JPS627877B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は撹拌翼のポンプ作用を利用してリント
を捕獲するようにした洗濯機に関する。

従来の二槽式洗濯機におけるリント捕獲機構の
一例として、ポンプ機能を持たせた撹拌翼によつ
て洗い槽内の水を排水径路から分岐した吸込み管
路を介して吸引し、これを洗い槽の周壁に沿い立
上がらせた送水ホースを介して上部のリント捕獲
部まで送水すると云う循環路を構成し、これによ
りリントを強制的に捕獲するようにしたものがあ
る。しかし、斯る従来構成によると、吸込み管路
が槽外に位置するため複雑な水密構造を必要とす
る欠点があつた。また水排出機構とリント捕獲の
ための送水径路とが分散された構成をなしている
ため、組立て、調整及び点検に関する作業が困難
になると云う欠点があつた。

本発明は上記の欠点を除去すべくなされたもの
であり、その目的はリントを撹拌翼のポンプ作用
を利用して強制的に捕獲するものにおいて、リン
ト捕獲のための吸水路及び送水路と水排出機構と
の両者を洗い槽の内側に形成した水排出室内に集
約して構成せしめることにより、水密構造を施す
個所が少なくなり、且つ集約構造であるが故に組
立て、調整並びに点検作業も容易になると共に、
リント捕獲のための水循環中にリントが水排出室
内に積極的に侵入されることを防止して水排出室
内の水排出機構がリントによつて動作不良を誘発
してしまうことを極力防止できる洗濯機を提供す
るにある。

