平面をなし、フロートを水
平に保持する水平面１３ｅとを有している。この
フロート１４と垂直面１３ｄ間には隙間ｃがあ
り、これはフロート１４を円滑にリードスイツチ
１１の直上へ導びき、かつフロート１４の移動を
規制しリードスイツチ１１の動作に問題のない程
度に設定してある。リザーバ７の上部開口部はダ
イヤフラム１６を介してキヤツプ１７により密閉
されている。

前記ガイドリブ１３は４本それぞれ対向して設
けられているが、これに限ることなく３本以上
で、フロート１４をリザーバ７の中心部にガイド
できる本数であればよい。また、リザーバ７は円
筒状を呈しておりかつガイドリブ１３はその中心
部に放射状に突出して形成しているが、リザーバ
７は楕円形、あるいは方形のものであつても同様
に実施することができる。

次にこの実施例の作動について説明する。

主液溜１８に作動液の液面が低下するとフロー
ト１４はガイドリブ１３の傾斜面１３ｃに沿つて
降下し、作動液の液面が所定の位置まで低下する
とフロート１４は垂直面１３ｄにガイドされて水
平面１３ｅでリードスイツチ１１の直上の位置に
水平に保持され、マグネツト１５の磁力によりリ
ードスイツチ１１の接点を接続させ、図示しない
警報装置を作動させる。

このときのフロート１４の降下は、ガイドリブ
１３の傾斜面１３ｃにより主液溜１８の中央に導
びかれて降下し、キヤツプに固定したリードスイ
ツチケースにフロートがガイドされて降下するも
のと異なりフロート降下および振動によるリード
スイツチケースの損傷がなく、またこの損傷によ
るフロート降下の妨げとなることはない。しかも
フロート１４のガイドは、傾斜面１３ｃを有する
ガイドリブ１３によつて行なわれるためフロート
１４を小型化でき、しかもその構造は簡単で成形
容易である。

また、ガイドリブ１３はその連結部１３ｂとリ
ードスイツチケース１０とによつて、リザーバ７
の中間部７ａの梁作用を有するとともに、リード
スイツチケース１０の曲がりをも抑制し、リード
スイツチ１１の動作を確実に行なわせしめる。

更に、リザーバ７の中間部７ａはリードスイツ
チケース１０とガイドリブ１３とによりフロート
１４の降下限としており、作動液の減少時、フロ
ート１４により主液溜１８と補助液溜４，６とを
仕切ることがなく、作動液の充填、補給は手数を
要せずにスムーズに行なえる。

そして、作動液の液面がある程度低下した状態
で車両が振動あるいは急坂に停車した場合等で傾
斜したときには、従来のようにフロート１４をリ
ザーバ７の内壁あるいは隔壁に沿つてガイドを設
けたものにあつては、内壁によつてフロート１４
が押えられたり、隔壁の上側の室のフロートが大
きく下降して、リードスイツチ１１を動作させて
しまうが、本考案にあつてはフロート１４は傾斜
した上側のガイドリブ１３の傾斜面１３ｃに沿つ
て上昇し、マグネツト１５はリードスイツチ１１
の作動磁界範囲に入ることがないから、誤報を発
することはない。また、作動液がリードスイツチ
ケース１０の位置以上に減少しても、フロート１
４はリードスイツチケース１０とガイドリブ１３
の連結部１３ｂとにより保持されており、フロー
ト１４がリードスイツチケース１０を境にしてマ
スタシリンダの補助液溜４，６に落ち込むことが
ないので、マグネツト１５がリードスイツチ１１
の作動磁界範囲から外れるようなことがなく警報
を発し続ける。

また、メーカーにおいて作動液の充填は、リザ
ーバ７の上部開口端から作動液を圧送して行なわ
れるが、これに対してガイドリブ１３がリザーバ
７の側壁の強度保持機能をなし、リザーバ７のリ
ブ効果となつている。更に、リザーバ７のキヤツ
プ１７にリードスイツチ１１が設けられていない
ため、キヤツプ１７の脱着が簡単で、作動液の充
填、補給時の作業性がよい。

本考案は以上のように、リザーバの中間部にリ
ードスイツチケースを内方へ突出して平行に配設
し、リザーバの内側にフロートをガイドするガイ
ドリブを適数本中間部に向うにしたがいリザーバ
中心方向に傾斜し、リードスイツチケースと水平
に連結したからフロートが液面の低下にともなつ
て円滑かつ確実にリードスイツチ直上にガイドさ
れ、リードスイツチの動作が適正に行なわれると
ともに、車両の振動や停車時等に傾斜することが
あつても、フロートはガイドリブの傾斜面に沿つ
て上昇し、作動液があるにもかかわらず警報を発
することはなく、また逆に作動液がないのに警報
を発しなくなることはなくその警報の信頼性を一
層向上させることができ、しかもその構造は簡単
で製作コストが嵩むことはない等の効果を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をタンデム型マスタシリンダに適
用した一実施例を示すもので、第１図は断面正面
図、第２図はリザーバの断面正面図、第３図は第
２図の−断面図である。 １はシリンダ本体、７はリザーバ、８は取付
部、１０はリードスイツチケース、１１はリード
スイツチ、１３はガイドリブ、１４はフロート、
１５はマグネツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マスタシリンダ本体の上面に補助液溜を形成す
   るリザーバ取付フランジ部を一体形成し、該リザ
   ーバ取付フランジ部にリザーバの取付部を嵌着す
   るとともに、リザーバ内にリードスイツチを水平
   に配設し、液面が所定液位へ下動したときフロー
   トに固定したマグネツトによりリードスイツチが
   作動して警報を発する液面減少警報装置におい
   て、前記シリンダ本体のリザーバ取付フランジ部
   直上に対向するリザーバの中間部にリードスイツ
   チケースを内方へ一体突設し、リザーバの内側に
   前記フロートの降下をガイドするガイドリブを適
   数本中間部に向うにしたがいリザーバ中心方向に
   突出傾斜形成するとともに、前記ガイドリブを中
   間部にてリードスイツチケースと同一水平線上で
   連結部を介して水平面を一体連結せしめ、フロー
   トの降下にしたがいガイドしマグネツトがリード
   スイツチ作動位置になるように配設したことを特
   徴とする液面減少警報装置。