JPS6258603B2 - - Google Patents

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JPS6258603B2
JPS6258603B2 JP2190084A JP2190084A JPS6258603B2 JP S6258603 B2 JPS6258603 B2 JP S6258603B2 JP 2190084 A JP2190084 A JP 2190084A JP 2190084 A JP2190084 A JP 2190084A JP S6258603 B2 JPS6258603 B2 JP S6258603B2
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JP
Japan
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cellulose
waste paper
esterified
added
reaction
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Application number
JP2190084A
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Inventor
Hideaki Matsuda
Minoru Ueda
Masanori Hara
Koichi Murakami
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Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Okura Industrial Co Ltd filed Critical Okura Industrial Co Ltd
Priority to JP2190084A priority Critical patent/JPS60166301A/ja
Publication of JPS60166301A publication Critical patent/JPS60166301A/ja
Publication of JPS6258603B2 publication Critical patent/JPS6258603B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はセルロース系材料中の水酸基に多塩基
酸無水物を付加したカルボキシル基含有エステル
化セルロース系材料に、分子中に2ケ以上のエポ
キシ基を含む化合物を添加して、これらを充分に
混練した後、該混練物に高温下で少くとも部分的
に可塑化するに必要な圧力を加えて、エステル化
反応による架橋を行わしめることを特徴とするセ
ルロース系材料成形品の製造方法に関するもので
ある。 石油や石炭等の化石資源は現在工業用原料とし
て多量に用いられているが、それらは埋蔵量に限
界があり先行きが心配されている。一方、セルロ
ース系材料は再生可能な資源として最近注目を集
めている。セルロース系材料の代表的なものとし
ては、建築材料、パルプ等の原料に大量使用され
ている木材であるが、その他にも木材工業より副
生する木材小片、故紙類、稲わら、麦わら、モミ
ガラ、リンター、バガス等のセルロース系材料も
多量に存在する。そして、それらの利用方法につ
いての研究が省資源時代を迎えて活発となつてい
る。この中で最も利用が進んでいるのは木材小片
であり、これは既にパーテイクルボード,フアイ
バーボード等の原料として大量に使用されるよう
になつてきている。しかしながら、その他のセル
ロース系材料については一部利用方法が開発され
つつあるが、まだ新しい資源として利用されるま
でにはなつておらず、大部分が焼却等の方法で廃
棄されており、有効な利用方法の開発が望まれて
いる。 本発明者らはこのように再生可能であり、また
未利用のまま大量に廃棄されているセルロース系
材料に着目し鋭意検討の結果、セルロース系材料
が有する水酸基の反応性を利用してこれに多塩基
酸無水物を付加したカルボキシル基含有エステル
化セルロース系材料をエポキシ樹脂で高温下で少
くとも部分的に可塑化するに必要な圧力を加えて
架橋することによりセルロース系材料が主成分で
ある優れた特性を有する成形品が得られることを
見い出したのである。 従来より、セルロース系材料等に木粉を合成樹
脂の増量剤,充填剤として利用する技術はよく知
られている。この場合は合成樹脂に木粉を単に物
