JPS626593B2 - - Google Patents

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JPS626593B2
JPS626593B2 JP8286779A JP8286779A JPS626593B2 JP S626593 B2 JPS626593 B2 JP S626593B2 JP 8286779 A JP8286779 A JP 8286779A JP 8286779 A JP8286779 A JP 8286779A JP S626593 B2 JPS626593 B2 JP S626593B2
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JP
Japan
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epoxy
mol
varnish
ethylenically unsaturated
unsaturated
Prior art date
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Expired
Application number
JP8286779A
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English (en)
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JPS565861A (en
Inventor
Yasuhiro Suzuki
Makoto Tsunoda
Takamitsu Fujimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP8286779A priority Critical patent/JPS565861A/ja
Publication of JPS565861A publication Critical patent/JPS565861A/ja
Publication of JPS626593B2 publication Critical patent/JPS626593B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は電気機器の絶縁処理用ワニスに関する
もので、特に低粘度でまた可使時間が長く良好な
加工作業性を有すると共に、優れた硬化絶縁組織
を形成する速硬化性ワニス組成物に関する。 絶縁処理用ワニスとして、最近、無溶剤型ワニ
スが多用されるようになつており、代表例として
はエポキシ樹脂と不飽和ポリエステルがある。エ
ポキシ樹脂は硬化収縮率が極めて小さく、また接
着強度も大きいので該樹脂によつて得られる硬化
組識は高い信頼性を有したものとなる。しかし、
このような特徴を有するエポキシ樹脂の最も大き
な欠点は可使時間が短いことである。このため、
エポキシ樹脂を絶縁処理用として用いた場合、該
樹脂の歩留りが低く、大部分の樹脂は再使用が困
難であり、廃却することになつて省資源の点から
も問題が多い。またこれら廃却物はそのまま放置
すれば自己発熱によつて高温となり、有害ガスを
発生したりすることがあり、安全衛生さらには防
災の面でも問題を生じることがある。このような
事情から、エポキシ樹脂を長可使時間にすること
には強い要望があるが、長可使時間配合系にした
場合には、今度は別の問題が派生する。すなわ
ち、長可使時間配合系にすると樹脂の硬化に対し
ては高温・長時間を必要とする傾向が極めて強い
ため、たとえば熱容量の大きい被処理物の場合に
は樹脂のもれやたれが発生し、欠陥の多い絶縁組
織しか得ることができない。このようにエポキシ
樹脂には各種の要改善点が多く有る。 不飽和ポリエステルの場合は、比較的可使時間
が長く、速硬化性でもあり、この点に関してはエ
ポキシ樹脂より好ましい。しかしながら、不飽和
ポリエステルは、周知のようにビニル架橋系であ
り、硬化収縮率が大きく硬化組織に残留歪を生じ
易くキレツ等の発生する可能性があり、また接着
力などの機械特性はエポキシ樹脂よりかなり低水