以下本発明を各実施例によつて図面を参照しな
がら具体的に説明する。第一実施例を示す第１図
乃至第３図において、１は図示しない外箱に脱水
槽と共に並設された二槽式洗濯機の洗い槽で、こ
れの内底部には凹陥状の撹拌翼配置空所であると
ころのポンプ室２を形成している。３はポンプ用
の翼片４を有する撹拌翼、５は上面開口周縁に環
状鍔部６を形成した翼片用ケーシングであり、こ
の翼片用ケーシング５をポンプ室２内に配置して
ねじ７により固定する一方、前記撹拌翼３をその
翼片４が翼片用ケーシング５内に位置するように
してポンプ室２内に配置し洗い軸８にねじ９によ
つて連結している。１０は水排出室で、ポンプ室
２から連続して上方に延びるように槽壁１ａに外
方へ窪む溝状に形成し、特にポンプ室２との合流
部１０ａは撹拌翼３の下方に位置してポンプ室２
の底面より一段と低くなつており、その合流部１
０ａの終端面１０ｂと対向した位置に巾広な隆起
条部１１を外方に延びるように形成すると共にこ
れら両者の対向間にボス部１２を形成している。
１３は下面側に略逆Ｕ字状をなす連通路１４を形
成した口体ケースであり、このものにおいてその
連通路１４の天井面部１４ｂには両端に吐出口部
１５ａ及び連結口部１５ｂを有する通路部１５を
隆起状に形成しており、そして斯る口体ケース１
３はその連通路１４の両側を隆起条部１１の両外
側に嵌合せしめるように合流部１０ａ内に配置し
てねじ１６によりボス部１２に固定せしめてい
る。そしてこのような配置状態となつたときにこ
の口体ケース１３における前記終端面１０ｂと当
接する連通路１４の一方端にはポンプ室２内と連
通する吸込口部１７を凹欠状に予め形成してい
る。また、この状態では翼片用ケーシング５の一
部を外方に延出することによつて形成した出水口
部１８が口体ケース１３に形成した前記吐出口部
１５ａ内に挿入により嵌合され、以つて吐出口部
１５ａがポンプ室２内と連通する構成となつてい
る。１９はカバー部材で、水排出室１０の槽内を
臨む溝状開口部１０ｃを覆うように配置され、洗
い槽１の内底面に一体に設けられた保持突起２０
と係合して固定保持される一対の係合突片２１を
上端に形成していると共に槽内に面する下方領域
に多孔状の排水ストレーナ部２２を形成してい
る。２３はカバー部材１９における排水ストレー
ナ部２２形成領域の上方領域にこれを外方へ窪ま
せる形態に形成した吸水路で、これの槽内に面す
る開口部分を吸入口部２４としている。そして、
前記吸水路２３の下端面壁には前記口体ケース１
３における連通路１４の吸込口部１７形成部分と
は反対側の開口部１４ａと合致する切欠口部２５
を形成する一方、カバー部材１９全体の最下端面
壁には吐出口部１５ａの外周に合致する他の切欠
口部２６を形成している。そしてこの状態を確実
に保持すべくカバー部材１９の下端付近に形成し
た透孔２７にねじ２８を挿通しこれを口体ケース
１３に設けたボス部２９に螺合している。３０は
通水孔群３１を有してカバー部材１９の吸入口部
２４に着脱可能に装着される吸入用ストレーナ
で、その上端部には前記吸水路２３の上端を塞ぐ
壁部３０ａを形成しており、この壁部３０ａ中の
前部には摘み３２を設け、後部にはカバー部材１
９の上端に予め形成した一対の係合孔３３と係合
する係合突片３４を形成している。そして吸入用
ストレーナ３０の下端にも装着状態で前記カバー
部材１９の切欠口部２５内の上部に挿入によつて
係合される係止突片３５を形成している。３６は
補助フイルタであつて、これは吸入用ストレーナ
３０をカバー部材１９に装着した際に吸入路２３
内に略水平に位置するように吸入用ストレーナ３
０の裏側で且つ通水孔群３１形成領域の下端部位
に一体に形成しており、そのフイルタ部３７は櫛
歯状をなしていると共に、該フイルタ部３７の突
出先端は吸水路２３内に予め形成してある段部３
８の上面に係止されるようになつている。従つて
これまでの構成によれば、洗い槽１内とポンプ室
２内とは吸入用ストレーナ３０の通水孔群３１、
カバー部材１９の吸水路２３、吸入用ストレーナ
３０の補助フイルタ３６、カバー部材１９の切欠
口部２５、口体ケース１３の連通路１４内及び吸
込口部１７から成る独立水路３９を介して連通さ
れ、これは水排出室１０内とは合流しない構成と
なる。４０は前記水排出室１０における溝状開口
部１０ｃ中、カバー部材１９によつては塞がれて
いない残余部分を塞ぐ如く設けられた溢水ストレ
ーナで、その下端が前記保持突起２０に係合機構
４１を介して着脱可能に保持され且つ上端が操作
箱４２の底板部４３に係合機構４４を介して着脱
自在に保持されている。この溢水ストレーナ４０
にはフイルタ部４５を有する容器状のリント捕獲
器４６が着脱可能に設けられ、このリント捕獲器
４６の入水口部として作用する溢水ストレーナ４
０の口体部４７と前記口体ケース１３の連結口部
１５ｂとの間を水排出室１０内に配置した送水路
としての送水管４８によて連結している。ここ
で、前記補助フイルタ３６のフイルタ部３７をリ
ント捕獲器４６におけるフイルタ部４５よりも粗
目な構造となるように予め設定してある。４９は
水排出室１０内に上下動可能に配置された可動部
材で、これは自身の上端面と操作箱４２の底板部
４３下面との間に介在された圧縮コイルばね５０
によつて常時下方に移動付勢され、操作箱４２の
操作面部に設けた図示しない作機構により引張り
操作される索条５１によつて圧縮コイルばね５０
の弾発力に抗して上昇される構成になつている。
５２はその下部に排水ホース５３を連結する排水
口で、水排出室１０内にて槽壁１ａの底部に形成
している。５４は可動部材４９の下端に一体形成
した通水筒部であり、これの上下端のうち下端外
周には排水口５２の周囲に可動部材４９の上下動
に伴い接離作用する環状の弁体５５を固定し、上
端外周には溢水管５６の下端部を連結している。
これにより溢水管５６を可動部材４９に立設状に
保持している。５７は溢水ストレーナ４０の中間
から下方の領域内で多段に上下動し得るようにラ
ツチ機構５８８を介して設けた調節部材であり、
この調節部材５７から延出形成した腕部５９に前
記溢水筒５６の中間から上端部にわたり形成して
ある蛇腹状部５６ａの上端を係合手段によつて連
結している。ここで、弁体５５は排水口５２の周
囲に対して接離することによつて水排出室１０内
と排水ホース５３との間を開閉する排水機構６０
をなし、また、常時排水ホース５３に通ずる溢水
筒５６が溢水機構６１をなしている。尚、６２は
洗い軸８に直結された従動プーリ６３と、図示し
ない洗いモータから回転力を受けるベルト６４と
から成るベルト伝達機構である。

