JPS6259729B2 - - Google Patents

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JPS6259729B2
JPS6259729B2 JP8147581A JP8147581A JPS6259729B2 JP S6259729 B2 JPS6259729 B2 JP S6259729B2 JP 8147581 A JP8147581 A JP 8147581A JP 8147581 A JP8147581 A JP 8147581A JP S6259729 B2 JPS6259729 B2 JP S6259729B2
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JP
Japan
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carbon atoms
resin
group
alkyl group
phenol
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JP8147581A
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Yoshiaki Iwaya
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6259729B2 publication Critical patent/JPS6259729B2/ja
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  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ホウ素に対して特異的な吸着能を有
する新規なフエノール系キレート樹脂とその製造
方法及び吸着処理方法に関するものである。 ホウ素は、クラーク数1×10-3で地球上に広く
分布しており、単体としては天然に存在していな
いが、土壌、かん水中にはホウ酸もしくはホウ酸
イオンとして存在し、また海水中にもメタホウ酸
として4.6ppmの割合で存在している。これがた
めに、農業用水として利用する場合や海水から採
取した塩化マグネシウムを原料とするマグネシウ
ム金属製錬などの産業分野においては、微量に存
在するホウ素が種々の形で幣害を及ぼす。また、
ホウ素は熱中性子捕獲能にすぐれているため、原
子力発電所における構造材料に用いられている。
その構造材料や化学物質のホウ素含量は低濃度で
あることが必要である。さらに軽水炉加圧型反応
器の一次冷却水から微量のホウ酸を除去するのに
強塩基性イオン交換樹脂が用いられている。しか
しながら、これらの強塩基性イオン交換樹脂で
は、ホウ酸イオンに対して選択性がないので、他
のアニオンが共存するとホウ素捕獲能は著しく低
下し、許容限界(0.02ppm)以下にすることがで
きない。 一方、これまでに、ホウ素を選択的に吸着する
樹脂としては、ローム・アンド・ハース社からア
ンバーライトIRA―743の商品名で市販されてい
る(例えば、トレイス・エレメンツス・イン・
ザ・エンバイロメント(Trace Elements in the
Environment)、123号、139〜143頁、1973年参
照)。この公知の吸着剤は、ホウ素に対する選択
性にはすぐれているが、スチレンを樹脂母体とし
ているため、親水性に乏しい欠点を巨大網状化に
より補つているが、一般的に樹脂の機械的強度に
欠け、耐有機汚染性も不良で長期の使用に耐える
ものではない。また、高分子反応により配位子を
樹脂母体に導入するので、必要量以上にN―メチ
ル―D―グルカミンを消費し、かつ工程が複雑で
あるのでコスト的にも問題がある。 本発明者は、これらの実状に鑑み、特にホウ素
に対してすぐれた選択吸着能を有し、親水性で吸
着速度が大きく、機械的強度及び耐有機汚染性に
すぐれたキレート樹脂を容易にしかも安価に製造
することを目的として鋭意研究した結果、アミノ
ポリアルコール類をフエノール核に導入した化合
物を樹脂化することにより、上記の目的がすべて
達成されることを見い出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、フエノール系キレート樹
脂において、キレート形成基としてフエノール核
に下記式()の基を有することを特徴とするフ
エノール系キレート樹脂及びフエノール類、アル
デヒド類及び一般式() (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
キル基、nは1〜6の整数を表わす。) で示されるアミノポリアルコール類を反応させて
フエノール核にアミノポリアルコール類が導入さ
れたフエノール化合物を得、得られたフエノール
化合物とフエノール類及びアルデヒド類とを重合
触媒の存在下に重縮合して架橋三次元化すること
を特徴とするフエノール系キレート樹脂の製造方
法ならびにかかるフエノール系キレート樹脂を用
いて水溶液中の金属イオンを選択的に吸着するこ
