JPS628336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ラジエータカーテンの自動開放装置
に係り、特にラジエータカーテンを使用しての走
行中に冷却水温度が一定値以上になると自動的に
ラジエータカーテンが開放されてエンジンのオー
バヒートを防止することができるようにした自動
開放装置に関する。

従来、大型車輛のラジエータにおいては、冬期
における冷却水温度の過度の低下を防止するた
め、ラジエータの通風経路に配置された弾性部材
を備えた巻取ローラにより巻き取られまた繰り出
されるようにしたラジエータカーテンが備えられ
ている。しかこのラジエータカーテンは、長い急
登板等でエンジンがオーバヒートするおそれがあ
る場合には、その都度運転者が下車してラジエー
タカーテンのフツクを外して開放してやらなけれ
ばならなかつた。このためラジエータカーテンの
開放作業が面倒であると共に、もし運転者が不注
意により冷却水温度の上昇に気付かなかつた場合
には、エンジンをオーバヒートさせるおそれもあ
つた。

本考案は、上記した従来技術の欠点を除くため
になされたものであつて、その目的とするところ
は、ラジエータの通風経路に配置され弾性部材を
備えた巻取ローラにより巻き取られまた繰り出さ
れるようにしたラジエータカーテンを備えたラジ
エータにおいて、ラジエータカーテンの使用中に
冷却水温度が一定値以上になると自動的に該ラジ
エータカーテンが開放されるようにすることであ
り、またこれによつてエンジンのオーバヒートを
未然に防止し、またラジエータカーテンの開閉作
業の簡易化を図ることである。

要するに本考案は、ラジエータの通風経路に配
置され弾性部材を備えた巻取ローラにより巻き取
られまた繰り出されるようにしたラジエータカー
テンを備えたラジエータにおいて、該ラジエータ
カーテンを前記ラジエータ通風経路を閉状態に保
持するためのフツクを係止する係止部材が、冷却
水温度検知装置に連動状態に構成され、冷却水温
度が一定値以上になると自動的に前記フツクが外
れラジエータカーテンが前記巻取ローラに巻き取
られるように構成したことを特徴とするものであ
る。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
る。第１図及び第２図において、ラジエータ１の
通風経路の一例としての前面にはラジエータカー
テン２が配置され、弾性部材（図示せず）を備え
た巻取ローラ３により上方に巻き取られまた該ロ
ーラから繰り出されるようになつている。ラジエ
ータカーテン２の下端中央部には該ラジエータカ
ーテンをラジエータ１の通風経路を閉状態に保持
するためのフツク４が設けられている。通常巻取
ローラ３はアツパタンク１ａの前方に取り付けら
れている。

ロアタンク１ｂの前方には、該ロアタンク内の
冷却水５の温度を検知するための温度検知装置の
一例としてバイメタル６が取り付けられている。
バイメタル６の側方にはフツク４の係止部材７の
脚柱部７ａが配設され、バイメタル６と連動状態
に構成されている。

本考案（第１実施例）は、上記のように構成さ
れており、以下その作用について説明する。冷却
水５の温度が低い場合には、第１図から第３図に
示すように、バイメタル６は直立しているので、
係止部材７はその脚柱部７ａも直立し、ラジエー
タカーテン２を巻取ローラ３から繰り出して引き
下げ、フツク４を係止部材７に係止することがで
きる。

走行中に冷却水５の温度が上昇すると、バイメ
タル６は図中右方に曲がり始め、一定値を超える
と第４図に示すように係止部材７の脚柱部７ａが
押圧されて曲がり、フツク４が該係止部材から外
れ、ラジエータカーテン２は巻取ローラ３により
巻き取られて矢印で示すように上方に引き上げら
れて開放される。これによつて、十分な空気量が
ラジエータ１に供給され、エンジンのオーバヒー
トが防止される。

なお、図示のものは、係止部材７をバイメタル
６と別体として設けたが、これはバイメタル６の
上端に係止部材７を取り付ける構造としてもよ
い。

第５図及び第６図に示すものは、本考案の第２
実施例であり、ロアタンク１ｂにはシリンダ８及
びピストン９が配設され、リンク１０、クランク
１１を介して係止部材１２が取り付けられてい
る。シリンダ室８ａには適宜な流体を封入してお
くことができる。

この実施例では、冷却水５の温度が低い場合に
は第５図に示すように、シリンダ室８ａ内の流体
が収縮しているのでピストン９は図中右方にあ
り、クランク１１は直立状態となつて、係止部材
１２は突出し、フツク４が係止されている。

冷却水５の温度が上昇して一定値を超えると、
ピストン９は第６図に示すように左方に押し出さ
れ、クランク１１が時計方向に回転し、係止部材
１２が引込み、フツク４が外れ、ラジエータカー
テン２は開放される。

本考案は、上記のように構成され、作用するも
のであるから、ラジエータの通風経路に配置され
弾性部材を備えた巻取ローラにより巻き取られま
た繰り出されるようにしたラジエータカーテンを
備えたラジエータにおいて、ラジエータカーテン
の使用中に冷却水温度が一定値以上になると自動
的に該ラジエータカーテンが開放されるようにで
きる効果が得られ、またこれによつてエンジンの
オーバヒートを未然に防止し、またラジエータカ
ーテンの開閉作業を簡易化することができる効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例に係り、第１図は第１実
施例に係るラジエータ及びラジエータカーテンの
縦断面図、第２図は同じく外観斜視図、第３図及
び第４図は要部縦断面図、第５図及び第６図は第
２実施例に係る要部縦断面図である。 １はラジエータ、２はラジエータカーテン、３
は巻取ローラ、４はフツク、５は冷却水、６は冷
却水温度検知装置の一例たるバイメタル、７，１
２は係止部材、８，９は冷却水温度検知装置の一
例たるシリンダ及びピストンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラジエータの通風経路に配置され弾性部材を備
   えた巻取ローラにより巻き取られまた繰り出され
   るようにしたラジエータカーテンを備えたラジエ
   ータにおいて、該ラジエータカーテンを前記ラジ
   エータ通風経路を閉状態に保持するためのフツク
   を係止する係止部材が、冷却水温度検知装置に連
   動状態に構成され、冷却水温度が一定値以上にな
   ると自動的に前記フツクが外れラジエータカーテ
   ンが前記巻取ローラに巻き取られるように構成し
   たことを特徴とするラジエータカーテンの自動開
   放装置。