JPS627341B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の目的） 本発明は、簡単な構造により、組立自在のやぐ
ら内を次々とほぼ無制限に昇降自在を目的とした
工事足場における足場ケージの自動昇降方法およ
び装置に関する。

（従来技術） 従来、この種の工事足場の昇降は、やぐらの頂
部に軸着した滑車に掛け廻したワイヤロープの一
端に足場を他端をやぐら基部のウインチのドラム
に結着して、ウインチの巻取り巻戻しにより足場
をやぐらに沿つて昇降させる方式のものが多く、
また、やぐらに沿つて直立したねじ棒に足場に設
けた雌ねじ部を螺合させ、このねじ棒又は雌ねじ
部を正逆回転させて昇降させる方式のものもあつ
たが、これらの構造では、何れも昇降範囲（上昇
高さ）に限度があり、かつ設備も大規模となり、
移動には大層不便のものが多かつた。

（発明の構成） 本発明は上述の不具合に鑑み、搬送自在の台車
上に設けたパイプ構造のやぐら基部の上部に次々
と単体やぐらを接続組立自在のやぐらを形成し、
このやぐらの内部に設けたガイドレールに沿つて
上下するケージにナイロン等の滑性素材によるス
クリユー羽根をケージに設けた駆動装置によつて
正逆回転自在とし、このスクリユー羽根のピツチ
と関連させたピツチをもつて、やぐらの側部に梯
子状に取付けた横桿にこれらスクリユー羽根を係
合させてスクリユー羽根の回転により足場を有す
るケージがやぐら内を昇降自在にするようにした
もので、本発明を実施例の図によつて説明する。

第１図乃至第４図において工事用足場１は、前
後に小車輪２，２を設けた台車３の四隅に支柱
４，４，……を垂設し、横梁５，５および縦梁
６，６で支柱４，４，……の上部を固定し、補強
材７，７を斜めに取付け、両側の端部附近にそれ
ぞれ基部のガイドレール８，８を垂直に平行に取
付け、台車３の下部枠９から前後方向に収出自在
に設けた収出梁１０，１０の両端に固定支柱１
１，１１をそれぞれ、上下位置調節自在に設け、
側部には、後述のスクリユー羽根１２，１２，…
…のピツチｐに関連させたピツチＰの間隔でパイ
プ材による横桿１３，１３，……を平行に梯子状
に前記支柱４，４間に架設する。

次に第２図に示すケージ１４をこの台車の支柱
４，４，……内に収容しケージ１４の底部の足場
１５の側部に取付けた係合金具１６，１６をそれ
ぞれ前記ガイドレール８，８に係合させると共
に、ケージ１４の四隅に垂直に回転自在に支承し
たナイロン等の滑性素材による前述のピツチｐの
スクリユー羽根１２，１２，……を前記横桿１
３，１３，……にそれぞれ係合させる。横桿１
３，１３のピツチｐはスクリユー羽根１２，１
２，……のピツチｐの倍数とする。ケージ１４の
四隅に回転自在に垂直に支承されたスクリユー羽
根１２，１２のスクリユー軸１７，１７の下端を
足場１５の下面に設けた駆動装置１８よりの回転
軸１９，１９の先端およびスクリユー軸１７，１
７の下端に設けたベベルギヤ（何れも図示略）を
噛合させ、ケージ１４の両側のスクリユー羽根１
２，１２，……の内側に金網２０を張設した安全
フエンス２１，２１を取付け、この一方の安全フ
エンス２１の内側に操作函２２を取付ける。

前記台車３上の支柱４，４，……上には、パイ
プ構造のやぐら単位体２３，２３，……を次々と
上方へ所要数だけ接続組立、解体自在とし、最上
位のやぐら単位体２３も第３図に示すように下方
のやぐら単位体２３と同じである。やぐら単位体
２３はパイプ構造により四隅の支柱２４，２４，
の両側を各数個の横桿１３，１３，……によりピ
ツチＰをもつて連結し、やぐら単位体２３，２
３，……を上下に連設したとき、上下の横桿１
３，１３とピツチＰで連接するようにする。図中
１２′はスクリユー羽根１２の羽根部、２５はや
ぐら単位体２３の支柱２４，２４の上端を連結す
る横梁、２６は横梁２５の中央に設けた取付片、
２７は横梁２５の端部の取付片、２８は斜材、２
９はストツプバーを示す。

