JPS62847Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ハンドリング形の電動ドリルを用
いて行うねじ釘の回転打ち込み用治具に関する。

木材等の対象物にねじ釘を打ち込む場合、その
作業の省力化、高速化を期して電動ドリル等の電
動機具を用いて行うことも多いが、従来の斯る方
法は、単に電動機具に具備せしめたねじ回し部の
先端を、ねじ頭の一状あるいは十状の溝にはめ込
んだ状態でねじ釘を対象物に押し当てつつ作業す
るものであるため、ねじ釘と電動機具側との連結
が不完全で、いささか作業が行いにくいのみなら
ず、打ち込みの初期段階でねじが倒れ易い傾向を
示すため、作業に危険を伴う難点があつた。この
ような作業上の困難性と危険性は、ねじ釘が細く
て長くなればなるほど多大であり、これを防ぐた
めに予めねじ釘の打ち込み部分に穿孔具で小さい
下孔をあけ、これにねじ釘の先端部を押し込んで
立て付けてから、電動機具で本格的な打ち込み作
業を行うこともあるが、下孔の穿孔作業、ねじ釘
の立設作業等が極めて面倒であることはいうまで
もない。

この考案は上記のような事項に鑑み、ねじ釘の
打ち込みを極めて簡単かつ迅速に、しかも安全、
正確に行いうるものとした電動ドリルを用いて行
うねじ釘の回転打ち込み用治具を提供しようとす
るものである。

以下、この考案を図示実施例について説明す
る。

この考案の実施において、これに用いられるね
じ釘１は、その代表的な一例を挙げれば第５図お
よび第６図に示すように、一端に放射状にのびた
十字形の係合翼２ａを有する変形状のねじ頭部２
を備え、他端が鋭先端３となされると共に、該鋭
先端３から先端部の所定長の範囲部分がねじ部４
となされた比較的軸径の細くて長さ（）の長い
ものである。

かかるねじ釘１の回転打ち込みに用いるこの考
案に係る治具Ａは、第２図および第３図に示すよ
うに、先端部を截頭円錐形の膨大形頭部５ａとし
た金属製の所定長の円柱状ねじ釘保持用本体５
と、これの前記頭部５ａを除く外周部分に回転自
在に被嵌挿着された把持筒６とを主要部材として
構成されたものである。

而して、前記ねじ釘保持用本体５は、その先端
面から基端近くに至る長さの中間部に亘つて、軸
線方向に沿つて断面十字形のねじ頭部嵌挿溝８が
設けられ、これに前記ねじ釘１をそのねじ頭部２
側から全長の過半部に亘る長さ部分を深く挿し込
んで軸線方向移動自在に嵌挿保持しうる如くなさ
れると共に、後端には、電動ドリルＢの先端のド
リルチヤツク１２に挾んでこれに固定しうるドリ
ルチヤツク接続用突出部７が一体に突設されたも
のとなされている。治具Ａにおいて、その他９は
把持筒６を両端から回転自在に支承しているベア
リング、１０はワツシヤ、１１は把持筒６の脱抜
防止用のねじ環であり、ねじ釘本体１の後端部に
螺着されたものである。

上記において、ねじ釘１の打ち込みに際して
は、先ずドリルチヤツク接続用突出部７をドリル
チヤツク１２の把持爪間に挾み込んで、治具Ａを
電動ドリルＢに強固に装着し、しかる後打ち込む
べきねじ釘１を第２図に示すようにねじ頭部嵌挿
溝８に頭部２側から深く挿し込んで保持用本体５
に保持せしめる。この状態で把持筒６を片手で握
り、他方の手で電動ドリルＢを把持してこれを起
動せしめ、ねじ釘１に回転を生じさせつつその鋭
先端３を木材等の対象物に強く押し当てる如くす
る。すると、ねじ釘１は、それ自体のねじ部４の
誘導作用で対象物に打ち込まれていく。この打ち
込みの初期段階では治具Ａとねじ釘１は一体的に
対象物に向つて前進するが、保持用本体５の先端
面が対象物に当接した後は、以降ねじ釘１のみが
前進する。そしてやがてその頭部２が対象物に接
してその回転を阻止される段階に至れば、作業者
はドリル本体Ｂを後方に引いてねじ釘１との連繋
関係を解き、所期するねじ釘の打ち込み作業を完
了するものである。

上記の説明から明らかなように、ねじ釘１の頭
部２は嵌挿溝８に挿し込んで、該ねじ釘１を保持
用本体５に軸線方向移動自在かつ相対回転しない
ように保持せしめうるものであれば良く、従つて
実施例に示したような十字形のみならず、これを
Ｙ字形、Ｔ字形等に形成しても良いし更には一文
字状のものとしても良い。これに応じてねじ頭部
嵌挿溝８は対応断面形状に形成されるものであ
る。

この考案は上述の次第で、ねじ釘保持用本体に
ねじ釘を安定状態に保持せしめつつ、これをドリ
ル本体により回転して対象物に打ち込むものであ
るから、長さの長いねじ釘にあつてもその打ち込
みを簡単かつ安全に、しかも高能率に行いうるの
はもとより、上記本体には、その外周面に回転自
在な把持筒が具備されているから、これを片手で
把持することによつて安定した状態で作業がで
き、ねじ釘の打ち込み位置の位置決めをも正確に
行いうる等実用上多大の効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は使用状態を示す斜視図、第２図は本考案に係る
治具をドリル本体から分離した状態で示した斜視
図、第３図は本考案に係る治具の縦断面図、第４
図は第３図−線の断面図、第５図は打ち込む
べきねじ釘の一態様を示す側面図、第６図はその
頭部の平面図である。 Ａ……回転打ち込み用治具、Ｂ……ドリル本
体、１……ねじ釘、２……ねじ頭部、２ａ……係
合翼、４……ねじ部、５……ねじ釘保持用本体、
６……把持筒、７……ドリルチヤツク接続用突出
部、８……ねじ頭部嵌挿溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定長の略円柱状のねじ釘保持用本体と、該本
   体の外周に回転自在に被嵌装着された把持筒と、
   前記本体の後端に突設された電動ドリルチヤツク
   接続用の突出部とを具備し、前記ねじ釘保持用本
   体には、ねじ頭部に十字形、Ｙ字形等の係合翼を
   有するねじ釘の前記頭部側を深く挿し込んで該ね
   じ釘を軸線方向摺動自在かつ相対回転不能に嵌挿
   保持しうるねじ頭部対応断面形状の嵌挿溝が、先
   端面から長さの中間部にかけて軸線方向に長く形
   成されていることを特徴とする、ねじ釘の回転打
   ち込み用治具。