JPS6258261B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はマツサージ器に関するものである。

従来使用されている人体の背中及び首等をマツ
サージするマツサージ器の構成につきその概要を
説明すると、駆動モータにより回転するマツサー
ジ器の長さ方向に延びる送りネジにその送りネジ
と噛み合うネジ孔を有する走行体を挿嵌すると共
に、走行体に設けられた別の駆動モータの回転軸
には指圧ローラを接続し、かつ送りネジ及び走行
体の上面に上面シートを設置して成る構成であ
る。このような構成により、送りネジを回転させ
て走行体を送りネジの長手方向で往復運動させる
と共に、走行体に設けた駆動モータによつて指圧
ローラ自身を回転させる。そして、上記の走行体
（指圧ローラ）の往復運動及び指圧ローラの回転
によつて、上面シート上に横臥する人体の背中及
び首等にマツサージを施すものである。

しかし、上記したような従来のマツサージ器に
おいては、指圧ローラを移動させる（送りネジを
回転させる）ための駆動モータの他に指圧ローラ
自身を回転させるための駆動モータを必要とする
ので、製作コストがかかる欠点があつた。また、
各駆動モータの駆動を各々別個に操作するので、
取扱いが面倒となつた。

本願出願人は上述のような従来のマツサージ器
が有する欠点を解決するため本願出願と同時提出
の特許出願において、駆動モータを送りネジを回
転させる駆動モータのみとし送りネジの回転によ
つて走行体の往復移動及び指圧ローラの回転の両
方を行うようにしたマツサージ器を提案した。し
かし、上記新たに提案したマツサージ器では、走
行体の往復移動中は指圧ローラの送りネジの回転
に伴う回転と送りネジ上を移動することによる回
転とが打ち消し合つて指圧ローラの回転が止まつ
ててしまうため指圧ローラの回転によるマツサー
ジ効果を得ることができない、即ち指圧ローラの
移動と回転によるマツサージを同時に行うことが
できないという問題点があつた。よつて、上記の
マツサージ器においては指圧ローラの回転による
マツサージを行うときはクラツチ機構によつて走
行体の移動を停止させる構成をとつている。

本発明は以上述べたような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは単一の
駆動モータによつて送りネジを回転させることに
より指圧ローラの移動と回転を行えるようにして
コストの削減及び操作性の改善を図つたマツサー
ジ器であつて、指圧ローラの移動中にも指圧ロー
ラ自身の回転に伴うマツサージ効果を得ることの
できるマツサージ器を提案することにある。

以下、本発明につき好適なる一実施例を示す図
面を用いて詳細に説明する。

第１図において、１はマツサージ器であり、２
は上面シートである。３は上面シート２下部に設
置された送りネジであり、両端をマツサージ器１
前後端の支承プレート４，５に設けられたベアリ
ング４′，５′で軸支されている。この送りネジ３
はマツサージ器１に備えられたモータ（図示せ
ず）とタイミングベルト等を介してプーリ６の部
分で連結しており、モータの回転が伝達され回転
する。

７は送りネジ３に対し嵌合した状態で設置され
た走行体であり、後述する構成により送りネジ３
の回転に伴い送りネジ３の長さ方向で往復移動を
行う。８は走行体７に支持された指圧ローラであ
り、上面シート２上に横臥する使用者９に上面シ
ートを介し図示の如く圧接する。１０は送りネジ
３の上方で支障プレート４，５間に架設されたガ
イドレールであつて、詳細は後述するが指圧ロー
ラ８と同軸上に設けた案内コロ１１がこのガイド
レール１０上を転がることにより走行体７（指圧
ローラ８を含む）の安定的な移動が行われる。
尚、図示は省略するが、送りネジ３の両端近傍に
は駆動モータの制御を行うリミツトスイツチが設
けられていて、走行体７はそのリミツトスイツチ
間で往復移動を行うものである。

本発明の一実施例に係るマツサージ器１の構成
の概略は以上の通りであり、次にその要部である
走行体７の構成を詳述する。

第２図から第６図において、１２は走行体７の
ハウジングであり、第４図に示す如く両端面が送
りネジ３に嵌合した状態で位置している。１３は
ハウジング１２の一方の端面にビス１４によつて
固定されたカバーであり、ハウジング１２と共に
送りネジ３に嵌合している。１５はカバー１３内
で送りネジ３にそのネジ孔１５Ｂで噛み合い嵌合
するロータリーナツトである。このロータリーナ
ツト１５の形状は第６図に示すように外周上にほ
ぼ90゜間隔で係止突起１５Ａを設けた形状であ
る。ここで、ロータリーナツト１５は送りネジ３
上で自在に回転できる状態でカバー１３内に収納
されている。