準である。このため、高温下でも高強度を発揮す
るような不飽和ポリエステルの出現が要求されて
いる。しかし、不飽和ポリエステルは比較的低廉
な汎用ワニスとして価値があり、上記要求を満す
ために高コスト品となつては大して意味が無くな
つてしまう。このため、上記要求を高水準で満す
ための研究開発の自由度はそれほど大きくはな
い。 今一つの無溶剤系樹脂として、最近、エポキシ
アクリレートが商品化(たとえば大日本インキ社
商品名デイツクライト、日本ユピカ社商品名ネオ
ポールなど)されている。この樹脂は主としてビ
スフエノールAのジグリジルエーテル型のエポキ
シ化合物とメタクリル酸又はアクリル酸とエステ
ル化したもので、通常エポキシ化合物1モルと前
記酸2モルの付加物をベースレジンとするもので
ある。これらのエポキシアクリレート系樹脂は、
主としてエポキシ分子骨格の優れた耐薬品性とビ
ニルエステルの速硬化性に特徴を見いだした樹脂
系で、速硬化性防錆塗料の分野で有用と考えられ
るが、電気絶縁用ワニスとしては電気特性の点で
必ずしも満足すべきものではない。その理由とし
ては、第一には該ベースレジンは上記したように
その組成配合から水酸基が多数存在することにな
り、これら吸湿性の極性基が絶縁組織内に存在す
ると、電気特性上好ましくなく、たとえば誘電損
失率が大きくなる、絶縁破壊電圧が低下する、絶
縁抵抗が低くなる。などの要因となる可能性があ
る。第二は該ベースレジンはアクリルエステル系
であるため、極性の大きいアクリルエステル分子
鎖部分の局所的な緩和機構に起因した分散がたと
えば誘電特性の温度依存性データなどにおいてガ
ラス転移点よりかなり低い温度域で観測されるこ
とが多い。換言すれば誘電体として使用する場
合、上記のような特性は好ましいものではなく、
電気絶縁用ワニスとしては適用範囲が狭い。 上記のように、従来の無溶剤型ワニスは種々の
長所や欠点が入り組み合つたものである。そこで
本発明者らは叙上のような欠点をすべて排除し、
長所のみを取り入れた新しい無溶剤ワニスの開発
を鋭意行い、本発明に達した。 本発明の骨子は、(1)分子中に2個以上のエポキ
シ基を有するエポキシ樹脂1モルとα・βエチレ
ン性不飽和酸0.15〜1.0モルを作用させた後、前
記不飽和酸の配合と等モル、或は前記エポキシ樹
脂に水酸基が存在している場合にはその水酸基の
モル数を加算したモル数のα・β不飽和モノイソ
シアナート化合物を作用させて得られる生成物1
モルに、二塩基性酸無水物1.85〜1.0モルを配合
した混合物に、少量のラジカル触媒およびエポキ
シ硬化促進剤を添加してなる絶縁処理用速硬化性
ワニスに係るものである。 本発明のベースレジンの構成は、上記のよう
に、実質的にエポキシ樹脂が大過剰の配合下で
α・β不飽和酸を作用させるので、これによる前
駆生成物は非常にゆるやかな反応条件下で得るこ
とが出来、ゲル化を阻止できることと、収率も高
くなる。このようにして得る前駆生成物は分子中
にエポキシ基、アクリロイル基を有した混合系に
なつており、残存するエポキシの当量に等しい二
塩基性酸無水物を配合してワニス組成物とするこ
とも可能であるが、前駆生成物にはアクリロイル
基導入時には水酸基が生成することになり、可使
時間としては比較的短いワニス組成物になつてし
まう傾向が大きい。酸無水物硬化型エポキシ樹脂
において、水酸基を有する化合物が存在すると可
使時間が極端に阻害されることは知られている。
したがつて、本発明においても、前駆生成物中の
水酸基による可使時間えの阻害作用を除去するこ
とと、今一つ水酸基の反応活性をより有効に生か
し、これら水酸基部分により好ましい特性改質手
段を導入することを行い、積極的に活用を計るこ
とを検討した。その結果、この前駆生成物の水酸
基を不飽和モノイソシアナート化合物と作用させ
ることが効果的であるとの結論に達し本発明を完
成させることができた。前記不飽和モノイソシア
ナート化合物の代りに、飽和モノイソシアナート
化合物(たとえばフエニルイソシアナート)や或
は一塩基酸無水物(たとえば無水酢酸、無水安息
香酸など)を作用させ、水酸基を変成することも
可能であるが、このような方法は可使時間の阻害
