JPS6257196B2 - - Google Patents

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JPS6257196B2
JPS6257196B2 JP55000499A JP49980A JPS6257196B2 JP S6257196 B2 JPS6257196 B2 JP S6257196B2 JP 55000499 A JP55000499 A JP 55000499A JP 49980 A JP49980 A JP 49980A JP S6257196 B2 JPS6257196 B2 JP S6257196B2
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JP
Japan
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bactobolin
alanyl
culture
medium
acid
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JP55000499A
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Hamao Umezawa
Tomio Takeuchi
Masa Hamada
Shinichi Kondo
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Microbial Chemistry Research Foundation
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
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Publication date
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Publication of JPS5699466A publication Critical patent/JPS5699466A/ja
Publication of JPS6257196B2 publication Critical patent/JPS6257196B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はシユードモナス属に属する微生物を培
養して、その培養物から得られる新抗生物質アラ
ニルバクトボリン(Alanylbactobolin)に関し、
またアラニルバクトボリンの製造法に関するもの
である。 本発明者らはさきに、埼玉県態谷市楊井の湿地
周辺で採取した土壌試料より分離した細菌でシユ
ードモナス属に属するBMG13−A7の番号が付さ
れた菌株を培養して新抗生物質バクトボリンを蓄
積せしめ、その培養物からバクトボリンを採取、
単離してその構造(次式)および有用性を確認し
た〔特願昭54−97378号明細書(特公昭62−19428
号)〕。 本発明者らはさらに本菌株の培養液を詳しく調
べて新抗生物質アラニルバクトボリンが蓄積され
ていることを見出し、その培養液から共存するバ
クトボリンを分離してアラニルバクトボリンを採
取することに成功し、本発明を完成した。 本発明によつて得られるアラニルバクトボリン
はグラム陽、陰性菌の発育を阻止し、またマウス
白血病L−1210細胞をはじめ、諸種の癌細胞の発
育を抑制して、制癌剤として用いられる新規抗生
物質である。 したがつて、本発明の第一の要旨とするところ
は、次式: で表わされるアラニルバクトボリンおよびその酸
付加塩にある。 本発明にかかる新抗生物質アラニルバクトボリ
ンの性状は次に示すとおりである。アラニルバク
トボリンは無色結晶で、分解点は129−131℃であ
る。比施光度〔α〕22 =−21゜(c1.0,水)を示
す。元素分析値はC41.38%、H5.42%、N8.33
%、Cl14.93%を示し、C17H25N3O7Cl2・2H2Oの
理論値(C41.63%、H5.96%、N8.57%、Cl14.46
%)によく一致し、この分子式はモノーN−アセ
