JPH0234618A - プラスチック様木質系成形品の製法 - Google Patents

プラスチック様木質系成形品の製法

Info

Publication number
JPH0234618A
JPH0234618A JP18279788A JP18279788A JPH0234618A JP H0234618 A JPH0234618 A JP H0234618A JP 18279788 A JP18279788 A JP 18279788A JP 18279788 A JP18279788 A JP 18279788A JP H0234618 A JPH0234618 A JP H0234618A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
double bond
composition
unsaturated polyester
polymerizable double
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18279788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0670112B2 (ja
Inventor
Minoru Ueda
実 上田
Masanori Hara
正憲 原
Kiyoshi Kishigami
岸上 潔
Hideaki Matsuda
松田 ひで明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okura Industrial Co Ltd filed Critical Okura Industrial Co Ltd
Priority to JP18279788A priority Critical patent/JPH0670112B2/ja
Publication of JPH0234618A publication Critical patent/JPH0234618A/ja
Publication of JPH0670112B2 publication Critical patent/JPH0670112B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、重合性二重結合を有するオリゴエステル化木
質材(A)及び重合性二重結合を存するオリゴマー(B
)からなる組成物(以下、組成物と略す)に不飽和ポリ
エステル樹脂(C)を混合することにより、該混合物の
熱圧成形性が優れて、容易に成型加工が出来、かつ木質
材成分が可塑化して、緻密で光沢のある表面を有し、特
に寸法安定性、機械的性質及び熱変形温度等の物性に優
れたプラスチック様木質系成形品を工業的に有利に製造
する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
木材は、その優れた特徴を生かして建築材料を始めその
他種々の用途に従来より多く使用されて来ている。しか
しながら、その特性上熱可塑性がなく、成型品を製造す
る上では難点がある。このような観点から、最近になっ
て、木材に適当な化学修飾を施すことにより、熱可塑性
等の本来木材が有していない機能を付与する研究が行わ
れるようになって来た。
これらの研究は、木材中の水酸基に対する化学的反応に
より、有機基を導入することによって、木材が本来有し
ていない熱可塑性を付与して、木材そのものを成型加工
しようとするもので、新しい材料への展開のみならず、
小径木や間伐材等の未利用木質資源の有効利用の点から
も重要である。
本発明者らは、先に、木質材成分中の水酸基に多塩基酸
無水物と重合性二重結合を有するモノエポキシ化合物が
交互に付加エステル化したオリゴエステル化木質材(A
)と、多塩基酸無水物と重合性二重結合を有するモノエ
ポキシ化合物との交互付加エステル化反応によって得ら
れるオリゴマー(B)からなる組成物を熱圧成形するこ
とによるプラスチック様木質系成形品の製造方法(特願
昭62−14224)を提案した。この方法に於いては
、木質材成分が可塑化するだけでなく、可塑化と同時に