とを特徴とする吸着処理方法である。 (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
キル基、nは1〜6の整数を表わす。) 本発明のフエノール系キレート樹脂は、キレー
ト形成基として式()の基を有しており、その
中で特に一般式() (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
キル基、R2,R3は水素、水酸基、アミノ基また
は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜6の整数
を表わす。) で示されるフエノール化合物、フエノール類及び
アルデヒド類を架橋三次元化した樹脂、一般式
() (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
キル基、R2,R3は水素、水酸基、アミノ基また
は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜6の整数
を表わす。) で示されるフエノール化合物、フエノール類及び
アルデヒド類を架橋三次元化した樹脂が好まし
い。また、上記式(),()及び()中の
R1はメチル基、エチル基が、R2,R3は水素が、
nは4が好ましく、上記式()及び()中の
アルキル基は、直鎖状、枝分れ状のいずれでもよ
い。 本発明に用いる一般式()で示されるフエノ
ール化合物としては、たとえば、N―メチル―N
―(2―ヒドロキシフエニルメチル)―D―グル
カミン、N―エチル―N―(2―ヒドロキシフエ
ニルメチル)―D―グルカミン、N―イソプロピ
ル―N―(2―ヒドロキシフエニルメチル)―D
―グルカミン、N―メチル―N―(2,6―ジヒ
ドロキシフエニルメチル)―D―グルカミン、N
―エチル―N―(2,6―ジヒドロキシフエニル
メチル)―D―グルカミン、N―メチル―N―
(2―ヒドロキシ―6―アミノフエニルメチル)
―D―グルカミン、N―エチル―N―(2―ヒド
ロキシ―6―アミノフエニルメチル)―D―グル
カミン、N―メチル―N―(2―ヒドロキシフエ
ニルメチル)―D―ガラクタミン、N―エチル―
N―(2―ヒドロキシフエニルメチル)―D―ガ
ラクタミン、N―イソプロピル―N―(2―ヒド
ロキシフエニルメチル)―D―ガラクタミン、N
―メチル―N―(2―ヒドロキシフエニルメチ
ル)―D―マンノサミン、N―エチル―N―(2
―ヒドロキシフエニルメチル)―D―マンノサミ
ン、N―イソプロピル―N―(2―ヒドロキシフ
エニルメチル)―D―マンノサミン、N―メチル
―N―(4―ヒドロキシフエニルメチル)―D―
グルカミン、N―エチル―N―(4―ヒドロキシ
フエニルメチル)―D―グルカミン、N―イソプ
ロピル―N―(4―ヒドロキシフエニルメチル)
―D―グルカミン、N―メチル―N―(2,4―
ジヒドロキシフエニルメチル)―D―グルカミ
ン、N―エチル―N―(2,4―ジヒドロキシフ
エニルメチル)―D―グルカミン、N―メチル―
N―(2―アミノ―4―ヒドロキシフエニル)―
D―グルカミン、N―エチル―(2―アミノ―4
―ヒドロキシフエニル)―D―グルカミン、N―
メチル―N―(4―ヒドロキシフエニルメチル)
―D―ガラクタミン、N―エチル―(4―ヒドロ
キシフエニルメチル)―D―ガラクタミン、N―
イソプロピル―N―(2―ヒドロキシフエニルメ
チル)―D―ガラクタミン、N―メチル―D―
(4―ヒドロキシフエニルメチル)―D―マンノ
サミン、N―エチル―(4―ヒドロキシフエニル
メチル)―D―マンノサミン、N―イソプロピル
―(4―ヒドロキシフエニルメチル)―D―マン
ノサミンなどがあげられ、特に、N―メチル―
(2―ヒドロキシフエニルメチル)―D―グルカ
ミン、N―エチル―(2―ヒドロキシフエニルメ
チル)―D―グルカミン、N―メチル―(4―ヒ
ドロキシフエニルメチル)―D―グルカミン、N
―エチル―(4―ヒドロキシフエニルメチル)―
D―グルカミンが好ましい。これらは単独もしく
は混合して用いることができる。 本発明に用いる一般式()で示されるフエノ
ール化合物としては、たとえば、(1―ヒドロキ
シフエニレン―2,6)―ビス―(メチルN―メ
チル―D―グルカミン)、(1―ヒドロキシフエニ
レン―2,4)―ビス―(メチル N―メチル―
D―グルカミン)、(1―ヒドロキシフエニレン―
2,6)―ビス―(メチル N―エチル―D―グ
ルカミン)、(1―ヒドロキシフエニレン―2,
6)―ビス(メチル N―エチル―D―グルカミ
ン)があげられる。 本発明に用いる一般式()もしくは()で
示されるフエノール化合物は、たとえば、一般式
() (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
キル基、nは1〜6の整数を表わす。) で示されるアミノポリアルコール類とフエノール
類及びホルマリンからマンニツヒ反応により合成
することができる。また、一般式()で示され
るアミノポリアルコール類は、たとえば、D―グ
ルコース、D―ガラクトース、D―マンノースな
どの単糖類と脂肪族1級アミンとから、Helv.
