JPS6253585B2 - - Google Patents

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JPS6253585B2
JPS6253585B2 JP52063131A JP6313177A JPS6253585B2 JP S6253585 B2 JPS6253585 B2 JP S6253585B2 JP 52063131 A JP52063131 A JP 52063131A JP 6313177 A JP6313177 A JP 6313177A JP S6253585 B2 JPS6253585 B2 JP S6253585B2
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JP
Japan
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alloy
atomic
thermal expansion
total
less
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JP52063131A
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Inventor
Takeshi Masumoto
Kazuaki Fukamichi
Norio Kikuchi
Shunsuke Arakawa
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DENKI JIKI ZAIRYO KENKYUSHO
TOHOKU DAIGAKU KINZOKU ZAIRYO KENKYU SHOCHO
Original Assignee
DENKI JIKI ZAIRYO KENKYUSHO
TOHOKU DAIGAKU KINZOKU ZAIRYO KENKYU SHOCHO
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は鉄−硼素を基本成分とする低熱膨張係
数非晶質合金とその製造方法に関する。 従来低膨張係数合金として結晶質のインバー
(Ni約36%、Fe約64%)を初めとしてスーパーイ
ンバー(Ni約32%、Co約5%、Fe約63%)やス
テンレスインバー(Co約54%、Cr約9.5%、Fe約
36.5%)が主として用いられている。これらの合
金はキユーリー点(以後Tcと記載)以下で正の
大きな自発体積磁歪をもつために熱膨張係数が一
般の金属の数分の1以下に低下することを利用し
ている。しかるにこれらインバー合金はニツケル
あるいはコバルトを多量に含有し、そのため非常
に高価であるばかりでなく、機械的強度特に引張
強度や硬度が低く、その向上のためには、冷間加
工による加工率を増すなどして使用しなければな
らない難点がある。しかもこの冷間加工によつて
熱膨張係数に異方性が生ずるいわゆるデルタα効
果が発生するなどの不利があり、この点に未解決
の問題が残されていた。 また、従来の結晶質インバー合金は液体窒素温
度までに相変態があるために低温領域ではインバ
ー特性を示さない。一方、Tcが比較的低いため
に100℃以上の高温では良好なインバー特性を示
さなくなるなどの欠点を持つている。 低膨張係数合金としては、前述のインバー系合
金の他にFe−Pd系合金、Fe−Pt合金やCr基合金
などもあり、いずれも膨張係数の点では優れた特
性を示すが、前2者は貴金属を主成分として含有
するため価格が非常に高く、また後者は加工性に
劣るのがそれぞれの欠点である。 一般に低膨張係数合金は主として計測材料、電
磁材料、制御機器材料などとして用いられるた
め、多くの場合細線または薄板状にすることが必
要であるが、現存の結晶質インバー材料は比較的
展延性に富むものの鋳塊から所要厚みの薄板とす
るまでに多段階の加工や熱処理を行なう複雑な製