１６はカバー１３の側部に設けられた電磁ソレ
ノイド、１７は電磁ソレノイド１６の励磁により
上下動するプランジヤである。プランジヤ１７の
先端には一端をフツク状に折り曲げて成るクラツ
チレバー１８の端部が回動可能に支持されている
と共に、クラツチレバー１８の中央部分近傍はカ
バー１３上に設けられた支持部１３Ａの部分で回
動可能に軸支されている。また、その状態におい
てクラツチレバー１８先端のフツク部１８Ａは、
カバー１３の上面に形成された切欠き孔１３Ｂを
介してカバー１３内に挿入可能に位置している。
そして、電磁ソレノイド１６を励磁してプランジ
ヤ１７を上方に駆動させればクラツチレバー１８
のフツク部１８Ａは支持部１３Ａを支点として下
方に移動して切欠き孔１３Ｂからカバー１３内に
深く挿入し、第６図に示す如くロータリーナツト
１５の係止突起１５Ａと係止可能となる。また、
プランジヤ１７を下方に駆動させればフツク部１
８Ａは上方に移動してロータリーナツト１５の係
止突起１５Ａとの係止状態が解除する。

１９はハウジング１２内で送りネジ３上に回転
自在に嵌合したウオームギヤである。２０はウオ
ームギヤ１９と一体的に設けられた同様に送りネ
ジ３に嵌合する形状のフレームであり、第４図及
び第５図に示す如くほぼ90゜間隔で送りネジ３に
噛み合う４個の遊星ギヤ２１を軸支した構造であ
る。よつて、ウオームギヤ１９及びフレーム２０
は遊星ギヤ２１の部分で送りネジ３に連結してい
る。２２はウオームギヤ１９と遊星ギヤ２１間の
フレーム２０部分を支持するベアリングであつ
て、図示の如くハウジング１２の内側に形成した
互いに向い合う所定幅の溝１２Ａ内に設置されそ
のハウジング１２内での送りネジ３方向への移動
が制止されている。このベアリング２２の作用に
ついては後述の動作の所で述べる。２３はハウジ
ング１２の両側上部に形成した軸受部１２Ｂに両
端を軸支された軸２４に支持されたウオームギヤ
１９と噛み合うウオームホイールである。また、
軸２４上にはベルト車２５が固定されている。２
６は一端を軸２４の両端近傍で軸支され軸２４を
中心として回動可能に設けられた一対の連結脚で
あり、その他端には第２図及び第３図に示すよう
に駆動軸２７が回転自在に支持されている。ま
た、その駆動軸２７の両端には前述の指圧ローラ
８が固定され、かつその外側にはガイドレール１
０上を転走する案内コロ１１が回転自在に設けら
れていると共に、軸２４上のベルト車２５とベル
ト２８を介して連結するベルト車２９が軸支され
ている。この駆動軸２７及び指圧ローラ８はウオ
ームホイール２３の回転がベルト２８を介して伝
達されることにより回転する。

次に、以上のように構成されるマツサージ器１
の動作について説明する。

上面シート２上に横臥した使用者９がマツサー
ジ器１に装備された所定の操作スイツチ（図示せ
ず）を操作することにより、モータを駆動して送
りネジ３を回転させると共に、電磁ソレノイド１
６を励磁してクラツチレバー１８のフツク部１８
Ａをカバー１３内でロータリーナツト１５の係止
突起１５Ａに係止させると、ロータリーナツト１
５の回転がフツク部１８Ａで制止される（つま
り、ロータリーナツト１５がハウジング１２及び
カバー１３と一体化する）。この結果、送りネジ
３が回転を続ければ、ロータリーナツト１５はハ
ウジング１２及びカバー１３と共に送りネジ３上
をその長さ方向のいずれか一方向に移動する。そ
して、この走行体７の移動に伴い駆動軸２７に支
持された指圧ローラ８が使用者９の背中等に圧接
しつつ移動することから、指圧ローラ８によるマ
ツサージが行われる。