オリゴエステル化木質材 (A)及びオリゴマー(B)
中の二重結合が重合して架橋するため、表面が緻密で光
沢があり、寸法安定性、機械的性質及び熱変形温度等の
優れたプラスチック様木質系成形品が得られる。
しかしながら、このプラスチック様木質系成形品の製造
方法に於ける主な成形法は、圧縮成形法である。この圧
縮成形法では、圧縮成形用金型内に上記の該組成物を充
填し、熱圧成形を行なう際、所定の圧縮操作にもかかわ
らず、金型の構造、成形品の形状、該組成物の種類等に
よっては、金型内部全体に木質材成分の可塑化に必要な
圧力を伝達する該組成物の熱圧流動性が乏しく、圧力の
不均衡が生じ、部分的に該組成物中の木質材成分の可塑
化阻害を起こし、成形品の物性、外観、生産性が低下す
る難点を有していた。
一般的に、熱圧による流動性を付与する方法としでは、
滑剤や可塑剤の添加、或は合成高分子とブレンドし、外
部可塑化すること等が考えられる。しかしながら、ステ
アリン酸亜鉛のような滑剤、又はジメチルフタレート(
DMP)のような可塑剤は、少量の添加に於いである程
度の熱圧流動性を示すが、トランスファー成形法や射出
成形法のように高い熱圧流動性を必要とされるものには
不充分である。又、添加量が増加するにつれて、得られ
る成形品の物性の低下が顕著である。一方、合成高分子
とのブレンドにおいても、例えば、該組成物に飽和ポリ
エステル樹脂を混練する方法は、本発明の主原料である
組成物中の木質材成分の可塑化を著しく阻害するだけで
なく、成形品の物性が低下する難点がある。又、例えば
、該組成物にフェノール樹脂を混練する方法は、本発明
で用いる重合性二重結合を有するオリゴエステル化木質
材(A)や重合性二重結合を有するオリゴマー(B)の
二重結合の重合を阻害するため、得られた成形品の物性
が著しく低下する難点がある。
一方、工業的により生産性を高める有利な手段として、
トランスファー成形法、射出成形法等がある。−船釣に
、これらの成形法に於いては、成形用原料が加熱及び加
圧によって金型キャビティ部へ充填される。しかし、該
組成物は、これらの充填に必要とされる充分な熱圧によ
る流動性を有しておらず、該組成物の本来有している広
範囲な用途の拡大、ひいては木材資源の有効利用につい
ても制限を余儀なくされていた。
〔本発明が解決ようとする問題点〕
本発明は、重合性二重結合を有するオリゴエステル化木
質材(A)と重合性二重結合を有するオリゴマー(B)
からなる組成物に、不飽和ポリエステル樹脂(C)を添
加混合することにより、従来の欠点であった熱圧による
成形性の難点を改良し、かつ木質材成分の可塑化を行な
わしめると同時に、オリゴエステル化木質材(A)、オ
リゴマー(B)及び不飽和ポリエステル樹脂(C)の二
重結合の重合による架橋により、緻密で光沢のある表面
を有する物性の優れたプラスチック様木質系成形品を工
業的に有利に製造する方法を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前述の如き実情に鑑み研究を重ねた結果
、重合性二重結合を有するオリゴエステル化木質材(A
)と、重合性二重結合を有するオリゴマー(B)からな
る組成物に、不飽和ポリエステル樹脂(C)を混合する
ことにより、FJJ成吻の圧縮成形、トランスファー成
形、射出成形等のいずれの成形法に於いても、各種成形
法に応じた適切な熱流動性を付与することが出来、更に
オリゴエステル化木質材(A)、オリゴマー(B)及び
不飽和ポリエステル樹脂(C)の二重結合の重合による
架橋が同時に起こり、優れた物性の成形品が得られるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明は、木質材成分中の水酸基に多塩基酸無水物と重合性
二重結合を有するモノエポキシ化合物が交互に付加した
重合性二重結合を有するオリゴエステル化木質材(A)
と、多塩基酸無水物と重合性二重結合を有するモノエポ
キシ化合物から得られる重合性二重結合を有するオリゴ
マー(B)からなり、かつ前記(A)と(B)との配合
割合が重量比で50:50〜90:10である組成物1