チルアラニルバクトボリンのマススペクトル
(M++1:m/e496,M++3:m/e498)によ
つて証明された。臭化カリ錠で測定した赤外部吸
収曲線は第1図に示すごとくである。紫外部吸収
曲線は第2図に示すごとく、水溶液中で282nm
(ε10000),0.1N塩酸中で260nm(ε13000)およ
び0.1Nか性ソーダ中で286nm(ε19000)にそれ
ぞれ吸収極大を示した。重水中で測定した 1H核
磁気共鳴スペクトルは、δ1.89(6H,d),2.11
(3H,s),2.70(1H,dd),3.19(1H,dd),
3.42(1H,dd),3.63(1H,t),〜4.4(1H,
m),4.37(1H,q),4.85(1H,q),5.21
(1H,d)および6.55(1H,s)にシグナルを示
した。 13C核磁気共鳴スペクトル(重水中)は
183.5,174.5,172.4,166.3,83.9,83.1,74.5,
71.1,68.8,49.4,48.6,46.2,40.8,38.9,
17.8,17.1および16.1ppmに17本のシグナルを示
した。 アラニルバクトボリンは水およびメタノールに
溶けるが、一般の有機溶媒には難溶あるいは不溶
である。ニンヒドリン反応、ライドンースミス反
応および2,4−ジニトロフエニルヒドラジン反
応陽性である。アラニルバクトボリンはシリカゲ
ルの薄層クロマトグラフイーで、酢酸エチル、メ
タノールおよび水の混液(8:5:1)で展開し
てRf0.08(バクトボリンはRf0.26)、酢酸エチ
ル、酢酸および水の混液(3:1:1)で展開し
てRf0.40(バクトボリンはRf0.42)にそれぞれ単
一スポツトを示した。蟻酸、酢酸、水の混液
(1:3:36)を用いた高圧紙電気泳動
(3300V,15分)でアラニンの移動度を1.0とした
とき、アラニルバクトボリンの移動度は0.62を示
したバクトボリン(0.68)と区別された。 アラニルバクトボリンはその構造研究の結果、
次式の如き構造を有し、他の既知抗生物質とは明
らかに区別され、新規抗生物質であることが確認
された。 アラニルバクトボリンの栄養寒天培地上での各
種細菌に対する最低発育阻止濃度は第1表に示す
とおりで、グラム陽性菌および陰性菌の発育を弱
く阻止する。また、アラニルバクトボリンのマウ
ス白血病L−1210に対する治療実験で、L−1210
細胞(105腹腔内)接種当日および翌日より連続
10日間腹腔内投与による治療を行なつて顕著な延
命効果が認められた。アラニルバクトボリンの急
性毒性は、マウスの静脈内投与で3.9−7.8mg/Kg
である。 第一の本発明によるアラニルバクトボリンは遊
離の形または水和物の結晶として単離することが
できるが、通常の方法により薬学的に許容できる
酸を加えて安定なアラニルバクトボリンの任意の
無毒性の酸付加塩とすることができる。付加すべ
き酸としては塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、硝
酸などの無機酸および酢酸、リンゴ酸、クエン
酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸などの有
機酸が用いられる。
【表】
【表】 本発明の第二の要旨とするところは、シユード
モナス属に属するアラニルバクトボリン生産菌を
培養してアラニルバクトボリンを蓄積せしめ、そ
の培養物からアラニルバクトボリンを採取するア
ラニルバクトボリンの製造法にある。本発明によ
れば、アラニルバクトボリンは純粋な状態で、あ
るいは粗製の状態で、また溶液の状態で、あるい
は固体の状態で採取される。 アラニルバクトボリンの生産菌の一例として
は、本発明者らによつて、昭和53年6月に埼玉県
態谷市楊井の湿地周辺で採取した土壌試料より分
離した細菌で、BMG13−A7の菌株番号を付した
菌株がある。この菌株はバクトボリン(特願昭54
−97378号)を同時に生産し、その菌学的性状は
次のとおりである。 BMG13−A7株の菌学的性状 1 形態 BMG13−A7株は、グラム陰性の真直な桿菌で
0.5〜0.9×1.8〜2.5ミクロンの大きさを有し、単
一か対をなしている。1本から数本の極鞭毛を有
し、活発な運動性を示す。胞子を形成することな
