JPS62634Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は衣類乾燥機の回転ドラムに関するもので
ある。

最近、洗濯機、ユニツト台、衣類乾燥機の三者
を組合わせて使用するホームランドリーが注目さ
れ、その際洗濯機の使い勝手をよくする為にこの
上方に位置する衣類乾燥機が薄形化される傾向に
ある。

而して、このような衣類乾燥機にあつてはその
奥行寸法の大半を回転ドラムが占め、薄型化にあ
たつて回転ドラムの奥行寸法を小さくすることが
必須の条件となつていた。しかし、従来の回転ド
ラムの奥行寸法を単に小さくした場合にはその構
造上衣類の撹拌が充分に行なわれず、乾燥むら、
乾燥効率の低下並びに乾燥時間の長期化等の不都
合を招くものである。即ち、従来の回転ドラムは
その前・後壁が互に平行状態にあつて、奥行寸法
を小さくすれば前・後壁間の間隔も相対的に狭く
なり、しかもその間隔が中央部、外周部を問わず
一定している為、乾燥時に衣類が回転ドラムの回
転による遠心力、自重によつて前・後壁間に押し
込まれる状態になり、このように衣類が押し込ま
れた状態になると、衣類は前後のゆとりがなく
前・後壁との摩擦により、回転ドラムの回転によ
り上方に持ち上げられるも自重によつて落下せ
ず、回転ドラムの内面にへばり付くことになつて
充分に撹拌されなくなり、その結果衣類と熱風の
接触も悪く、前述の如く乾燥むら等の不都合を招
くことになつていた。

本案はかかる点に鑑みてなされたものであり、
以下図面に示した本案の実施例について詳細に説
明する。

１は衣類乾燥機の外筐体で、前面に投入口体２
を装着すると共に扉３を開閉自在に枢設する。４
は前壁中央部に衣類投入口５を、この外周部に多
数の小孔よりなる空気取入部６を夫々形成し、か
つ後壁中央部に空気排出部７を形成した回転ドラ
ムで、その外周部の奥行寸法が中央部の奥行寸法
より小さくなるよう前・後壁を外周端より中央部
に向つて傾斜させ、前・後壁間の間隔が外周端よ
り中央部に向つて漸次拡がるよう構成する。而し
て、この回転ドラム４は投入口体２と後記フアン
ケースとにより前後を回転自在に枢支され、外筐
体１に内装される。

８はヒータ９を内装する吸気ダクト、１０は外
筐体１の内面にあつて空気取入部６と吸気ダクト
８間の連絡通路を形成する前カバー、１１は外筐
体１の内面に固定したフアンケースで、フアン１
２を内装し、吸込側を空気排出部７に連通しかつ
吐出側を機外に開口する。１３は回転ドラム４及
びフアン１２をベルト１４，１５を介して回転す
るモータである。

上記の構成において、回転ドラム４は外周部の
奥行寸法を中央部の奥行寸法より小さくなるよう
前・後壁を傾斜させ、該前・後壁間の間隔を中央
部に向つて漸次拡大している為、乾燥時に衣類が
遠心力、自重により前・後壁間に押し込まれたと
ころで、回転ドラム４の回転により上方に持ち上
げられた際に自重によつて容易に落下することに
なり、充分な撹拌が行なわれる。従つて、衣類は
空気取入部６から空気排出部７に向つて流れる熱
風とむらなく効果的に接触することとなり、乾燥
むら、乾燥効率の低下が防止され、乾燥時間も短
縮されることになる。

以上の如く本案の回転ドラムは、前・後壁を外
周端より中央部に向つて傾斜させ、前・後壁間の
間隔が外周端より中央部に向つて漸次拡がる構成
になつている為、奥行寸法を小さくしたところで
前・後壁間に衣類が押し込まれて撹拌できなくな
るという事態を招くことがなく、衣類を充分に撹
拌して従前の欠点を全て解消でき、衣類乾燥機の
薄形化にあたつて極めて好適なものである。

【図面の簡単な説明】

図は本案回転ドラムを備える衣類乾燥機の概略
側面断面構成図である。 ４：回転ドラム、６：空気取入部、７：空気排
出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前・後壁を外周端より中央部に向つて傾斜さ
   せ、前・後壁間の間隔を外周端より中央部に向つ
   て漸次拡げてなる衣類乾燥機の回転ドラム。