00重量部に、不飽和ポリエステル樹脂(C)5〜50
重量部及び、少量のラジカル重合開始剤(D)を添加し
た混合物を、120〜200℃の温度で、少くとも木質
材成分が可塑化するに必要な圧力を加えて、可塑化と同
時に、オリゴエステル化木質材(A)、オリゴマー(B
)及び不飽和ポリエステル樹脂(C)の二重結合の重合
による架橋を行わしめることによるプラスチック様木質
系成形品の製法に関するものである。
本発明の方法によると、該組成物に不飽和ポリエステル
樹脂を混合することにより、該混合物は非常に成形性が
向上し、更に得られた成形品は緻密で光沢のある表面を
有し、特に寸法安定性、機械的性質及び熱変形温度にも
優れており工業的にも有利に製造できることになる、本
発明で用いる重合性二重結合を有するオリゴエステル化
木質材と重合性二重結合を有するオリゴマー(B)から
なる組成物は、次の原料から製造される。木質材として
は、木粉、木材繊維、木材チップ等の木材を粉砕したも
のが主に用いられ、原木や樹種には特に制限はない。又
、本発明における木質材としては、ワラやモミガラ等の
植物繊維、その他のセルロースやリグニンを主成分とす
るリグノセルロース材料を粉砕したものも含まれる。
多塩基酸無水物としては特に制限はないが、例えば、無
水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水テト
ラヒドロフタル酸、無水へキサヒドロフタル酸、無水3
・6ジクロロフタル酸、無水イタコン酸、無水ヘット酸
等が挙げられる。特に、工業的には、低順な無水マレイ
ン酸、無水フタル酸、無水コハク酸等が好ましく、中で
も無水マレイン酸及び無水フタル酸は、得られたプラス
チック様木質系成形品の物性が他の多塩基酸無水物を使
用した場合に比較して優れているので好ましい。
重合性二重結合を有するモノエポキシ化合物としては特
に制限はないが、例えば、アリルグリシジルエーテル、
グリシジルメタクリレート、メタリルグリシジルエーテ
ル、グリシジルアクリレート、ビニルシクロヘキセンモ
ノエポキサイド等が挙げられるが、工業的には、アリル
グリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等が特
に好ましい。
本発明で用いる重合性二重結合を有するオリゴエステル
化木質材(A)及び重合性二重結合を有するオリゴマー
(B)からなる組成物は、前述した木質材に多塩基酸無
水物と重合性二重結合を有するモノエポキシ化合物を加
えて加熱することにより得られる。即ち、重合性二重結
合を有するオリゴエステル化木質材(A)は、木質材成
分中の水酸基に多塩基酸無水物と重合性二重結合を有す
るモノエポキシ化合物が交互に付加することにより生成
するものである。又、同時に、この交互付加エステル化
反応に供した多塩基酸無水物と重合性二重結合を有する
モノエポキシ化合物のうち約30〜80重量%程度が、
重合性二重結合を有するオリゴマー(B)として副生ず
る。
本発明に於いては、木質材含料が40〜85重量%の組
成物を使用することが好ましく、それを満足させる範囲
で多塩基酸無水物と重合性二重結合を有するモノエポキ
シ化合物の使用量を選ぶことが好ましい。重合性二重結
合を有するモノエポキシ化合物は、使用した多塩基酸無
水物1モルに対して1〜2モル使用するのが好ましい。
上記反応を促進するために、通常の付加エステル化触媒
を使用しても良いが、触媒を使用しなくても反応は円滑
に進行する。交互付加エステル化反応は使用する多塩基
酸無水物、重合性二重結合を有するモノエポキシ化合物
の種類によって反応の進行状態が異なる。−船に、60
℃以上で容易に進行し、系の残存酸価及びエポキシ価が
減少して無視できる程度まで続けるのである。一般に、
組成物中に重合性二重結合を有するオリゴエステル化木
質材(A)と重合性二重結合を有するオリゴマー(B)
の量的関係は重量比で50 : 50〜90 : 10
の範囲である。
本発明に於いて、重合性二重結合を有するオリゴマー(
B)は、木質材の細胞壁内と外に存在しており、熱圧成
形時に、オリゴマー(B)の存在によって、木質材成分