造工程を必要としている。 本発明は、熱膨張係数が広範な温度範囲内で極
めて低い低熱膨張係数非晶質合金とその製造方法
を提供することを目的とするものであり、原子%
でB8〜30%および下記(イ)乃至(ハ)の群のうちから
選ばれる何れか1群または2群以上を含み、残部
実質的にFeよりなる低熱膨張係数非晶質合金と
その製造方法に関するものである。 (イ) Co,Ni,Pd,Pt,Ru,Rh,Os,Irのうち
から選ばれる何れか1種または2種以上を原子
%で合計20%以下、 (ロ) Cr,V,Mo,W,Ti,Zr,Nb,Ta,Re,
Mnのうちから選ばれる何れか1種または2種
以上を原子%で合計15%以下 (ハ) Ge,P,C,Alの何れか1種または2種以
上を原子%で合計10%以下。 次に本発明を詳細に説明する。 主成分として、鉄、コバルトあるいはニツケル
を、副成分として硼素、炭素、燐、ゲルマニウ
ム、けい素などの半金属を約15〜30原子%含有さ
せることにより非晶質合金となし得ることは既に
知られている。例えばFe−P,Fe−B,Fe−P
−C,Fe−P−B,Fe−Si−B,Fe−Si−P,
Fe−Si−Geなどの多くの組合せを持つ鉄合金の
ほかに、Feと置換して周期律表中第4〜第6周
期の第4〜第7族に属する大部分の金属元素を添
加含有させることによつて非晶質合金となし得る
ことが知られており、またコバルト合金あるいは
ニツケル合金についても鉄合金と同様にして非晶
質合金となし得ることが知られている。本発明者
等は先に非晶質合金について種々の開拓的研究と
発明をなし、またこれと相前後してアメリカ合衆
国アライド・ケミカル・コーポレーシヨンも発明
をなし、それぞれ特許出願がなされている。すな
わち例えば特開昭49−91014号、同49−135820
号、同50−101203号、同50−101215号、同51−
3324号、同51−3312号、同51−4017号、同51−
4018号、同51−4019号、特公昭59−582号等であ
る。しかしながら前記諸出願は何れも非晶質合金
の主として強度、硬度、耐食性、透磁率性、製造
方法等に関するものである。 本発明者等はさらに鉄、ニツケル、コバルトを
主成分とする多くの非晶質合金について研究を続
けたところ、鉄を主成分とし、特定の副成分を含
有する非晶質合金は極めて広範な温度領域で非常
に低い熱膨張係数を有することを新規に知見して
本発明を完成するに至つた。 次に本発明の非晶質合金の製造方法について説
明する。 本発明成分組成を有する合金溶湯を溶融状態よ
り少なくとも104℃/秒の冷却速度で超急冷して
非晶質化することにより、熱膨張係数が小さく、
強度および硬度の高い非晶質合金の薄板または線
を製造することができる。前記超急冷は104℃/
秒未満では完全に非晶質化することができないの
で、少なくとも104℃/秒以上の冷却速度で行な
う必要がある。 前記溶融状態より超急冷して非晶質化するに
は、例えば第1図に概略を示す如き装置を用いる
ことができる。図において1は下方先端に鉛直方
向に噴出するノズル2を有する石英管で、その中
には原料合金3が装入され溶解される。4は原料
合金3を加熱するための加熱炉であり、5はモー
ター6により高速度例えば6000r.p.m.で回転する
回転円板で、この円板は回転を安定にし、冷却効
果を大とするために比較的重量の大きい熱伝導性
の高い金属、例えば鉄材料あるいは銅材料製を好
適に使用することができる。 原料合金は、まず石英管1の装入口1aより流
体搬送管により装入され、加熱炉4aの位置で加
熱溶解され、ついでノズル2が回転円板5の円周
端の法線となす角度が60゜〜90゜となるような位
置に下降され、同時に溶融合金3にガス圧が加え
られて、合金が回転円板の一端に向つて噴出され
る。石英管内部は合金3の酸化を防ぐために絶え
ず不活性ガス、例えばアルゴンガス7を装入し、
不活性雰囲気としておくものとする。回転円板の
一端に噴出された合金は瞬間的接触により超急冷
されて非晶質合金となり高速回転による遠心力の