要因を除去することにはなるが、水酸基の活用と
いう点では意味が無いと考えられる。而して、本
発明は不飽和モノイソシアナート化合物によつて
水酸基を変成することになり、これによる効果
は、新たに重合性不飽和基が、先の前駆生成物に
導入されることによつて、極めて速硬化性を付与
する面で好ましいのである。なお、本発明で前駆
生成物の水酸基を不飽和モノイソシアナート化合
物と作用させる点については、極めてゆるやかな
反応条件下で遂行することが可能な着眼点によつ
てなされたもので、多官能性プレポリマー(ベー
スレジン)をゲル化を回避して安定に得ることが
できるのである。このようにして得られるベース
レジンはエポキシ基と不飽和を有した混合系とな
つている。このベースレジンは通常は粘稠液〜半
固形状の性状を示すものが多く、接着剤的用途に
はこれを利用することもできるが、絶縁ワニスと
しては低粘度化することや硬化物特性の向上を意
図し、二塩基性酸無水物を配合するのがよい。こ
の際、該酸無水物の配合は、前記ベースレジンの
エポキシ基のモル数に大略等しいモル数を添加す
ればよい。このようにして調製されるワニス組成
物には、不飽和基の重合を行わすためのラジカル
触媒、およびエポキシ基の開環用のエポキシ硬化
促進剤をそれぞれ少量添加し使用に供すればよ
い。この際、不飽和基の硬化反応がエポキシ硬化
よりも優先的に行われるように前記ラジカル触媒
および/もしくはエポキシ硬化促進剤の種類や添
加量を調節することは好ましい。この理由は、不
飽和基の重合硬化に由る硬化収縮率はエポキシ基
のそれよりもかなり大きいため、硬化収縮率の大
きい成分系を先に反応させる方が、最終的に形成
される絶縁組織の性能がより優れた傾向を示して
いる。本発明者らの知見によるからである。すな
わち、本発明のベースレジンは、種類の異なつた
官能基を有したものとなつているが、不飽和基の
重合硬化を先に行うことによつてエポキシ分子鎖
部分およびそれと反応する酸無水物は、前記不飽
和分子鎖の重合体内に包埋された状態を呈し、エ
ポキシ硬化促進剤として可使時間の長く保てるも
のを配合されたワニスシステムであつても、エポ
キシ成分ならびにその硬化剤が硬化過程を通じ流
出やたれなどの欠陥発生の恐れを解消してくれる
ことになる。さらに、上記の固化状態系において
は、エポキシ硬化は不飽和基の重合反応が先に行
つた状態に続いて進行するので、エポキシ樹脂本
来の優れた特性たとえば密着性などは阻害される
ことはない。さらに、上記のようにして得られる
最終の硬化物は、先に硬化反応を進行させられる
ことによる不飽和分子部分による架橋構造体内
で、次いでエポキシ分子部分と酸無水物が硬化
し、これによる架橋構造体を作ることになり、本
発明のワニスシステムでは2種類の架橋構造体が
合体したような新しい構造を現出すると考えられ
る。このような構造は2種類の網目分子鎖が互い
に入り組みかつ重なつたような多重網目を形成す
ると考えられる網目構造の様式や形態を改変した
高分子構造を現出する。而して形成されたこのよ
うな構造体は、先に重合硬化した不飽和分子部分
からの重合体の分子鎖の自由体積および/もしく
は占有体積に、第2段目に硬化するエポキシ分子
部分などの重合分子鎖が影響を与えることが考え
られ、最終の硬化物は分子鎖が空間を埋める体積
に影響をもたらされ、たとえばより密な網目分子
鎖の存在状態の起生することが考えられる。この
ような効果は、分子鎖運動に変化を与えることに
なり、後述のように本発明のワニス系が優れた誘
電特性を示す要因と考えられる。 以上のように本発明のワニスシステムは従来に
無い新しい無溶剤ワニスを提供するもので、以下
に構成要素ならびにワニス製法について更に詳細
に説明する。 エポキシ樹脂(A)としては、分子中に2個以上の
エポキシ基を有する化合物が特別な制限なく使用
される。これらは多数列挙できるが代表的なもの
としては、たとえばグリシジルエーテル型のエポ
キシ樹脂としてはビスフエノールAジグリシジル
エーテル(たとえばシエル化学商品名エピコート
828、1001、1004など)、ビスフエノールAジβメ
チルグリシジンエーテル(たとえば大日本インキ