が可塑化することを促進する効果がある。
本発明に係る不飽和ポリエステル樹脂(C)は、本発明
の主原料である該組成物と容易に混合あるいは混練が可
能であれば通常の市販のものでよい。例えば、一般用不
飽和ポリエエステル樹脂の組成例としては、無水フタル
酸(27゜5%)、無水マレイン酸(18,2%)、プ
ロピレングリコール(14,1%)、エチレングリコー
ル(11,5%)、スチレン(28,6%)、及びヒド
ロキノン(痕跡)が挙げられるが、その他イタコン酸、
フマル酸、芳香族を分子中に含むグリコール等を含む場
合もある。組成物と不飽和ポリエステル樹脂(C)との
混合比率は、組成物100重量部に対して不飽和ポリエ
ステル樹脂(C)5〜50重量部の範囲であり、不飽和
ポリエステル樹脂が5重量部未満では、熱圧成形時の木
質材成分の流動性が悪く、また50重量部を越えると、
熱変形温度等の物性の低下が見られる共に成形品中の木
質材含量が小さくなり、製品コストが高くなる。本発明
に於いては、熱圧成形時に木質材成分が可塑化すると同
時に、前記オリゴエステル化木質化、オリゴマー及び不
飽和ポリエステル樹脂中の重合性二重結合が架橋を伴っ
て重合し、強固に一体化するのであるが、この際、ラジ
カル重合開始剤が必要である。ラジカル重合開始剤(D
)としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、クメンハイドロパー
オキサイド等が使用される。
その他、本発明に於いては、難燃剤、グラスファイバー
やカーボンファイバー等の補強剤、各種染料や顔料等の
着色剤、及び無機質充填剤等を添加することも可能であ
る。又、熱圧成形時に、上記組成物の片面又は両面に、
紙、布等の補強材と熱硬化性樹脂からなる樹脂含浸紙、
或は熱可塑性樹脂フィルムを施して、これらを−体に成
形してもよく、この場合、成形品の物性を高めることが
出来るので好ましい。
次に、本発明の製法を手順を追って説明する。
本発明に於いては、まず前述の如く調整されたオリゴエ
ステル化木質材(A)とオリゴマー(B)からなり、か
つ前記(A)と(B)との配合割合が重量比で50:5
0〜90:10である組成物に、不飽和ポリエステル樹
脂(C)を混合するか、前述したように、その混合比は
オリゴエステル化木質材(A)及びオリゴマー(B)か
らなる組成物100重量部に対し不飽和ポリエステル樹
脂(C)を5〜50重量部である。更に、ラジカル重合
開始剤(D)を少量添加混合する。このようにして得ら
れた混合物の混合方法については特に限定されないが、
例えば、ブレンダー、ニーダ−ミキシングロール、バン
バリーミキサ−等の混練機を用いて行い混合物となすこ
とが出来る。この際、必要に応じて滑剤、例えば、ステ
アリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシュウ
ム、その他市販の滑剤或はジメチルフタレート(口MP
)、トリニトロホスフェート(TPP)のような可塑剤
等を少量添加することも可能である。
次に、前述の如(して得られる混合物を成形用金型にフ
ォーミングして、120〜200℃で熱圧することによ
りプラスチック様木質系成形品が得られる。加熱温度が
120℃未満では、オリゴエステル化木質材(A)中の
木質材成分が可塑化しなく、また200℃を越えるとオ
リゴエステル化木質材(A)の熱分解が起こるので良く
ない。圧力はオリゴエステル化木質材(A)がこれらの
温度で可塑化するに必要な圧力でよく、−船釣には30
〜600kg−f/c艷であり、好ましくは50〜50
0kg −f /crAである。熱圧時間は0.5〜4
0分が好ましい。これらの熱圧条件下では木質材成分の
可塑化が起こると同時にオリゴエステル化木質材(A)
中の二重結合、オリゴマー(B)中の二重結合及び不飽
和ポリエステル樹脂中の二重結合が重合して架橋し、オ
リゴエステル化木質材(A)、オリゴマー(B)及び不
飽和ポリエステル樹脂(C)との間に強固な化学結合が
出来、系全体として強固な網目構造が形成される。本発
明に於いては、非常に複雑な形状の金型に於いても良好
な成形品が得られるのである。又、本発明の製法で用い