ため次々と連続的に円板表面から離れて長大な合
金が得られる。 このようにして、例えば厚さ30μm、巾10mm、
長さ数10m程度のリボン薄板状の本発明の非晶質
合金を製造することができる。 さらにまた必要により本発明の溶融状態の合金
を超急冷することによつて非晶質化した合金を結
晶化温度未満の温度で焼鈍した後、急冷あるいは
徐冷することによつても本発明の低膨張係数非晶
質合金を得ることができる。この場合焼鈍雰囲気
は非酸化性あるいは真空中で行なうことは有利で
ある。 前記本発明の合金の結晶化温度はその成分組成
によつて異なるが、大凡200〜450℃の範囲内にあ
り、結晶化温度以上の温度で焼鈍すると結晶化し
てFe2B,FeBなどの化合物を晶出し、熱膨張係
数は急激に増大する。前記焼鈍ならびにそれに続
く急冷あるいは徐冷は急冷凝固時の歪を除去さ
せ、熱膨張特性を安定化させる効果があり、この
ような熱処理は特に100℃乃至結晶化温度未満の
温度範囲に1分乃至500時間保持することにより
さらに優れた熱膨張特性を有する本発明の合金を
得ることができる。 次に本発明の合金を研究データに基いて説明す
る。 先ず、本発明の合金の熱処理と熱膨張特性との
関係について説明する。 例えばFe83%、B16%、Co1%よりなる本発明
のFe−B系非晶質合金(以下合金成分組成の表
示を簡略にするためFeB16Co1の如く記載する)
のリボン状試料を用いて種々の熱処理をそれぞれ
施した後、熱膨張係数を測定し、さらに引張強
度、硬度などを調べた。第1表に熱膨張係数の結
果を示す。
【表】 同表中時に合金番号1−4は250℃の真空中で
5時間加熱後徐冷したものであり、室温付近(0
℃〜50℃)の熱膨張係数が0.25×10-6の優秀な特
性と共に引張強度320Kg/mm2、ビツカース硬度
(Hv)870という高い値を有するに至る。 第2図は、FeB16Co2の成分組成の合金(第2
表合金番号3)を超急冷しつつリボン状とした
後、熱膨張係数を低温から結晶化温度以上まで測
定した結果を示す図である。図中超急冷状態の合
金を結晶化温度以上まで加熱した曲線をで示
し、結晶化温度以上から冷却した曲線をで示
し、結晶化温度以前から冷却した曲線をで示
す。急冷状態の室温付近の熱膨張係数は+0.20×
10-6であり、Tc付近で異常に膨張する。また結
晶化によつてその値は15×10-6とさらに増大す
る。また結晶化温度直前から空冷した合金の曲線
は急冷合金の曲線と類似し、熱膨張係数は若干上
回つて+0.23×10-6となる程度である。したがつ
て、この温度範囲内での加熱冷却によつて熱膨張
は実用上は全く可逆変化をするとみなすことがで
きる。 第3図に示す如く、Fe−B合金の熱膨張係数
はB量に対して負から正まで広い範囲で変化する
ので、用途によつて任意の膨張係数をもつ合金を
得ることができる。 しかしながらFe−B系2元合金は、優れたイ
ンバー特性を示すにも拘らず、小さい熱膨張係数
を示す組成範囲が狭いこと、空気中に放置するの
みで酸化する程耐食性に劣ることなど実用上の不
利がある。これらの欠点は第3元素を少量添加す
ることにより悉く改善される。 第4図はFe−B合金中のBを2原子%の第3
元素で置換し、250℃×5hrの焼鈍を施した試料
(第2表中合金番号3,14,16,19,24)の熱膨
張率を温度に対して示す図である。なお、比較の
ため、従来の結晶質鉄、およびFe−Niインバー
も一緒に示す。低熱膨張係数は種々の第3元素を
添加した場合でも巾広い温度範囲内で安定して得
られ、同図および第2表最下段に示す従来品に比
べて熱膨張係数が小さいことがわかる。また、第
2表にみるごとく強度および硬度が従来品に比べ
はるかに高いことも特徴である。
【表】
【表】 以上第2表合金番号3,14,16,19,24の本発
明の合金についてその特性の研究結果を述べた
が、これらの特性の傾向は本発明のすべての合金
に共通している。 さらにFe−B合金中のBを15%と一定にし、
Feを特許請求の範囲第4項記載の(イ)乃至(ハ)の群