次に上記構成の作用について説明する。洗いま
たはすすぎ運転中は回転している撹拌翼３と一体
の翼片４によるポンプ作用によりポンプ室２内の
水は翼片用ケーシング５の出水口部１８、口体ケ
ース１３の通路部１５、その連結口部１５ｂ及び
送水管４８を介してリント捕獲器４６内に送出さ
れる。一方、ポンプ室２の吸込口部１７付近に作
用する負圧によつて洗い槽１内の水は吸入用スト
レーナ３０の通水孔群３１を介してカバー部材１
９の吸入口部２４から吸水路２３内に吸引され、
ここから補助フイルタ３６を通過して切欠口部２
５及び口体ケース１３の連通路１４内を通り更に
吸込口部１７からポンプ室２内に吸入される。こ
のような水循環作用において、洗い槽１内のリン
トは上記のような吸入用ストレーナ３０からポン
プ室２内に到る独立水路３９を介して通る過程で
補助フイルタ３６のフイルタ部３７によつてその
大きなものが捕獲され、残りのものがポンプ室２
から送水管４８を介してリント捕獲器４６に送ら
れてここに捕獲される。一方、オーバフローすす
ぎにおいては水排出室１０内がカバー部材１９の
排水ストレーナ部２２または溢水ストレーナ４０
を介して洗い槽１内と連通状態にあるから、水排
出室１０内の水が溢水筒５６内にその上端開口部
５６ｂから溢流し通水筒部５４、排水口５２及び
排水ホース５３を介して機外に排出される。この
ときの溢水水位は調節部材５７を上下動すること
によつて蛇腹状部５６ａに伸縮変位を与え、これ
によつてその上端開口部５６ｂの高さを調節する
ことにより所望値に設定できる。また、排水する
ときは、索条５１により可動部材４９を上昇させ
て弁体５５を排水口５２の周囲から離間させる。
この排水動作によつて水位が溢水ストレーナ４０
よりも低下した後は、水が、カバー部材１９に形
成された排水ストレーナ部２２を通つて後、口体
ケース１３の外周囲を通つて水排出室１０内に至
る経路をもつて排水が続行される。

さて、以上のものにおいて、水排出室１０は排
水或いは溢水等の水排出機構をもつもので、その
内部に排水機構６０及び溢水機構６１等の水排出
機構を配置する一方、ポンプ室２からリント捕獲
器４６に送水するための送水管４８、洗い槽１内
の水をポンプ室２内に吸引させるための独立水路
３９等リント捕獲のための循環水路機構も配置す
る構成としているので、水排出機構及び循環水路
機構が水排出室１０内に集約して配置され、それ
らの組立て、調整並びに点検作業が分散配置方式
に比して極めて容易となる他、循環水路機構が実
質的に洗い槽１内に存在するため水密構造を施す
個所が少なくなる。一方、ポンプ室２内に水排出
室１０内の水ではなく洗い槽１内の水を吸入させ
るように独立水路３９を構成せしめているで、撹
拌翼３のポンプ作用によつて洗い槽１内の水がリ
ントと共に水排出室１０内に積極的に侵入し、そ
のリントが弁体５５の開閉に伴つて該弁体５５と
排水口５２の周縁との間に挾まれ確実な弁閉成機
能が失われる等水排出機構の動作不良を誘発して
しまうことを極力防止できる。また、洗い槽１内
の水のポンプ室２内への吸入は排水ストレーナ部
２２ではなく専用の吸入用ストレーナ３０を介し
て行なうので、その通水孔群３１を排水ストレー
ナ部２２のそれよりも粗目にしてリントが積極的
に通過するようにできるからこの点でもリント捕
獲効率が向上する。一方、前記リント捕獲器４６
よりも粗目にした補助フイルタ３６を独立水路３
９即ちその一部である吸水路２３内に配置して大
きなリントを先行して補獲する構成にしているの
でリント捕獲器４６の早期の目詰りを抑制でき
る。

