JPS627883B2

JPS627883B2 -

Info

Publication number: JPS627883B2
Application number: JP53140849A
Authority: JP
Inventors: Shigeru Hashimoto; Tooru Oono
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1978-11-15
Filing date: 1978-11-15
Publication date: 1987-02-19
Also published as: JPS5566506A

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は第４級窒素含有カチオン変性シリコ
ーンを含有する新規な化粧料に関するものであ
り、さらに詳しくは、毛髪に対しては光沢付与を
はじめ卓越した髪仕上げ効果を奏するとともに、
皮膚に対しては滑らかさやしつとり感を与える化
粧料に関する。最近のヘアケアー製品は毛髪を健康な状態を保
つため、種々の添加物が配合されている。たとえば市販のヘアクリーム、オイル、ローシ
ヨンの中には天然オイル、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンオキサイド、シリコーン油など
を界面活性剤で可溶化もしくは乳化分散せしめた
ものが知られており、これらは毛髪の表面に均一
なフイルムを形成することによつて艶をよくする
とともに、ブラツシングや櫛けづりの際の機械的
な摩擦から毛髪を保護することを主眼とした商品
である。しかしながら、これらの商品ではある程度の光
沢を得ることはできるが、毛髪にべたつきが生じ
たり仕上り感に難があつて、とうてい満足すべき
ものではない。またシヤンプーの分野では、過度の脱脂によつ
てもたらされる髪のばさつきや艶落ちを補正する
ために、高級アルコール、ラノリン、高級脂防酸
エステル、蛋白分解物などを添加することが行な
われている。しかし、これらの添加物は、毛髪に付着する前
に主活性剤によつて洗い流されてしまい、所期の
効果を十分発揮できないのが実情である。そこでこうした問題点を改善するため、つぎの
ような化合物を添加する研究ないし試みが行なわ
れている。 (イ) 水溶性高分子物質たとえばポリビニルピロリドン、ヒドロキシ
エチルセルロース、ポリアクリル酸塩など毛髪
との親和性を有する化合物をシヤンプーに配合
することによつて、洗髪すすぎ後のコンデイシ
ヨニング効果を発揮させる研究が進められてい
る。なかでも、カチオン性高分子物質は毛髪表
面に対する親和性が高いと言われている。この種のシヤンプーが良好なコンデイシヨニ
ング効果を奏するのは、毛髪の等電点がPH４〜
６であり、通常のシヤンプー（PH７近傍）で洗
浄すると毛髪表面はマイナスに荷電し、カチオ
ン性高分子物質が毛髪表面とイオン的に強く吸
着されるからである。しかしこの種のシヤンプ
ーは良好なコンデイシヨニング効果に拘らず、
髪の光沢をよくする効果については、何も期待
できない。 (ロ) シリコーン系化合物一般にシリコーンおよびシリコーン誘導体は
髪に光沢と潤滑性を与え、エモリエント効果を
発揮することが知られている。しかも流動パラ
フインなどに比較し、さらりとした感触を与え
且つべたつきもないことから、ヘアスプレーや
スキンクリーム、スキンローシヨンに応用され
ている。ただ、難点なのはこれらシリコーン化
合物が水溶性に劣ることで、それ故にヘアケア
製品への応用も限られた範囲に留まつている。それに対し、最近市場に登場したシリコーン
とグリコールとの共重体は上記の欠点を改善
し、シヤンプー、リンス、ヘアローシヨン等に
添加使用した場合は、毛髪にさらりとした感触
と艶を与えるものと期待されている。しかし実際には十分な髪仕上げ効果を奏する
ものではない。つまりシヤンプーやリンスなど
に応用した場合、シリコーン化合物の水溶性と
吸着量とは相反する傾向がみられ、上記共重合
体も毛髪への吸着量は不十分なものである。この発明者らは、髪に対しすぐれた光沢を与
え、べたつきもなく、すぐれた仕上り感が得ら
れるとともに、皮膚に対してはしつとり感と滑
らかさを与える化粧料の研究開発に努めた。そして、この目的達成にそれまでは問題解決
困難とされていたシリコーン系化合物に着目
し、その性能上の限界を打破すべく新規化合物
の合成と化粧料成分としての応用研究を重ねた
結果、ここに第４級窒素含有カチオン変性シリ
コーンが化粧料添加成分として卓越した効果を
