JPS6279932A - 切削工具体保持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明の自動工具交換装置を有する工作機械の主軸とか
この主軸に挿着される工具ホルダの如き切削工具体保持
装置に関するものである。

近年自動工具交換装置を有するマシニングセンタを使用
して金型加工が行われるようになってきたが、かかる金
型加工において、ラフィング力ツタとかエンドミルカッ
タにより荒取り加工を数時間にわたり行うと、工具ホル
ダと主軸の嵌合部摩擦力が増大して工具ホルダの着脱が
困難となるばかりでなく、工具ホルダのテーバ部に赤錆
が発生し、摩耗が生ずることがある。この原因は、断続
的な重切削であるため交番荷重が刃具を介して工具ホル
ダに作用し、主軸と工具ホルダの嵌合面において相対振
動を起こし、いわゆるフレッチングコロージョンといわ
れる微動摩耗が発生するためである。

かかるフレッチングコロージョンは、任意の圧力で押し
つけられた２物体が、接触面において微少振幅の繰返し
相対すべりを行なう場合に、接触面に生じる特殊な摩耗
現象であるため、工具ホルにすればこのような現象はさ
けられるものと考えられる。しかしながら自動工具交換
装置を備えたマシニングセンタにおいては、工具ホルダ
テーバ面のクランプ力は、主軸に内蔵されたスプリング
により引き棒を介して工具ホルダに突設されたプルスタ
ッドを引張ることにより与えられるため、スペース的に
制約があり大きなりランプ力が得難い。仮にクランプ力
が増大できたとしても工具交換時に強力なスプリング力
に抗して工具ホルダをアンクランプする装置の押圧力を
増加させなければならず、あまり大きくするとアンクラ
ンプ時に主軸ベアリングに悪影響を与える等の問題があ
る。

又、主軸と工具ホルダとの間の回転力伝達用としてキー
、キー溝が使用されているが、自動工具交換装置にて両
者の係合関係をもたらすためには、キーとキー溝間に多
少の間隙を設けざるを得ないのが実状であり、このわず
かな間隙によっても断続な交番荷重により相対すべりが
生ずることになる。

在来の金型加工は、自動工具交換装置が設けられていな
い工作機械で行われていた。したがって工具ホルダは手
動操作にてドローパーを介してねじ締めされていたので
クランプ力を非常に大きくすることができたのでフレク
ランプコロージョンが顕著に生ずることはなかった。起
きてもその現象は軽微であるので、打撃力を加える工具
ホルダの抜き取り作業において工具ホルダが抜けなくな
るようなことはなく、はとんど何らの対策もとられてい
なかったが、錆の発生を抑制するためわずかに工具ホル
ダのシャンク部外周面に液状の潤滑剤を塗布する程度の
ことは行われていたが充分な解決は得られていない。

本発明は自動工具交換装置を備えたマシニングセンタに
おける工具ホルダと主軸との嵌合面のフレクランプコロ
ージョンを防止する手段を提供さんとするものであり、
金型加工における荒取り加工を長時間行っても工具の自
動交換に何ら支障をきたさないようにし、工具ホルダの
テーバ部の赤錆の発生及び摩耗を防止することを目的と
する。

本発明は、第１図及び第２図に示すように工具ホルダ１
０のテーバ部外周面１０ａ又は主軸２０のテーパ穴２０
ａ内周面に固体潤滑剤よりなる２μｍ〜１００μｍの固
体皮膜３０を形成して、工具ホルダ１０と主軸２０の母
材どうしの金属接触を生じないようにしたものである。

有効な皮膜材としては、二硫化モリブテンＭ　ｏ　Ｓ　
２　、ボロンナインドライドＢＮ、　　リン酸マンガン
Ｍｎ３（ＰＯ４）２．硫化鉄ＦｅＳがあり、これらの皮
膜材の形成処理は工具ホルダＩＯ又は主軸２０の熱変形
を抑えるために２００℃以下の温度域で行なうのが望ま
しい。

以下好ましい皮膜処理の具体例を説明する。

第１実施例 二硫化モリブテン、ボロンナイトライドのプラズマ溶射 プラズマ溶射は、アルゴンあるいは窒素などの不活性ガ
スをノズル、電極間に流しアークを発生させると、アー
クがガスを刺激して高温（最高１７００℃）の熱プラズ
マを発生する。この熱プラズマに粉末状の溶射材料を当
てると完全に溶けて超高速（平均６１０ｍ／Ｓ）で皮膜
形成対象の母材にぶつかり一様な皮膜を形成することに
なる。