る混合物は、熱圧による木質成分の流動性が優れている
ため、トランスファー成形及び射出成形によっても成形
が可能であることが分かった。
〔発明の効果〕
以上の如く、重合性二重結合を有するオリゴエステル化
木質材(A)と重合性二重結合を有するオリゴマー(B
)からなり、かつ前記(A)と(B)との配合割合が重
量比で50:50〜90:10である組成物100重量
部に、不飽和ポリエステル樹脂(C)5〜50重量部及
び少量のラジカル重合開始剤(D)を添加した混合物は
熱圧による木質材成分の流動性が良好となり、優れた成
形性を示し、トランスファー成形や射出成形を可能にし
た。又、熱圧成形時に木質材成分が可塑化すると同時に
、オリゴエステル化木質材、オリゴマー及び不飽和ポリ
エステル樹脂中の重合性二重結合が架橋を伴って重合し
、各成分が強固に結合して、一体化した三次元構造を形
成するのである。従って得られた成形品は、多量の木質
材成分を含有しているにもかかわらず均質で美麗なプラ
スチック様であり、圧縮強度、曲げ強度等の機械的強度
や熱変形温度、寸法安定性等の諸物性に優れている。
又、5切削性などの木質材が本来有している加工性の良
さも保持しており、建築用材料、工業用部品材料、電気
絶縁材料等の多く分野での利用に好適である。更に、本
発明は、木材工業における工業廃棄物としての木質材や
未利用木質材の有効利用が図られるという利点も有して
おり、工業的に極めて有用である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例、比較例及び製造例によって更に
具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるもので
はない。尚、以下に記載した「部」は「重量部」を表わ
す。
本発明において使用するオリゴエステル化木質材及びオ
リゴマーからなる組成物の製造例について述べる 製造例1 木質材として24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木
粉(以下、乾燥木粉と称す)100゜0部、無水マレイ
ン酸26.5部を乾燥機、還流冷却器を取り付けた反応
釜に添加して、120℃で1時間攪拌し、次に無水マレ
イン酸に対して1.3モル倍のアリルグリシジルエーテ
ル40゜1部を約15分かけて滴下した。滴下後、同温
度で7時間交互付加エステル化反応を行い組成物(1)
を得た。系の最終残存酸価は0.37eq/kgであっ
た。この組成物から一部取り出して分析した結果、組成
物は重合性二重結合を有するオリゴエステル化木材と重
合性二重結合を有するオリゴマーからなり、該オリゴエ
ステル化木材の木材に付加された無水マレイン酸とアリ
ルグリシジエーテルの総付加率は木材を基準として35
.1重量%であった。又、無水マレイン酸とアリルグリ
シジルエーテルから得られる該オリゴマーは木材細胞壁
内外に存在し、その量は木材を基準として33.6重量
%であった。従って、組成物(1)のオリゴエステル化
木材とオリゴマーの量的関係は80.1:19.9であ
った。
実施例1 製造例1で得られた組成物100部(1)に不飽和ポリ
エステル樹脂(〔エポラックN・340K〕 :日本触
媒化学工業型)10部と重合開始剤としてジクミルパー
オキサイド3.3部を添加し、ミキシングロールで均一
に混練し混合物となした。その後、該混合物を成形用金
型の中に均一にフォーミングした。次に、この金型をプ
レス機の熱板間に挿入し、温度150℃1圧力270k
g−f/cIII、時間30分で熱圧成形して、厚さ6
.9胴のプラスチック様木質系成形品を得た。
実施例2 実施例1で不飽和ポリエステル樹脂の10部を20部に
換えること以外は実施例1と同様に成形して、厚さ6.
9 mのプラスチック様木質系成形品を得た。
実施例3 実施例1で不飽和ポリエステル樹脂の10部を30部に
換えること以外は実施例1と同様に成形して、厚さ6.
9 mmのプラスチック様木質系成形品を得た。
実施例4 実施例Iで不飽和ポリエステル樹脂の10部を40部に
換えること以外は実施例1と同様に成形して、厚さ6.