く、莱膜をもたない。細胞の多形性は特に認めな
いが、培養が古くなると菌体の幅が広くなり、丸
みをおびてくる。抗酸性は陰性である。 2 各種培地における生育状態 肉汁ゼラチン穿刺培養とミルクの培養以外はす
べて30℃で培養した。 (1) 肉汁寒天平板培養 18〜24時間培養でよく生育し、そのコロニー
は円形で半円形状に盛り上がり、辺縁が平滑で
あるものと、半円形状に盛り上がつた中心部分
がへこんでいて辺縁はラフ型(rough form)
というよりむしろ平滑であるものとがある。そ
の色は前者が茶白〜うす茶色であり、後者は茶
白である。溶解性色素は何れも認められない。
なお、この2種のコロニーについては、再三調
べたが同一の菌と考えられ、生産物についても
同一のものであることを確認している。 (2) 肉汁寒天斜面培養 画線にそつてよく生育し、光沢を有し、茶白
〜うす茶色を呈し、辺縁は平滑である。溶解性
色素は認められない。 (3) 肉汁液体培養 培養1日目に培地上層部分に菌の濁りを認
め、2日目になると茶白〜うす茶色の菌膜を形
成する。3日目になると、菌体が沈澱してく
る。溶解性色素は認められない。 (4) 肉汁ゼラチン穿刺培養 20℃培養では、培養2日目頃より穿刺部位に
陥没がおき、6日目頃から液化が始まる。その
型は層状で約2週間で深さ5mm位まで液化さ
れ、1ケ月後に約1cmが液化された。30℃培養
では、培養2日目で液化を完了する。 (5) ミルク リトマスミルク培地に35℃で培養すると、培
養3日目に凝固が認められる。それとほぼ同時
にペプトン化が始まる。ペプトン化は約2週間
で完了し、リトマスは還元される。 BCPミルク培地に各30゜,35℃で培養すると
培養3,4日目からBCPが青変し、ペプトン化
が始まる。培養1週間目頃に試験管底部が弱い
凝固状を呈し、10〜14日目になつて、ペプトン
化は完了する。 3 生理的性質 特に記さない限り、培養温度はすべて30℃であ
る。 (1) 硝酸塩の還元 硝酸塩肉汁培地(肉エキス10g、ペプトン10
g、NaCl5g、KNO30.1%、蒸留水1000ml、PH
7.2)では、培養1,3,5日目のいずれにお
いても亜硝酸塩を検出しない。ところが、コハ
ク酸−硝酸塩培地(コハク酸ナイリウム10g、
K2HPO41g、NaNO31g、MgSO4・7H2O0.5
g、KCl0.2g、FeSO4、微量、蒸留水1000
ml、PH7.2)では培養1,3,5日目のいずれ
においても亜硝酸塩を検出した。 (2) 脱窒塩の還元 脱窒反応を駒形らの方法(長谷川編著:微生
物の分類と同定、223頁、1975)で試験した結
果陰性である。 (3) MRテスト;陰性 (4) VPテスト;陰性 (5) インドールの生成;陰性 (6) 硫化水素の生成 TSI寒天培地で30℃培養すると硫化水素の生
成を全く認めない。酢酸鉛試験紙を用いる方法
(飯塚;J.Gen.Appl.Microbiol.9巻、73〜82
頁、1963)で30℃培養を行なうと硫化水素の生
成を全く認めないが、35℃培養では試験紙がわ
ずかに黒変する。 (7) 澱粉の加水分解;陰性 (8) クエン酸の利用 コーザー(Koser citrate medium)培地と
クリステンセン(Christensen agar)培地の両
培地によく生育する。したがつてクエン酸を利
用することを示唆する。 (9) 無機窒素源の利用 ブドウ糖10g、KH2PO41g、MgSO4
7H2O0.5g、KCl0.2g、窒素源0.78〜1g、蒸
留水1000ml、(PH7.2)からなる培地を基礎培地
として試験した結果、NaNO3、(NH42SO4
グルタミン酸ナトリウムのいずれをも利用可能
である。 (10) 色素の生成 肉汁ブイヨン、肉汁寒天、グルタミン酸塩培
地(グリセリン10g、乳酸アンモニウム2.5
g、グルタミン酸ナトリウム5g、K2HPO41
g、MgSO4・7H2O0.5g、KCl0.1g、蒸留水
1000ml、PH7.2)の何れでも色素の生成を認め
ない。キングB寒天培地(栄研)で茶色の溶解
性色素を認める。キングA寒天培地(栄研)で
は通常の培養時間で色素生成を認めないが、室
温に長時間放置しておくと培地がうす茶色にな
る。 又、p−ヒドロキシ安息香酸ナトリウムを含
む培地中に褐色の水溶性色素を認める。グルタ
