JPS626351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はカム特性即ちカムのリフトを変える
ことが出来るようにカム面を形成する帯板と、こ
れを支える多数のピンとを有するカム装置に係る
ものである。

この考案の目的とするところはカム面を形成す
る帯板を凹凸どちらにも曲げることが出来るカム
装置を提供するにある。

この考案の第２の目的とするところは、カムロ
ーラがこれをカム帯板におしつけている力と反対
方向の異状な力が働いても、カムローラがこのカ
ム帯板からいちじるしく離れることがないカム装
置を得るにある。

この考案の第３の目的は、カム特性即ちカムの
リフトが直読できるカム装置を得るにある。

この考案の第４の目的は、ガス燃焼用のガス量
制御弁とその駆動部即ち操作器とを一体化した状
態で、可変カムとリンク機構との組み合わせによ
り弁特性を任意且つ広範囲に変更できるコンパク
トな制御弁操作装置を得るにある。

例えば、燃焼の空燃比制御などに用いる第１図
に示す可変カム１は、多数のねじ８，８の頭部を
連続させたカム面上を接触子即ちカムローラ２が
転動するものであり、或はこの頭部の頂面に帯板
を張つてカム表面を円滑にすることができる。こ
れは、ボイラー（図示せず）に供給する燃料及び
空気の管３，４の供給量制御弁５，６は、その開
度を完全に比例制御はさせず、現実上からも多少
の調整を必要とするので、自動制御器７のリンク
の途中、例えば燃料制御用リンクの途中に可変カ
ムを介在させる。

この考案はこの様な可変カム装置において前記
の目的を達成させるために考案したものでこれを
図面について詳細に述べる。

制御弁５にリンク１０，１１及びベルクランク
１２を介してカムローラ２を取り付け、このベル
クランク１２の回動軸１３を操作器１４と一体の
取付板に支承させる。この操作器１４から制御用
回動軸１５を突出させ、これに扇形の基板１６を
その要部分１７で固定する。

この基板１６にはその表面に前記の要部分１７
を中心とする同心円状のカムリフト表示用目盛１
８を付し、且つこの要部分１７を中心とし、前記
目盛１８の最小から最大にわたる放射状のスリツ
ト２０を等間隔に多数形成する。

この基板１６の裏面には、前記の各スリツト２
０と平行にカムリフトの調節ねじ２１をその両端
において支承片２２，２２で回動可能であるが軸
方向には移動しない様に支承する。この調節ねじ
２１には予めゆるみ止めねじ２３を有する移動駒
２４を螺合させこの移動駒２４と一体のピン２８
に前記のカム面を形成するカム帯板２５を取り付
ける。

即ち、駒２４は止ねじ２３によつて、スリツト
２０に沿つて移動可能であり、この移動は調節ね
じ２１の頭部２６をねじ回しで回動させて行う。
この駒２４の位置が決れば、基板１６の表面に突
出した止ねじ２３をねじ回しによりねじ込めば駒
２４の位置は固定される。この止ねじ２３の位置
即ち駒２４に取り付けたカム帯板２５のカム面の
リフトを前記の目盛１８で直接読み取ることが出
来る。

次にカム帯板２５について述べる。第４図及び
第６図乃至第１０図について、駒２４のピン２８
に爪２９付ワツシヤ３０を嵌め込み、このピン２
８と爪２９との間にカム帯板２５をその両側縁部
分で挟み込む。そして、ビス３１で締め付け、各
部を固定する。図示の場合はカム帯板２５及び後
述の止め板３２を同様な帯状板で作つて挟み込ん
である。

前記の爪２９付ワツシヤ３０は中央に孔が形成
された略楕円形の素材２７をプレスして作る。

この様にして基板１６に多数の駒２４によりカ
ム帯板２５の表面に所望のカム面を形成すること
が出来る。一方このカム面に接触するローラ２は
前記のベルクランク１２の下端に取り付けられ、
リンク１１に設けた重錘３４により常にカム面に
接触されている。このローラ２を支承しているベ
ルクランク１２の下端にストツパ３３の一端を固
定し、他端を前記の止め板３２に間隔３５を有し
て対向する様に曲折させる。

今、操作器１４の回動軸１５が回動して基板１
６が回動し、カム面即ちカム帯板２５が移動して
リフトが変われば、ローラ２がベルクランク１２
の回動軸１３を中心とする円弧３６に沿つて移動
する。即ち、ベルクランク１２が回動してリンク
１１，１０を動かし、制御弁５を回動させる。

