JPS6259850B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多接点封入形電磁継電器に関するもの
である。

従来のこの種の形の電磁継電器は、あとに詳し
く説明するが、永久磁石から成る接極子が接点を
挾んで中央端子を支点として左右に傾動し、両側
部端子のいずれかに接点を介して接するようにな
つていた。このため中央の接点が摩耗により接触
抵抗が不安定になり易く、また磁気回路の能率が
悪く、継電器としての多数回の保証ができず、ま
た高感度の動作が行えなかつた。

したがつて本発明の目的は多数回の保証がで
き、高感度の動作が可能で而も安価な電磁継電器
を得ようとするものである。

本発明は上記の目的を達するために、棒状の中
立端子と板ばねによつて接触子を支持すると共に
接極子を直接励磁するようにしたものである。

すなわち本発明によれば、中央部が絶縁筐体に
埋没して固定され、一方の端部が内部で上方に突
出し、他方の端部が外部に水平に導出している中
立端子、ほぼ全長に亘る軟質磁性体の接極子を有
し、中央部が前記中立端子の一方の端部に導電的
に且つ傾動可能に結合され、両方の端部におのお
の第１の接点を有する可動接点部、及び中央部が
前記絶縁筐体の両側にそれぞれ前記中立端子の中
央部とほぼ同一水平面内で同一方向に埋没固定さ
れ、一方の端部が前記可動接点部の各第１の接点
に対応した位置にそれぞれ第２の接点を形成し、
他方の端部が前記中立端子の外部に導出した他方
の端部とほぼ同一水平面内で同じ方向にそれぞれ
導出している軟質磁性体の固定接点部を組合せて
成る単位の接点組を、複数個ほぼ同一の面上に並
列に配置した接点組合せ構体と、この接点組合せ
構体内において前記固定接点部の少くとも一方の
側の第２の接点のすべてに近接するように配置し
た永久磁石と、主磁束が前記可動接点部の長手方
向に生じるように捲回されたコイルとを具備し、
前記主磁束を変えて前記可動接点部の励磁を変
え、これにより該可動接点部を対応する固定接点
部のいずれか一方の側に傾動させ、該可動接点部
および該固定接点部相互間の電気的接続が切換え
られるように構成された多接点封入トランスフア
形電磁継電器が得られる。

次に図面を参照して詳細に説明する。

第１図は従来の多接点封入形電磁継電器の構造
を接点組のところで切断して斜めから見た図であ
る。第１図において、永久磁石からなる接極子１
はその中央部の下面に接点２を固着して有してい
る。またコイル３を巻回された鉄心をなす中央端
子脚４の上部には、コ字状部５の内側下部に固着
した接点６が設けられている。そして接極子１は
中央端子脚４を支点として左右に傾動し、左右端
に固着した接点７および８は、磁性材よりなる側
部端子脚９および１０のそれぞれの上端に固着し
た接点１１および１２とそれぞれ接触するように
なつていた。そしてこのような構造のため、以下
の欠点があつた。すなわち、先にも述べたよう
に、中央端子脚４と接極子１との通電が接点２と
６によつて行われるため、これら接点の摩耗によ
つて電磁継電器の接触抵抗が不安定になり易く、
多数回の動作を保証できない。また鉄心で生じた
磁束を接極子１の両端で使用するため、磁気回路
の能率が悪く、高感度の動作が行えなかつた。

第２図は本発明の一実施例である自己保持形の
電磁継電器の構造を容器の一部を切除して示した
斜視図である。軟質磁性体の板状接極子２１と対
の接点２２，２２′を有する板ばね２３とは、棒
状中立端子２４を介して固定されていて、その板
ばね２３と中立端子２４とは電気的に接続されて
いる。この場合板状接極子２１と板ばね２３とは
可動接点部を形成する。

内側の先端部に接点２５，２５′をそれぞれ固
着している対の固定接点端子２６，２６′はこれ
らも軟質磁性体から成つていて、接点２５，２
５′が板ばねの接点２２，２２′に向き合うように
配置されている。両接点２２と２５の接断および
２２′と２５′の接断は接極子２１の棒状中立端子
２４を支点とする傾動によつて行われる。

上記の参照数字２１〜２６および２２′，２
５′，２６で組立てられた素子の集合を接点組と
名付けると、このような接点組がこの第２図にお
いては３組並列に配置されている。そして３つの
組の固定接点端子２６，２６ａ，２６ｂなどの各
中央の水平になつている部分を連結するように対
の永久磁石２７および２７′が置かれていて、こ
れら永久磁石はいずれも下面に同じＳ極（又はＮ
極）が向けられている。したがつて各固定接点端
子２６，２６ａ，２６ｂなどの内向きの端部はす
べてＳ（又はＮ）になつている。そして以上全部
で接点組合せ構体を形成する。

コイルボビンを兼ねる絶縁筐体２８にはコイル
２９が格納されていて、隙間にはコイルを捲いた
あと樹脂３０が充填されて固定されている。その
あと継鉄３１が固定される。コイル２９は、図か
ら分るように、その主磁束が接点組合せ構体を通
るように捲回されている。なおこのコイル２９の
励磁電流はコイル端子３２から加えられ、中立端
子２４からの電流は電流取出し端子３３から取出
される。

