JPS6259763B2 - - Google Patents

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JPS6259763B2
JPS6259763B2 JP56053882A JP5388281A JPS6259763B2 JP S6259763 B2 JPS6259763 B2 JP S6259763B2 JP 56053882 A JP56053882 A JP 56053882A JP 5388281 A JP5388281 A JP 5388281A JP S6259763 B2 JPS6259763 B2 JP S6259763B2
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JP
Japan
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thermal
resistor
pen
filler
heating resistor
Prior art date
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Application number
JP56053882A
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English (en)
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JPS57167277A (en
Inventor
Kazunari Ando
Hiroshi Usami
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
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Publication of JPS57167277A publication Critical patent/JPS57167277A/ja
Publication of JPS6259763B2 publication Critical patent/JPS6259763B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N97/00Electric solid-state thin-film or thick-film devices, not otherwise provided for

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)
  • Recording Measured Values (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、熱ペンに関するものであり、特に、
厚膜型熱ペンに関するものである。 近年、現像、定着、インク等不用でかつインク
等の管理の必要がなく無保守に近く、比較的に安
価に記録紙が得られるところ等から感熱記録法
が、研究所、医用、工場関係から注目され実用化
されている。そして、感熱記録法を実施する感熱
記録装置としては、ニクロム線を加熱源として使
用するもの、薄膜技術を使用するもの、厚膜印刷
技術を使用するもの、半導体を使用するもの等が
あるが、チツプ形成の容易さ、量産性、熱応答、
高温特性等の点から厚膜印刷技術を用いたいわゆ
る厚膜型感熱記録装置が好んで使用されてきてい
る。 この種の厚膜型感熱記録装置としては、複数の
発熱抵抗体を有したサーマルヘツドと、たゞ1つ
の発熱抵抗体を有しアナログ記録に使用される熱
ペンとが通常使用されている。サーマルヘツドと
熱ペンとは、1つの絶縁基材上に設ける発熱抵抗
体の数が異なつている以外、その基本的な構造並
びに作製方法等は同じであり、また、その低消費
電力化、高寿命化が要求されてきていることも同
じである。しかしながら、その他の必要条件にお
