JPS6260084B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明の目的は、主として衣服のズボン、ス
ラツクスなどの前明き部分に使用するフライ付ス
ライドフアスナーをチエーン縫製する際の、フラ
イ付チエーン加工における加工機の操作を自動制
御するため、フライ端の位置を自動的に感知測定
するため、予め、チエーンの片側に縫付けられチ
エーンと重なつた状態にあるフライをそのテープ
に対する縫目から自動的に折曲して起立状態と
し、次いで走行中のチエーンをフライ端突合せ部
で折曲し、その際生ずる隣接するフライとの起立
端部間に生ずる三角形の間隙を利用し、フライ端
を感知検出するための方法および装置を提供する
ことにある。

以下、本発明を実施例により説明すると、第１
図は、フライ付連続フアスナーチエーンの平面図
で、Ａは一般にチエーン（あるいは組合せチエー
ン）と呼ばれるスライドフアスナーの素材であ
り、テープ１および務歯２から成る一対のストリ
ンガーを噛合せた状態にあり、これに下止および
スライダー、上止を装着する（スペース作業によ
り一部の務歯を取外す処理を必要とする）とスラ
イドフアスナーとして機能する。第１図のものは
下側テープに縫糸４によりフライ３の右側部３′
がチエーンＡの全長にわたつて連続して縫付けて
あり、隣接するフライ同志は、夫々その端部５で
突合せて配設５する。したがつてその断面構造
は、第２図のようにチエーンを上側に向けて置い
た場合フライ３はその右側３′を縫糸４で片側の
テープ１に縫付けられ、左側３″は左側のテープ
１との間に僅かの間隙Ｇを保つてチエーンＡの下
側に重ねられている。

本方法発明は、そのフライ折返し工程におい
て、第１図、第２図で示したフライ３の左側３″
を縫糸４に添つてチエーンＡから起し90度折返し
た状態とするものでこれを第３図および第４図に
示す。

本方法発明では、第５図、第６図にその側面図
および斜視図で示すように、高速走行中本発明装
置により自動的に折返されたフライ付チエーンの
走行は、フライを折返した状態のまま、矢印B′で
示す矢印Ｃに対し傾斜した送り方向で送られ、つ
いで矢印Ｃ方向に送り方向の変る接続位置Ｄを通
過する際瞬時屈曲状態となり、そのあとはひき続
きフライを相変らず折返したまま、チエーンの加
工時等の送り方向である前記矢印Ｃの方向にチエ
ーンを平らに保ちながら方向を変えて走行を続け
させる。フライ付チエーンの走行のための駆動手
段として本実施例では、図示しないが、通常は本
発明検出装置につづいて配設される加工機のチエ
ーン送り装置の電動機で駆動する駆動ローラおよ
び従動ローラの間にチエーンＡを挾んで駆動する
構成とする。なお、チエーンＡの走行路には、そ
の走行中安定した走行を保持するため案内ロー
ラ、圧接ローラ、案内側板、案内溝、案内ピンな
ど公知の移送機構、器具を必要に応じ配設する。