ミン酸塩寒天培地(グルコース10g、グルタミ
ン酸ナトリウム5g、KH2PO41g、MgSO4
7H2O0.2g、KCl0.1g、寒天20g、蒸留水1000
ml、PH7.2)では褐色の溶解性色素を認める。 (11) ウレアーゼ 尿素培地(栄研)で試験した結果ウレアーゼ
陰性である。 (12) オキシダーゼ チトクローム・オキシダーゼ試験紙(日水)
で試験した結果オキシダーゼ陽性である。 (13) カタラーゼ;陽性 (14) 生育範囲 PH3.0,4.4,5.2,6.0,7.0,8.0,8.8,9.4の
各々の肉汁ブイヨンで30℃、1日培養すると、
PH4.4〜8.0で生育を認め、又培養9日目でPH8.8
においても生育を認める。至適生育PH5.2〜7.0
である。肉汁ブイヨン培地で9,20,24,27,
30,35,41℃のそれぞれの温度で培養すると、
9〜35℃で生育を認める。至適生育温度は30℃
前後である。 (15) 酸素に対する態度 1%ブドウ糖肉汁寒天培地で高層培養する
と、培地表面とそれに近い部分に生育を認め、
TEP寒天培地(栄研)で嫌気培養すると生育
しない。したがつて、本菌株は好気性菌であ
る。 (16) O−Fテスト(Hugh−Leifson法) パラフインで封じない試験管で黄色、パラフ
インで封じた試験管で緑色をそれぞれ示す。し
たがつて、糖を酸化的に分解する酸化型であ
る。 (17) 炭素化合物の利用 飯塚・駒形の方法(長谷川編著;微生物の分
類と同定、230頁、1975)で試験した結果、L
−アラビノース、D−キシロース、サツカロー
ス、デキストロース、ラムノース、D(十)マンノ
ース、D−ガラクトース、イノシトール、ソル
ビトール、D−マニトール、D−フルクトー
ス、トレハロース、グリセリン、p−ヒドロキ
シ安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、
コハク酸ナトリウムをそれぞれ利用し、アドニ
トール、ラクトース、澱粉、m−ヒドロキシ安
息香酸、meso−エリスリトール、エタノール
を利用しない。 (18) 糖類からの酸およびガスの生成 糖類からの酸およびガスの生成には、次の二
種類の培地を用いた。すなわち、A培地(ペプ
トン10g、NaCl5g、糖10g、BTB0.008g、
蒸留水1000ml、PH7.2)B培地(NH4NO31.0
g、KH2PO41.0g、MgSO4・7H2O0.5g、
KCl0.2g、糖10g、BTB0.008g、蒸留水1000
ml、PH7.2)の二種類である。糖は他の培地組
成とは別に滅菌し、最終濃度が1%になるよう
にそれぞれ加えた。30℃、7日間培養したとき
の酸の生成は次表のとおりである。ガスの生成
はいずれの糖からも認められなかつた。
【表】 酸の生成 〓
〓無;−
(19) グルコン酸の酸化 グルコン酸塩培地(栄研)で試験した結果、
グルコン酸の酸化試験は陰性である。 以上の性状を要約すると、BMG13−A7株は好
気性のグラム陰性桿菌で、極鞭毛を有し、運動性
がある。糖を酸化的に分解し、グルコースより酸
を生成する。硝酸塩をコハク酸−硝酸塩培地を用
いて試験し、還元する。硝酸呼吸能はない。オキ
シダーゼ反応及びカタラーゼ反応は陽性である。
硫化水素をほとんど生成しない。澱粉を加水分解
しない。クエン酸を利用する。無機窒素源として
NaNO3,(NH42SO4、グルタミン酸ナトリウム
のいずれをも利用する。炭素化合物の一つとし
て、p−ヒドロキシ安息香酸ナトリウムを利用
し、茶色の溶解性色素を生成する。又、色素生成
培地で茶色の溶解性色素を生成する。糖類からの
酸の生成は培地により異なり、ガスの生成はいず
れからも認められない。 これらの性状から、Bergey′s Manual、of
Determinative、Bacteiology、第8版(1974年)
及び微生物の分類と同定(長谷川編著、1975、学
会出版センター)で属を検索すると、シユードモ
ナス(Pseudomonas)属、グルコノバクター
(Gluconobacter)属およびアセトバクター
(Acetobacter)属が近縁の属として挙げられ
る。 これらの属を検索するために以下の性状につい
て調べた。試験法はJ.L.SHIMWELLら(J.Gen.