9胴のプラスチック様木質系成形品を得た。
比較例1 実施例1で不飽和ポリエステル樹脂10部を使用しなか
ったこと以外は実施例1と同様に成形して、厚さ6.9
 mmのプラスチック様木質系成形品を得た。
尚、実施例1〜4及び比較例1の成形品を得る前の各混
合物において、それぞれの熱圧流動性について試験した
。熱圧流動製試験方法はプレス機の下部固定盤及び上部
固定盤に各々鏡面板を装着し、予め温度150℃に加温
、保持したのち、上記混合物5.0gを下部鏡面板にお
き、その後5秒後に熱圧成形を開始するもので、圧力は
シリンダー径30cmでゲージ圧50kg−f/ c+
I]、熱圧時間は2分間とした。
成形材料はこの熱圧流動試験方法により各成形材料の持
つ熱圧流動性に応じて、円形のフィルム状成形体となり
、この成形体の面積値は熱圧流動性の指針となる。即ち
、熱圧流動面積が大きいほど混合物の成形性が優れてい
る。
実施例1〜4及び比較例1で得られたプラスチック様木
質系成形品はいずれも、それぞれ成形品中に含まれてい
る木質材成分が可塑化して、緻密で光沢のある表面を有
する。
次に、これらの成形品から試料を切断して物性試験に供
した。この物性試験の結果を第1表に示す。尚、物性試
験の試験方法は下記に準じて行った。
曲げ試験   ASTM−D790−66圧縮試M  
  ASTM−D695−69熱変形温度試験ASTM
−D648−560ンクウ工ル硬度試験 ASTM−0785−65 耐水試験   ASTM−D570−63引張り試験 
 JIS  −K−6911第 表 実施例1〜4の本発明の製法に於いて使用する組成物(
1)に不飽和ポリエステル樹脂の混合物は、比較例1の
組成物(1)に不飽和ポリエステル樹脂を添加しないも
のに対して、熱圧流動性が優れているために成形性が容
易である。又、同表に示す熱圧流動性は不飽和ポリニス
イル樹脂の添加量の増加にともなってトランスファー成
形、或は射出成形に必要とされる流動領域にまで向上し
た。又、実施例1〜4の製法によるプラスチック様木質
系成形品は、従来の技術の項で述べた特願昭62−14
224による木質系成形品に相当するところの比較例1
のものに比べて、機械的強度、寸法安定性及び熱変形温
度等の物性でほぼ等しい値を示している。この事実はオ
リゴエステル化木材(A)、オリゴマー(B)及び不飽
和ポリエステル樹脂(C)がそれぞれ重合性二重結合を
有するため、熱圧成形中に木材成分の可塑化と同時に、
それらの二重結合による架橋が起こって三次元構造を形
成しているためと考えられる。
比較例2 製造例1で得られた組成物(1) 100部に飽和ポリ
エステル樹脂としてアジピン酸と1.3ブチレングリコ
ール系樹脂〔■大へ化学工業所製BAA−15)20部
とラジカル重合開始剤としてジクミルパーオキサイド3
.3部を添加し、ミキシングロールで均一に混練し混合
物となした。
その後、該混合物を成形用金型の中に均一にフォーミン
グし、実施例1と同様に熱圧成形して、厚さ6.9画の
プラスチック様木質系成形品を得た。この木質系成形品
から試料を切断して物性試験に供した。物性試験結果を
前記の実施例2と共に第2表に示す。
第 表 第2表から明らかなように、比較例2に於ける組成物(
1)と飽和ポリエステル樹脂の混合物を熱圧成形して得
られた木質系成形品は、黄土色で可塑化していなかった
。これは、飽和ポリエステル樹脂が木材成分の可塑化を
阻害したためであると考えられる。一方、実施例2のプ
ラスチック様木質系成形品は、比較例2の木質系成形品
に比べて、機械的強度、寸法安定性及び熱変形温度等の
物性で優れた値を示している。前述したオリゴエステル
化木材(A)、オリゴマー(B)及び不飽和ポリエステ
ル樹脂(C)がそれぞれ重合二重結合を有し、熱圧成形
中にそれらの二重結合による架橋が起こって三次元構造
を形成しているためと考えられる。
実施例5 製造例1で得られた組成物(1) 100部に不飽和ポ
リエステル樹脂25部とラジカル重合開始剤としてジク
ミルパーオキサイド3,3部を添加し、ミキシングロー
ルで均一に混合物となした。
その後、該混合物を使用して、シリンダー温度60℃1
金型温度200℃1射出圧力45kg・f/aaの条件
下で射出成形を行い、ASTM及びJISに定める試験
片のプラスチック様木質第第 表 第3表から明らかなように、実施例5の射出成形法で得
られた本発明のプラスチック様木質系成形品は、木材成
分が可塑化して、緻密な光沢のある表面性を有し、かつ
、部分的な可塑化阻害は認められなかった。即ち、該混
合物の熱圧流動性が射出成形に必要な領域に達している