また、その際送りネジ３に噛み合つている遊星
ギヤ２１は、ハウジング１２と共に送りネジ３上
を移動することからその移動に伴い移動方向と同
じ方向に回転すると共に、送りネジ３の回転によ
り上記の移動方向への回転を打ち消す逆方向への
回転をしようとする。しかし、遊星ギヤ２１がハ
ウジング１２内でベアリング２２により回転自在
に保持されていること、及び送りネジ３の回転に
伴い生じる逆方向への回転力によつて遊星ギヤ２
１と送りネジ３との噛み合い状態が強固なものと
なることから、遊星ギヤ２１及びフレーム２０、
ウオームギヤ１９は送りネジ３と一体化し送りネ
ジ３と共にハウジング１２内で回転する。よつ
て、送りネジ３の回転に伴う遊星ギヤ２１の逆方
向の回転は起らず、遊星ギヤ２１、フレーム２
０、ウオームギヤ１９はハウジング１２と共に送
りネジ３上を移動しかつハウジング１２内で送り
ネジ３と共に回転することとなる。この結果、ウ
オームギヤ２０の回転がハウジング１２に軸支さ
れたウオームホイール２３に伝達されると共に、
更にウオームホイール２３の回転がベルト２８を
介してベルト車２９に伝達されて、指圧ローラ８
が回転する。そして、この指圧ローラ８の回転に
よつて別のマツサージが行われる。

以上により、指圧ローラ８の移動と回転による
効果的なマツサージがなされているものである。

さて、操作スイツチの操作により電磁ソレノイ
ド１６を励磁してクラツチレバー１８のフツク部
１８Ａをロータリーナツト１５の係止突起１５Ａ
への係止から解除すると、ロータリーナツト１５
はカバー１３内で送りネジ３と共に空転するため
ハウジング１２つまり走行体７の移動が停止す
る。このとき、前述の理由により遊星ギヤ２１、
フレーム２０、ウオームギヤ１９が送りネジ３と
共に回転するので、指圧ローラ８は回転を続け
る。よつて、この場合走行体７を使用者９の人体
上の希望する位置で停止させれば、指圧ローラ８
の回転のみによる重点的なマツサージを行うこと
が可能となる。

以上の説明から明らかなように本発明の一実施
例に係るマツサージ器によればクラツチレバー１
８の操作によつて指圧ローラ８の移動と回転によ
る全体的なマツサージと指圧ローラ８の回転のみ
による重点的なマツサージのいずれかを必要に応
じて選択できるものである。

更に、上記の一実施例に係るマツサージ器１に
おいては、ガードレール１０のうち使用者９の首
の位置に対応する部分に第１図に示すように徐々
に高さを高くした傾斜部１０Ａが形成されてい
る。また、走行体７に設けられた指圧ローラ８
は、ハウジング１２の軸受部１２Ｂに嵌挿された
軸２４で一端を回動可能に軸支された連結脚２６
を介して駆動軸２７に支持されている。よつて、
第７図に示す如く人体の背中部分に対応するガイ
ドレール１０上を指圧ローラ８の案内コロ１１が
走行体７の移動により転送するときに、連結脚２
６が充分傾いた状態となるようにガイドレール１
０と送りネジ３の間隔を決めておけば、走行体７
が第７図に示す位置からさらに左方向へ移動する
と案内コロ１１はガイドレール１０の傾斜部１０
Ａへ乗り上げる（第７図点線で示す部分）。よつ
て、以上のような構造により、ガイドレール１０
の傾斜部１０の部分で指圧ローラ８が上下するの
で人体の背中部分よりもくぼんだ状態で位置する
首部分を良好にマツサージできることとなる。