Microbiol.、23巻、283〜286頁、1960)及び浅井
ら(J.Gen.Appl.Microbiol.、10巻、95〜126頁、
1964)の報告を参照し、対照菌株として醗酵研究
所から入手した標準菌株アセトバクター・アセト
スス(Acetobacter acetosus IFO 3170)、アセ
トバクター・アウランテイウス(A. aurantius
IFO 3245)、アセトバクター・ランセンス(A.
rancens IFO 3191)、グルコノバクター・メラノ
ゲヌス(Gluconobacter melanogenus IFO
12257) グルコノバクター・ルビギノスス(G.
rubiginosus IFO 3244)および当研究所に保存
中のシユードモナス・エルギノーサ
(Pseudomonas aeruginosa As)、シユードモナ
ス・フルオレスセンス(Ps.fluorescens NIHJ−
B−254)を使用した。 (1) 酢酸塩及び乳酸塩の酸化 ペプトン3g、酵母エキス2g、酢酸ナトリ
ウムあるいは乳酸ナトリウム2g、ブロムチモ
ールブルー(BTB)0.002%、蒸留水1000mlか
らなる培地で30℃、7日間培養すると、酢酸塩
と乳酸塩のどちらを含む培地でもBTBが青変
し、酸化が認められる。 (2) エタノールとグルコースからの酸の生成 酵母エキス5g、エタノール20g、蒸留水
1000ml(PH6.8)の培地で30℃、7日間振盪培
養したが、菌が殆んど生育せず酸の生成も認め
られない。エタノールのかわりにグルコースを
含む培地で30℃、1,3,7日間それぞれ振盪
培養すると、3,7日培養の場合にそれぞれ酸
の生成を認める。しかし、グルコノバクター・
メラノゲヌス(G.melanogenus IFO 12257)
やアセトバクター・アウランテイウス(A.
aurantius IFO 3245)に比べてBMG13−A7株
の場合は酸の生成量がかなり少ない。 (3) グリセリンからのジヒドロキシアセトンの生
成酵母エキス1%、グリセリン2%、寒天2%
(PH6.8)からなる培地で30℃、5〜12日間培養
したが、フエーリング試薬で検出できるジヒド
ロキシアセトンの生成は認められなかつた。 (4) 乳酸塩の炭酸塩への酸化 酵母エキス1%、乳酸カルシウム1%、寒天
2%の培地で画線培養すると、画線の周囲に結
晶様構造物が認められる。これは乳酸塩が酸化
して炭酸カルシウムの結晶が出来たことを示唆
する。 (5) エタノールからの酢酸の生成 酵母エキス1%、エタノール2%、CaCO32
%からなる培地で30℃、14日間培養したが、
CaCO3が溶けて透明になる部分は認められな
かつた。したがつて、エタノールから酢酸を生
成しない。 (6) PH4.5での生育 酵母エキス1%、エタノール2%(PH4.5)
からなる培地で30℃、7日間培養すると生育が
認められる。 これらの結果を表にしてみると次のようにな
る。なお、グルコノバクター属、アセトバクター
属、シユードモナス属の成積で〓印を付した個所
はJ.L.SHIMWELLら(前述)、浅井ら(前述)の
報告及びBergey′s Manual of Determinative
Bacteriology(第8版)の成績から引用した。
【表】
【表】 株が陽性
これらの成績からBMG13−A7株は酢酸塩及び
乳酸塩の酸化、エタノールの酸化、ジヒドロキシ
アセトンの生成の点でグルコノバクター属と異な
り、BMG13−A7株が極毛であること、エタノー
ルを酸化しない点でアセトバクター属と区別され
る。 一方シユードモナス属とはこの菌がPH4.5で生
育する点で異なるが、他の点ではよく一致する。
したがつて、BMG13−A7株はシユードモナス属
に属する細菌であると考えられる。 なおBMG13−A7株は、工業技術院微生物工業
技術研究所に昭和54年7月21日保管委託申請し、