本実施例では駆動装置１８とスクリユー軸１７
とをベベルギヤで連結したが、ベベルギヤに限ら
ず、ユニバーサルジヨイント又は同期モーターそ
の他の伝導手段を用いても同様である。またスク
リユー羽根は四隅に設けると、各スクリユー羽根
にかかる荷重が少くなつて好ましいが、必ずしも
四隅とは限らず両側の中央部に各１個宛装着して
もよい。スクリユー羽根の材質はナイロン等の合
成樹脂に限らず、滑性素材なら金属素材でもよ
い。

さらにまた本実施例では台車３上に構築可能の
工事用足場１について述べたが必ずしも台車上で
なくとも、固定基台上に構築してもよい。

（発明の作用） 本発明の作用を実施例の図によつて説明する
と、第１図乃至第４図において、台車３に牽引車
（図示略）を連結して所望の場所まで搬送し、牽
引車を外し、正確の位置決めをしたら台車３の下
部枠９の前後に設けた収出梁１０，１０を両側方
へ引き出し、先端に設けた固定支柱１１，１１，
……を地中に打込んで台車３を地面に固定する。

台車３の搬送のまえに台車３の下部枠９上にケ
ージ１４を引き入れておき、ケージ１４の足場１
５の四隅に設けた係合金具１６，１６，……を台
車３の両側に併立して設けたガイドレール８，８
に係合させケージ１４をガイドレール８，８に案
内させて昇降摺動自在とすると共に、ケージ１４
の四隅に設けた合成樹脂製の大型のスクリユー羽
根１２，１２……の羽根部１２′，１２′を、台車
３の支柱４，４間に横設した横桿１３，１３の２
個所以上に係合させておく。ケージ１４は搬送の
前に台車３上にセツトしておくのがよいが、搬送
後にセツトしてもよい。

次に最下位のやぐら単位体２３を分解して、ケ
ージ１４内に持ち込み、ケージ１４内で作業員
（図示略）の手により台車３の支柱４，４……上
に、横桿１３，１３……が固定されたやぐら単位
体２５の支柱２４，２４，……をガイドレール
８，８が連接するように上方へ接続し、横梁２
５，２５の両端を取付片２７，２７に固定すると
共に斜材２８，２８を横梁２５，２５の中央の取
付片２６，２６と前記取付片２７，２７との間に
架設して最初のやぐら単位体２３を台車３上に組
付ける。

次の２番目のやぐら単位体２３を分解してこの
ケージ１４内に積込みケージ１４の足場１５の下
面の駆動装置１８に操作函２４を介して地上電源
（図示略）と電気的にケーブル（図示略）によつ
て接続し、ケージ１４上に乗つた作業員（図示
略）が操作函２２を操作して駆動装置１８を上昇
方向へ作動させると、四隅のスクリユー羽根１
２，１２，……は回転軸１９，１９を介して矢印
Ｒ方向に同期して回転（第４図参照）し、横桿１
３，１３，……の上面をスクリユー羽根１２，１
２，……の羽根部１２′，１２′，……の捩れた下
面が当接、押圧しつつ回転するのでケージ１４は
静かに上昇する。スクリユー羽根１２，１２，…
…はナイロン等の合成樹脂製であるため滑りがよ
く、円滑な係合回転ができる。横桿１３，１３の
取付けピツチＰはスクリユー羽根１２，１２のピ
ツチｐの倍数になつているので、スクリユー羽根
１２，１２，……の羽根部１２′，１２′，……は
下方において外れても上方においては係合が始ま
つているので、常時、２〜３個所において係合回
転が行われている。スクリユー羽根１２，１２，
……は四隅に設けられているので羽根部１２′，
１２′……と横桿１３，１３……との圧接力は分
散されるので、静かで円滑な回転ができる。

ケージ１４が最初のやぐら単位体２３の上部ま
で到達したら操作函２４を操作して上昇を一時停
止させ、ケージ１４内に積込まれていた分解され
たやぐら単位体２３をケージ１４に乗つた作業員
によつて、前回と同様にして２番目のやぐら単位
体２３をその上に組立てる。