理的に混合するだけであり、樹脂中に均一微細に
分散させることは極めて困難であり、またこれら
から得られる成形品は表面の平滑性や光沢性の低
下、更には硬度や強度の低下が見られ、美観や強
度をあまり必要としない特定の用途でしか利用で
きない難点があつた。 一方、最近になつてエポキシ樹脂から得られる
成形品が優れた電気的性質、耐湿性、耐薬品性、
耐衝撃性を有しているため、プリント基板等の電
気絶縁材料として、また優れた強靭性、硬度、寸
法安定性により様々な工業用物品材料として用い
られるようになり、従来より使用されているフエ
ノール樹脂,メラミン樹脂等にない多くの特徴が
見い出されて注目されるようになつてきた。 そこで、この多くの特徴を有するエポキシ樹脂
を用いることにより、故紙、稲わら、麦わら、モ
ミガラ、リンター、バガス等未利用のまま大量に
廃棄されているセルロース系材料を複合一体化し
た優れた特性を有する成形品を容易に、かつ安価
に製造する技術を開発することは経済性,省資源
の面から見ても極めて有意義なことといえる。 本発明者らは、上記の実情にかんがみ鋭意検討
したところ、セルロース系材料中の水酸基に多塩
基酸無水物を付加したカルボキシル基含有エステ
ル化セルロース系材料に、分子中に2ケ以上のエ
ポキシ基を含む化合物を添加して、これらを充分
に混練した後、該混練物に高温下少くとも部分的
に可塑化するに必要な圧力を加えて架橋を行わし
めることによりセルロース系材料が主成分である
優れた特性を有する成形品が得られることを見い
出し、本発明に至つたのである。 即ち、本発明は、セルロース系材料中の水酸基
に多塩基酸無水物を付加したカルボキシル基含有
エステル化セルロース系材料に、分子中に2ケ以
上のエポキシ基を含む化合物を添加して、これら
を充分に混練した後、該混練物に高温下で少くと
も部分的に可塑化するに必要な圧力を加えて成形
することにより、エステル化セルロース系材料中
のカルボキシル基がエポキシ化合物中のエポキシ
基と付加エステル化反応を起して、エステル化セ
ルロース系材料が該エポキシ化合物を介して架橋
結合されることを特徴とするセルロース系材料成
形品の製造方法を提供するものである。本発明の
製造方法により得られた成形品は原料のセルロー
ス系材料が成形時に全般的に又は少くとも部分的
に可塑化し、セルロース系材料の原形をとどめな
いプラスチツク様の外観を呈するという特徴を有
している。また該成形品はセルロース系材料が主
成分であるにもかかわらず、耐水性、即ち、水に
対する寸法安定性に優れており、更に機械的強
度、硬度、熱変形温度の優れたものである。 一方、本発明者らは以前に、セルロース系材料
に多塩基酸無水物と分子中に2ケ以上のエポキシ
基を含む化合物を添加して、これらを充分に混合
した後、該混合物を熱圧成形することによりセル
ロース系材料が主成分である成形品が得られるこ
とを見い出している。この熱圧成形方法において
は、セルロース系材料中の水酸基の一部が多塩
基酸無水物と開環エステル化反応を起して結合さ
れ、これによつて生じた側鎖のカルボキシル基に
エポキシ基が付加エステル化する反応と、この
付加エステル化反応によつて生じた水酸基に無水
酸基とエポキシ基が交互に付加するエステル化反
応と、無水酸基とエポキシ基の交互エステル化
反応が起り、セルロース系材料と硬化エポキシ樹
脂が化学的に結合されるのである。この場合、セ
ルロース系材料が直接エポキシ化合物に化学的に
結合されるのはの反応によるのであるが、同時
にやの反応も起るので、この熱圧成形方法に
おいては添加したエポキシ化合物のエポキシ基の
すべてがセルロース系材料との直接の結合反応に
使用されるのではなく、この結合の程度はと
との反応の進行割合によるのである。また、こ
の方法においては、成形品の製造工程中、特に混
練機で混練する際、或は、熱圧成形する際に、添
加した多塩基酸無水物が一部大気中に昇華して作
業環境衛生上好ましくないという難点があつた。 一方、本発明の成形方法においては上記の如き
難点が解決されているのである。即ち、使用する
セルロース系材料にはすでに活性なカルボキシル
基が導入されているので、該セルロース系材料と
エポキシ化合物との親和性が高くなり、それらを
効果的に混練することができ、更に、系中には多
塩基酸無水物がほとんど存在しないので作業環境
衛生上の難点も解消されているのである。また、
エステル化セルロース系材料のカルボキシル基と
エポキシ基との付加エステル化反応によつて架橋
反応が進行するので、添加したエポキシ化合物中
のエポキシ基の大部分がセルロース系材料とエポ
キシ化合物との直接の結合反応に使用されるとい