微生物受託番号は微工研菌寄第5083号である。本
発明にいうシユードモナスBMG13−A7は、その
変異菌のすべてを包含し、またアラニルバクトボ
リンを生産して本菌株および変異菌と明確に区別
されない菌株も包含する。 本発明のアラニルバクトボリンの製造法を実施
するに当つては、アラニルバクトボリンの生産菌
株シユードモナスBMG13−A7株を栄養源含有培
地に接種して好気的に発育させることによつてア
ラニルバクトボリンを含む培養物が得られる。栄
養源としては細菌の栄養源として公知のものを使
用できる。例えば市販されているペプトン、肉エ
キス、コーン・スチープ・リカー、綿実粉、落花
生粉、大豆粉、酵母エキス、NZ−アミン、カゼ
インの水解物、硝酸ソーダ、硝酸アンモニア、硫
酸アンモニアなどの窒素源、および市販されてい
るグリセリン、蔗糖、澱粉、グルコース、マルト
ース、糖蜜などの炭水化物、あるいは脂肪などの
炭素源と食塩、燐酸塩、炭酸カルシウム、硫酸マ
グネシウムなどの無機塩を使用できる。その他必
要に応じて微量の金属塩を添加することもでき
る。これらのものは生産菌が利用し、アラニルバ
クトボリンの生産に役立つものであればよく、公
知の細菌の培養材料はすべて用いることができ
る。アラニルバクトボリンの大量生産には液体培
養が好ましく、培養温度は生産菌が発育し、アラ
ニルバクトボリンを生産する範囲で適用しうる
が、殊に好ましいのは20〜35℃である。培養は普
通アラニルバクトボリンが充分蓄積するまで続け
られる。例えばマルトース1.5%、酵母エキス0.3
%、NZアミン1.0%、食塩0.3%からなる液体培地
(PH7.4)に、寒天斜面培地で培養したBMG13−
A7株を接種し、27℃で好気的に回転振盪培養を
行なうと、培養1日目からアラニルバクトボリン
とバクトボリンの蓄積がみられた。アラニルバク
トボリンの定量法は、試験菌として大腸菌K−12
株を使用する通常の円筒平板法によつて行なう。
バクトボリンの結晶(1000単位(u)/mgを標準
としてアラニルバクトボリンの結晶は8u/mgを
示す。 アラニルバクトボリンの生産のためのシユード
モナスBMG13−A7株の培養に当つては、上記の
振盪培養のほかに、一般に微生物の通気撹拌培養
に用いられるジヤー培養器、または大型のステン
レス・スチール製タンク培養槽なども大量生産の
ために使用される。大量培養の場合には、上記液
体培地中で、20〜40時間振盪培養した培養液を種
培養液とし、これを0.5〜2%(容量)接種する
のが好ましい。 アラニルバクトボリンはバクトボリンと同様水
溶性で、アラニルバクトボリンの生産菌の培養液
中では主として液体部分に存在し、バクトボリン
と同様の方法で抽出精製できる。培養液あるいは
水溶液中のアラニルバクトボリンは種々の吸着剤
を用いて採取することができる。吸着剤として活
性炭を使用した場合、活性炭に吸着したアラニル
バクトボリンは弱酸性水およびメタノール水、プ
ロパノール水、アセトン水などの含水溶媒で溶出
され、塩酸酸性とすればさらに収率よく溶出され
る。さらに巨大網状樹脂を使用する塔クロマトグ
ラフイーは、アラニルバクトボリンの大量の培養
液からの抽出に最も適した方法である。巨大網状
樹脂としては市販のアンバーライトXAD−2、
XAD64、XAD−7(ローム・アンド・ハース社
製)、ダイヤイオンHP−10、HP−20(三菱化成
製)などが用いられ、メタノール水、プロパノー
ル水、アセトン水などの含水溶媒によつて溶出さ
れる。例えば、アンバーライトXAD−2を充填
した塔にアラニルバクトボリンの水溶液を通過さ
せることにより、アラニルバクトボリンは効率よ
く吸着され、水洗後、50%メタノール水で溶出す
ることにより、高収率にアラニルバクトボリンの
溶出液が得られる。 上記吸着剤を用いる抽出法で得られた粗製のア
ラニルバクトボリンは、カルボン酸を活性基とす