いてサーマルヘツドと熱ペンとでは次のような相
違がある。 まず、サーマルヘツドにおいては、発熱抵抗体
は常に複数個設けられていて、記録中には、信号
に応答して発熱する抵抗体と、信号がなく発熱し
ていない抵抗体とが存在することがあり、この場
合にも、両者の抵抗体は常に記録紙に一定圧で接
触させられている。従つて、発熱抵抗体のすべて
の表面は、なるべく滑らかであつて凹凸の少ない
のが望ましい。何故ならば、それらの発熱抵抗体
の表面に凹凸があり、また、抵抗体の高さにふぞ
ろいがあると、一定の接触圧がヘツド全体にかゝ
つているため、抵抗体の凸表面の接触圧が特に大
となり、黒発色紙使用の場合黒筋が、青発色紙使
用の場合青筋が、その発熱抵抗体が発熱している
かいないかに関係なく、発生し、結局、多数の筋
又はまだらな筋の中に文字、記号、図が記録され
ることとなつてしまい、記録像が非常に見にくい
ものとなつてしまうからである。また、同一抵抗
体表面上で微小でも凹凸があると、抵抗バラツキ
を生じやすく、サーマルヘツド製造時、1つの基
板上に複数の抵抗体を含むため、その抵抗バラツ
キによつて歩留が悪くなつてしまう。更にまた、
複数個の抵抗体の高さも同一でないと、高い抵抗
体は低い抵抗体より接触圧が大となつて印字濃度
バラツキとなつてしまう。また、高さ、巾等の形
状が同一でも、異常抵抗値があると、通常一定電
圧で使用されるため抵抗値の高いところの抵抗体
による印字は薄く、低いところの抵抗体の印字は
濃くなり、全体の記録像が見にくくなり、全体の
濃度を上げようとすると複数個の抵抗体があるた
め、抵抗値の低い抵抗体と高い抵抗体に関係なく
同一電圧が加わるため、低い抵抗体の方は過電力
化し、抵抗値が変動しやすく、サーマルヘツドの
寿命を短くしてしまう。これらの理由のため、1
ヘツド当り中心値に対して、例えば、±10%以内
に抵抗値が存在するように抵抗体バラツキを少な
くするためにも、サーマルヘツドにおいては、発
熱抵抗体の表面に微小でも凹凸が生じないように
発熱抵抗体を形成することが要求されている。ま
た、サーマルヘツドにおける耐摩耗性に関する必
要条件としては、その通常の用途からすれば、約
30Kmで十分であり、特殊な用途、例えば、券売機
の切符等の印字のための用途でも50〜100Km程度
で十分である。このような諸条件を満足するため
のサーマルヘツドとしては、特開昭53−9543号公
報に開示されたようなものがある。 一方、アナログ記録に使用される熱ペンは、絶
縁基材チツプに発熱抵抗体を1つだけ設けてなる
ものであるから、発熱抵抗体の抵抗値に熱ペン毎
にバラツキが生じたとしても、抵抗値に応じて熱
ペンを選別して使用することができ、前述のサー
マルヘツドの場合のように基板当に数10個から数
1000個の抵抗体があるのと比較すれば、歩留的に
問題が極めて少なく、また、実用的に抵抗値のバ
ラツキが約±25%以内であれば、熱ペン1本に加
わる電圧(電力)調節が可能であるので、抵抗バ
ラツキ的には問題視されていない。従つて、熱ペ
ンの場合には、発熱抵抗体表面の凹凸の程度もサ
ーマルヘツドの場合ほど問題にされないと考えら
れる。逆に、耐摩耗性については、熱ペンの場合
には、その用途上、サーマルヘツドの場合の5倍
から10倍の耐摩耗性が必要とされ、ペン走行距離
にして500Km以上を必要としている。更に用途に
よつては、長時間無人での連続記録に使用される
ため、1000Km以上もの高速記録が可能なことが望
まれる。 このようにサーマルヘツドと熱ペンとでは、そ
の構造及び使用目的が異なることからして、それ
らに要求される条件が異なつているので、低消費
電力化、高寿命化においてもサーマルヘツドに適
用される技術を熱ペンにそのまゝ適用しうるもの
でなく、熱ペンについては独自の考え方をする必
要がある。このような観点から長寿命で画描性が
よく低消費電力化を企つた熱ペンとして、本出願
人による特開昭55−128476号公報に開示されたも
のがある。この熱ペンは、絶縁基材上の感熱記録
用発熱抵抗体を耐摩耗層で被覆し、その耐摩耗層