次に第二実施例として第２図と同一部分に同一
符号を付して示す第４図及び第５図において、６
４はカバー部材１９の吸入口部２４に前記吸入用
ストレーナ３０に代えて装着される吸入用ストレ
ーナであり、これはその構内に面する部分には二
つの凹曲面部６５，６６を上下方向に延びるよう
に形成すると共にこれら凹曲面部６５，６６中に
通水孔群６７を形成し且つ裏側に両曲面部６６，
６７間に位置するよう水流案内壁６８を形成して
成るものである。このものによれば、通水孔群６
７の形成部分が凹曲面状をなしているからリント
が洗濯物の布回りによつて阻害されることなく効
率よく通水孔群６７を通過することができるよう
になりリント捕獲効率の向上を期待できる。

本発明は以上述べたように、洗い槽の槽壁に形
成した水排出室内に、ポンプ室から吐出された水
を高所のリント捕獲器に送る送水路及び洗い槽内
の水をポンプ室に吸入させる吸水路等のリント捕
獲のための循環水路機構を水排出機構と共に集約
して配置する構成をしたことにより、水密構造を
施す個所が少なくなり且つ組立て、調整並びに点
検作業が容易になり、その上、前記吸水路によつ
て洗い槽内の水を水排出室内とは合流しないよう
にポンプ室内に吸入させる構成であるので、水排
出室内の水排出機構がリントによつて動作不良を
誘発してしまうことをも極力防止できると云う優
れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第一実施例を示す要部の縦断
側面図、第２図は第１図中の主要部の拡大分解斜
視図、第３図は第２図の−線に沿う横断面状
態で示す拡大斜視図、第４図は第二実施例の吸入
用ストレーナの斜視図、第５図は第４図の−
線に沿う拡大横断平面図である。 図中１は洗い槽、２はポンプ室、３は撹拌翼、
４は翼片、１０は水排出室、１０ｃは溝状開口
部、１３は口体ケース、１４は連通路、１５ａは
吐出口部、１５ｂは連結口部、１７は吸込口部、
２４は吸入口部、１９はカバー部材、２３は吸水
路、３０，６４は吸入用ストレーナ、３１，６７
は通水孔群、３６は補助フイルタ、４０は溢水ス
トレーナ、４６はリント捕獲器、４８は送水管
（送水路）、６０は排水機構、６１は溢水機構であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗い槽の内底部にポンプ用の翼片を裏面に有
   する撹拌翼を配設すべく形成され吸込口部に連通
   された凹陥状のポンプ室と、このポンプ室から連
   続して上方に延びるように前記洗い槽の槽壁に形
   成され外方へ窪む溝状の水排出室と、この水排出
   室の槽内を臨む溝状開口部を覆うように設けられ
   槽内と連通する吸入口部を有するカバー部材と、
   前記ポンプ室に連通した吐出口部と洗い槽の上方
   部に配置されたリント捕獲器との間を連通させる
   べく前記水排出室内に配設された送水路と、前記
   吸込口部と前記吸入口部との間を前記水排出室内
   とは合流せずに連通させるように該水排出室内に
   位置された吸水路と、前記吸入口部に備えられた
   吸入用ストレーナとを具備して成る洗濯機。 ２ 水排出室内のポンプ室と合流する部位に口体
   ケースを配置し且つカバー部材には吸入口部と連
   通する吸水路を形成し、そして前記口体ケースに
   は吸込口部と吐出口部とを形成すると共に吸込口
   部及び前記吸水路間を連通させる連通路を形成
   し、更に吐出口部を前記送水路に連結する連結口
   部を形成したことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載の洗濯機。 ３ 吸入用ストレーナは槽内に面する部分が凹曲
   面状をなしこの部分に通水孔群を形成しているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の洗
   濯機。