JPS625431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自転車のサドル支持装置、詳しくは
シートポスト体の上部に円弧状の受面を形成し、
この受面に嵌合する円弧面をもつたサドル受具を
設け、該受具とサドル抑え具とを重ね合わせ、こ
の両者間にサドルフレームを挟持した状態で前記
シートポスト体上に載置し、１本のボルトをシー
トポスト体から受具と抑え具間に貫通させること
により、前記フレームつまり該フレームに支持す
るサドルを角度変更可能としたサドル支持装置に
関する。

従来この種サドル支持装置は、シートポスト体
に前後方向に延びる長孔を形成し、この長孔から
前記サドル受具と抑え具間に、該両者により挟持
されるサドルフレームと直交すべくボルトを貫通
させ、前記長孔の範囲でボルトを移動調節するこ
とにより、前記サドル受具をその円弧面をシート
ポスト体の受面に沿わせつつ角度変更し、これに
よつて前記サドルフレームの取付角度を変更調節
すべくしている。

従つてこの支持手段によるときには、例えばサ
ドルフレームの角度を例えば15度の範囲で調節し
たいときには、前記ボルトが15度の範囲にわたつ
て可動できる大きさの長孔を形成する必要があ
る。

所が前記のごとくシートポスト体に大きな長孔
を形成することは、シートポスト体の強度を損な
うのであり、従つてこの強度に見合うべくシート
ポスト体を大とする必要があつた。

本考案は以上の点に鑑みて考案したもので、前
記サドル受具をシートポストの円弧状受面に対
し、その嵌合位置を前後に転換可能と成す一方、
該サドル受具とサドル抑え具とに、該各者に設け
るサドルフレーム嵌合溝の長さ方向中心線と直交
する垂直線に対し傾斜する貫通孔を設け、前記ポ
スト体から該貫通孔にボルトを貫通することによ
り、前記受具と抑え具との両者をポスト体上に支
持すべくなし、前記両者を前後逆向きとして支持
することにより、該両者の取付位置を変更し、こ
の位置変更状態下においてボルトを移動すること
により、さらに取付位置を調節可能としたもので
あり、前記貫通孔を大とすることなく受具と抑え
具とを大きく角度変更させ、換言すれば貫通孔を
小となすことを可能ならしめたのである。

以下本考案の詳細を図面の実施例に基いて説明
する。

図中１は上部に受体２をもつシートポスト体
で、この受体２の上面に下方へ彎曲する円弧状の
受面３を設け、かつその下面４を受面３と同一曲
率で彎曲させると共に、該受体２には前後方向に
延びる長孔状の貫通孔５を形成している。

６はサドル受具で、両側上部にサドルフレーム
７を受入れるための前後方向に延びる２つの嵌合
溝８，８を設け、かつ下面に前記シートポスト体
１の受面３に嵌合し、かつ、その嵌合位置を前後
に転換可能とした円弧面９を形成する。

１０はサドル抑え具であり、下部両側に前記受
具６の嵌合溝８，８にサドルフレーム７を抑え込
む２本の嵌合溝１１，１１を設け、この抑え具１
０を前記受具６に重ね合わせて、その両者の各嵌
合溝８，８，１１，１１間にサドルフレーム７を
挟持すべくしている。

このサドルフレーム７に図示しないがサドルを
支持するのである。

又図中１２はワツシヤで、上面に前記受体２の
彎曲下面４と同一曲率の摺接面１３を形成し、受
体２の下面４に沿つて移動可能としている。

１４は前記受具６と抑え具１０とを重ね合わせ
た状態で、前記シートポスト体１の受体２上に取
付けるボルトで、先端にねじ１５を形成すると共
に、頭部１６内に操作部１７を形成している。

しかして前記受具６と抑え具１０との中央部
に、該両者の各嵌合溝８，１１の長さ方向中心線
イと直交する垂直線ロに対し、所定角度θで傾斜
する軸線ハをもつ貫通孔１８，１９を形成し、こ
の抑え具１０の貫通孔１９を前記ボルト１４のね
じ１５と螺合するねじ孔とするのである。

そして前記シートポスト体１における受体２の
下面４にワツシヤ１２を摺接させ、このワツシヤ
１２から受体２の貫通孔５を通り、受具６と抑え
具１０の貫通孔１８，１９へとボルト１４を挿通
螺締することにより、前記受具６と抑え具１０と
を重ね合わせ、両者の各嵌合溝８，８，１１，１
１間にサドルフレーム７を挟持するのである。

然してサドルつまりサドルフレーム７の取付角
度を調節する場合には、前記受具６と抑え具１０
とを第１図実線で示す状態下で、ボルト１４を貫
通孔５の範囲で移動させ乍ら、受具６の円弧面９
をシートポスト体１における受体２の受面３に摺
接させて移動し、受具６と抑え具１０つまりサド
ルフレーム７の角度を変更調節するのである。

また前記受具６と抑え具１０とを前記状態と逆
向きに取付けると、その各貫通孔１８，１９は同
図仮想線で示すごとく、前記垂直線ロに対し逆方
向にθ角度だけ移動し、つまり旧位置の軸線ハか
らは２θ角度移動することとなり、従つてこの移
動状態下で前記と同様にして受具６と抑え具１０
との角度を変更調節すると、さらに大きな調節角
度が得られるのである。

以上説明したごとく本考案のサドル支持装置に
よるときには、受具と抑え具とを前後逆向きに転
換可能に支持し、この各位置においてそれぞれ僅
かに角度調節することにより、両者を大きな角度
にわたつて調節できるのであり、従つて従来のご
とく貫通孔を大とすることなく、小さな貫通孔で
所定角度の調節が可能で、これに伴ないシートポ
スト体を必要以上に大とすることなく、該ポスト
体を小となしてその軽量化が可能となつたのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるサドル支持装置の側断
面図、第２図はその背断面図である。 １……シートポスト体、３……受面、５……貫
通孔、６……受具、７……サドルフレーム、８，
１１……嵌合溝、９……円弧面、１０……抑え
具、１４……ボルト、１８，１９……貫通孔、イ
……嵌合溝中心線、ロ……垂直線、ハ……傾斜軸
線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートポスト体の上部に、円弧状の受面を設け
   て、その中央部に貫通孔を形成すると共に、上部
   にサドルフレームを受入れる２本の嵌合溝をも
   ち、下部を、前記受面に嵌合し、かつ、その嵌合
   位置を前後に転換可能とした円弧面をもつサドル
   受具と、下部に前記サドルフレームを前記嵌合溝
   に抑え込む２本の嵌合溝をもつたサドル抑え具と
   を形成して、前記サドル受具とサドル抑え具と
   を、前記各嵌合溝を対向状に重ね合わせて、前記
   受面上に載置する一方、前記サドル受具とサドル
   抑え具とに、前記嵌合溝の長さ方向中心線と直交
   する垂直線に対し傾斜する軸線をもつた貫通孔を
   設け、１本のボルトにより前記サドル受具及びサ
   ドル抑え具を、前記シートポスト体上部に、前記
   軸線を中心として調節可能に締着したことを特徴
   とする自転車におけるサドルの支持装置。