の各種第3元素でそれぞれ置換した場合の室温
(0〜40℃)における熱膨張係数と各添加元素濃
度との関係を測定した。第5図に代表例として
Co,NiおよびPdを0〜20%まで、Nb,Tiおよび
Mnを15%まで変えた場合に対する結果を示す。
熱膨張係数は各添加元素によつてそれぞれ異なる
が、いずれの場合も本発明の合金の濃度範囲で熱
膨張係数の値は−8×10-6〜+8×10-6の間で変
化し、とくに常温附近で優れたインバー特性を示
すことが判る。 次に、本発明の合金の成分組成範囲を限定する
理由を述べる。 Bは合金組織の非晶質化に必要な元素であり、
かつ強度の増大に寄与する元素であるが、原子%
で8%より少なくまたは30%より多いときは非晶
質化が困難で脆化し、熱膨張係数が+8×10-6
上、あるいは−8×10-6以下になりインバー材料
に適さないので、8〜30原子%にする必要があ
る。 Siの組成範囲を10原子%以下に限定する理由
は、Siは非晶質化に必須の元素であり、Siが10原
子%以下であるときは熱膨張係数を低くすること
に効果があるが、Siが10原子%より多くなるか、
前記(イ),(ロ),(ハ)の群から選ばれる何れか1群また
は2群以上との合計の原子%が20%を越える場合
には熱膨張係数が大きくなるので、Siは10原子%
以下及び前記(イ),(ロ),(ハ)の元素の合計で20原子%
以下にする必要がある。 周期律表の第8族遷移金属元素のCo,Ni,
Pd,Pt,Ru,Rh,Os,Irは共に合金を非晶質化
させ易い元素であるが、これらのうちから選ばれ
る1種または2種以上が合計で20%を越える場合
には熱膨張係数を増大させるので20%以下にする
必要がある。 周期律表の第4〜第7族金属元素のCr,V,
Mo,W,Ti,Zr,Nb,Ta,Re,Mnのうちから
選ばれる1種または2種以上を合計で15%より多
くすると合金の非晶質化が困難となるので15%以
下にする必要がある。 Ge,P,C,Alは合金組織の非晶質化を助長
するがこれらのうちから選ばれる何れか1種また
は2種以上が合計で10%より多くなると熱膨張係
数が大きくなるので10%以下にする必要がある。 本発明の特許請求の範囲第4項記載の低熱膨張
係数非晶質合金において(イ)乃至(ハ)群のうちから選
ばれる何れか2群以上を合計で20%より多くする
と熱膨張係数が著しく増大するので、20%以下に
する必要がある。 本発明の特許請求の範囲第1項記載の低熱膨張
係数非晶質合金において(イ)乃至(ハ)に記載した添加
元素はいずれも合金のTcを下げ、かつ合金の低
熱膨張特性を損なわない共通の性質があるので、
前記限定組成内での相互置換をすることができ
る。 次に本発明を第3表記載の実施例について説明
する。 実施例 1 第2表合金番号6のFeB15Co5の成分組成の非
晶質合金にそれぞれ種々の熱処理を施して得た結
果を第2表および第3表により説明する。
【表】
【表】 同表中例えば番号3−3によれば200℃の真空
中で2時間加熱後徐冷したものは室温付近の熱膨
張係数3.09×10-6、引張強度310Kg/mm2、ビツカ
ース強度(Hv)880であり優れた計測材料である
ことが判る。 実施例 2 第2表中合金番号17のFeB15Ti5の成分組成の
非晶質合金にそれぞれ種々の熱処理を施して得た
結果を第2表および第4表により説明する。
【表】
【表】 同表中例えば番号4−4によれば250℃の真空
中で5時間加熱後徐冷したものは室温付近の熱膨
張係数2.67×10-6、引張強度280Kg/mm2、ビツカ
ース硬度(Hv)850であり優れた計測材料である
ことが判る。 実施例 3 バイメタルにおける湾曲係数Kは次式で与えら
れる。 K=3/4(α−α) ここで、α,αは張り合せ合金のそれぞれ
の熱膨張係数である。Kが大きければ当然、バイ
メタルの変位が大きく、感度がよいことになる。
従つて、低膨張側合金の熱膨張係数が小さい程優
れたバイメタルとなる。本発明による低膨張係数
非晶質合金は全てバイメタルとして使用できる