化学工業商品名エピクロン800、1000、3010、な
ど)ノボラツクグリシジルエーテル(たとえばチ
バ社商品名アラルダイトGY−250、−260、−280、
など)などがある。グリシジルエステル型のエポ
キシ樹脂としてはフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステ
ルがある。脂環族エポキシ樹脂としてはたとえば
チツソ社商品名チツソノツクス090、091、092、
301、313などがある。これらの他にグリシジルエ
ーテル・エステル型、グリシジルアミン型、線状
脂肪族エポキシなども用いることができる。 α・βエチレン性不飽和酸(B)としてはアクリル
酸、メタクリル酸、ソルビン酸などが一般的で、
本発明の目的に適している。また前記酸とグリコ
ールのモノエステル類(たとえばヒドロキシエチ
ルアクリレートなど)と飽和多塩基酸(たとえば
無水フタル酸など)あるいは不飽和多塩基酸(た
とえば無水マレイン酸など)とのモノエステル類
を使用することも可能である。 エポキシ樹脂(A)と不飽和酸(B)を作用させて得ら
れる前駆生成物はエポキシ樹脂(A)1モルと不飽和
酸(B)0.15〜1.0モルを無触媒下で反応させること
あるいは必要に応じアミン類、アミン塩類、ルイ
ス酸等の公知の触媒を用いて反応させることもで
きる。すなわち、本発明では上記の様にエポキシ
樹脂(A)が大過剰の配合で前駆生成物を得るもので
あり、上記のように無触媒の反応条件あるいは触
媒を添加するとしても従来使用される添加量の1/
10〜1/500と云つた極めて微量で良く、最終生成
物の可使時間を長くするという目的の点で非常に
有利である。前駆生成物を得るに際し、エポキシ
樹脂(A)1モルと作用させる不飽和酸(B)の配合が
0.15モルより少ないと、ベースレジンに導入され
る速乾性の不飽和基濃度が低くなりすぎ、速乾性
が損なわれるので好ましくない。一方、不飽和酸
(B)の配合は化学量論的には2モルまで行いうる
が、これではエポキシ樹脂としての特長を保有さ
すことができないので好ましくない。したがつ
て、前記不飽和酸(B)の配合は1モルを一応の上限
とするのがよい。而して、前駆生成物はエポキシ
樹脂(A)と不飽和酸(B)を通常100〜150℃の反応温度
で数時間加熱することによつて酸価が5以下のも
のが得られる。 上記のようにして得た前駆生成物は次いで不飽
和モノイソシアナート化合物(C)と作用される。こ
のイソシアナート化合物(C)としては、ジイソシア
ナート化合物たとえばトリレンジイソシアナー
ト、キシレンジイソシアナート、ヘキサメチレン
ジノイソシアナート、4・4′−ジフエニルメタン
ジイソシアナートおよびその水添物など1モルと
水酸基を有する重合性の化合物たとえばアクリル
酸或はメタクリル酸のモノエステル類(たとえば
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
トなど)1モルを付加した化合物が利用される。
該不飽和モノイソシアナート化合物(C)は上記した
前駆生成物に有する水酸基と同モルを作用させ
る。すなわち該化合物(C)の配合は、上記した前駆
生成物を得るのに作用させた不飽和酸(B)のモル数
および必要に応じエポキシ樹脂(A)に既存している
水酸基が有れば、そのモル数を加算したものとす
ればよい。不飽和モノイソシアナート(C)を前駆生
成物と作用させて得ることができる多官能プレポ
リマー(ベースレジンD)は、前駆生成物中へ該
化合物(C)を分割添加するなどの公知の製法に準拠
し急激な発熱を抑制しつつ通常100℃以下の温度
で数時間反応させて得られる。この反応に際し要
すれば周知の重合禁止剤たとえばハイドロキノ
ン、ベンゾキノン、2−6−ジ−tert−ブキル−
4メチルフエノール等を0.01〜1重量%加え、
2250cm-1付近のイソシアナート基の赤外線吸収ス
ペクトルがほとんど無くなるまで反応を行えばよ
い。この反応において触媒として必要に応じジブ
チルスズジアセテート、トリブチルスズアセテー
ト等のスズ化合物、ナフテン酸コバルト、ナフテ
ン酸スズなどの金属塩、あるいはトリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミンなどアミン類を微量