有することを知見することができた。すなわち、この発明の化粧料は第４級窒素含
有カチオン変性シリコーンを含有することを特
徴とするもので、シヤンプーやリンス等のヘア
ケアー製品とするときは、一般に上記変性シリ
コーンを0.1〜７％（重量基準）、スキンローシ
ヨン等のスキンケアー製品とするときは、上記
変性シリコーンを0.5〜10％、夫々配合するこ
とが好ましい。以下、第４級窒素含有カチオン変性シリコーン
の詳細からこの発明を具体的に説明する。この発明では適当量の第４級窒素を含有するシ
リコーン、すなわち、第４級窒素含有量が0.7〜
5.5％の範囲のカチオン性のシリコーンであれ
ば、多少の構造の違いはあれ、発明の効果を共有
するものと考えられるが、とくに好ましいのは、
つぎに挙げる一般式(1)、(2)、(3)で表わされる化合
物であり、これらは２種以上を混合使用しても何
ら差支ない。一般式(1)：一般式(2)：一般式(3)：ただし、各一般式中、ｍ、ｎは１以上の整数で
ｍとｎの合計は２〜500好ましくは５〜100、ｘ、
ｚは１〜10の整数、ｙは０または１の数、R₁は
C_1〜4のアルキル基またはフエニル基、R₂はCH₃
またはC₂H₅、ＸはCl、BrまたはＩ、ＡはＯまた
はＳ原子。上述した一般式の第４級窒素含有シリコーンを
製造するためには、出発原料として通常のシリコ
ーンではなく、これにアミノ基、水酸基、エポキ
シ基、チオール基などを導入したブロツク重合型
またはランダム重合型変性シリコーンが必要であ
り、この変性シリコーンを適当な条件下で４級化
剤と反応させることによつて、目的生成物を合成
することができる。たとえば一般式(1)の化合物を合成するには、出
発原料として一般式（1′）のエポキシ変性シリコ
ーンを用いればよい。このエポキシ変性シリコーンをイソプロパノー
ルに溶解せしめ、微量の水酸化ナトリウムを添加
し、さらに４級化剤のグリシジルトリメチルアン
モニウムクロリド水溶液を加えてこの混合液を加
温し、最後に塩酸−イソプロパノール水溶液を加
えて調整すれば、一般式(1)の化合物を調製するこ
とができる。また、一般式(2)の化合物を合成するには、出発
原料として下記の一般式（2′）で示されるアミノ
変性シリコーンを用いればよい。このアミノ変性シリコーンをイソプロパノール
に溶解せしめ、微量の水酸化ナトリウムを添加
し、４級化剤のアルキルハライドを加え、さらに
系内のPHがアルカリとなるよう重曹を添加し、
100℃、４〜4.5気圧で２〜３時間反応させ、この
反応混合物を過すれば、目的生成物を得ること
ができる。さらに一般式(3)の化合物を合成するには、出発
原料として下記一般式（3′）で示される水酸基変
性またはチオール変性シリコーンを用いればよ
い。この変性シリコーンを前記方法に準じて溶剤に
溶かし、アルカリ性にしてから、４級化剤として
３−ハロゲノ−２−ヒドロキシプロピルトリアル
キルアンモニウムハライドを加えて反応させる
と、目的生成物を得ることができる。ただし、上記はいずれも好ましい製造例を示し
たにすぎず、溶剤、PH調整、４級化剤も個々の例
に限定する必要はないが、アミノ基の４級化剤と
しては、メチルクロリドやエチルクロリドなどの
ハロゲン化炭素、末端水酸基の４級化剤としては
グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、ハ
ロヒドリン型窒素４級化剤があり、具体的には３
−ハロゲノ−２−ヒドロキシプロピルトリアルキ
ルアンモニウムハライドが使用頻度が大きい。ところで、先述したようにこの発明では第４級
窒素含有シリコーンの第４級窒素含有率を0.7〜
5.5重量％の範囲に収める必要がある。それは、この範囲に収まる限り、光沢付与はじ
めすぐれた仕上げ効果を奏するからで、0.7％未
満ではその効果が従来と大差なく、さらりとした
感触も艶も従来をしのぐことはないし、また5.5
％を越えた場合は、第４級窒素含有シリコーン自
体の水溶性が良すぎて毛髪や皮膚への吸着性が低
下し、使用後のしつとり感、滑らかさ、光沢を期
待することができない。この発明で扱う第４級窒素含有シリコーンは、
上述したように第４級窒素を適正範囲で含有する
カチオン変性シリコーンであるため、従来のシリ
コーンに比較して水溶性に優れるとともに、毛髪
や皮膚を構成する蛋白質のカルボキシル基に対し
て高い親和性を発揮し、それらの表面に対する吸
着性が大幅に向上している。それ故、後述するように、ヘアケアー製品やス
キンケアー製品に配合することによつて、従来の
問題点を改善することができる。前述したように
ヘアケア製品への配合量は0.1〜７％の範囲が好
ましく、0.1％未満では効果が不十分となり、７