う特徴を有している。従つて、架橋構造中にセル
ロース組織が化学結合によつて組み込まれる程度
が高くなつているのである。 本発明において使用するカルボキシル基含有エ
ステル化セルロース系材料とはセルロース系材料
に多塩基酸無水物を反応させ、セルロース組織中
に含まれる水酸基をエステル化することにより、
セルロース系材料中にカルボキシル基を化学的に
導入したものである。ここで用いられるセルロー
ス系材料としては、未利用のまま大量に廃棄され
ている故紙、稲わら、麦わら、モミガラ、リンタ
ー、バガス等が挙げられるが、これらのうちでも
特に安価で大量に入手できる故紙、稲わら、モミ
ガラ等が好ましい。そして、これらのセルロース
系材料の形は特に制限はないが、出来るだけ小さ
い小片として用いるのが好ましい。 また、多塩基酸無水物とは多価カルボン酸無水
物であり、具体的には無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル
酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水イタコン
酸、無水ヘツト酸、無水テトラブロムフタル酸、
無水トリメリツト酸、無水ピロメリツト酸等が挙
げられるが、特に工業的に有利で低廉な無水マレ
イン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好まし
い。セルロース系材料と多塩基酸無水物とのエス
テル化反応は無触媒下でも充分に進行するが、反
応を促進するためにアルカリ金属或はアルカリ土
類金属の炭酸塩、酸化物、水酸化物、カルボン酸
塩、又は、ジメチルベンジルアミン、トリエチル
アミンなどのアミン系化合物、その他ピリジン、
ジメチルアニリン、塩化亜鉛などの触媒を用いて
もよい。また、エステル化反応はジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中で行つ
てもよいが、この場合、反応後エステル化セルロ
ース系材料を溶媒から分離する必要がある。本発
明者らは先に、無溶媒下で、直接にセルロース系
材料に多塩基酸無水物を添加し、反応温度60℃以
上で加熱することにより、付加によるエステル化
反応が円滑に進み、セルロース系材料に多塩基酸
無水物が容易に付加して、種々のエステル化度の
カルボキシル基含有エステル化セルロース系材料
を得ることを見い出した。反応後、反応生成物を
洗浄して、乾燥し、本発明において使用するエス
テル化セルロース系材料を得るのである。該エス
テル化セルロース系材料の多塩基酸無水物の付加
率はセルロース系材料を基準として5〜100%、
好ましくは5〜70%である。また、付加反応後の
未反応の多塩基酸無水物の系中における残存量が
少ない場合には、反応後洗浄せずに反応生成物を
そのまま本発明において使用するエステル化セル
ロース系材料として用いてもよい。この場合、多
塩基酸無水物の残存量が少ないので、前記の如き
昇華による作業環境衛生上の難点も大幅に解消さ
れている。 本発明に用いられる分子中に2ケ以上のエポキ
シ基を有する化合物としては、例えば、ビスフエ
ノールAとエピクロルヒドリンより得られるビス
フエノールA型エポキシ化合物、フエノール樹脂
とエピクロルヒドリンより得られるノボラツク型
エポキシ化合物、ハロゲン化ビスフエノールAと
エピクロルヒドリンより得られるハロゲン化エポ
キシ化合物、ポリアルキレングリコールとエピク
ロルヒドリンより得られるポリアルキレンエーテ
ル型エポキシ化合物、ポリブタジエンの二重結合
部分を過酢酸等によりエポキシ化したポリブタジ
エン型エポキシ化合物、その他ジイソシアネート
とグリシドールから得られるエポキシ化合物、ビ
ニル化合物とグリシジルアクリレートまたはメタ
クリレートの共重合体等が挙げられるが、特に工
業的に多量生産されており、かつ安価に入手でき
るビスフエノールA型エポキシ化合物が好まし
い。これらエポキシ化合物の使用量はエステル化
セルロース系材料中のカルボキシル基1当量に対
してエポキシ基0.3〜1.2当量、好ましくは0.6〜
1.0当量になるようにするのがよい。 さて、本発明においては、まず上記の如くして
調製されたエステル化セルロース系材料に分子中
に2ケ以上のエポキシ基を有する化合物を混合す
るのである。エポキシ化合物としては前記したビ
スフエノール型エポキシ化合物が特に好ましい。
分子量が大きくなれば硬化後の樹脂相の架橋密度
が減少するので通常200〜2000程度の平均分子量
のものがよい。また、場合によつては粘度を下げ
るためにモノエポキシ化合物、例えば、フエニル