添加することによつて反応速度が早まる。 このようにして得られたベースレジン(D)はその
分子中にエポキシ基を有しており、その存在量に
大略等しいモル数の酸無水物(E)を配合する。該酸
無水物(E)としてはテトラヒドロ無水フタル酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジツク
酸、ドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、
無水コハク酸、無水クロレンデツク酸、無水トリ
メリツト酸、無水ピロメリツト酸、などの一種あ
るいは数種混合物を用いることができる。かくし
て調整されるワニスは後述するラジカル触媒およ
びエポキシ開環用促進剤を加えることによつて速
硬化性組成物とすることができるのであるが、低
粘度化すること或は硬化物の特性調節などの目的
に応じてエチレン性不飽和化合物(F)を配合するこ
とができる。 本発明の組成物に使用するエチレン性不飽和化
合物(F)としては例えばスチレン、ビニルトルエ
ン、酢酸ビニル、メチルメタクリレートのような
メタクリレート類、ブチルアクリレートやラウリ
ルアクリレートなどのようなアクリレート類、ジ
ビニルベンゼン、ジアリルフタレート等のジビニ
ル化合物類、さらにはグリコール類やポリエステ
ルポリオール類のジアクリル又はジメタクリルエ
ステル、さらにはより多官能性アルコール類のア
クリレートあるいはメタクリレート類、等が使用
でき、これらのエチレン性不飽和化合物(F)は上記
(D)(E)ならびにラジカル開始剤及びエポキシ硬化促
進剤からなる配合物100重量部に対し、5〜50重
量部を配合すればよい。エチレン性不飽和化合物
(F)の配合量が5重量部より少ない場合は、たとえ
ば低粘度化の目的に対してはあまり効果がが期待
できない。またエチレン性不飽和化合物(F)の配合
が50重量部より多すぎた場合には最終の硬化物の
特性にエポキシ樹脂の特長を損なうような傾向に
なるので好ましくなく、配合量は上記範囲より求
めるのがよい。 本発明の組成物に使用されるラジカル開始剤(G)
は特に限定されず、たとえばメチルエチルケトン
パーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ドのようなケトンパーオキサイド、ラウロイルパ
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、イソブ
チルパーオキサイドのようなジアシルパーオキサ
イド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイドのようなハイドロパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイドのようなジアルキルパーオ
キサイド、t−ブチルパーアセテート、t−ブチ
ルパーベンゾエートなどのアルキルパーエスラ
ル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートの
ようなパーカーボネートなどがあり、これらは全
体の組成物に0.05〜5重量%添加すればよい。ま
た本発明の組成物に添加するエポキシ用促進剤(H)
としては周知のものが多数あるが、本発明のよう
に長可使時間を保有させるためには、たとえば
BF3−アミン錯体(BF3−モノエテルアミン錯
体、BF3−ピペリジン錯体など)、亜鉛、マンガ
ン、鉄、コバルト、アルミなどの金属石けん、あ
るいはアセチルアセテートなどの化合物が好まし
い。また要すればベンジルジメチルアミンなどの
第3級アミン類も対象とすることはできる。これ
らの促進剤進剤(H)は選定されたもの1種あるいは
数種を添加することも出来、通常添加量としては
0.05〜5重量%を配合すればよい。 本発明の組成物を用い優れた硬化絶縁組織を形
成させるためには、上記した根拠によつて、組成
物系においては不飽和成分の硬化反応を優先させ
るのが望ましい。もちろん前記成分の反応とエポ
キシ成分のそれを同程度の早さで進行させても著
