JPH0633873Y2 - ヘツドレストステ−固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ヘッドレストを着脱可能に係止することによ
り、ヘッドレストのシートバックに対する上下方向の調
節を行うヘッドレストステーを、シートバック側に固定
する装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、シートに座る様々な人の後頭部の位置に合わせ、
該後頭部の当接部位となるのヘッドレストを、上下方向
に調節できる差込式のヘッドレストが知られている。

上記ヘッドレストは、特に第９図に示すようなローバツ
クシートタイプに良く採用されており、同図に示す如
く、フォーム材を内蔵し、後頭部の当接部位となるヘッ
ドレスト１は、その車両後方側（第９図においては紙面
に向う側）に配置される丸棒状のヘッドレストステー２
に着脱可能に係止されており、その係止状態を解くこと
により、該ヘッドレスト１はヘッドレストステー２の長
手方向の（第９図における上下方向）に移動し、移動後
再びヘッドレスト１を係止状態にすることにより、ヘッ
ドレスト１は別の高さの位置に固定される。すなわち、
ヘッドレストステー２はヘッドレスト１を、ヘッドレス
トステー２の長手方向の任意の位置または任意の位置の
近傍位置に調節することが可能となっている。このヘッ
ドレストステー２の下部は、それぞれシートバック３の
上端からその内部に渡って備えられているサポートパイ
プ４に挿入されており、該ヘッドレストステー２の挿入
部分は、サポートパイプの内部に設けられている図示し
ない係止機構により係止されている。すなわち、ヘッド
レストステー２はシートバック側に係止された状態とな
っている。

（考案が解決しようとする問題点） 上述の如く、ヘッドレストステー２は、サポートパイプ
４に固着されているわけではなく、係止されているだけ
であり、該係止部サポートパイプ部の１点ということも
あいまって、どうしてもヘッドレストステー２がサポー
トパイプ４内でガタついてしまうという問題点があっ
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するために、ヘッドレストス
テーの下部に切欠部を形成し、前記ヘッドレストステー
の挿入されるシートバック内部に設けられたサポートパ
イプの下方に、前記切欠部に向う方向に弾力を有し、前
記切欠部に係合可能なロックプレートをシートバック内
部に設けたものである。

（作用） 本考案によれば、ロックプレート及びロックプレートに
係合する切欠部は、ヘッドレストステーの、その長手方
向に対する垂直方向の動きを、サポートパイプと共に規
制し得るように働く。

（実施例） 以下本考案の実施例を同図を参照しながら説明する。

第１図は本考案の一実施例を示すヘッドレストステー固
定装置を上下調節ヘッドレスト付ハイバックシート101
に装着した際の側面図であり、図の繁雑さを避けるため
にシートバックは仮想線で示してある。

同図において、上下調節ヘッドレスト付ハイバックシー
ト101のシートバック20の上部の後頭部当接部位20aは、
背もたれとなる部位20bに比べて、シートバック20の高
さ方向にある幅を持って車両後方に向って凹ませられて
おり、該後頭部当接部位20aの、その表面からやや離れ
た位置にはヘッドレスト21が配置されている。このヘッ
ドレスト21は、第２図、第３図に示す如く後方側、つま
りシートバック20側に向って開放されており、その内部
は前面側、すなわち後頭部側の図示しないフォーム材を
除いて、くり貫かれた状態となっている。このフォーム
材には、ヘッドレストブラケット22が埋込み等により固
着されており、該ヘッドレストブラケット22のシートバ
ック20側の両側には、貫通孔を有するガイドブラケット
23がそれぞれ固着され、該貫通孔には図示しない樹脂よ
りなるパイプがそれぞれきつく嵌合されている。このヘ
ッドレストブラケット22とガイドブラケット23とを備え
るヘッドレスト21の、そのガイドブラケット23の上面に
は、ピン24がそれぞれ固植されており、ピン24には、ヘ
ッドレスト21の側部に向う方向（第２図、第３図におけ
る示矢Ａ方向）に弾力を有するねじりばね25がそれぞれ
装着され、ねじりばね25のシートバック20側に向う各端
部には、ヘッドレスト21の両側部にそれぞれ設けられた
開口部に、摺動可能に支持されている各ロックノブ26
の、その内面に一端が固植された細長いロッド27の他端
がそれぞれ係止されている。

そして、上述のガイドブラケット23の貫通孔にきつく嵌
合されている各樹脂パイプには、第４図に示すような上
部に複数の半円柱状の切欠部30aと下部に１個の半円柱
状の切欠部30bとがそれぞれ設けられ、尖鋭なる下端30c
を有する、途中で折れ曲った丸棒状のヘッドレストステ
ー30の上部がそれぞれ緩く挿入されており、ヘッドレス
トステー30同士は第２図に示す如く、中間ステー31によ
り互いに固着されている。