ことを実証していた。一方、曲げ強さ、ロックウェル硬
度及び引張り強度等の物性においても優れていた。
製造例2 製造例1で乾燥木粉の換わりに、木質材として24メツ
シユ篩を通過した南洋材の乾燥木粉を使うこと以外は製
造例1と同様にして組成物(2)を得た。
製造例3 製造例1で乾燥木粉の換わりに、木質材として24メツ
シユ篩を通過した乾燥モミガラ粉を使うこと以外は製造
例1と同様にして組成物(3)を得た。
製造例4 木質材として24メツシユ篩を通過した赤松材の乾燥木
粉100部、無水フタル酸24部を乾燥機、還流冷却器
を取り付けた反応釜に添加して、120℃で1時間攪拌
し、次に無水フタル酸に対し1.3モル倍のグリシジル
メタクリレート30部を約15分かけて滴下した。滴下
後、同温度で7時間交互付加エステル化反応を行い組成
物(4)を得た。
実施例6 実施例1で、組成物(1)を製造例2で得られた組成物
(2)に、不飽和ポリエステル樹脂「エポラック」の1
0部を20部に換えること以外は実施例1と同様に成形
して、厚さ6.9 mmのプラスチック様木質系成形品
を得た。
実施例7 実施例1で、組成物(1)を製造例3で得られた組成物
(3)に、不飽和ポリエステル樹脂「エポラック」の1
0部を20部に換えること以外は実施例1と同様に成形
して、厚さ6.9鵬のプラスチック様木質系成形品を得
た。
実施例8 実施例1で、組成物(1)を製造例4で得られた組°成
物(4)に、不飽和ポリエステル樹脂「エポラック」の
10部を20部に換えること以外は実施例1と同様に成
形して、厚さ6.9 mmのプラスチック様木質系成形
品を得た。
実施例6〜8で得られたプラスチック様木質系成形品か
ら試料を切断して物性試験に供した。
この物性試験結果を第4表に示す。
第 表 第4表から明らかなように、実施例6〜8の本発明の製
造法において使用する組成物(2)〜(4)と不飽和ポ
リエステル樹脂の混合物は、不飽和ポリエステル樹脂の
添加効果によって熱圧流動性がトランスファー成形、或
は射出成形に必要とされ°る流動領域にまで向上した。
又、実施例6〜8の本発明の製法によって得られたプラ
スチック様木質系成形品は、いずれも、木質材成分が可
塑化して緻密で光沢のある表面を有する。
更に、成形品の機械的強度、寸法安定性及び熱変形温度
等の物性は、優れたものであった。以上のことから、本
発明の効果が認められることは明らかである。
特許出願人   大倉工業株式会社 代理人弁理士   小 川 −美 手続補正書(自発補正) 昭和63年8月15日 特許庁長官  吉 1)文 毅 殿 事件の表示 特願昭63−182797号発明の名称 プラスチック様木質系成形品の製法 補正をする者 事件との関係 特許出願人 住 所 香川県丸亀市中津町1515番地名 称  大
倉工業株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 木質材成分中の水酸基に多塩基酸無水物と 重合性二重結合を有するモノエポキシ化合物が交互に付
    加した重合性二重結合を有するオリゴエステル化木質材
    (A)と、多塩基酸無水物と重合性二重結合を有するモ
    ノエポキシ化合物から得られる重合性二重結合を有する
    オリゴマー(B)からなり、かつ、前記(A)と(B)
    との配合割合が50:50〜90:10である組成物1
    00重量部に、不飽和ポリエステル樹脂(C)5〜50
    重量部及び少量のラジカル重合開始剤(D)を添加した
    混合物を、120〜200℃の温度で、少なくとも木質
    材成分が可塑化するに必要な圧力を加えて、可塑化と同
    時に、オリゴエステル化木質材(A)、オリゴマー(B
    )及び不飽和ポリエステル樹脂(C)の二重結合の重合
    による架橋を行わしめることを特徴とするプラスチック
    様木質系成形品の製法。
JP18279788A 1988-07-23 1988-07-23 プラスチック様木質系成形品の製法 Expired - Lifetime JPH0670112B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18279788A JPH0670112B2 (ja) 1988-07-23 1988-07-23 プラスチック様木質系成形品の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18279788A JPH0670112B2 (ja) 1988-07-23 1988-07-23 プラスチック様木質系成形品の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0234618A true JPH0234618A (ja) 1990-02-05