が、特にFeB12〜16X1〜4と記載される合金が最も
適する合金である。ここで、Xは本発明合金中の
Fe,B以外の添加元素郡である。 下記第5表にバイメタルの低膨張側合金に適す
る合金の数例を示す。
【表】
【表】 実施例 4 超音波遅延線における遅延時間の温度係数tは
次式で与えられる。 t=−1/2(α+e) ここでαは熱膨張係数、eは弾性定数の温度係
数である。したがつて優れた遅延時間の温度係数
を得るためには、遅延線のαとeが吟味されなけ
ればならない。 本発明の低熱膨張係数非晶質合金のeは熱処理
により制御でき、ほとんど零にすることができる
ので、αが小さいFeB12〜16X1〜10と記載される
合金が遅延線として適している。ここでXは本発
明合金中のFe,B以外の添加元素群である。下
記第6表及び第7表に超音波遅延線に適した合金
の数例を示す。
【表】
【表】 実施例 5 光の波長はきわめて短かく、従つて、光学系計
測機器においては、熱膨張は嫌われる。そこで、
極めて、熱膨張係数αの小さい合金が要求され
る。それに適した合金はFeB15〜16、または
FeB13〜15X1〜3と記載される合金である。ここ
に、Xは本発明合金中のFe,B以外の添加元素
群である。下記第8表にそれらの中から高精度を
要する計測機器、光学系部品に適するスパツター
合金膜の熱膨張係数の数例を示す。
【表】 前記実施例1〜5ならびに第2表の本発明合金
において見られた優秀な低膨張係数は前述した如
く非晶質合金が大きな正の自発体積磁歪をもつこ
とにより現われるものである。 既に説明した本発明の合金と共に、その他の成
分組成を有する本発明の合金の熱膨張、引張強度
および硬度を従来品と比較して第2表に併記す
る。第2表より明らかな如く本発明合金の低膨張
特性は従来品と同等以上の特性であり、かつ引張
強度および硬度は従来品のそれぞれ6倍および4
倍以上になつている。 以上本発明合金の研究データならびに実施例か
ら判る如く本発明の非晶質合金において、低熱膨
張係数が得られる温度領域は均−195℃から約300
℃までであるが、これに対し現用インバー合金に
あつては低熱膨張係数が得られる温度領域は常温
附近を中心として約100℃であるのに比べて、本
発明の非晶質合金の温度領域は非常に広範であ
り、かかる広範な温度領域で−8×10-6〜+8×
10-6という小さな熱膨張係数を有する合金は従来
全く知られていなかつた。 本発明の非晶質合金はまた結晶化温度が高く、
強度および硬度が大であり、かつ加工や張力を加
えても前記特性は一定で殆んど不変であり、すな
わち外部応力に対して不感性である。さらに本発
明の合金は製造される際に非晶質化するため少な
くとも104℃/秒以上の冷却速度で超急冷される
必要があり、したがつて長大薄板状で容易に得ら
れる点からして切断、打抜きなど機械加工が容易
であることは、従来の製造工程の複雑なインバー
合金に比し本発明合金を使用する点で極めて有利
である。 本発明の急冷状態の非晶質合金は低温焼鈍によ
つてその熱膨張特性がさらに改善されると共に、
繰返しの加熱冷却に対してその性質が安定化し、
0×10-6の係数をもつものをも得ることができ
る。 以上本発明の合金は精密計測材料、電磁気材
料、制御機器材料などとして非常に好適に使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の合金を溶融状態から超急冷す
るのに用いられる装置の1例を示す概略図、第2
図はFe−B−Co非晶質合金の熱膨張と温度との
関係を示す図、第3図はFe−B非晶質合金の熱
膨張係数とB濃度との関係を示す図、第4図は
Fe−B基3元系非晶質合金の熱膨張と温度との
関係を示す図、第5図はFeB15基3元系非晶質合
金の熱膨張係数と添加元素の量との関係を示す図
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子%でB8〜30%と、下記(イ),(ロ),(ハ)の群