上記のような構成の継電器において、その構成
は中立端子２４を中心として対称になつているの
で、励磁電流が印加されない状態では接極子２１
はどちらか一方の固定接点端子２６の内向きの端
部に吸引保持されている。いまコイル２９に、接
極子２１の前記吸引している側（図では左側）の
末端部に永久磁石２７の底面と同一の極性が生じ
るような向きの励磁電流を通すと、この末端部に
おける接極子２１と固定接点端子２６は磁気反撥
するようになり、他方の末端部（図の右側）の磁
気吸引が優勢となり、接極子２１は反対側に傾動
する。励磁電流の方向を反転すれば接極子２１は
反対の側（この場合最初の側）に傾動する。以上
のようにして接点の切換が自己保持可能な状態で
行われる。

第３図は本発明の他の実施例である電流保持形
の電磁継電器の構造を容器の一部を切除して示し
た斜視図である。この第３図の電磁継電器は第２
図のそれと殆ど同じであつて、異るのは永久磁石
として４１で示した１個だけしかないことであ
る。このためコイル４２に励磁電流を通じていな
いときは永久磁石４１の置かれている側の固定接
点端子４３と接極子４４の間の磁気吸引力が優勢
であり、接極子４４は第３図に示したままの状態
を継続する。ここでコイル４２に、接極子４４の
永久磁石４１側の末端部にこの永久磁石４１の下
側と同一極性を生じるような向きの励磁電流を通
すと、接極子４４と固定接点端子４３は磁気反撥
し、一方永久磁石のない側においては力は弱いが
磁気吸引し、その結果接極子４４は中立端子４５
を支点として永久磁石４１のない側に傾動する。

第２図および第３図に示した実施例において
は、可動接点部の対の接点２２，４６は接点ばね
２３，４７の両端部に固着しているが、これを接
極子４４に固定し、この接極子４４と接点ばね４
７を中心と両端の中間で電気的に接続してもよ
い。

第４図は本発明の多接点封入トランスフア電磁
継電器に用いる接点組合せ構体を一括して製造す
る方法を示した斜視図である。接極子６１と板ば
ね６２を固定支持した中立端子６３を、一連で製
造された固定接点端子６４の帯部に固定したあ
と、上記の部品を樹脂で固定し、それからＡ−Ａ
線で切断しＢ−Ｂ線で折り曲げて製造する。この
ようにすることによつて極めて簡単に接点組合せ
構体を製造することができる。

本発明は以上説明したように、永久磁石の使用
と接極子を直接励磁する方式の採用により、高感
度のトランスフア動作が実現され、構成部品の共
用化、単純化で低価格化、小型化が実現され、ま
た構成部品の一括製造、一括固定方法によつて高
密度化が可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の多接点封入電磁継電器の構造を
接点組のところで切断して示す斜視図、第２図は
本発明の一実施例である自己保持形電磁継電器の
構造を容器の一部を切除して示した斜視図、第３
図は本発明の他の実施例である電流保持形電磁継
電器の構造を容器の一部を切除して示した斜視
図、第４図は本発明による電磁継電器に用いる接
点組合せ構体を一括して製造する方法の斜視図で
ある。 記号の説明：２１は接極子、２２は接点、２３
は板ばね、２４は中立端子、２５は接点、２６，
２６ａ，２６ｂは固定接点端子、２７は永久磁
石、２８は絶縁筐体、２９はコイル、３０は樹
脂、３１は継鉄、３２はコイル端子をそれぞれあ
らわしている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中央部が絶縁筐体に埋没して固定され、一方
   の端部が内部で上方に突出し、他方の端部が外部
   に水平に導出している中立端子、ほぼ全長に亘る
   軟質磁性体の接極子を有し、中央部が前記中立端
   子の一方の端部に導電的に且つ傾動可能に結合さ
   れ、両方の端部におのおの第１の接点を有する可
   動接点部、及び中央部が前記絶縁筐体の両側にそ
   れぞれ前記中立端子の中央部とほぼ同一水平面内
   で同一方向に埋没固定され、一方の端部が前記可
   動接点部の各第１の接点に対応した位置にそれぞ
   れ第２の接点を形成し、他方の端部が前記中立端
   子の外部に導出した他方の端部とほぼ同一水平面
   内で同じ方向にそれぞれ導出している軟質磁性体
   の固定接点部を組合せて成る単位の接点組を、複
   数個ほぼ同一の面上に並列に配置した接点組合せ
   構体と、 この接点組合せ構体内において前記固定接点部
   の少くとも一方の側の第２の接点のすべてに近接
   するように配置した永久磁石と、 主磁束が前記可動接点部の長手方向に生じるよ
   うに巻き回されたコイルとを具備し、 前記主磁束を変えて前記可動接点部の励磁を変
   え、これにより該可動接点部を対応する固定接点
   部のいずれか一方の側に傾動させ、該可動接点部
   および該固定接点部相互間の電気的接続が切換え
   られるように構成された多接点封入トランスフア
   形電磁継電器。 ２ 前記可動接点部の第１の接点が前記接極子の
   両端に取付けられていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項の多接点封入トランスフア型電磁
   継電器。 ３ 前記可動接点部が更に前記接極子と連動する
   板ばねを有し、前記第１の接点が該板ばねの両端
   に取付けられていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項の多接点封入トランスフア型電磁継電
   器。