しい特性変化は無いが、エポキシ成分の反応を先
に起こすことは避けた方がよい。このためには前
記触媒(G)および/もしくは促進剤(H)の種類や添加
量を考慮して選定すればよい。この際、炉温およ
び被処理物品の熱容量による昇温速度などのデー
ターとラジカル触媒(G)のラジカル開始温度のデー
ター等に基ずき触媒(G)を選定することは容易に行
えるし、またエポキシ用促進剤(H)の選定にもこれ
と同様の注意をはらい高温で促進効果を発揮する
ものを用いればよい。またエポキシ用促進剤(H)が
ラジカル触媒(G)に影響を及ぼし、ラジカル発生を
加速するような系となつていても、可使時間に対
して悪影響を及ぼすものでなければ有用である。
本発明の組成物に対しては、叙上の観点を考慮す
るとき、エポキシ用促進剤(H)として亜鉛やコバル
トの有機化合物たとえばオクチル酸亜鉛、オクチ
ル酸コバルトおよび該金属のアセチルアセトナー
トなどが極めて可使時間を長く保てるので有用な
ものである。 さらに、本発明の組成物に対して上記のラジカ
ル触媒(G)として光照射によつてラジカルを発生す
るような光触媒類を用いることは有用である。該
化合物としては特定波長の光を吸収して分解しラ
ジカルを生じるものでたとえば次のような化合物
を列挙することができる。すなわちベンゾイン、
ベンゾフエノン、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインブチルエーテル、α−メチルベンゾイ
ン、α−フエニルベンゾイン、ベンジルビアセチ
ルアセトフエノン、シクロヘキサノン、2−メチ
ルアントラキノンなどのカルボニル化合物、その
他1−クロルアントラキノン、ブロモホルム等の
ハロゲン化合物、アゾビスイソブチロニトリル、
2・2′−アゾビスプロパン等のアゾ化合物、ジフ
エニルモノスルフイド、ジベンジルモノスルフイ
ド、メチルジエチルチオカーバメートなどの硫黄
化合物などがある。これら触媒の使用量は硬化性
の組成物100重量部当たり約0.05〜10重量部程度
にあり、顔料や着色剤が添加された場合には、適
宜増量すればよい。このような光重合触媒を本発
明の組成物に添加した場合には被処理物の全面に
たとえば高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀
灯、キセノンランプ等の光源からの光を照射する
ことによつて目的を達することができる。この場
合、ワニス組成物が被処理物の深部に含浸されて
いると、該部分には光が透過しないので全体のワ
ニスを完全に固化することは出来ないが、被処理
物の表面層のワニスは固化することができ、たと
えばワニスのもれや流出を阻止することができ
る。さらに、続く加熱によつてエポキシ基の硬化
を行わす際にも急速加熱、たとえば電流加熱や誘
導加熱法を適用しても、事前に表面層が強じんに
固化しているので絶縁組織に発泡などの発生を阻
止できる効果が現われる。 光重合開始剤はそれら自体を本発明の組成物系
に添加することはもちろん、熱重合のラジカル触
媒と併用することもさしつかえない。光重合開始
剤のみを使用した場合には、光遮断下では非常に
長可使時間を保証できるワニスシステムとするこ
とが出来で有用である。一方、光重合開始剤と熱
重合ラジカル開始剤との併用系でも、適宜両者の
添加量を加減することによつて同様の効果をもた
らすことも可能である。 以下実施例にて本発明をさらに具体的に説明す
る。 実施例 1 反応釜にエポキシ樹脂(シエル化学製エピコー
ト828)1モルとメタクリル酸1モルおよび重合
禁止剤としてハイドロキノン0.005重量%および
触媒としてベンジルジメチルアミン0.0075重量%
を仕込み、反応温度100〜130℃で3時間反応させ
酸価1以下の前駆生成物を得た。次いでトルイレ
ンジイソシアナート1.00モルとヒドロキシエチル
メタクリレート1.01モルとの付加物である不飽和
モノイソシアナート化合物1.0モルを徐々に添加
し反応温度40〜80℃で2時間作用させ赤外線吸収
スペクトル測定によるイソシアナート基の吸収が
消失していることを確認し、ベースレジンを得
た。このベースレジンを用い、次のようなワニス
