JPS625525Y2

JPS625525Y2 -

Info

Publication number: JPS625525Y2
Application number: JP1981037963U
Authority: JP
Priority date: 1981-03-18
Filing date: 1981-03-18
Publication date: 1987-02-07
Also published as: JPS57154816U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、たとえば給湯や暖房などに使用さ
れる熱交換装置に関する。

この種の熱交換装置にあつては、たとえば液体
燃料を燃焼媒体としたものが知られている。この
種の熱交換装置としては、第１図で示すように熱
交換器本体ａ内の上流側に、熱交換器本体ａとは
別体のバーナプレートｂを設け、同じく下流側に
吸熱フインｃ…および吸熱パイプｄから構成され
る吸熱部ｅを設けて構成したものがほとんどであ
る。そして、熱交換運転を行なう場合には、バー
ナプレートｂの下流側の空間部ｆを混合室、ある
いは気化室兼混合室として、この空間部ｆにガス
化した液体燃料および１次空気を供給して、バー
ナプレートｂ上に燃焼炎を形成することにより、
その燃焼熱が吸熱部ｅにて吸熱されるとともに、
吸熱パイプｄを流通する水などの熱交換媒体と熱
交換され、給湯や暖房が行なわれるようになつて
いる。

しかしながら、バーナプレートｂは熱交換器本
体ａと独立して設けられているために、どうして
も接続部などに間隙が存在し、燃焼炎による熱が
こもりやすい。（熱移動性が悪く過熱する）この
ため、バーナプレートｂの熱を回収して燃料の気
化および混合に利用する上述の気化式の燃焼装置
を採用したものでは、その熱回収量が充分でなく
効率の良い燃焼を達成できないといつた問題があ
る。しかも、バーナプレートｂにおける熱移動性
が悪いため、バーナプレートｂの炎孔部ｇ…が異
常に拡開してしまい、逆火などの不都合を生じる
といつた問題もきたす。なお、この問題はガス燃
料を使用する熱交換装置についても同様である。

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、バーナプレート
を、熱交換器本体の奥行き方向に並ぶ多数のバー
ナプレートフインをそれぞれ熱交換器本体の幅方
向両側の内面に一体に突設するとともに、両側の
バーナプレートフイン群を熱交換器本体内で相互
に離間対向させて構成することにより、熱のこも
りをなくすことができる熱交換装置を提供しよう
とするものである。

以下、この考案の一実施例を図面を参照して説
明する。第２図は気化式の熱交換装置の構成を示
し、図中１は熱交換器本体（以下、熱交換体と称
す）で、これはたとえばアルミなどの熱伝導性材
料で、上部側に排気口部２を備えて箱状に構成さ
れており、内部に上・下方向に沿う流路３を構成
している。そして、この流路３の上流側である下
部側には、バーナプレート４が設けられ、バーナ
プレート４を区画壁として上部にライン状の燃焼
部５を構成し、同じく下部に混合室６を構成して
いる。そして、このうちの混合室６は図示しない
液体燃料供給部および送風機構と連絡していて、
バーナプレート４への混合気の供給によつてバー
ナプレート４上に燃焼炎が形成される構成となつ
ている、なお、バーナプレート４の詳細な構造に
ついては後述する。また流路３の下流側である上
部には、吸熱部７が設けられている。この吸熱部
７としては、立位吸熱フイン群９、横位吸熱フイ
ン１０と吸熱パイプ１１との組合せから構成され
ている。そして、立位吸熱フイン群９は、熱交換
体１の幅方向側の両内面に、それぞれ立位吸熱フ
イン９ａを燃焼ガスの流れ方向、つまり上・下方
向に対し平行に奥行き方向に渡つて一体に多数並
設するとともに、第４図で示すように中央側にお
いてそれぞれ立位吸熱フイン９ａ…が対向して構
成されるものである。そして、この立位吸熱フイ
ン群９が燃焼ガスの流れ方向に沿つてたとえば３
段設けられる。そして、これら立位吸熱フイン群
９…の間に、第３図および第５図で示すように上
記横位フイン１０が燃焼ガスの流れ方向と直交方
向に位置して熱交換体１の幅方向側の両内面にそ
れぞれ一体に設けられており、燃焼ガス流の流れ
をかえて熱交換体１の内面に多くの燃焼ガスを集
めて熱交換体１の側壁に設けた上記吸熱パイプ１
１…の加熱率の向上を図り、熱交換率の向上を図
れる構造となつている。

一方、バーナプレート４の構造としては、バー
ナプレートフイン４ａを第３図および第６図で示
すように熱交換体１の幅方向側の両内面にそれぞ
れ一体に突設し、これを熱交換体１の奥行き方向
に渡つて多数並設するとともに、中央側において
それぞれバーナプレートフイン４ａ…が対向する
よう配置してなるもので、バーナプレートフイン
４ａ…の間隙の集まりで奥行き方向に沿う炎孔部
１２を構成する構造となつている。