上述した如く本発明によれば、指圧ローラの移
動と回転を単一の駆動モータで同時に行うことが
できるので、極めて効果的なマツサージが行える
と共に製作コストの削減を図ることができる。ま
た、指圧ローラの移動と回転及び指圧ローラの回
転のみのいずれかをクラツチレバーの操作により
任意かつ簡単に選択できるので、極めて実用的で
あると共に取扱いも容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るマツサージ器
の概略的構成を示す断面図、第２図は上記マツサ
ージ器の走行体の斜視図、第３図は走行体を上方
からみた平面図、第４図は走行体の側断面図、第
５図は走行体の構成要素である遊星ギヤ部分の構
造図、第６図は走行体のカバー内に設置されたロ
ータリーナツトとクラツチ機構の構造を示した断
面図、第７図は指圧ローラを上下に変位させるた
めの構造を示した側面図である。 ここで、１…マツサージ器、３…送りネジ、７
…走行体、８…指圧ローラ、１０…ガイドレー
ル、１１…案内コロ、１２…ハウジング、１３…
カバー、１３Ｂ…切欠き孔、１５…ロータリーナ
ツト、１５Ａ…係止突起、１６…電磁ソレノイ
ド、１７…プランジヤ、１８…クラツチレバー、
１８Ａ…フツク部、１９…ウオームギヤ、２０…
フレーム、２１…遊星ギヤ、２２…ベアリング、
２３…ウオームホイール、２４…軸、２５…ベル
ト車、２６…連結脚、２７…駆動軸、２８…ベル
ト、２９…ベルト車である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上面シートを介して人体に圧接する指圧ロー
   ラを備えた走行体を駆動モータにより回転する送
   りネジに装着し該送りネジの回転に伴い該走行体
   を該送りネジの長手方向に往復移動させるように
   したマツサージ器において、前記走行体を前記送
   りネジ上に嵌合するハウジングと、該ハウジング
   内で前記送りネジ上に回転可能に嵌合したウオー
   ムギヤと、該ウオームと一体に設けられた前記送
   りネジと噛み合う少なくとも一以上の遊星ギヤ
   と、該ウオームギヤと遊星ギヤとを前記ハウジン
   グ内で支持するベアリングと、該ウオームギヤと
   噛み合う前記ハウジング上に軸支されたウオーム
   ホイールであつて、前記指圧ローラに回転を伝え
   る該ウオームホイールと、前記ハウジング内で前
   記送りネジに噛み合う外周上に少なくとも一の突
   起を有するロータリーナツトであつて前記ハウジ
   ング内で空転可能に位置する該ロータリーナツト
   と、前記ハウジング上に先端が前記ハウジング内
   で該ロータリーナツトの突起に対し係止し又は解
   除するよう設けられたクラツチレバーにより成る
   ことを特徴とするマツサージ器。 ２ クラツチレバーのロータリーナツトの突起に
   対する係止及び解除を電磁ソレノイドにより行う
   ようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載のマツサージ器。 ３ 上面シートを介して人体に圧接する指圧ロー
   ラを備えた走行体を駆動モータにより回転する送
   りネジに装着し該送りネジの回転に伴い該走行体
   を該送りネジの長手方向に往復移動させるように
   したマツサージ器において、前記走行体を前記送
   りネジに嵌合するハウジングと、該ハウジング内
   で前記送りネジに回転可能に嵌合したウオームギ
   ヤと、該ウオームと一体に設けられた前記送りネ
   ジと噛み合う少なくとも一以上の遊星ギヤと、該
   ウオームギヤと遊星ギヤとを前記ハウジング内で
   支持するベアリングと、該ウオームギヤと噛み合
   う前記ハウジング上に軸支されたウオームホイー
   ルと、該ウオームホイールの回転軸に一端を回動
   可能に支持された連結脚であつて他端に該ウオー
   ムホイールの回転をベルトを介して受ける前記指
   圧ローラを支持する駆動軸を備えた該連結脚と、
   前記ハウジング内で前記送りネジに噛み合う外周
   上に少なくとも一の突起を有するロータリーナツ
   トであつて前記ハウジング内で空転可能に位置す
   る該ロータリーナツトと、前記ハウジング上に先
   端が前記ハウジング内で該ロータリーナツトの突
   起に対し係止又は解除するよう設けられたクラツ
   チレバーにより構成すると共に、前記指圧ローラ
   の移動を案内するガイドレールであつて前記上面
   シート上に横臥する人体の首位置に対応する部分
   に前記指圧ローラが乗り上げる傾斜部を形成した
   該ガイドレールを設けたことを特徴とするマツサ
   ージ器。 ４ クラツチレバーのロータリーナツトの突起に
   対する係止及び解除を電磁ソレノイドにより行う
   ようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第３
   項に記載のマツサージ器。