Chim.Acta,18,1338(1935),20,83(1937)
に記載の方法により合成することができ、化学的
安定性は非常にすぐれている。 本発明に用いられるフエノール類としては、た
とえば、フエノール、o―エチルフエノール・m
―エチルフエノール・p―エチルフエノール・ビ
スフエノールA・o―クレゾール・mクレゾー
ル・p―クレゾール・2,3―キシレノール・
2,5―キシレノール・3.4―キシレノール・3.5
―キシレノールなどのアルキル置換フエノー
ル,、レゾルシン・カテコールなどの多価フエノ
ール、α―ナフトール、β―ナフトールなどのフ
エノール性水酸基をもつ化合物であり、これらは
単独あるいは混合して用いることができるが、な
かでもフエノール、ビスフエノールA、o―クレ
ゾール、m―クレゾール、p―クレゾール、3,
5―キシレノール、レゾルシン、カテコールが好
ましく、特にフエノールが好ましい。 本発明に用いられるアルデヒド類としては、た
とえば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルデヒド
誘導体、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ドなどの脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒドに
代表される芳香族アルデヒド、フルフラールなど
の異節環アルデヒドなどがあり、これらは単独あ
るいは混合して用いることができるが、なかでも
ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキ
サメチレンテトラミンが好ましい。 本発明のフエノール系キレート樹脂は、たとえ
ば、N―メチル―N―(2―ヒドロキシフエニル
メチル)―D―グルカミンのようなフエノール化
合物とフエノール類及びアルデヒド類を目的に応
じてその仕込みモル比を調整して重縮合反応によ
り樹脂化して製造することができる。一般のフエ
ノール樹脂においては、熱処理のみで硬化するレ
ゾール樹脂、アルデヒド類を添加して加熱すると
硬化するノボラツク樹脂がよく知られているが、
本発明のフエノール系キレート樹脂においてもア
ルデヒド類とフエノール類とのモル比の変更によ
りレゾール型あるいはノボラツク型の樹脂を製造
することができる。 一般式()もしくは()で示されるフエノ
ール化合物とフエノール類及びアルデヒド類より
本発明のフエノール系キレート樹脂を製造するに
は、たとえば、次の方法で製造することができ
る。まず第1段階として、フエノール化合物とア
ルデヒド類とを反応させる。その際に、アルデヒ
ド類をフエノール化合物に対して、モル比で
0.2:1〜2.0:1、好ましくは0.8:1〜1.5:1
の割合で添加し、重合触媒を加えて、20〜90℃で
1〜6時間、好ましくは50〜80℃で2〜4時間加
熱撹拌する。次いで、第2段階として、第1段階
で得られた反応生成物にフエノール類を加えて反
応させる。その際に、フエノール類をフエノール
化合物に対して、モル比で0.1:1〜9.0:1、好
ましくは0.3:1〜3.0:1の割合で添加し、25〜
95℃で1〜6時間、好ましくは50〜90℃で2〜4
時間加熱撹拌する。さらに第3段階として、第2
段階で得られた反応生成物にアルデヒド類を加え
て反応させる。その際に、アルデヒド類をフエノ
ール化合物に対して、モル比で1.0:1〜6.0:
1、好ましくは2.0:1〜5.0:1の割合で添加
し、種々の形に成形加工したのち、60〜150℃、
好ましくは90〜130℃に加熱することにより容易
に架橋三次元化したフエノール系キレート樹脂を
製造することができる。もちろん、従来公知の小
球状フエノール系キレート樹脂を製造する方法と
全く同様な方法を用いて、水と混合しない有機溶
剤中でパール重縮合することにより、造粒と架橋
三次元とを同時に行つて小球状のフエノール系キ
レート樹脂とすることができる。その際に用いる
有機溶媒としては、たとえば、四塩化炭素、クロ
ロホルム、トリクロルエチレン、パークロルエチ
レン、クロラール、ジクロルエチレン、ジクロル
エタン、1,2―ジクロルプロパンなどのハロゲ
ン化脂肪族炭化水素類、クロルベンゼン、o―ジ
クロルベンゼン、p―ジクロルベンゼン、ブロム
ベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類、ベ
ンゼン、トルエン、o―キシレン、m―キシレ
ン、p―キシレンなどの芳香族炭化水素類、シク