の表面を微細な粗面となるように処理したもので
あり、長寿命化、画描性改善、低消費電力化に成
功しているものである。しかし、このように粗面
化した耐摩耗層を有した熱ペンでも、一般に、耐
摩耗層の主成分は基材より熱伝導率の悪いガラス
質であるので、極度に厚くすればするほど、記録
紙への熱応答が悪くなると同時に放熱が悪く発熱
抵抗体の寿命低下につながつてしまうので、耐摩
耗層の厚さは極力薄くされている。従つて、長時
間使用されていると、記録紙との摺動によりすり
へらされて記録紙と接触している耐摩耗層がなく
なり、その耐摩耗層の粗面の有していた効果が発
揮されなくなつてしまうだけでなく、発熱抵抗体
が露出してしまい、このように発熱抵抗体が露出
してくるとそれは耐摩耗層と比較し摩耗されやす
いものであるから、発熱抵抗体が削られ抵抗値変
化が激しくなり、特に、高速になる程、画描性が
顕著にぼけるなど劣化が急速にはじまり、ぼけた
記録又はほとんど読み取れないような薄い記録と
なるため、記録の退色性が激しくなつてしまう。
サーマルヘツドの場合のように記録紙がほとんど
静止あるいは極めて低速の状態で発熱記録するの
と違つて、熱ペンの場合には、例えば、ペン速度
で1.5m/秒未満の低速から1.5m/秒を越える高
速記録がなされるのであつ、前述したことが特に
問題となる。特に、黒発色紙使用の場合は、青発
色紙より耐摩耗層との化学反応が大であるため摩
耗されやすく発熱抵抗体露出が早く抵抗率化も大
きく、前述した問題がより大きくなつてくる。 本発明の目的は、前述したような問題点にかん
がみて、更に長寿命化し低消費電力化した厚膜型
熱ペンを提供することである。 前述したようなサーマルヘツドに関しては、例
えば、酸化ルテニウムを導電性主成分とし、ガラ
スフリツト成分(例えば、珪酸鉛系ガラス、硼珪
酸鉛系ガラス)、ビヒクル(例えば、エチルセル
ローズ等一般に使用されるビヒクル)、希釈剤
(例えば、ブチルカルビトールアセテート等)を
適量混ぜたもの、あるいは特殊成分(例えば、
4000メツシユ以上の微細な酸化ジルコニウム等の
セラミツクフイラー)を添加したサーマルヘツド
用厚膜型抵抗ペーストを使用して発熱抵抗体を形
成したものがある。これは、前述したようなサー
マルヘツド特有の必要条件からして、発熱抵抗体
の抵抗値のばらつきをなるべく小さくし抵抗体表
面の凹凸もできるだけ抑えて滑らかなものとする
観点からなされているものである。熱ペンの場合
にこのようなサーマルヘツド用厚膜型抵抗ペース
トをそのまゝ使用して発熱抵抗体を形成しても、
本発明の目的である耐摩耗性、低消費電力化、長
寿命化、高速画描性の改良にはつながらない。 そこで、本発明者は、サーマルヘツドの場合と
違つて熱ペンの場合には、発熱抵抗体の抵抗値に
ある程度のバラツキがあつても、また抵抗体表面
にある程度の凹凸があつても、サーマルヘツドの
場合のようには問題とならないことに着目し、発
熱抵抗体の表面に凹凸等の外観異常がでても本発
明の目的が達成されれば良いとの観点から種々、
研究試験を行つた結果、次の点を確認した。 導電性物質として、例えば、酸化ルテニウム等
を主成分とし、これに前述したと同様の所定量の
ガラスフリツト、ビヒクルを加え前記導電性物質
及びガラスフリツトより耐摩耗性があり、抵抗体
焼成時950℃前後まで温度を上昇させるため1000
℃以上の耐熱性のあるセラミツク物質をフイラー
として、抵抗体表面が微小の凸凹を呈すように添
加することにより、添加しないもの(或は添加し
ても抵抗体表面が微小な凹凸がないもの)より同
一消費電力では抵抗変化が大きくなる。しかし、
両者の熱ペンで記録濃度が同じになるような消費
電力で記録するとフイラーを添加した前者は、後
者(添加していない熱ペン)の約7割前後の消費
電力で済む、従つて、抵抗変化率も少なくなり、
高速記録画描寿命の長い熱ペンが得られた。ま
た、同一組成のフイラーを入れた発熱抵抗体から
なる厚膜型サーマルヘツドを試作しテストをした
ところ、前述したような筋が記録面に多数発生