第６図、第７図、第９図にＥで示すフライ感知
装置は、本実施例は発光器１３および発光器１
３′から成る一組の光電素子をフライ付チエーン
の走行路をまたいで設置し、隣接するフライの端
縁間に間隙が発生した場合光電素子が作動してフ
ライ端の通過を感知検出する感知装置として構成
され、このフライ感知装置Ｅの光電素子によりフ
ライ端の通過を光学的に感知し、電気信号に変換
された感知信号出力は図示しない信号計数器に送
られるが、該信号計数器はこの感知信号を受けて
計数ローラ１１により駆動されその回転に比例し
てパルスを発振する計数発振器１２の発振パルス
の計数を開始し、その計数値が予め入力されたパ
ルス値に達すると（即ちチエーンを一定量送る
と）、図示しない前記チエーン走行用の駆動ロー
ラの電動機に回転停止の信号を、一方のスペー
サ、ボツトム機等の装置へは作動開始の電気信号
を送ることになる。そしてスペーサ、下止め等の
加工が終ると、再び上記図示しないチエーン走行
用の駆動ローラの電動機に回転開始の電気信号を
送りチエーン走行を開始させる。この光電素子か
らなるフライ端感知装置の機能は、走行路の接続
位置Ｄにおいてフライ付チエーンが瞬時ではある
がその走行方向を変えることによつて前記のよう
に前後の突合せ部５のフライ端５，５間に必ず三
角形の間隙が生ずる構成となるよう走行方向B′を
走行方向Ｃに対し、意図的に傾斜させて設置して
あるから、この間隙によつてフライ端５，５の通
過を光電素子によつて感知し、受光部１３′の受
けた光によつて発生する電気信号を公知の信号検
出器に入力し、その出力信号によつて加工機等の
自動制御機構を操作し、またチエーン送り装置の
電動機を間欠的に駆動・停止させることによつ
て、何等入力を要することなく加工機等を稼動さ
せることができる。しかも、本方法発明における
フライ付チエーンの走行方向を変えるという手段
は、機構的に極めて単純な構成でなおかつ感知装
置の検出精度を高精度に保持し易い大きな間隙が
簡単に得られ、チエーンＡにも特別の負荷をかけ
る必要がない無接触方式による間隙形成方式であ
るから、チエーンＡの走行速度を極めて高くする
ことができ、また、接続位置Ｄにおける三角形の
間隙形成が確実であることは、加工機等に誤動作
をさせるような誤つた検出信号を送る恐れが極め
て少いなどの優れた機能を従来公知の触針方式の
感知装置と比較して保持することができる。な
お、本発明の実施例では、光電素子によるフライ
端間隙感知装置を用いたが、この光電素子に替え
て圧力流体ジエツト式吹出ノズルとその受圧器と
の組合せによる流体素子による感知装置とするこ
とも公知の流体素子の利用によつて可能であるこ
とは勿論である。

また、本方法発明において用いる傾斜走行方向
B′とは敢くまで、加工機等の走行方向Ｃとの相対
的な傾斜を意味することは明らかであるから、本
方法を実施する場合の装置の水平、垂直に関係な
く同一面内における走行方向の接続位置Ｄにおけ
る変換を構成するものはすべて本方法発明の技術
的範囲に含まれるものである。

次に、本方法発明のフライ返し工程とその工程
で使用する折返し装置について説明する。第７図
および第１０図乃至第１３図において、フライ起
し装置７は、フライ付チエーンの走行路（各図中
二点鎖線Ｘ−Ｘで示す）中の傾斜走行路Ｆの下部
走行路を上面が構成する基台１４の先端部分１
４″に近接して設置される。このフライ起し装置
７は、フライ起し操作に支障がないように第１０
図のとうに基台１４の側壁などに設けた固定具８
にねじ８′などによつて適宜固定する。このフラ
イ起し装置７の主要部は、前縁７′、底面７″、側
面７から成り、上面は、平面または凹面いづれ
でもよく、前縁７′上部によつて誘導されたチエ
ーンＡが、この上面に接触しあるいは接触しない
で通過し、前記傾斜走行路Ｆへ円滑に運ばれる構
成であればよく、走行するフライ付チエーンのフ
ライ前端がフライ起し装置の前縁７′に当ると、
フライ突合せ部５のフライ端５は前縁７′に導か
れて第１５図イのようにフライ起し装置７の下方
に誘導され、この時チエーンＡは同時に前縁７′
によりフライ起し上面に誘導される。この場合、
走行路Ｆの中心線Ｘ−Ｘとフライ起し装置７との
位置関係は、前縁７′より外れた側面稜線Ｋ（第
１３図参照）の辺りを中心線Ｘ−Ｘが横切るのが
好ましく、前縁７′中心線Ｘ−Ｘに対し略々直角
に位置させる。上記誘導を確実にするには、前縁
７′を常に適度の圧力でチエーンのテープ面に圧
接させ、確実に前縁７′がフライの突合せ部５を
とらえ振分けることが肝要である。本実施例にお
けるフライ起し装置７は、その底面７″、側面７
の形状が、第１０図の斜視図、第１３図の平面
図および第１４図の断面図などから明らかなよう
に、前縁７′から次第に厚みを増し、また走行方
向Ｃから見て向つて右側に巾を増した大凡そ箱形
の舟底形に形成され、フライ起し装置７の前部下
側は上記のように底面７″と側面７から成る
が、第１３図イ，ロ，ハの位置における第１４図
の正面図イおよび断面図ロ，ハで明らかなよう
に、それぞれ平滑な傾斜面で構成されている。し
かし乍ら、本発明に使用するフライ起し装置７の
形状は、フライ付チエーンのフライおよびチエー
ンの材質、フライ生地、テープの厚み、柔軟度、
平滑度、組織の細かさ粗さならびにフライ、チエ
ーンの寸法重量そして走行速度、前縁にかかる接
触圧、上面にかかる荷重など相互に複数に影響し
あう諸要件を考慮し、その形状も角張つた箱舟形
や丸味を有するスプーン状など適宜の底面、側面
形状の組合せが使用される。