したがって二硫化モリブテンとかボロンナイトライドの
プラズマ溶射は、これらの粉末を溶射材として熱プラズ
マ発生ガンに供給し、このガンより溶射材とともに噴射
される熱プラズマを回転させた工具ホルダのテーバ部外
周面に照射することによって達成される。こうして形成
された二硫化モリブテンまたはボロンナイトライドの固
体皮膜は工具ホルダが主軸に挿着され、断続切削による
交番荷重が作用し主軸に対し工具ホルダが微動振動して
も両者間の鉄系母材どうしの金属接触を防ぎ潤滑作用を
なして錆の発生や摩耗を生じさせない。

第２実施例 リン酸マンガンのルブライト処理 リン酸マンガン皮膜は、日本バーカライジングト 社のルブライト処理液に浸漬することにより形成するこ
とができる。濃度１４０ｋｇ／ｍ３のルブライトの水溶
液を酸比６〜８．全酸度４０〜６０゜温度９８℃に保持
し、このルブライト水溶液中に工具ホルダのテーバ部を
５分間浸漬して、テーバ部外周面にリン酸マンガン皮膜
を形成する。

第３実施例 硫化鉄のコーベソト処理 フランスのハイドロ・メカニック・ニド・クロットメン
ト社のコーベット処理液を加熱し、１９０℃で溶解させ
、この処理液に工具ホルダを浸漬し電解メッキすると、
ロダン基（ＳＣＮ基）が分解し、ＳとＦｅが置換され、
硫化鉄の皮膜をテーパ部外周面に形成する。

上記各実施例は固体皮膜形成処理がし易い工具ホルダに
ついて行ったものであり、各方法により工具ホルダのテ
ーパ部外周面に膜厚さ約５μ程度の固体皮膜を形成して
これをマシニングセンタの主軸に挿着して数時間断続的
な交番荷重のもとで切削試験を行ったところ、工具ホル
ダが主軸から抜けなくなるような事態は全く生せず、自
動工具交換装置の作動に何ら支障をきたさなかった。ま
た、主軸から抜き取られた工具ホルダのテーバ部におい
て赤錆の発生もなく、はとんど摩耗も生じなかった。

かかる固体皮膜の厚さとしては、工具ホルダとか主軸の
テーパ面の面粗さ以上の厚さが必要である。一般的に主
軸のテーバ穴面粗度は０．８μｍ、工具ホルダのテーバ
面画粗さは１．６μｍとされているので、皮膜厚さの下
限は２μ以上ないと母材どうしの金属接触を防ぐことが
できず長期の使用には耐えられないことになる。また皮
膜厚さの上限としては、皮膜層が厚くなるにしたがい膜
厚さが不均一となり当り面が不安定となるため、皮膜形
成後に面の修正加工ができるものを除いては２０μｍ程
度が限度であるが面の修正加工ができるものは１００μ
ｍ近くの膜厚さでも有効である。

固体皮膜は工具ホルダの一本一本全てについて形成する
代りに主軸のテーバ穴に形成しておけば工具ホルダとし
ては固体皮膜を有しない従来のままのものであってもフ
レッチングコロージョンの発生を防止することが可能で
ある。

本発明によれば、固体潤滑剤よりなる固体皮膜を工具ホ
ルダ又は主軸のテーパ面に形成したものであるため、皮
膜表面は乾燥状態であり、切粉とか塵埃が付着しにくい
上に付着しても皮膜層を損傷することなく容易に拭き取
ることができる。したがって従来のように液状の潤滑剤
をテーパ面に塗布したものに比較して取扱いが容易なば
かりでなく、固体の皮膜層であるため、容易なことでは
皮膜が破断されることがなく工具ホルダと主軸との社則
どうしの金属接触を防止するので錆の発生や摩耗を防止
することができる。かつ潤滑作用をなして摩耗を防ぐこ
とができる。これによってテーパ嵌合面におけるフレッ
チングコロージョンの現象は起らず、数値制御による金
型加工を長時間続けても工具交換サイクルに何ら支障を
生じない上、工具ホルダ及び主軸のテーパ面における赤
錆の発生や摩耗を防止できるので長期にわたる使用がで
き精度劣化をきたさない等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】 図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は固体皮膜
を有する工具ホルダの部分断面外観図、第２図は固体皮
膜を有する主軸の断面図である。 １０・・・工具ホルダ、２０・・・主軸、３０・・・固
体皮膜。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 自動工具交換装置を有する工作機械の主軸に挿着される
   工具ホルダのテーパ部外周面又は前記主軸のテーパ穴内
   周面に、固体潤滑剤よりなり膜厚さ２μｍないし１００
   μｍの固体皮膜を形成したことを特徴とする切削工具体
   保持装置。