ロヘキサン、シクロプロパンなどの脂環式炭化水
素類、シクロヘキサノール、シクロペンタノール
などの環状アルコール類などがあげられる。パー
ル重縮合時の反応温度及び反応時間としては、反
応生成物の種類、溶媒の種類、その他の条件によ
り必らずしも一定しないが、通常は60〜150℃で
1〜7時間、好ましくは90〜130℃で2〜5時間
の間を選択すればよいが、できるだけ均一な組成
のキレート樹脂を得るためには、重縮合反応の温
度を20〜90℃に制御し、次いで、徐々に昇温する
ことが望ましい。最終的には、90〜130℃に保ち
還流下で反応を進行させ、所望の縮合段階に到れ
ば、減圧あるいは常圧下で加熱することにより脱
水し、目的とする樹脂組成物を得ることができ
る。 また、前記したフエノール類と一般式()も
しくは()で示されるフエノール化合物との混
合比は、キレート樹脂の性能及び耐久性に影響す
るものであり、フエノール類とフエノール化合物
との比が、モル比で0.1:1より小さいと架橋三
次元化が十分に進行せず実用に耐えうる樹脂が得
難くなり、他方、モル比が9.0:1を越えると、
本発明の目的とするキレート性能が不十分となる
のでモル比で0.1:1〜9.0:1の範囲になるよう
に混合することが望ましいが、特に0.3:1〜
3.0:1の範囲になるように混合することが好ま
しい。 前記した1〜3段階の縮合反応を行うに際して
用いられる重合触媒としては、たとえば、塩酸、
硫酸、ホウ酸などの鉱酸類、ギ酸、シユウ酸、ト
リクロル酢酸、ジクロル酢酸、モノクロル酢酸な
どの有機酸類、ベンゼンスルホン酸、p―トルエ
ンスルホン酸などの芳香族スルホン酸類、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムな
どの金属水酸化物類、アンモニア、トリメチルア
ミン、トリエチルアミンなどのアミン類及びピリ
ジン、ピペリジン、ピペラジンなどの環状アミン
類があげられる。これらは単独あるいは混合物と
して用いることができるが、吸着容量が大きく、
かつホウ素、アンチモンなどに対して高い選択性
を有するフエノール系キレート樹脂を製造するに
は、アルカリ触媒の方が最適である。 本発明のフエノール系キレート樹脂は、その赤
外線吸収スペクトルが、3500cm-1及び1100cm-1
近において、水酸基に基づく特性吸収ピークを示
すので、これによつて同定することができる。 また、元素分析値(N%)により、一般式
()もしくは()で示されるフエノール化合
物のモル比を求めることができる。 本発明のフエノール系キレート樹脂は、ビーズ
状、粉末状、塊状、板状、膜状、環状、糸状等ど
のような形態でも用いられるが、通常はビーズ状
の樹脂が用いられる。 本発明のフエノール系キレート樹脂は、金属イ
オン、特にホウ素、アンチモンに対してすぐれた
捕捉効果を示すので、全てのホウ素含有溶液、特
に濃厚塩水中に微量に存在するホウ酸もしくはホ
ウ酸イオンを選択的に吸着除去することができ
る。 本発明のフエノール系キレート樹脂は、その形
状に応じて種々の方法での使用が可能であり、例
えばカラムまたは塔に充填し、これにホウ素その
他の金属含有液を通液するかあるいは本発明の樹
脂を金属含有溶液中に浸漬するなどの方法で用い
られる。この場合、金属含有溶液の温度として5
℃〜95℃の間が適当で、15℃〜50℃の間が好まし
く、金属イオンを樹脂に接触させる時間として、
1分〜50時間の間が適当で、10分〜2時間の間が
好ましい。また金属イオンを吸着した本発明の樹
脂からの金属イオンの回収は、一般市販のキレー
ト樹脂やイオン交換樹脂と同じように鉱酸水溶液
またはアルカリ性水溶液と接触させることにより
容易に行われ、また再生された樹脂は、何回もく
り返し使用可能である。 本発明のフエノール系キレート樹脂は以上詳述
してきたように簡単な製造法で得られ、特殊金属
捕捉効果、特にホウ素に対してすぐれた捕捉効果
を示すものであり、アミノ基を含有しているので
弱塩基性イオン交換樹脂として利用できる。しか
も簡単な酸処理で何回でも再生使用可能なもので
あるから実用的であり、今までのフエノール系キ
レート樹脂とは異なる新しい用途に利用し得る新
規な樹脂である。 次に実施例により本発明をさらに具体的に説明
する。尚、実施例中の%は重量%を表わす。 実施例 1 N―メチル―N―(2―ヒドロキシフエニルメ
チル)―D―グルカミン62.0gに、12%カセイソ
ーダ水溶液137.3gを冷却しながら徐々に加えて
均一な溶液とし、これに37%ホルマリン20.0gを