前縁７′によりフライ起し装置７の下側に誘導
されたフライは次第にその厚みと傾斜を増す下側
の底面７″、側面７（第１４図イ，ロ，ハ参
照）によつて、第１５図ロ，ハに示すように次第
にその折返しが進む。その際折返し操作の前半で
は底面７″が主としてフライの起しに関与するが
次第に主たる折返し操作は側面７の傾斜面の作
用に重点が移り、前縁７′から離れるに従つて巾
の増す側面傾斜面の拡がりによつて遂に直角に折
曲げられ、その終端部から走行路に平行しかつ垂
直な壁を持つ基台１４の側壁１４′（第７図、第
１０図、第１１図、第１３図参照）とフライガイ
ド９（第７図、第１０図、第１１図、第１５図参
照）に挾まれつつ計数ローラ１１、従動ローラ１
０を通過して走行路の接続位置Ｄに送られる。以
上のようにしてフライ起し装置７は、その前縁
７′の振分け作用によりチエーンとフライの間に
挿入される形態をとり乍ら、チエーンをその上面
に誘導すると共にその底面７″および側面７の
傾斜面の拡がりとによつてフライをチエーンから
起立させる作業を高速で走行するフライ付フアス
ナーチエーンに実施することができる。

上記実施例によつて明らかなように、本発明
は、フライ付スライドフアスナーチエーン加工に
おけるフライ端の検出方法および検出装置に関す
るが、本方法発明の特徴は、フライ端の前後端を
隣接するフライの端部と突合せ配設し、一側縁を
チエーンの片側テープに縫着したフライ付連続フ
アスナーチエーンを加工する際、従来はフライ取
扱がめんどうなため、特にフライ端を確実にとら
えて加工機の操作を制御する場合人間の肉眼によ
つて感知操作する方法が未だに一般的でしかも熟
練した人間を必要とした（極く一部には機械的な
触針によるフライ端の感知方法と光電装置を組合
せた考もあつたが、触針の上下動による感知手段
はフライ生地が柔い場合には作動が不安定不確定
でありまた高速加工に適さない致命的な欠点によ
つて広くは実用化され得ない。）。これに対し本方
法発明では、人手を要しないチエーン加工の全自
動化を可能とするためにフライの突合せ端間にフ
ライ付チエーンの走行方向の変化に基づく三角形
の間隙を強制的にかつ瞬時的に開設する工程を基
本的フライ端検出原理として開発し、次いでその
間隙形成を確実にするため通常は重なり合つてい
るチエーンとフライを両者の縫着部から折曲げ起
立させるフライ起し工程を間隙形成工程の前に組
合せることにより、フライの縫着部から自由縁ま
での比較的長いフライ端の長い巾丈けを利用して
三角形の間隙を大きくできることに着目し、これ
を高精度の感知装置の使用によつて精確にフライ
端を検出する方法を達成したのである。そして前
記フライ起し工程を高速で確実なものとするため
傾斜走行路Ｆを構成する基台の先端部分１４′に
フライ起し装置７を配設すると共に、起立したフ
ライ３の走行を円滑にするためのフライガイドを
具備させ、また、接続位置Ｄにおけるチエーンの
方向変換運動を確実にするため接続位置Ｄに近接
して駆動ローラおよび従動ローラを配置するなど
の構成を備えている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、フライ付連続フアスナーチエーンの
平面図。第２図は、第１図Ｘ−Ｘにおけるチエー
ン走行方向矢印Ｂに対し後方から見た断面図。第
３図は、フライ起し完了後の上記Ａの側面図。第
４図は、走行方向矢印Ｂに対しＸ−Ｘにおいて後
方から見たフライ起し完了後のＡの断面図。第５
図は、傾斜走行方向B′と接続位置Ｄ、加工時等の
走行方向Ｃにおける静止状態を仮定したフライ起
し完了後のＡの側面図。第６図は、第５図と同じ
ものの斜視図。第７図は、本発明実施例装置の主
要部の側面図。第８図は、第７図Ａ−Ａ個処で走
行方向B′から見た駆動部の一部第二側面図を含む
縦断面図。第９図は、接続位置Ｄを含む第７図Ｂ
−Ｂ個処で走行方向B′と反対から見た光電素子を
示す一部第二側面図を含む縦断面図。第１０図
は、第７図のフライ起し装置の部分拡大斜視図