組成物を調整した。 no.1:上記ベースレジン1モル(分子量約770)
とメチルテトラヒドロ無水フタル酸(日立化成
製商品名HN−2200)1モル(分子量166)の混
合物(以下ワニス1とする)にt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド1.0重量%(以下%と略
す)、およびベンジルジメチルアミン0.025%を
添加しワニス組成物とした。 no.2:no.1のワニス組成物100重量部(以下部と
略す)にスチレンを10部添加しワニス組成物と
した。 no.3:ワニス1の100部にジアリルフタレート25
部およびベンゾイルパーオキシド1%とオクチ
ル酸亜鉛(亜鉛濃度15%のもの)3%を添加し
ワニス組成物とした。 no.4:ワニス1 100部に2・2ビス(4−メタ
クリロキシジエトキシフエニル)プロパン(新
中材化学製商品名NK−エステル−BPE4)10部
およびエチレンジアクリレート10部、ベンゾイ
ルエチルエーテル1%とコバルト()アセチ
ルアセトナート1%を添加しワニス組成物とし
た。 no.5:ワニス1 100部にビスメタクロキシイソ
フタレート25部、スチレン25部およびアントラ
キノン0.01%、ジクミルパーオキシド1%、
BF3−モノエチルアミン1%を添加しワニス組
成物とした。 以上のno.1〜no.5のワニス特性の測定結果を表
1にまとめて示した。また本発明のワニス組成物
の優れた特性を現行品と比較し理解を容易にする
ために、比較例としてエピコート828 1モル、
HN−2200 1.8モルおよびベンジルジメチルアミ
ン1部を配合して成るワニスを用意し、その特性
も表1に併記した。また本発明のno.1、no.2ワニ
ス及び比較例のワニスの硬化物の誘電性質のデー
タ第1図第2図及び第3図にそれぞれ示した。
【表】 測定条件 粘度:B型回転粘度計を用い、25℃での粘度を測
定した。 可使用時間:粘度の経時変化を測定し、初期値の
3倍の粘度になつた時点を可使時間とした。 ゲル化時間:差動熱量計(パーキンエルマ社製
DSC−1型)を用い、130℃での硬化発熱−時
間のレコーダ−トレースより、発熱ピークを示
す時間とした。 コイル結合強度:軟銅線(1mmφ)を、6mmφの
銅棒に密巻したコイルをワニス処理したもの
を、インストロン型万能引張試験機を用い、常
温でのコイルの抗折力を求めた。第4図に抗折
力の求め方の原理を示す。 なお、ワニス処理条件は次のとおりである。 Γno.1、no.2、no.3および比較例のワニスは上
記未処理コイルをワニス中に浸漬した後、取
りだし130℃の加熱炉で5時間硬化させた。 Γno.4、no.5のワニスについては、コイルをワ
ニス中に浸漬した後取りだし、2.5KWの高
圧水銀灯からの光を光源下15cmの位置でコイ
ルをゆるやかに回しながら、1分間光照射し
た後、130℃で5時間熱硬化させた。 誘電率:離型剤処理をしたガラス板間にワニスを
はさみ込んで130℃で5時間硬化し厚さ0.1mmの
硬化フイルムを作成した。このフイルムに電極
として金蒸着し、JIS−K−6911に準備し周波
数1Hz〜300KHz、100℃〜200℃の高温域で誘
電率を測定した。 表1から明らかなように、本発明のワニス組成
物は良好な作業性を有する粘度範囲のものであ
り、可使用時間も長く優れている。 そして、本発明のワニス組成物系のゲル化挙動
は極めて特長的で、比較例のように単一ピークを
示す硬化発熱挙動ではない。すなわち本発明のワ
ニス系では、より短時間側から硬化発熱が観測さ
れ、それが平坦状に接続される傾向を有したもの
である。このことは短時間側では不飽和基の重合
硬化が行われていることを意味している。そして
コイル結合強度も高く特性的にも優れている。さ
らに第1図〜第3図からも明らかなように、本発
明のワニス系は良好な電気物性を有したものであ
る。 実施例 2 実施例1のno.3、no.4の各ワニスおよび比較例
のワニスをそれぞれ18mmφのガラス製試験管に10
g入れ、光照射を2分間行つた。no.3およびno.4
については、照射後試験管を逆にしても内容物は
流下することなく固化状態を呈しており、130℃
の加熱炉中で5時間硬化させたが、同様に内容物