グリシジルエーテル、スチレンオキサイド、エピ
クロルヒドリン等を希釈剤として添加してもよ
い。また、エポキシ化合物に対して反応性を有し
ない溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等を適量エステル化セルロース系材料に添加し
てもよい。しかし、この場合、混合後溶媒を充分
に除去しておく必要がある。本発明の成形におけ
る架橋反応は触媒なしで充分に進行するが、反応
を更にはやめるために従来エポキシ樹脂の多価カ
ルボン酸や酸無水物硬化において使用されている
触媒、例えば、カルボン酸の金属塩、三級アミン
等を添加してもよい。得られるセルロース系材料
成形品の機械的強度を更に向上させるためにガラ
ス繊維等の補強剤を、耐燃性を付与するためにハ
ロゲン含有化合物、例えば、テトラブロムビスフ
エノールA、テトラクロルビスフエノールA、ヘ
キサクロルベンゼン等を、また、着色剤として染
料,顔料等を同時に添加してもよい。 以上の如くして調製される混合物をブレンダ
ー、ニーダー、ミキシングロール等の混練機を用
いて、更に、均一に混練する。本発明に用いられ
るエステル化セルロース系材料は、前述の如く、
活性なカルボキシル基を有しており、エポキシ化
合物に対する親和性がよく、エポキシ化合物と混
練する場合に、エステル化セルロース系材料とエ
ポキシ化合物が極めて効果的に混合し得るのであ
る。そのため、エステル化セルロース系材料とエ
ポキシ化合物の混合比率は任意の混合比で選択で
きる。また、エステル化セルロース系材料の大量
使用によるエポキシ化合物の使用量の節減が可能
である。次に、該混合物を予備加熱するか、又
は、しないで成形用の型の中に入れて、高温下で
少くとも部分的に可塑化するに必要な圧力を加え
て、エステル化反応による架橋を所定時間行わし
めるのである。この際成形温度は低すぎると反応
速度が非常に遅くなるので、100℃以上、好まし
くは120℃以上がよい。また、セルロース系材料
が少くとも部分的に可塑化するに必要な圧力は一
般に60Kg/cm2以上が好ましい。 前述の如く、本発明の製造方法により得られた
セルロース系材料成形品はエステル化セルロース
系材料中のカルボキシル基とエポキシ化合物中の
エポキシ基が付加エステル化反応を起して架橋結
合されている。即ち、エステル化セルロース系材
料がエポキシ化合物を介して架橋結合されてお
り、しかも、成形時にセルロース系材料が全般的
に又は少くとも部分的に可塑化しているため、成
形品の表面が平滑で光沢のあるプラスチツク様の
外観を呈して非常に硬く、また、水に対する寸法
安定性および機械的強度においても優れたもので
ある。 以上の如く、本発明の製造方法により得られた
セルロース系材料成形品は未利用のまま大量に廃
棄されているセルロース系材料が主成分であり、
安価に製造し得るものである。また、優れた特性
を有しており、しかも加工性にも優れているの
で、建築用材料,工業用部品材料として、またそ
の他多くの分野において有用である。 次に、本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれに制限されるものではない。な
お、以下に示す乾燥された故紙微小片、モミガラ
粉末、稲わら粉末というのはセルロース系材料の
含水率を5%以下に乾燥したものである。また、
メツシユはJIS規格によるものであり、部はすべ
て重量部をあらわす。 参考例 1 乾燥された故紙微小片(原材料:新聞紙)100
部、無水マレイン酸400部、触媒として炭酸ナト
リウム2部を反応容器に添加して、120℃で3時
間撹拌下に反応せしめた。反応後、反応生成物を
取り出し、ソツクスレー抽出器を用いてアセトン
で洗浄した後、水で洗浄した。その後、熱風乾燥
器で乾燥したものを本発明において使用するカル
ボキシル基含有エステル化セルロース系材料とし
て用いた。このエステル化故紙微小片の故紙微小
片に付加された無水マレイン酸の付加率は故紙微
小片を基準として29.7重量%であつた。また、モ
ノエステルとして付加されているモノエステル含
量は故紙微小片を基準として22.4重量%であつ
た。 実施例 1 参考例1によつて得られたエステル化故紙微小
片100部にビスフエノールAのジグリシジルエー
テル(三井石油化学エポキシ(株)製
EPOMIKR139、エポキシ当量180〜190)(以下、
ビスフエノールAのジグリシジルエーテルと称
す。)33.2部を添加した後、ミキシングロールで
均一に混練した。次に、該混練物を成形用金型の
中に均等にフオーミングした後、この金型をプレ