し、サーマルヘツドとしての使用は不適格であつ
た。 前述したような結果に基づき、本発明によれ
ば、絶縁基材の表面に感熱記録用発熱抵抗体を有
した厚膜型熱ペンにおいて、前記発熱抵抗体が微
細な粗面を有するように前記発熱抵抗体を形成す
ることによつて、前述の本発明の目的は達成され
る。 次に、添付図面に基づいて本発明の実施例につ
いて本発明をより詳細に説明する。 第1図は、本発明が適用される厚膜型熱ペンの
基本的構成を概略的に示しており、この熱ペンで
は、絶縁基材1の表面に厚膜型電気導体2、発熱
抵抗体3及び耐摩耗層4が形成されている。 発熱抵抗体3は、次のようにして形成される。
通常、導電材としてのRuO2(35%)を主成分と
したものとガラスフリツト成分(65%)の合計約
70重量%に対して周知のビヒクル(例えば、前記
したエチルセルローズ、テレピン油)及び希釈剤
の合計約30重量%を加えて混合しペースト化す
る。尚、前記した抵抗体中の導電材料は、RuO2
を主成分としたものに限ることなく、例えば、
RuO2、Bi2O3を主成分としたもの又はRuO2
IrO2を主成分としたものでもよく、発熱抵抗体と
しての役割を果すものであれば任意のものでよ
い。次に、前記抵抗体ペースト90重量%に対し、
特にアルカリ分を極力含まない高純度の粒度1000
メツシユのアルミナ10重量%を添加再度混合(こ
の場合、ビヒクル、希釈材を添加する前に同率の
割合になるようにあらかじめ前記アルミナを添加
しておいてもよい)して、本発明使用の抵抗体ペ
ーストを作製後、メツシユ型スクリーン印刷、メ
タルマスク印刷、フオトエツチング技術等周知の
厚膜形成技術を用いて印刷焼成(900℃)する。
このようにすると、本発明の特徴である抵抗体表
面に通常外観異常とされる多数の微細な凹凸が得
られる。このような抵抗体表面の表面粗さを表面
粒さ計にて測定した結果を第2図に示している。
比較のため、外観異常のないサーマルヘツドや集
積回路基板等に使用されるペーストの同一条件の
抵抗体表面の表面粗さの測定結果を第3図に示し
ている。第2図と第3図を比較すれば、本発明に
よる抵抗体は、表面に微小な凹凸が多数有ること
がよくわかる。 このような発熱抵抗体に耐摩耗ガラス層をコー
トし、熱ペンチツプを完成し、ホルダーに接続し
て記録器にセツト後、記録画描の寿命、抵抗変化
率等各種特性を調べた。その結果として、記録画
描の劣化は高速記録画描をみるとよくわかるた
め、周波数60Hz、消費電力0.7W、振幅30mmpp、
ペン触圧20g/チツプ、記録スピード10〜100
mm/分、高感度記録紙という条件下での高速画描
寿命を、第4図の曲線Aに示している。比較のた
め、従来法、すなわち、前記アルミナを入れず、
前記抵抗ペーストと同一組成(サーマルヘツドと
して通常使用されている)からなる抵抗体を使用
した以外は同一構造の熱ペンに対する、濃度が目
視上同一の電力1.1wでの高速画描寿命を第4図
の曲線Bに示している。第4図からわかるよう
に、従来の抵抗ペーストでは曲線Bのようにな
り、b点は耐摩耗性ガラスがなくなり抵抗体が露
出しはじめた点で高速画描性が悪くなり記録が薄
くぼけ線が点の集りのように見え始める点であ
る。本発明による熱ペンでは、曲線Aに示される
ように、そのような点はa点に移行し、画描劣化
開始点が従来の1.5〜2倍に増加している。ま
た、劣化開始後の劣化度合は、従来のものが急激
に悪くなるのに対し、本発明によるものは、その
ように急激には悪くならない。 次に、従来の厚膜型の熱ペンの1.1W印加時の
高速記録濃度に相当する記録濃度を得るには、本
発明の厚膜型熱ペンの消費電力は約0.7Wでよい
ことは前述した通りであるが、第5図に、ペン接
触圧20g/チツプ、周波数60Hz、波形正弦波、記
録紙スピード10mm/分の条件下での本発明の熱ペ
ンの標準電力(0.7W)印加時のペン走行距離
(Km)と抵抗変化率ΔR(%)との関係を曲線A
に示し、また、過大電力(1.1W)印加時の同様
の関係を曲線A′に示している。市販のサーマル