さらに上方の位置に移動しようとするときは、
操作函２２を操作して、駆動装置１８をさきとは
逆に回転させると、第４図においてすべてのスク
リユー羽根１２，１２，……は同期して、さきと
は逆の矢印R′方向に回転するのでスクリユー羽
根１２，１２，……の下面は横桿１３，１３の上
面を滑つて回転し、下降する。従つてケージ１４
もやぐら内を下降し、台車３上で停止し、所望組
数の分解されたやぐら単位体２３を積込み再び上
昇し、さきと同様の手順によつて、所望の高さま
で工事用足場１を構築する。

再び下降して、所要の人員、機材等を積込んで
上昇し、所望の高さで停止し、作業を実施する。

作業が終了したら、さきとは逆の手順によつ
て、上位にあるやぐら単位体２３を分解して、ケ
ージ１４内に収容して、台車３まで下降して、や
ぐら単位体２３の分解体を積降して再び上昇し、
次の上位のやぐら単位体２３を分解して上記の工
程を一番目のやぐら単位体２３が外され、分解さ
れるまで続けて行い、次に固定支柱１１，１１，
……を抜去して収出梁１０，１０を引込めて、搬
送車を連結して、次の位置へ搬送する。

台車３上でなくとも基台（図示略）上に構築す
る場合でも同様である。なお、ケージ１４の両側
面には金網２０を張つた安全フエンス２１，２１
が取付けてあるので、作業者が横桿１３と足場１
５との間に挟まれるおそれはない。

（発明の効果） 本発明は軽量なパイプ構造のやぐら単位体を上
方へ次々と連設、分解自在とし、やぐら内をガイ
ドレールに沿つて上下摺動自在に設け、ケージ内
の四隅に垂直にして正逆駆動回転自在に設けた、
ナイロン等の合成樹脂のスクリユー羽根の羽根部
のピツチの倍数のピツチをもつてやぐらの両側に
設けた横桿に次々と回転しながら係合するように
したので、やぐら単位体を上方へ連設するだけ
で、やぐら内のケージを小容量の駆動源により容
易にかつ円滑に上昇または下降させることがで
き、高所作業が極めて容易かつ安全、迅速にでき
るようになつた効果は全く本発明特有のものであ
る。また、本発明のやぐらは任意方向に移動、固
定自在の台車上に設けたので、次の作業場所への
移動が容易かつ迅速にでき、従つて工事全体の能
率向上が顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の全体斜視図、第２図
は同ケージの斜視図、第３図は同、やぐら単位体
の斜視図、第４図はスクリユー羽根係合部の拡大
説明図である。 主要部分の符号の説明、１……工事用足場、３
……台車、４……支柱（台車上の）、８……ガイ
ドレール、９……下部枠（台車の）、１２……ス
クリユー羽根、１２′……羽根部、１３……横
桿、１４……ケージ、１５……足場（ケージ底
部）、１６……係合金具（ガイドレールとの）、１
８……駆動装置、２１……安全フエンス、２２…
…操作函、２３……やぐら単位体、２４……支柱
（やぐら単位体の）、２５……横梁（やぐら単位体
の）、２６……取付片（中央の）、２７……取付片
（両端の）、２８……斜材、Ｐ……ピツチ（横桿間
の）、ｐ……ピツチ（スクリユー羽根の）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 任意方向に移動、固定自在の軽量のやぐらの
   両側方に所定ピツチをもつて架設した横桿に、や
   ぐら内を昇降自在の足場を有するケージ内に駆動
   回転自在に設けた前記横桿のピツチと関連したピ
   ツチのスクリユー羽根を係合させ、このスクリユ
   ー羽根の正逆回転により前記横桿に順次係合させ
   ながら上昇又は下降することを特徴とする工事用
   足場における足場ケージの自動昇降方法。 ２ 台又は任意方向移動自在の台車上に上方に接
   続組立、解体自在の軽量のやぐら単位体の両側部
   に所定のピツチをもつて横桿を梯子状に架設し、
   足場を有するケージをこのやぐら体の内部に垂直
   に設けたガイドレールに昇降自在に嵌装し、この
   ケージの四隅に回転自在にスクリユー羽根を垂設
   し、足場の下面に設けた駆動装置により正逆駆動
   回転自在とし、このスクリユー羽根のピツチを前
   記横桿の取付けピツチと関連させ、かつこのスク
   リユー羽根をこれら横桿に係合させたことを特徴
   とする工事用足場における足場ケージの自動昇降
   装置。