％を超えると、使用時にべたつきが生じ、使用感
を損ねるだけでなく、シヤンプーなどに適用した
場合は透明性を損なう恐れがある。またスキンケアー製品への配合量は0.5〜10％
の範囲が好ましい。なお、ヘアケアー製品および
スキンケアー製品の製造に際しては、第４級窒素
含有シリコーン、それぞれの必須成分および常用
成分に加えて、加水分解蛋白質、ラノリン、ビタ
ミン類、これらの誘導体、アロエ、甘草その他の
薬効成分を適宜に配合することができる。以下、シヤンプー、リンス、クリーム等に配合
した場合を例にとつて、発明の効果を説明する。 (イ) シヤンプー第４級窒素含有シリコーンはシヤンプー中の
陰イオン界面活性剤と複合塩を形成し、この複
合塩は陰イオン界面活性剤が存在する水溶液中
で透明に可溶化されるため、シヤンプーの商品
外観を損なうことなく、安定に活性剤と共存し
得る。シリコーンは一般に消泡作用があり、泡の感
触を損なう欠点があるが、第４級窒素含有シリ
コーンは泡の性能を少しも劣化させることがな
く、それを配合したシヤンプーは使用時にあつ
ては泡のねばさを増し、泡をきめ細かにすると
ともに、毛髪のきしみ感を減少させることがで
きる。また使用後においては、毛髪の櫛通りをよく
し、しつとりと仕上げるとともに、とくに髪の
光沢を向上させるという点で顕著な効果を発揮
するものである。これは、前記複合塩が毛髪によく吸着される
ために他ならない。このような効果は、使用する陰イオン界面活
性剤の種類により多少変化するが、陰イオン界
面活性剤に限らず両性活性剤なども第４級窒素
含有シリコーンと同様の発明の効果を奏する複
合塩を形成できるのであり、むしろ同シリコー
ンとの相容性の点では、すぐれていると言え
る。 (ロ) リンス第４級窒素含有変性シリコーンは、リンスの
必須成分であるジステアリルジメチルアンモニ
ウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、その他の陽イオン界面活性
剤と共存し、毛髪の櫛通りおよび艶をよくし、
毛髪をさらつとした感触に仕上げる。これは、毛髪の等電点がPH４〜６でシヤンプ
ー後の毛髪表面はマイナスに荷電するため、リ
ンス中の第４級窒素含有変性シリコーンがいわ
ゆるクーロン力によつて毛髪表面に強く吸着さ
れ、毛髪一本一本が多量の第４級窒素含有変性
シリコーンで均一に被覆されるためである。 (ハ) クリーム第４級窒素含有カチオン変性シリコーンはノ
ニオン界面活性剤によつて水に溶解させたり乳
化させると、通常のシリコーンに比較し溶解の
場合には良好な透明性が得られ、また乳化の場
合には、均一なエマルジヨンが得られる。した
がつてこの発明のスキンケア製品は、外観を損
なうことなくすぐれた使用感と仕上り感を得る
ことができる。しかも皮膚への吸着が継続的に
なされるので、長時間にわたつて皮膚をしつと
りと滑らかに保つことができる。以上を要約すると、この発明の化粧料は第４級
窒素含有カチオン変性シリコーンを含有するた
め、毛髪に適用した場合は、べたつきのない快よ
い使用感と毛髪にすぐれた光沢を与えるととも
に、皮膚に対しては滑らかさとしつとり感を与え
る、高度の商品価値を誇るものである。つぎに実施例を挙げてさらに具体的にこの発明
を説明する。なお、実施例に行なつた試験法を説明すると、 (イ) 起泡力試料の６％水溶液20ml（40℃）を100mlの栓
付きシリンダに採取し、これに人工汚垢として
液体ラノリン0.2ｇを加え、10秒間に20回の割
合で上下に振盪し、１分後の泡量を測定する。 (ロ) 毛髪のきしみ感の無さ（なめらかさ）前もつて毛束５ｇ（25cm長）を洗浄したの
ち、エタノールでソツクスレ−抽出しておく。この毛束を試料の６％水溶液300ml中に１分
間上下に撹忰しながら浸漬し、そのあと水道水
300mlで毛束をすすぎ洗いし、この毛束につい
て下記の評価基準で官能評価する。評価基準 ◎：市販シヤンプーに比べ大変なめらかである〇：〃ややなめらかである △：〃同程度に〃 ×：〃なめらかさが劣る (ハ) 毛髪の櫛通り性、光沢、しつとり感 ○ロ項と同様にして調整した毛束について、下
記の評価基準に基いて官能評価を行なう。＋＋：非常によい＋：よい＋−：標準（一般の市販品と同じ） −：やや不良 −−：不良実施例１表１に示す配合組成に従つて11種のシヤンプー
組成物を調製し、カチオン変性シリコーンの添加
量による使用前、使用後の性能に及ぼす影響を調
べた。なお、カチオン変性シリコーンの一般式はで示され、各試験例で使用したカチオン変性シリ
コーンの一般式中のｍおよびｎは、次表に示すと
おりである。