JPH0670112B2 JPH0670112B2 (ja) 1994-09-07

Family

ID=16124589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18279788A Expired - Lifetime JPH0670112B2 (ja) 1988-07-23 1988-07-23 プラスチック様木質系成形品の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0670112B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096101A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Toppan Printing Co Ltd セルロース/デンプン誘導体とその製造方法並びに生分解性積層体
JP2010007001A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Hitachi Ltd 不飽和ポリエステル樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096101A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Toppan Printing Co Ltd セルロース/デンプン誘導体とその製造方法並びに生分解性積層体
JP2010007001A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Hitachi Ltd 不飽和ポリエステル樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0670112B2 (ja) 1994-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5064592A (en) Process of producing surface hardened woody decorative sheets
JPH0436846B2 (ja)
JPH10511124A (ja) 繊維強化複合材の製造方法およびその成形物
JP2000095898A5 (ja)
JP7153357B2 (ja) 圧縮物品、およびその製造方法
JPS63183910A (ja) プラスチツク様木質系成形品の製造方法
JPH0234618A (ja) プラスチック様木質系成形品の製法
JP2718910B2 (ja) 化粧板の製造方法
JPH0680832A (ja) ポリオレフィン組成物およびその製造方法
JPH0229422A (ja) プラスチック様木質系成形品の製造法
JP2653903B2 (ja) セルロース系成形用組成物及びその製造方法
JPH10219089A (ja) 硬化性組成物および該硬化性組成物を用いた表面硬化木質化粧板
JPS6249860B2 (ja)
JPH02142814A (ja) 強化樹脂組成物
JPS60124203A (ja) 成形用化学修飾木材小片の製造法
JP2000211034A (ja) 多孔質複合材料の製造方法
JPS60166301A (ja) セルロ−ス系材料成形品の製造方法
JP3810888B2 (ja) 木質材系充填材及びその製造方法
JPS60141759A (ja) セルロ−ス材成形品の製造法
JP2002283306A (ja) 高耐候性リグノセルロースとその製造方法及び高耐候性リグノセルロースを利用した高耐候性複合材。
JP2636068B2 (ja) オリゴエステル化木質材組成物
JPS6221010B2 (ja)
JP3597171B2 (ja) 架橋剤及びその製造方法
JP2683516B2 (ja) 表面硬化木質化粧板の製造方法
JPH0324321B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070907

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080907

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term