る弱陽イオン交換体を用いる塔クロマトグラフイ
ーによつて最も有効に分離精製することができ
る。特に、粗製のアラニルバクトボリンにバクト
ボリンが混在する場合、両者を分離、精製するの
にきわめて有効である。市販のイオン交換体とし
てアンバーライトIRC−50、CG−50(ローム・
アンド・ハース社製)、レワチツトCNP(バイエ
ル社製)、CM−セフアデツクス(フアルマシア
社製)などのH型、Na型、NH4型などおよびそ
れらの混合型が用いられ、水で展開することによ
り初めにアラニルバクトボリンが、続いてバクト
ボリンが溶出される。アラニルバクトボリンの精
製に最も好ましい材料は、アンバーライトCG−
50のNH4型とH型の混合比が7:3乃至5:5の
場合である。また、アラニルバクトボリンは、前
述のごとく、酢酸エチル、メタノールおよび水の
混液などを展開系とするシリカゲルの薄層クロマ
トグラフイーで分離できる性状に基づいて、シリ
カゲルを用いる塔クロマトグラフイーによつても
有効に分離精製することができる。 アラニルバクトボリンは上述の抽出法、分離法
または精製法を適宜組合せあるいは繰返すことに
よつて純枠に採取することができるが、本発明者
らはアラニルバクトボリンの結晶をその濃厚水溶
液またはエタノール水溶液から析出せしめること
に成功したので、純枠なアラニルバクトボリンの
採取が容易となつた。 さらに本発明者らは、バクトボリンを出発物質
として合成的にアラニルバクトボリンを製造する
方法も確立した。 したがつて、本発明の第三の要旨とするところ
は、次式: で示されるバクトボリンのたゞ一個のアミノ基
に、次式: で示されるL−アラニンまたはそのアミノ保護体
あるいはそれらの反応性誘導体を作用させてアシ
ル化し、必要ならばそのアミノ保護基を脱離する
ことにより、目的とするアラニルバクトボリンお
よびその酸付加塩を製造する方法にある。 バクトボリンのアミノ基をL−アラニンでアシ
ル化する方法は、ペプチド合成における既知のア
ミド結合形成の方法によつて行なわれる。すなわ
ちジシクロヘキシルカルボジイミド法、混合酸無
水物法、アジド法、活性エステル法などあらゆる
既知の合成法が使用できるが、例えばアミノ基を
保護したL−アラニンのN−ヒドロキシコハク酸
イミドエステルのごとき活性エステルを使用して
バクトボリンのアミノ基をアシル化する方法は、
本発明における好ましい方法の一例である。L−
アラニンのアミノ基を保護する保護基としては従
来ペプチド合成で常用されているアミノ保護基を
使用することができ、それらの多くは市販されて
いる。しかし本発明において使用されるアミノ保
護基は、製造されるアラニルバクトボリンのアミ
ノ保護体からその保護基を脱離させる反応を行な
うに当つてラクトン結合やアミド結合などを実質
的に破断させない反応条件または操作で容易に脱
離できるものでなければならない。従つて本発明
におけるもつとも好ましいアミノ保護基の一例
は、加水素分解によつて容易に脱離できるベンジ
ルオキシカルボニル基やパラメトキシベンジルオ
キシカルボニル基などのアラルキルオキシカルボ
ニル基である。 以下に本発明の実施例を示すが、アラニルバク
トボリンの性状と化学構造が本発明によつて明ら
かになつたので、その性状に基づきアラニルバク
トボリンの製造法を種々考案することができる。
従つて、本発明は実施例に限定されるものではな
く、実施例の修飾手段は勿論、本発明によつて明
らかにされたアラニルバクトボリンの性状に基づ
いて公知の手段を施してアラニルバクトボリンを
生産、濃縮、抽出、精製する方法をすべて包括す
る。 実施例 1 寒天斜面培地に培養したシユードモナス
BMG13−A7株(FERM−P5083)を、マルトー
ス1.5%、酵母エキス0.3%、NZ−アミノ(A型、
フムコ・シエフイルド化学製)1.0%、食塩0.3%