この考案によるカム装置では、ゆるみ止めねじ
２３をゆるめて調節ねじ２１を回動させれば、駒
２４はスリツト２０に沿つて移動し、この駒２４
のピン２８とワツシヤ３０の爪２９との間にはさ
まれたカム帯板２５のカム面即ちカムリフトを増
減いずれにも調節することが出来る。調節が終れ
ばねじ２３を締めればよい。この調節時に、調節
ねじ２１は基板１６の表面に描かれた目盛１８に
対するねじ２３の位置を見ながら容易に調節する
ことが出来る。ワツシヤ３０はピン２８に嵌合さ
れて回転出来るので、カム帯板２５に弾性材料を
用いて作れば駒２４の夫々をむすんで円滑なカム
面を形成することが出来る。

また、カムローラ２にはそのベルクランク１２
にストツパ３３が取り付けられているので、何ら
かの外力によりカムローラ２がカム帯板２５から
離れようとしても、ストツパ３３が止め板３２に
当つてそれ以上離れることがないから、制御弁５
の異状な開閉動を阻止することが出来る。従つて
それによる危険を防止できる。

従来より3ton／ｈ程度の中型以上のボイラーな
どの空気、ガス比の制御では第１図の如くリンク
機構を使用し、一方の流体、例えばガス流量をカ
ム機構により特性化し、空気／ガスが所定の値に
なるように制御する。しかし、空間体積を限定さ
れたパツケージボイラーなどの如き小型のものに
おいては、この方式は制約上採用できない。

従つてこのクラスのボイラーは止むを得ずカム
機構を介さず、リンク直結機構にした。従つて、
調整はリンクの支点を変更するだけであるため、
この調整は困難であり、広範に亘り要求される空
気／ガス値を得ることが不可能であつた。

この考案によるカム装置を用いれば、制御弁
と、その操作器との間にこの考案のカム装置を介
在させて空間体積を小さくして一体化させること
が出来るので、前記の空気／ガス値を弁開度の広
範囲にわたり連続的な特性変化が可能であり、そ
の上調整時間を短縮出来るので、その効果が極め
て大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は燃焼制御等の一例を示す略図的斜視
図、第２図はこの考案のカム装置を設けた制御弁
の操作装置の正面図、第３図はこのカム装置の拡
大正面図、第４図は第３図の線（−）に沿う
横断面図、第５図は第３図の線（−）に沿う
縦断側面図、第６図は移動駒部分の斜視図、第７
図はワツシヤの斜視図、第８図はワツシヤの側面
図、第９図は正面図、第１０図は平面図、第１１
図はワツシヤ素材の正面図である。 図面中、符号１は可変カム、８はねじ、２はカ
ムローラ、３，４は管、５，６は制御弁、７は自
動制御器、１０，１１はリンク、１２はベルクラ
ンク、１３は回動軸、１４は操作器、１５は制御
用回動軸、１６は基板、１７は要部分、１８は目
盛、２０はスリツト、２１は調節ねじ、２２は支
承片、２３はゆるみ止めねじ、２４は駒、２５は
帯板、２６は頭部、２７は素材、２８はピン、２
９は爪、３０はワツシヤ、３１はビス、３２は止
め板、３３は素材、３４は重錘、３５は間隔、３
６は円弧である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 所定角度回転する回転軸１５に固定され、そ
   れを中心とする放射状のスリツト２０を等間隔
   に形成した基板１６と、該基板１６の各スリツ
   ト２０に移動可能に固定されたピン２８と、中
   心を挟む対向位置に爪２９を突設し、その爪２
   ９が対峙するように該ピン２８に対してその軸
   方向に所定間隔をおいて固定したワツシヤ３０
   と、その対峙した爪２９でピン２８の両側にそ
   れぞれ支持された可撓性帯板からなるカム帯板
   ２５、止め板３２と、該カム帯板２５が形成す
   るカム面に対して接触するカムローラ２と、該
   カムローラ２と一体的に設けられ、該止め板３
   ２に当つて該カムローラ２の軌道を規制するス
   トツパー３３とから成ることを特徴とするカム
   装置。 ２ 前記基板１６の表面に回転軸１５を中心とす
   る同心円状のカムリフト表示用目盛１８を付し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載のカム装
   置。