からの流出物は無かつた。なお比較例は当然なが
ら、光照射後の内容物は、照射前と同様の液状で
あつた。 実施例 3 反応釜にエピコート828 1.0モルおよびメタク
リル酸0.15モル、ハイドロキノン0.005%および
ベンジルメチルアミン0.0075%を仕込み、反応温
度100〜130℃で1時間反応させ酸価1以下の前駆
生成物を得た。次いでジフエニルメタン−4・
4′−ジイソシアネート1.00モルとヒドロキシエチ
ルメタクリレート1.01モルとの付加物である不飽
和モノイソシアナート化合物0.15モルを添加し、
実施例1と同様にして、ベースレジンを作整し
た。このベースレジンを用い、次のようなワニス
組成物を調整した。 no.6:ベースレジン1モル(分子量約450)とHN
−2200 1.85モルの混合物(以下ワニス−2と
する)100部にスチレン5部およびベンゾイル
パーオキシド1%とオクチル酸亜鉛3%を添加
しワニス組成物とした。 no.7:ワニス−2 100部にネオペンチルグリコ
ールジアクリレート10部およびベンゾインイソ
プロピルエーテル1%とBF3−ピペリジン錯体
2%を添加しワニス組成物とした。 no.8:ワニス−2 100部にトリメチロールプロ
パントリアクリレート20部およびスチレン10
部、t−ブチルハイドロパーオキシド1%およ
びオクチル酸亜鉛3%を添加しワニス組成物と
した。 以上no.6〜no.8のワニス特性を表2に示した。
表2には比較例としてプロピレングリコール
(1.0モル)、無水マレイン酸(0.5モル)、無水フ
タル酸(0.5モル)から公知の方法で作製したプ
レポリマー100部をスチレン70部で溶解した不飽
和ポリエステルにベンゾイルパーオキシド1%を
添加したものの特性を示した。 なお測定条件は実施例1と同じである。
【表】 表2より明らかなように、本発明のワニス組成
物は良好な特性を示し、工業上極めて有用なもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は硬化試料の誘電率の周波数特
性を温度パラメータとして示す図であり、第1図
及び第2図はそれぞれ本発明の一実施例によるワ
ニス(No.1)及びワニス(No.2)の硬化物の場合
を示し、第3図は比較例のワニスの硬化物の場合
を示す。第4図は抗折力の測定方法を説明する図
であり、図中1,2は支点、Aは抗折力を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
    キシ樹脂1モルに対し、α・βエチレン性不飽和
    酸0.15〜1.0モルの割合で作用させた後、前記
    α・βエチレン性不飽和酸の配合量と等モル、あ
    るいは前記エポキシ樹脂に水酸基が存在している
    場合にはその水酸基のモル数を加算したモル数の
    α・βエチレン性不飽和モノイソシアナート化合
    物を作用させて得られる生成物1モルに対し、二
    塩基酸無水物1.85〜1.0モルと、少量のラジカル
    開始剤とエポキシ硬化促進剤を配合してなる絶縁
    処理用ワニス組成物。 2 分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
    キシ樹脂1モルに対し、α・βエチレン性不飽和
    酸0.15〜1.0モルの割合で作用させた後、前記
    α・βエチレン性不飽和酸0.15〜1.0モルの割合
    で作用させた後、前記α・βエチレン性不飽和酸
    の配合量と等モルあるいは前記エポキシ樹脂に水
    酸基が存在している場合にはその水酸基のモル数
    を加算したモル数のα・βエチレン性不飽和モノ
    イソシアナート化合物を作用させて得られる生成
    物1モルに対し、二塩基酸無水物1.85〜1.0モル
    と、少量のラジカル開始剤およびエポキシ硬化促
    進剤を配合してなる混合物100重量部に対し、エ
    チレン性不飽和化合物5〜50重量部を配合してな
    る絶縁処理用ワニス組成物。
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