からなる液体培地(PH7.4)110mlを含む500ml容
三角フラスコに接種し、27℃で24時間、回転振盪
機(毎分180回転)上で培養して種培養液を得
た。 次に上記と同じ液体培地15を含む30容のス
テンレス・スチール製ジヤー培養器に種培養液
(110ml)を接種し、27℃で40時間培養した(撹
拌:毎分250回転、通気量毎分15)。ジヤー培養
器2基分の培養液を合して連続遠心分離機(毎分
10000回転)で菌体を除去し、上澄液27
(52u/ml)を得た。これを、アンバーライト
XAD−2を1.5充填した塔(内径65mm)にか
け、5の水で洗浄後、50%メタトール水で溶出
し、17.5mlずつ分画した。分画52−295を合して
減圧濃縮乾燥し、バクトボリンとアラニルバクト
ボリンを含む粗粉末13.4g(71u/mg)を得た。
収率68.0%。 実施例 2 実施例1で得られた粗粉末13.4gを20mlの水に
溶かし、アンバーライトCG−50型(NH4 +
H+を7:3混合)600mlをつめた塔(内径33mm)
にかけ、続いて水で展開し、17mlずつ分画した。
分画127−280を合して減圧濃縮乾燥し、1.7gの
淡黄色粉末(489u/mg)を得た。収率91.1%。 さらに、この粉末を4mlの水に溶かし、再びア
ンバーライトCG−50型(NH4 +とH+を7:3
混合)100mlの塔(内径14mm)にかけ、水で展開
し、14mlずつ分画した。分画22−30を合して減圧
濃縮乾燥し、450mgのアラニルバクトボリンの白
色粗粉末(78u/mg)を得た。また、分画31−48
を合して減圧濃縮乾燥し、940mgのバクトボリン
の白色粉末(719u/mg)を得た。 実施例 3 実施例2で得られたアラニルバクトボリンの白
色粗粉末450mgを1.5mlの水に溶解し、3mlのエタ
ノールを加えて、冷所(5℃)に一夜放置後、析
出する結晶を取して、アラニルバクトボリンの
無色結晶390mg(8u/mg)を得た。 実施例 4 バクトボリン50mg(0.13ミリモル)をメタノー
ル2mlにとかし、トリエチルアミノ0.027ml(0.2
ミリモル)とN−ベンジルオキシカルボニル−L
−アラニンのN−ヒドロキシコハク酸イミドエス
テル62.4mg(0.2ミリモル)を加えて室温で3時
間撹拌した。反応液に水2mlと酢酸0.014mlを加
え、5%パラジウム−炭素(50mg)を触媒とし
て、水素気流中2時間加水素分解した。触媒を除
去し、濃縮乾固した後、この粉末を少量の水にと
かし、アンバーライトCG−50(型、NH4 +
H+を7:3混合)10mlの塔にかけ、水で展開
し、1mlずつ分画した。分画20−30を合して濃縮
乾固してアラニルバクトボリンの無色結晶性粉末
27mgを得た。収率42%。
【図面の簡単な説明】
第1図はアラニルバクトボリンの臭化カリ錠で
測定した赤外部吸収曲線を示す。第2図は水溶液
中、0.1N塩酸溶液中、および0.1Nか性ソーダ溶
液中で測定したアラニルバクトボリンの紫外部吸
収曲線を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次式: で表わされる抗生物質アラニルバクトボリンおよ
    びその酸付加塩。 2 シユードモナス属に属するアラニルバクトボ
    リン生産菌を、栄養源を含有する培地中で発育さ
    せ、その培養物中にアラニルバクトボリンを生産
    せしめ、培養物からアラニルバクトボリンを採取
    することを特徴とするアラニルバクトボリンの製
    造法。 3 バクトボリンにL−アラニンまたはそのアミ
    ノ保護体あるいはそれらの反応性誘導体を作用せ
    しめてバクトボリンのアミノ基をアシル化するこ
    とを特徴とするアラニルバクトボリンの製造法。
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