【表】

【表】さらに、カチオン変性シリコーンの製造方法を
ｍ＝１、ｎ＝９の場合について示すと、下記のと
おりであり、他の試験例のカチオン変性シリコー
ンの製造法もそれに準じた。構造式で示されるアミノ変性シリコーン100ｇと、イソ
プロピルアルコール90ｇと、フレーク苛性ソーダ
20ｇと、炭酸水素ナトリウム18ｇとを均一に混合
し、オートクレーブ中で100℃に加熱、さらにこ
の中に系内の圧力が４Kg／cm²となるよう４級化剤
のメチルクロライドを大過剰に添加し、反応を
100〜110℃で３時間進行せしめ、反応終了後の内
容物を希塩酸でPH７に調整し、その後イソプロピ
ルアルコールを大過剰に添加することにより副生
成物の無機塩を析出させ、それを過したのち、
トツピングによつて未反応のメチルクロライドと
大過剰のイソプロピルアルコールを反応生成物か
ら除去した。

【表】表１によれば、この発明の条件を満たす第４級
窒素含有変性シリコーンを配合したシヤンプー組
成物が、試験例４、６、７、９、10、11にみるよ
うにすぐれた性能を発揮することができるのに対
し、試験例１、２、３のように第４級窒素含有変
性シリコーンを全然配合しないシヤンプー組成物
とか、あるいは試験No.5のように第４級窒素含
有量が過小の場合とか、さらに試験No.8のよう
に過多の場合には、きしみ感が生じたり髪の仕上
り効果に劣つたりして、発明の効果が得られない
ことが分る。実施例２表２に示す配合組成に従つて４種のリンス組成
物を調製し、カチオン変性シリコーンの添加効果
を調べた。なお、ここで使用したカチオン変性シリコーン
は、つぎの構造式を有するものである。表２によれば、試験例14と15のリンス組成物
は、試験例12および13と違つて、この発明の条件
を満たすカチオン変性シリコーンを含有するた
め、すぐれた性能が発揮されている。

【表】

【表】実施例３つぎに、カチオン変性シリコーンをハンドクリ
ーム組成物に配合した場合の試験結果を、表３に
示す。なお、試験例17で使用したカチオン変性シリコ
ーンの構造は、試験No.18で使用したカチオン変性シリコーン
の構造は、

【表】

【表】表３に明らかなように、この発明で規定したカ
チオン変性シリコーンを含有するハンドクリーム
組成物によれば、手の皮膚に適用したときに、す
ぐれた使用感と仕上り感を得ることができる。

Claims

【特許請求の範囲】１下記の一般式(1)、(2)、(3)で表される第４級窒
素含有カチオン変性シリコーン化合物の１種また
は２種以上を含有することを特徴とする化粧料。一般式(1)：一般式(2)：一般式(3)：但し、上記の各一般式において、ｍ、ｎ、ｘ、
ｙ、ｚ、R₁、R₂、Ｘ、Ａは夫々次のものを表わ
す。ｍ、ｎ；両者の合計が２〜500となるような１以
上の整数、ｘ、ｚ；１〜10の整数、ｙ；０または１ R₁；炭素数１〜４のアルキル基またはフエニル
基、 R₂；CH₂基またはC₂H₅基、Ｘ；Cl、BrまたはＩ、Ａ；Ｏ原子またはＳ原子。