ここで上述の切欠部30aには、第２図、第３図に示す如
く、ねじりばね25のシートバック20側に向う部分部分25
aが嵌り込んでおり、ヘッドレスト21はヘッドレストス
テー30に着脱可能に係止された状態となっている。ここ
で、ピン24とねじりばね25とロックノブ26とロッド27と
ヘッドレストステー30及び切欠部30aによりヘッドレス
ト係止手段100を構成している。

一方、シートバック20の内部には、第１図に示すよう
に、パイプ、鋼板、アルミ板、樹脂等により形成されて
いる。シートバック20の形状を保つ基盤となるシートフ
レーム40が配置されており、本実施例において、パイプ
状に示されている、該シートフレーム40の上部には、第
１図、第６図、第７図に示す如く、シート前方に向かっ
て凸状の鋼板等よりなるフレームブラケット41が溶接ま
たはビス止め等により固着されている。このフレームブ
ラケット41の前方側の上部の両側には、内部に樹脂パイ
プ42を有しているスチールのサポートパイプ43が溶接等
により固着されており、その下方には第１図、第６図、
第７図に示すように、シートバック20の後方側（第１
図、第７図における示矢Ｂ方向）に向って弾力を有する
先端部分50aを、該両側にそれぞれ備えているスチール
よりなるロックプレート50が配置され、サポートパイプ
43と同様に溶接、またはビス止め等によりフレームブラ
ケット41に固着されている。また、第５図に示す如く、
シートバック20の後頭部当接部位20aの表皮20dには、シ
ートバック20の上下方向に若干長いスリット20cが２箇
所切られており、該スリット20c間のピッチは、ヘッド
レストステー30間のピッチに等しくなっている。ここで
前述したヘッドレスト21を係止したヘッドレストステー
30を、シートバック20内に固着するには、まず、ヘッド
レストステー30の尖鋭なる形状の両下端30cをそれぞれ
前述したスリット20cからシートバック20内に侵入さ
せ、スリット20c中のヘッドレストステー30を下方に滑
らせながら、両下端30cを、サポートパイプ43内の樹脂
パイプ42内にそれぞれうまく挿入する。そうして該両下
端30cを降ろしていくと、第１図、第６図に示す如く、
まず両下端30cが尖鋭なために両下端30cが、ロックプレ
ート50両側のシートバック20後方に向って弾力を有する
両先端部分50aをうまく下方に向って通過する。その後
ヘッドレストステー30を下方に降ろすとヘッドレストス
テー30の直径部分が両先端部分50aを弾力に抗する向き
に押し戻しながら通過し、さらにヘッドレストステー30
を下方に押しやると、今度は第４図において説明した切
欠部30bに、先端部分50aが嵌り込むこととなり、ヘッド
レストステー30はロックプレート50、すなわちシートフ
レーム側に対して固着された状態となる。

ここで、切欠部30b及びロックプレート50により本考案
のヘッドレストステー固定装置70を構成している。

このように、ヘッドレスト21を有するヘッドレストステ
ー30のシートフレーム側への固定は、ロックプレート50
及びロックプレート50に係合する切欠部30bにより簡単
になされたのである。そしてヘッドレストステー30は、
サポートパイプ43とロックプレート50との２箇所で、ヘ
ッドレストステー30の長手方向に対する垂直方向への動
きが規制されるので、従来に比べてヘッドレストステー
30のガタつきが極力抑えられることになる。加えて、サ
ポートパイプ43に、従来の係止機構を設ければ、さらに
ガタつきは防止される。

因にサポートパイプ43及びロックプレート50と、シート
バック20の表皮20dとの間には、第７図に示す如く、ウ
レタンウォーム等よりなるパッド60が配置され、人体が
当っても痛くないようになされている。

ところで、上下調節ヘッドレスト付ハイバックシート10
1は、前述の如くヘッドレスト21とヘッドレスト係止手
段100とを備えているので、ヘッドレスト21をシートバ
ックに対して上下方向に移動させる場合には、前述のヘ
ッドレスト21の両側に設けられているロックノブ26を２
個共に押せば良く、そうすると、ロックノブ26に固植さ
れたロッド27が第３図に示すように、示矢Ａとは逆方向
に移動し、ねじりばね25のシートバック側に向う部分25
aを、ねじりばね25の弾力に抗する方向つまり示矢Ａと
は逆方向に移動させるので、該係合部25aがヘッドレス
トステー30に設けられた切欠部30aからはずれることと
なる。そうしてその状態、つまり両側のロックノブ26を
押したままの状態でヘッドレスト21を好みの位置に上下
動して移動させ、その後ロックノブ26から手を離せば、
ねじりばね25の弾力により、ねじりばね25のシートバッ
ク側に向う部分25aが示矢Ａ方向に戻されるので、前記
の部分25aが、別の切欠部分30aに嵌り込み、今度はその
位置でヘッドレスト21が固定されることとなる。