ス機の熱板間に挿入して熱圧成形を行つた。熱圧
条件は金型挿入直後、温度180℃、圧力5Kg/cm2
で10分間加熱・加圧した後、更に、温度180℃、
圧力150Kg/cm2の条件に合わせて30分間加熱,加
圧した。なお、熱圧中は10分毎にガス抜きを行つ
た。熱圧成形後、金型から成形品を取り出し、厚
さ0.5mmの黒色、表面が平滑で光沢のあるプラス
チツク様の外観を呈する優れた性質のセルロース
系材料成形品を得た。また、この成形品の表面で
は故紙微小片が外見上ほとんど可塑化されている
のが観察された。 参考例 2 参考例1の無水マレイン酸のかわりに無水コハ
ク酸を用いること以外は参考例1と全く同様に反
応、洗浄、及び乾燥してカルボキシル基含有エス
テル化セルロース系材料を得た。このエステル化
故紙微小片の故紙微小片に付加された無水コハク
酸の付加率は故紙微小片を基準として61.8重量%
であつた。また、モノエステルとして付加されて
いるモノエステル含量は故紙微小片を基準として
32.5重量%であつた。 実施例 2 参考例2によつて得られたエステル化故紙微小
片100部に、ビスフエノールAのジグリシジルエ
ーテル37.8部を添加した後、ミキシングロールで
均一に混練した。次に、該混練物を成形用金型の
中に均等にフオーミングした後、この金型をプレ
ス機の熱板間に挿入して熱圧成形を行つた。熱圧
条件は温度200℃、圧力100Kg/cm2で40分間加熱,
加圧した。なお、熱圧中は10分毎にガス抜きを行
つた。熱圧成形後、金型から成形品を取り出し、
厚さ0.5mmの黒色、表面が平滑で光沢のあるプラ
スチツク様の外観を呈する優れた性質のセルロー
ス系材料成形品を得た。また、この成形品の表面
では故紙微小片が外見上ほとんど可塑化されてい
るのが観察された。 参考例 3 乾燥された故紙微小片(原材料:新聞紙)100
部、無水マレイン酸22.8部、触媒として炭酸ナト
リウム0.5部を反応容器に添加して、140℃で1時
間撹拌下で反応せしめた。この反応系において、
故紙微小片に対する無水マレイン酸の添加率は
22.8重量%である。反応後、反応生成物を取り出
し、洗浄することなく該反応生成物を本発明にお
いて使用するカルボキシル基含有エステル化セル
ロース系材料として用いた。このエステル化故紙
微小片の故紙微小片に付加された無水マレイン酸
の付加率は故紙微小片を基準として10.6重量%で
あつた。 実施例 3 参考例によつて得られたエステル化故紙微小片
100部、ビスフエノールAのジグリシジルエーテ
ル35.7部を添加し、ミキシングロールで均一に混
練した。その後、該混練物を、80℃の熱風乾燥器
で約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の中に
均等にフオーミングした。次に、この金型をプレ
ス機の熱板間に挿入して熱圧成形を行つた。熱圧
条件は金型挿入直後、温度150℃、圧力5Kg/cm2
で10分間加熱,加圧した後、更に、温度180℃、
圧力150Kg/cm2の条件で35分間加熱,加圧した。
なお、脱気は熱圧初期の段階で行つた。熱圧成形
後、金型から成形品を取り出し、厚さ6.4mmの黒
色、表面が平滑で光沢のあるプラスチツク様の外
観を呈するセルロース系材料成形品を得た。 参考例 4 乾燥された故紙微小片(原材料:新聞紙)100
部、無水コハク酸23.1部、触媒として炭酸ナトリ
ウム0.5部を反応容器に添加して、140℃で1時間
撹拌下で反応せしめた。この反応系において、故
紙微小片に対する無水コハク酸の添加率は23.1重
量%である。反応後、反応生成物を取り出し、洗
浄することなく該反応生成物を本発明において使
用するカルボキシル基含有エステル化セルロース
系材料として用いた。このエステル化故紙微小片
の故紙微小片に付加された無水コハク酸の付加率
は故紙微小片を基準として17.5重量%であつた。 実施例 4 参考例4によつて得られたエステル化故紙微小
片100部に、ビスフエノールAのジグリシジルエ
ーテル35.3部を添加し、ミキシングロールで均一
に混練した。その後、該混練物を、80℃の熱風乾
燥器で約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の
中に均等にフオーミングした。次に、この金型を
プレス機の熱板間に挿入して熱圧成形を行つた。
熱圧条件は金型挿入直後、温度150℃、圧力5
Kg/cm2で10分間加熱,加圧した後、更に、温度
180℃圧力150Kg/cm2の条件で50分間加熱,加圧し
た。なお、脱気は熱圧初期の段階で行つた。熱圧