ヘツド用抵抗体を用いた場合の熱ペンに1.1Wの
電力を印加した時の同様の関係を曲線Bに示して
いる。これら曲線の比較からわかるように、本発
明によつて粒度1000メツシユのAl2O3を抵抗体中
へ入れる重量比により多少異なるが、同一電力
(1.1W)では抵抗変化率が若干市販のサーマルヘ
ツド用抵抗体を用いた場合より悪い。この関係
は、従来のサーマルヘツド用抵抗体に微小な
Al2O3等を添加して表面に凹凸等異常のない抵抗
体が添加していないものより抵抗率が少ないとい
う点とは逆の現象である。しかしながら、粒度等
の選択により前記したような同一の記録濃度から
比較すると、約3割の低消費電力化が出来、寿命
が1.5倍程度長くなることがわかる。この理由
は、抵抗体中の主成分の導電性微粒末RuO2とガ
ラスフリツトが通常1〜3μ程度でほとんどが5
μ以下に対し平均粒径が13μ程の粗いアルミナ粒
を入れ、意図的に抵抗体表面に4μ〜12μ程度の
凹凸を形成したために、耐摩耗層がなくなり始め
ても抵抗体中のアルミナのため、極端にいえば砥
石の如き抵抗体層となつているため、抵抗体層は
摩耗しにくく、また、このため特に高速記録時、
記録紙表面に塗布してある数μ(約5μ)の発色
剤層との接触がよくなる。さらに詳細に説明する
と、記録紙は、繊維、粘土等最大モース硬度7以
下の1μ〜数μの粒子を含んでおり、ある程度弾
力性を有するがその表面には凹凸がミクロ的に記
録紙により異なるが第6図に例示するように存在
し、凹面部に達した場合、高速のため接触時間が
短いところへ来て、接触圧も弱く発色層を発色温
度まで加熱できず点の集りのような線がうすく記
録されることになるが、本実施例のように抵抗体
表面、内部に熱伝導のよい、モース硬度7.5のア
ルミナ粒で凹凸が形成してあるため、抵抗体が露
出しても抵抗体中の粗いアルミナの存在による摩
擦熱等により補助的な発色が加わると同時に発色
層内部にまで十分に熱が伝わりやすくなるからで
ある。 第7図は、本発明による別の実施例としての熱
ペンの構造を示す概略断面図である。この実施例
の熱ペンは、絶縁基材1の表面上に、電気導体
2、発熱抵抗体30及び耐摩耗層40を設けてい
る点においては、第1図に示したものと同じであ
るが、この熱ペンでは、発熱抵抗体30中だけで
なく耐摩耗層40にもアルミナ粒子の如き粒度の
高いフイラーが混入されている。この実施例で
は、抵抗体30中のフイラー31は、粒度1000メ
ツシユのアルミナであり、耐摩耗層40中のフイ
ラー41は、粒度2000メツシユのアルミナであ
る。フイラー31とフイラー41とは、同種の粒
子、1000メツシユのアルミナと1000メツシユのア
ルミナ、2000メツシユのアルミナと2000メツシユ
のアルミナであつてもよく、後述するように材質
が異なるものであつてもよい。いずれにしても、
フイラー31は、耐摩耗層40へも入り込んだ形
をとつており、このため、耐摩耗層40が徐々に
摩耗されていつても、耐摩耗層40が完全にはな
くなりにくくするという効果が得られる。この実
施例の如く、発熱抵抗体だけでなく耐摩耗層にも
フイラーを入れて粗面化することにより、更に長
寿命化、低消費電力化を著しく高めることができ
る。 第8図は、本発明による更に別の実施例として
の熱ペンの構造を示す概略断面図である。この実
施例の熱ペンは、発熱抵抗体だけでなく耐摩耗層
42にもフイラー43を混入させている点におい
て、第7図の実施例と同様であるが、発熱抵抗体
が、下層32と上層33との2層に形成されてい
る。下層32は、通常のサーマル用抵抗体で形成
され、上層33は、前述の実施例と同じ本発明に
よる抵抗体、すなわちフイラー34を含む抵抗体
にて形成されている。この熱ペンについて前述し
たのと同様のテストを行つた結果、従来と同一の
濃度を得る電力は、前述の実施例の場合が0.7W
程度に対し、0.85W程度必要であつたが、従来と
比較して8割か9割程の電力でよく、同一濃度の
電力0.85Wの場合について前述の実施例と同様に
比較した場合の試験結果を第5図のC曲線に示し