ところで、上記実施例において、ロックプレート50は、
フレームブラケット41に溶接されているが、第８図に示
す如くシートバック20の表皮20dの外方からのビス止め
により、フレームブラケット41に固着しても良い。ま
た、ゴム、樹脂等よりなる、表面にマーク等が設けられ
たデザインプレート90を、前記ビス80によりロックプレ
ート50と共締めし、ワンポイント的なデザインをシート
に与えることも可能である。

また、上記実施例においては、ロックプレート50の先端
部分50aに車両後方側に向う弾力を備えさせ、該方向に
切欠部30bが合致するように構成しているが、先端部分5
0aは、切欠部30bに向う方向に弾力を有していれば、ど
の方向を向いていてもかまわない。

また上記実施例においては、フレームブラケット41をシ
ートフレーム40と、サポートパイプ43及びロックプレー
ト50との間に介しているが、シートフレーム40が鋼板状
であればフレームブラケット41は無くても良い。またロ
ックプレート50を、シートフレーム20の表皮20d外方か
らねじ止めする場合には、ヘッドレストステー30をロッ
クプレート50が装着されるであろう位置より若干下に降
ろしてから、ロックプレート50を装着すること可能であ
り、その場合の前記ヘッドレストステー30の下端部分30
cは尖鋭でなくても良い。

因に、上記実施例におけるスリット20cは、ステー30の
挿入、装着用として機能しており、その上下方向の切口
は短くて済むので、ヘッドレスト21を上下動させても車
両前方から見えない位置に該スリットを設けるのが良
い。

なお、ヘッドレスト係止手段は上記実施例のものに限ら
れるものではなく、要はヘッドレスト21のハイバックシ
ートに対する上下方向の移動の調節を行い得れば、その
構造はどのようなものであっても良い。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、ヘッドレストステーの、
その長手方向に対する垂直方向の動きを、サポートパイ
プとロックプレートとの２箇所で規制するようにしたの
で、ヘッドレストステーのガタつきを極力抑えることが
可能となる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例を示すヘッドレストステー固
定装置を上下調節ヘッドレスト付ハイバックシートに装
着した際の側面図、第２図は同上シートのヘッドレスト
内部を示す斜視図、第３図は第２図の上面図、第４図は
ヘッドレストステーの斜視図、第５図は上下調節ヘッド
レスト付ハイバックシートのシートバックを示す正面
図、第６図は第１図の正面図、第７図は第６図中のＣ−
Ｃ断面図、第８図はロックプレートをデザインプレート
と共締めした際のＣ−Ｃ断面図、第９図は従来技術を示
すローバックシートのヘッドレスト及びシートバックを
示す正面図である。 1,21…ヘッドレスト、2,30…ヘッドレストステー、3,20
…シートバック、4,43…サポートパイプ、20c…スリッ
ト、30b…切欠部、40…シートフレーム、50…ロックプ
レート、70…ヘッドレストステー固定装置、100…ヘッ
ドレスト係止手段、Ｂ…切欠部に向かう方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックのシートフレームに固着した
   一対のサポートパイプと、 前記サポートパイプに挿通された一対のヘッドレストス
   テーと、 前記ヘッドレストステーの上方に、その高さを調節する
   ヘッドレスト係止手段を介して設けられたヘッドレスト
   とを具備したヘッドレストステー固定装置において、 前記各サポートパイプの下方にそれぞれ位置する前記ヘ
   ッドレストステーにそれぞれ形成された切欠部と、 前記シートフレームに設けられ、前記各切欠部に向かう
   方向に弾力を有するロックプレートと、 前記シートバックの上部前面に穿設され、前記ヘッドレ
   ストステーを挿入するための上下方向に長い一対のスリ
   ットとを具備し、 前記サポートパイプ及び前記ロックプレートを前記シー
   トバックの内部に収容し、さらに前記ヘッドレストステ
   ーを前記スリットを介して前記サポートパイプに挿通し
   て、前記ヘッドレストステーを、前記ロックプレートの
   弾力に抗して下方に移動させ、前記切欠部が前記ロック
   プレートと一致したとき、前記ロックプレートが前記各
   切欠部に係合する構成としたことを特徴とするヘッドレ
   ストステー固定装置。