成形後、金型から成形品を取り出し、厚さ6.4mm
の黒色、表面が平滑で光沢のあるプラスチツク様
の外観を呈するセルロース系材料成形品を得た。 参考例 5 乾燥された故紙微小片(原材料:新聞紙)100
部、無水フタル酸29.3部、触媒として炭酸ナトリ
ウム0.5部を反応容器に添加して、170℃で3時間
撹拌下で反応せしめた。この反応系において、故
紙微小片に対する無水フタル酸の添加率は29.3重
量%である。反応後、反応生成物を取り出し、洗
浄することなく該反応生成物を本発明において使
用するカルボキシル基含有エステル化セルロース
系材料として用いた。このエステル化故紙微小片
に付加された無水フタル酸の付加率は故紙微小片
を基準として14.8重量%であつた。 実施例 5 参考例4によつて得られたエステル化故紙微小
片100部に、ビスフエノールAのジグリシジルエ
ーテル28.8部を添加し、ミキシングロールで均一
に混練した。その後、該混練物を、80℃の熱風乾
燥器で約1時間乾燥した後、所定の成形用金型の
中に均等にフオーミングした。次に、この金型を
プレス機の熱板間に挿入して熱圧成形を行つた。
熱圧条件は金型挿入直後、温度150℃、圧力5
Kg/cm2で40分間加熱,加圧した後、更に、温度
180℃、圧力150Kg/cm2の条件で40分間加熱,加圧
した。なお、脱気は熱圧初期の段階で行つた。熱
圧成形後、金型から成形品を取り出し、厚さ6.4
mmの黒色、表面が平滑で光沢のあるプラスチツク
様の外観を呈するセルロース系材料成形品を得
た。 参考例 6 参考例3の故紙微小片のかわりに乾燥されたモ
ミガラ粉末(粒度42メツシユ以上)を用いること
以外は参考例3と全く同様に反応して、カルボキ
シル基含有エステル化セルロース系材料を得た。
このエステル化モミガラ粉末のモミガラ粉末に付
加された無水マレイン酸の付加率はモミガラ粉末
を基準として8.0重量%であつた。 実施例 6 実施例3のエステル化故紙微小片のかわりに参
考例6によつて得られたエステル化モミガラ粉末
を用いること以外は実施例3と全く同様に熱圧成
形して、厚さ6.5mmの褐色、表面が平滑で光沢の
あるプラスチツク様の外観を呈するセルロース系
材料成形品を得た。 参考例 7 参考例3の故紙微小片のかわりに乾燥された稲
わら粉末(粒度42メツシユ以上)を用いること以
外は参考例3と全く同様に反応して、カルボキシ
ル基含有エステル化セルロース系材料を得た。こ
のエステル化稲わら粉末に付加された無水マレイ
ン酸の付加率は稲わら粉末を基準として13.3重量
%であつた。 実施例 7 実施例3のエステル化故紙微小片のかわりに参
考例7によつて得られたエステル化稲わら粉末を
用いること以外は実施例3と全く同様に熱圧成形
して、厚さ6.7mmの褐色、表面が平滑で光沢のあ
るプラスチツク様の外観を呈するセルロース系材
料成形品を得た。 比較例 1 実施例3のエステル化故紙微小片のかわりに無
処理の乾燥された故紙微小片を用いること以外は
実施例3と全く同様に熱圧成形して、厚さ6.5mm
の灰色のセルロース系材料成形品を得た。 実施例1〜7で得られた本発明の製造方法によ
る板状のセルロース系材料成形品はその表面を顕
微鏡で観察すると、セルロース系材料の形状はほ
とんど見られず、セルロース系材料が少くとも部
分的に可塑化されている。そのため、セルロース
系材料成形品の表面は平滑で光沢のあるプラスチ
ツク様の外観を呈している。実施例3〜7および
比較例1で得られたセルロース系材料成形品から
試料を切断して物性試験に供した。この物性試験
の結果を第1表に表わす。物性試験の試験方法は
下記ASTMに準じて行つた。
【表】 この結果から実施例3〜7の本発明の製造方法
による板状のセルロース系材料成形品優れた物性
を有していることがわかる。特に、圧縮強さ、硬
度、耐吸水性、および吸水による寸法安定性が優
れている。また、実施例3〜5の故紙系のものは
曲げ強さが特に優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 セルロース系材料中の水酸基に多塩基酸無水
    物を付加したカルボキシル基含有エステル化セル
    ロース系材料に、分子中に2ケ以上のエポキシ基
    を含む化合物を添加して、これらを充分に混練し
    た後、該混練物に高温下で少くとも部分的に可塑
    化するに必要な圧力を加えて、エステル化反応に
    よる架橋を行わしめることを特徴とするセルロー
    ス系材料成形品の製造方法。
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