ており、同様の効果があることがわかる。 次に、本発明によつて発熱抵抗体中にフイラー
として混入するアルミナの粒度と本発明所望の効
果との関係について確認するため次のような試験
を行なつた。 表1に示す標準粒度規格で6000メツシユ〜700
メツシユのアルミナ粒度の7種を選択し、前述の
実施例と同一濃度になるように電力印加しテスト
を行つたところ、第9図に示すような結果を得
た。
【表】 テスト条件は、抵抗変化を大にして比較するた
めやゝ過大な電力1.1W、周波数60Hz、接触圧20
g、振巾30mmpp、記録紙スピード10mm/分、各
15時間(195Kmのペン走行距離)であつた。第9
図において、曲線No.1〜No.7は、それぞれ表1の
サプルNo.1〜No.7のものに対応した試験結果を示
しており、これらの曲線からわかるように、700
メツシユのもの(曲線No.7)は、粒度が粗すぎて
抵抗体表面の凹凸が極端になり記録紙との接触状
態が不十分となり抵抗値変化も大きくなり、ま
た、逆に記録紙に不用な傷を付け易くなつたり、
極端な場合、記録紙から繊維や発色剤のカスを出
しやすくしてしまう。逆に、4000メツシユ以上の
細かいアルミナフイラーを混入したもの(曲線No.
1、No.2)は、抵抗体表面状態が比較的平滑で微
小な凹凸等なく本発明の前述した効果が少ない。
結局、記録紙との接触走行距離が数10Kmで十分な
サーマルヘツドの場合は、4000〜6000メツシユの
粒度のもので良いが、熱ペンのようにその10倍以
上である数100Kmの走行距離を必要とする場合に
は、抵抗表面に微小な凹凸が形成されるような粒
度3000メツシユ〜800メツシユのフイラーを入れ
たもの(曲線No.3〜No.6)がよいことがわかつ
た。 混入するフイラーの粒度は、一種類に限ること
なく少なくとも3000メツシユ〜800メツシユの粒
子を適当な比率で混ぜあわせたり、3000メツシユ
〜800メツシユと主要なフイラー粒度を限定する
のは、この範囲の粒度であると抵抗変化は約200
Kmの時点で10%以下であり、サンプルNo.6のもの
で約500Kmの時点で19%の抵抗変化であつたこと
から3000メツシユ〜800ツシユのものは500Kmの時
点で20%以下と判断されるためである(従来の厚
膜型熱ペンは、500Kmが20%以下であることがめ
やすとなつている)。 更に別の実施例として、フイラー成分としてア
ルミナ以外に抵抗体中のガラスフリツト成分より
硬度が大(モース硬度で7程度以上)で、熱伝導
率の良い(0.01cal/cm・sec・℃以上)のセラミ
ツクス、例えば、ダイヤモンド粒子、ルビー粒子
等や、酸化ベリリウム、ジルコン等(表2参照)
で、3000メツシユ〜800メツシユの粒度のものを
添加したところ粒子の種類、粒度、フイラー量に
より異なるがフイラーのないものより効果があ
り、第9図の曲線No.6以下であつた。
【表】 これも前述したように耐摩耗層が徐々になくな
つて、抵抗体が露出する直前になつても前述した
特性を有するフイラー物質がガラスフリツト成分
より硬く、熱伝導がよいため、従来タイプより耐
摩耗性が向上し、且つ、熱伝導性がよいため記録
紙上の発色剤に熱がよく伝わる。ガラスフリツト
の耐摩耗性は悪くなることが一般であり、熱伝導
性のよい粗い前記フイラーが存在することは早く
記録紙への熱伝導を助長する効果を有するため抵
抗体層中のガラス分、すなわち抵抗体中の耐摩耗
性を増加させる。 次に、添加するフイラーの量を変化させ、その
添加量の効果を調べた。そのデータの1例とし
て、表3に示すように、粒度1000メツシユのアル
ミナと、導電性成分及びガラス成分からなる抵抗
体パウダーとの重量比を種々変えた場合の結果を
第10図に示している。
【表】 第10図において、曲線No.1〜No.7は、それぞ
れ表3におけるサンプルNo.1〜No.7のものの試験
結果を示している。各サンプルに対する試験条件
は、ガラスを主成分とした耐摩耗層は同一、駆動
方法は表3のうちフイラー入りサンプルNo.1〜No.