添加し、65℃〜70℃で2時間加熱撹拌した。得ら
れた反応液を50℃に冷却したのち、フエノール
19.4gを添加し、85℃〜90℃で2時間加熱撹拌を
続けた。さらにこの反応液を50℃に冷却し、37%
ホルマリン46.8を加えて65℃〜70℃で2時間加熱
撹拌したのち、30℃に冷却すると、粘稠な反応液
が得られた。この反応液をクロルベンゼンを溶剤
として、常法によりパール重縮合を行うと、88.0
gの小球状に架橋三次元化した樹脂が得られた。 この樹脂を水洗浄したのち、4.0%塩酸で中和
し、次いで4.0%カセイソーダ水溶液で処理した
のち、フエノールフタレインが無色を呈するまで
十分に水洗処理すると、黒褐色の樹脂となり、そ
の含水率は42.7%であつた。また、この黒褐色の
樹脂を細かく粉砕し、乾燥したものの赤外線吸収
スペクトルは、3500cm-1及び1100cm-1付近に水酸
基に基づく特性吸収ピークを示し、元素分析値
(N;3.28%)より、フエノールとN―メチル―
N―(2―ヒドロキシフエニルメチル)―D―グ
ルカミンとのモル比は1:0.95であつた。 実施例 2 N―エチル―N―(4―ヒドロキシフエニルメ
チル)―D―グルカミン64.9gに、10%のカセイ
ソーダ水溶液82.4gを冷却しながら徐々に加えて
均一な溶液とし、これに37%ホルマリン20.0gを
添加し、65〜70℃で2時間加熱撹拌した。得られ
た反応液を50℃に冷却したのち、レゾルシン22.7
gを添加し、65〜70℃で1時間加熱撹拌を続け
た。さらに、この反応液を30℃に冷却し、37%ホ
ルマリン46.8gを加えて30℃で1時間撹拌すると
粘稠な反応液が得られた。この反応液をトリクロ
ルエチレンを溶剤として、常法によりパール重縮
合を行うと、92.6gの小球状に架橋三次元化した
樹脂が得られた。 この樹脂を水洗浄したのち、4.0%塩酸で中和
し、次いで4.0%カセイソーダ水溶液で処理した
のち、フエノールフタレインが無色を呈するまで
十分に水洗処理すると、黒褐色の樹脂となり、そ
の含水率は54.5%であつた。 また、この黒褐色の樹脂を細かく粉砕し、乾燥
したものの赤外線吸収スペクトルは3500cm-1及び
1100cm-1付近に水酸基に基づく特性吸収ピークを
示し、元素分析値(N:3.01%)より、レゾルシ
ンとN―エチル―N―(4―ヒドロキシフエニル
メチル)―D―グルカミンとのモル比は1:0.90
であつた。 実施例 3 N―メチル―N―(2―ヒドロキシフエニルメ
チル)―D―グルカミンの代りに、N―メチル―
N―(2―ヒドロキシフエニルメチル)―D―ガ
ラクタミンを用いること以外は全く実施例1と同
様にして、パール重縮合を行い、90.0gの小球状
に架橋三次元化した樹脂を得た。 この樹脂を実施例1と同様にして洗浄処理する
と、黒褐色の樹脂が得られ、その含水率は47.5%
であつた。 また、この黒褐色の樹脂を細かく粉砕し、乾燥
したものの赤外線吸収スペクトルは、3500cm-1
び1100cm-1付近に水酸基に基づく特性吸収ピーク
を示し、元素分析値(N;3.21%)より、フエノ
ールとN―メチル―N―(2―ヒドロキシフエニ
ルメチル)―D―ガラクタミンとのモル比は1:
0.88であつた。 実施例 4 (1―ヒドロキシフエニレン―2,4)―ビス
(メチル N―メチル―D―グルカミン)63.0g
に10%カセイソーダ水溶液132gを冷却しながら
徐々に加えて均一な溶液とし、これに37%ホルマ
リン20.0gを添加し、65〜70℃で2時間加熱撹拌
した。得られた反応液を30℃に冷却したのち、フ
エノール19.4gを添加し、80〜85℃で2時間加熱
撹拌を続けた。さらにこの反応液を30℃に冷却
し、37%ホルマリン46.8gを加えて30℃で30分間
撹拌すると粘稠な反応液が得られた。この反応液
をクロルベンゼンを溶剤として、常法によりパー
ル重縮合を行うと、93.0gの小球状に架橋三次元
化した樹脂が得られた。 この樹脂を水洗浄したのち、4.0%カセイソー
ダ水溶液で中和処理し、次いで、フエノールフタ
レインが無色を呈するまで十分に水洗処理する
と、黒褐色の樹脂となり、その含水率は63.7%で
あつた。 また、この黒褐色の樹脂を細かく粉砕し、乾燥
したものの赤外線吸収スペクトルは3500cm-1及び
1100cm-1付近に水酸基に基づく特性吸収ピークを
示し、元素分析値(N;3.33%)より、フエノー
ルと(1―ヒドロキシフエニレン―2,4)―ビ
ス―(メチル N―メチル―D―グルカミン)と