    のうちから選ばれる何れか1群または2群以上を
    原子%で合計20%以下とを含み残部実質的にFe
    よりなる熱膨張係数が−8×10-6〜+8×10-6
    範囲内である低熱膨張係数非晶質合金。 (イ) Co,Ni,Pd,Pt,Ru,Rh,Os,Irのうち
    から選ばれる何れか1種または2種以上を原子
    %で合計20%以下、 (ロ) Cr,V,Mo,W,Ti,Zr,Nb,Ta,Re,
    Mnのうちから選ばれる何れか1種または2種
    以上を原子%で合計15%以下、 (ハ) Ge,P,C,Alのうちから選ばれる何れか
    1種または2種以上を原子%で合計10%以下。 2 原子%でB8〜30%と、下記(イ),(ロ),(ハ)の群
    のうちから選ばれる何れか1群または2群以上を
    原子%で合計20%以下と副成分としてSiを原子%
    で10%以下(但し下記(イ),(ロ),(ハ)の群から選ばれ
    る何れか1群または2群以上との合計の原子%が
    20%以下)を含み残部実質的にFeよりなる熱膨
    張係数が−8×10-6〜+8×10-6の範囲内である
    低熱膨張係数非晶質合金。 (イ) Co,Ni,Pd,Pt,Ru,Rh,Os,Irのうち
    から選ばれる何れか1種または2種以上を原子
    %で合計20%以下、 (ロ) Cr,V,Mo,W,Ti,Zr,Nb,Ta,Re,
    Mnのうちから選ばれる何れか1種または2種
    以上を原子%で合計15%以下、 (ハ) Ge,P,C,Alのうちから選ばれる何れか
    1種または2種以上を原子%で合計10%以下。 3 原子%でB8〜30%および下記(イ)乃至(ハ)の群
    のうちから選ばれる何れか1群または2群以上を
    原子%で合金20%以下とを含み残部実質的にFe
    よりなる合金溶湯を少くとも104℃/秒以上の冷
    却速度で超急冷して非晶質となし、前記非晶質合
    金の熱膨張係数が−8×10-6〜+8×10-6の範囲
    内である低熱膨張係数非晶質合金の製造方法。 (イ) Co,Ni,Pd,Pt,Ru,Rh,Os,Irのうち
    から選ばれる何れか1種または2種以上を原子
    %で合計20%以下、 (ロ) Cr,V,Mo,W,Ti,Zr,Nb,Ta,Re,
    Mnのうちから選ばれる何れか1種または2種
    以上を原子%で合計15%以下、 (ハ) Ge,P,C,Alのうちから選ばれる何れか
    1種または2種以上を原子%で合計10%以下。 4 原子%でB8〜30%および下記(イ)乃至(ハ)の群
    のうちから選ばれる何れか1群または2群以上を
    原子%で合計20%以下とを含み残部実質的にFe
    よりなる合金溶湯を少くとも104℃/秒以上の冷
    却速度で超急冷して非晶質となす工程とさらに、
    前記非晶質合金をこの合金の結晶化温度未満の温
    度に加熱した後冷却する工程とよりなる熱膨張係
    数が−8×10-6〜+8×10-6の範囲内である低熱
    膨張係数非晶質合金の製造方法。 (イ) Co,Ni,Pd,Pt,Ru,Rh,Os,Irのうち
    から選ばれる何れか1種または2種以上を原子
    %で合計20%以下、 (ロ) Cr,V,Mo,W,Ti,Zr,Nb,Ta,Re,
    Mnのうちから選ばれる何れか1種または2種
    以上を原子%で合計15%以下、 (ハ) Ge,P,C,Alのうちから選ばれる何れか
    1種または2種以上を原子%で合計10%以下。
JP6313177A 1977-05-30 1977-05-30 Production of noncrystalline alloy with low thermal expansion coefficiency Granted JPS53147604A (en)

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