6は、電力0.7W(DC)、周波数60Hz、接触圧20
g、振巾30mmpp、ペーパースピード10mm/分、
従来の抵抗体を用いたサンプルNo.7は、濃度を
ほゞ同一とするため電力のみ1.1W(DC)と変え
てある。第10図の各曲線を比較するとわかるよ
うに、添加フイラーの量が少な過ぎると耐摩耗性
の効果が少なく抵抗率(ΔR%)も大きくなり、
過大になると抵抗変化率が極端に大きくなり、フ
イラーを全く入れない場合よりも悪くなる。これ
は、過多となると抵抗体を構成する導電物質とガ
ラス分とフイラー分の粒子間結合強度が耐電力に
弱くなるのが主原因と考えられる。 前述したように、発熱抵抗体中へ前記したよう
な所定粒度のフイラーを所定量入れることによ
り、従来の同一構造、同一抵抗高さの厚膜型熱ペ
ンと比較して、より低電力化、長寿命化すること
が可能で熱応答を向上させることもできる等の効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
添付図面の第1図は、本発明が適用される厚膜
型熱ペンの基本的構成を示す概略図、第2図は本
発明によつて形成された発熱抵抗体の表面粗さの
測定例を示す図、第3図は従来の発熱抵抗体の表
面粗さの測定例を示す図、第4図は本発明による
熱ペンと従来の熱ペンの高速画描寿命の測定結果
を示す図、第5図は本発明による熱ペンと従来の
熱ペンのペン走行距離と抵抗変化率との関係を示
す図、第6図は記録紙の表面粗さの一例を示す
図、第7図及び第8図は本発明の更に別の実施例
の熱ペンをそれぞれ示す概略図、第9図は発熱抵
抗体へ入れるフイラーの粒度を種々変えた場合の
ペン走行距離と抵抗変化率との関係を示す図、第
10図は発熱抵抗体中に入れるフイラーの量を
種々変えた場合のペン走行距離と抵抗変化率との
関係を示す図である。 1……絶縁基材、2……電気導体、3,30,
32,33……発熱抵抗体、4,40,42……
耐摩耗層、31,34……フイラー、41,43
……フイラー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 絶縁基材の表面に感熱記録用発熱抵抗体を形
    成し該感熱記録用発熱抵抗体の上に耐摩耗層とし
    て耐摩耗性ガラスを被覆した厚膜型熱ペンにおい
    て、前記発熱抵抗体は、導電性成分及びガラス成
    分に対してフイラー成分を混入させることにより
    表面あらさが3〜10μであるような粗面を有する
    ように形成されており、前記フイラー成分は、モ
    ース硬度7以上で熱伝導率が0.01cal/cm・sec・
    ℃以上で且つ1000℃以上の耐熱性のセラミツク絶
    縁体粉末を含み、その粒度は、JIS R 6001−
    1973にて800メツシユから3000メツシユに相当す
    る範囲にあることを特徴とする厚膜型熱ペン。
JP56053882A 1981-04-10 1981-04-10 Thick-film type heat pen Granted JPS57167277A (en)

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JPS59135168A (ja) * 1983-01-25 1984-08-03 Canon Inc インク噴射記録ヘッド
JP2000255089A (ja) * 1999-03-04 2000-09-19 Fuji Photo Film Co Ltd 接触型記録ヘッド及びこれを用いた画像形成装置
JP6247674B2 (ja) * 2015-10-13 2017-12-13 ローム株式会社 サーマルプリントヘッド

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