のモル比は1:0.6であつた。 実施例5〜8、比較例1〜2 実施例1〜4で得た湿潤状態のフエノール系キ
レート樹脂を用い、これを0.50mlとなるようにし
て、ホウ素を含有した濃厚塩化マグネシウム水溶
液25mlに25℃下で浸漬し、24時間浸とう後の、被
処理液中に残存するホウ素濃度をクルクミン―シ
ユウ酸法(新実験化学講座、9巻、丸善、1975,
78〜79頁)より定量し、樹脂の吸着量を求めた。
比較例として、市販の強塩基性イオン交換樹脂ダ
イヤイオンSA―10A(三菱化成製)及びアンバ
ーライトIRA―743(ローム・アンド・ハース社
製)を同様にして用いて測定した。 その結果を表1に示す。 なお、被処理液である濃厚塩化マグネシウム水
溶液の組成は、 (Mgcl2;120g/,B;100mg/ as H3BO3
0.025M KH2PO4―K2HPO4(1:4)緩衝溶
液、PH7.6) であつた。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フエノール系キレート樹脂において、キレー
    ト形成基としてフエノール核に下記式()の基
    を有することを特徴とするフエノール系キレート
    樹脂。 (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
    キル基、nは1〜6の整数を表わす。) 2 一般式() (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
    キル基、R2,R3は水素、水酸基、アミノ基また
    は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜6の整数
    を表わす。) で示されるフエノール化合物、フエノール類及び
    アルデヒド類を架橋三次元化したものである特許
    請求の範囲第1項記載の樹脂。 3 一般式() (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
    キル基、R2,R3は水素、水酸基、アミノ基また
    は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜6の整数
    を表わす。) で示されるフエノール化合物、フエノール類及び
    アルデヒド類を架橋三次元化したものである特許
    請求の範囲第1項記載の樹脂。 4 フエノール類、アルデヒド類及び一般式
    () (ただし、R1は水素または炭素数1〜5のア
    ルキル基、nは1〜6の整数を表わす。) で示されるアミノポリアルコール類を反応させて
    フエノール核にアミノポリアルコール類が導入さ
    れたフエノール化合物を得、得られたフエノール
    化合物とフエノール類及びアルデヒド類とを重合
    触媒の存在下に重縮合して架橋三次元化すること
    を特徴とするフエノール系キレート樹脂の製造方
    法。 5 フエノール化合物が、一般式() (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
    キル基、R2,R3は水素、水酸基、アミノ基また
    は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜6の整数
    を表わす。) で示されるフエノール化合物である特許請求の範
    囲第4項記載の製造方法。 6 フエノール化合物が、一般式() (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
    キル基、R2,R3は水素、水酸基、アミノ基また
    は炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜6の整数
    を表わす。) で示されるフエノール化合物である特許請求の範
    囲第4項記載の製造方法。 7 キレート形成基としてフエノール核に下記式
    ()の基を有するフエノール系キレート樹脂を
    用いて水溶液中の金属イオンを選択的に吸着する
    ことを特徴とする吸着処理方法。 (但し、R1は水素または炭素数1〜5のアル
    キル基、nは1〜6の整数を表わす。) 8 金属イオンがホウ素である特許請求の範囲第
    7項記載の吸着処理方法。
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