そして、このように構成された熱交換装置を用
いて熱交換運転を行なうときには、液体燃料供給
部からたとえばガス化した液体燃料、あるいは霧
状の液体燃料を混合室６に送るとともに、送風機
構から燃焼用の１次空気を送つて予混合し、図示
しない着火装置で着火することにより、バーナプ
レート４上で燃焼炎が形成されて運転が開始され
る。そして、燃焼によつて発生した燃焼ガスは、
立位吸熱フイン９ａ…および横位吸熱フイン１０
…の間をその流れ方向が熱交換体１の幅方向内面
側へ逐次かわりながら上昇し、熱交換体１を介し
て吸熱パイプ１１内を流通する水などの熱交換媒
体を高効率の熱交換率のもとで加熱する。しかし
て、熱が給湯、あるいは暖房に供される。一方、
加熱後の燃焼ガスは排気口部２を通じて大気中に
排気される。

しかして、この熱交換運転中、バーナプレート
４は燃焼炎の熱を受けて過熱（昇温）することに
なるが、この考案によればバーナプレート４は熱
交換体１と一体化構造となつているために、バー
ナプレート４と熱交換体１との間における熱の移
動性は良好化と期し、そのバーナプレート４に存
した熱はすみやかに熱交換体１側へ移動すること
になる。したがつて、バーナプレート４は異常に
過熱されることはなく、逆火などの支障をもたら
す過熱を防止することができる。また熱交換体１
側へ熱を回収して混合室６における燃料の気化お
よび混合に利用する構造のものであつては、熱の
移動性が優れるため、その回収熱量としては充分
なものが得られ、バーナプレート４の熱を有効に
活用することができるものである。

さらにまたバーナプレート４を熱交換体１と一
体化構造としたことにより、バーナプレート４と
熱交換体１との同材質構成が達成され、両者の熱
歪みによるトラブルを防止することができる。し
かも、バーナプレート４を一体化したことによつ
て、炎孔部１２以外での燃料のもれが完全に防止
され、かつまたバーナプレート４を上述したよう
な凹凸嵌合するようなフイン構造としたことによ
り、熱交換体１の内部空間を壁面近くまで有効に
利用した大きな炎孔面積を確保することができ、
壁部分にこもることなく熱を熱交換体１側に効果
的に伝熱できるようになる。これにより、燃焼効
率を向上させるとともに、一部分のみが異常に加
熱されるのをなくして熱歪みの発生を防止できる
効果をもたらす。しかも、熱交換体１の幅方向両
側の内面にバーナプレートフイン４ａ…群を設け
て相互に対向させる構造は、抜き型のみで熱交換
体１の左右の部分と共に成形できるから製造性に
もよい利点をもつ。

なお、上述した実施例において、熱回収を積極
的に行なうとする場合には、第７図で示すように
バーナプレート４を基部として、熱交換体１の側
壁の壁厚を、下流側の壁厚t₁より上流側の壁厚t₂
をt₂＞t₁の関係となるよう厚く設定することによ
り、熱伝導率が増し、極めて有効なかつ多くの熱
回収量が混合室６に供給されるものである。ま
た、バーナプレート４の冷却を積極的に行なうと
する場合にあつては、その壁厚関係を逆にt₂＜t₁
の関係とすればよいものである。

また、この考案を上述した実施例では、被加熱
媒体に水などの液体を採用した熱交換装置に適用
したが、被加熱媒体に空気などの気体を採用し
た、熱交換装置に適用してもよく、また燃料につ
いても液体燃料ばかりか気体燃料を使用したもの
でもよいものである。

以上説明したようにこの考案によれば、バーナ
プレートと熱交換器本体との間における間隙をな
くすことができ、燃焼効率を損う、逆火をきたす
熱のこもりをなくすことができる。しかも、多数
のバーナプレートフインを熱交換器本体の両内面
に突設するとともに、バーナプレートフイン群を
熱交換器本体内で対向させる構造は、熱交換器本
体の壁面近くまで炎孔部を形成することができ
る。これにより、炎孔面積を大きく充分にとるこ
とができ、熱を壁部分にこもらず熱交換器本体側
へ効果的に伝熱させることができるようになり、
燃焼効率を良くすると同時に熱歪みの発生を防止
することができる。そのうえ、熱交換器本体の両
内面にバーナプレートフインをそれぞれ一体に設
けた構造は、抜き型のみで熱交換器本体の左右の
部分と共に成形できるから製造性が良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱交換装置を示す側断面図、第
２図はこの考案の一実施例の熱交換装置を示す側
断面図、第３図は同じく吸熱部およびバーナプレ
ートの対称となる一方の構成を示す部分斜視図、
第４図は吸熱部の立位吸熱フインを示す平断面
図、第５図は吸熱部の横位吸熱フインを示す平面
図、第６図はバーナプレートの構成を示す平断面
図、第７図はこの考案の他の実施例を示す側断面
図である。１……熱交換体（熱交換器本体）、４……バー
ナプレート、４ａ……バーナプレートフイン、７
……吸熱部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 略箱状に形成された熱交換器本体内に燃焼炎
を形成するバーナプレートとその燃焼炎を受け
る吸熱部とを設けて構成された熱交換装置にお
いて、上記バーナプレートは、熱交換器本体の
奥行き方向に並ぶ多数のバーナプレートフイン
をそれぞれ熱交換器本体の幅方向両側の内面に
交互に一体に突設するとともに、両側のバーナ
プレートフイン群を熱交換器本体内で相互に離
間対向させて構成したことを特徴とする熱交換
装置。 (2) バーナプレートフインを基部として上流側の
熱交換器本体の壁厚と下流側の熱交換器本体の
壁厚とを異ならせたことを特徴とする実用新案
登録請求の範囲第１項に記載の熱交換装置。