（Ｘ−Ｘ二点鎖線はチエーンの走行路を示す）。第
１１図は、第７図フライ起し装置の部分側面図。
第１２図は、フライ起し装置を斜め上方から見た
説明図。第１３図は、第１０図フライ起し装置の
平面図。第１４図は、第１３図イ，ロ，ハにおけ
る縦断面図。第１５図イ，ロ，ハは、本方法発明
におけるフライ起し工程を順次示す断面説明図。
第１５図ニは、第１３図ニの位置における折返し
たフライ付チエーンとフライガイド、基台との関
係を示す断面説明図。第１６図は、フライ起し装
置によるチエーンとフライの振分け工程を示す説
明図。 主要な部分を表わす符号の説明、Ａ……フライ
付連続フアスナーチエーン、Ｂ……チエーンの走
行方向、B′……チエーンの傾斜走行方向、Ｃ……
加工時等のチエーンの走行方向、Ｄ……（走行路
の）接続位置、Ｅ……フライ端間隙感知装置、Ｆ
……傾斜走行路、Ｇ……チエーンとフライ間の隙
間、１……ストリンガーテープ、２……務歯、３
……フライ、４……縫糸、５……フライ端の突合
せ部、５……フライ端、６……三角形の間隙、７
……フライ起し装置、７′……フライ起し装置の
前縁、７″……フライ起し装置の底面、７……
フライ起し装置の側面、９……フライガイド、１
０……計数ローラ、１１……従動ローラ、１４…
…基台、１４′……基台側面のフライ誘導壁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フライの前後端を隣接するフライの端部と突
   合せ配設し、一側端をチエーンのテープに縫着し
   たフライ付連続フアスナーチエーンを加工する方
   法において、チエーンのスペース加工や下止加工
   時等のチエーン送り方向に傾斜させてチエーンと
   フライを重ねた状態でフライ付連続フアスナーチ
   エーンを送る工程と、その送り工程中チエーン
   と、フライ前端との間にフライ起し装置を挿入
   し、フライ起し装置の案内面によつて送行中のフ
   ライをチエーン送り面に対し、90度の角度でチエ
   ーンテープとフライの前記縫着部に添つて折返す
   工程と、フライを折返した後フライ付連続フアス
   ナーチエーンの送り方向を前記加工時等の送り方
   向に変える工程と、その送り方向を変えた位置に
   おいて前後するフライの突合せ部分に間隙を生じ
   させる工程と、その間隙を感知する装置により相
   前後するフライの端部を精密に検出する工程とか
   ら成るフライ付スライドフアスナーチエーン加工
   装置におけるフライ端検出方法。 ２ フライ前後端を隣接するフライの端部と突合
   せ配設し、フライ一側端をチエーンの片側テープ
   に縫着したフライ付連続フアスナーチエーンを加
   工する装置において、チエーンのスペース加工や
   下止加工時等のチエーンの送り方向に傾斜し、か
   つ、チエーンとフライが重なつた状態で走行する
   フライ付チエーンのフライ下面に接触して前縁が
   配設され、その前縁によりチエーンを上側に配向
   させて連接する前記チエーンの加工時等の送り方
   向に傾斜する傾斜走行路に誘導すると同時に、前
   記チエーンのテープに縫着したフライをその前縁
   から下方に誘導し、前縁から続く下側および側方
   案内面によりチエーンテープとフライの縫着部に
   添つて走行中のフライを遂次折返す前記前縁およ
   び案内面を有するフライ起し装置と、フライを折
   返したまゝ傾斜走行路および前記加工時等のチエ
   ーンの送り方向にチエーンを送る走行路にわたつ
   て、フライを折返した状態で誘導するフライガイ
   ドと、傾斜走行路と前記加工時等の走行路との接
   続位置に配設したフライ端突合せ部感知装置とか
   ら成り、上記接続位置において生ずるチエーンの
   送り方向の変化により前後するフライの突合せ部
   に生ずる間隙を感知することにより、前後するフ
   ライの端部を精密に検出することを特徴とするフ
   ライ付スライドフアスナーチエーン加工装置にお
   けるフライ端検出装置。