JPS6253574B2 - - Google Patents
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- JPS6253574B2 JPS6253574B2 JP57205831A JP20583182A JPS6253574B2 JP S6253574 B2 JPS6253574 B2 JP S6253574B2 JP 57205831 A JP57205831 A JP 57205831A JP 20583182 A JP20583182 A JP 20583182A JP S6253574 B2 JPS6253574 B2 JP S6253574B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/12—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
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- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
Description
本発明は鉄損の低い薄物一方向性電磁鋼板を製
造するための仕上げ焼鈍方法に関するものであ
る。 一方向性電磁鋼板は軟磁性材料として主にトラ
ンスその他の電気機器の鉄心材料として使用され
るもので特に鉄損特性が良好でなくてはならな
い。 一方向性電磁鋼板の鉄損特性を左右する要因と
しては結晶方位の他に結晶粒度、鋼板の電気抵抗
及び板厚等があげられる。 従来からこれら要因を理想的な方向に近づける
ための研究が行なわれて来ており、現在では板厚
0.30mmで800AT/mにおける磁束密度B8=1.94
(T)(テスラー)、1.7(T)、50Hz(ヘルツ)に
おける鉄損W〓〓=0.97W/Kg程度のものまで工
業的に製造することが可能になつて来ているが、
更に鉄損の低い材料を得るには製品板厚の薄い材
料を安定に製造する技術が必要になつて来る。 本発明の目的は鉄損の低い薄物一方向性電磁鋼
板の製造方法を提供せんとするものである。 一方向性電磁鋼板は2次再結晶現象を利用して
圧延板に(110)面、圧延方向に<001>軸をもつ
たいわゆるGoss組織と称される2次再結晶粒を
発達させることによつて得られる。この2次再結
晶粒を発達させるためには仕上げ焼鈍昇温過程の
2次再結晶温度域までは、1次再結晶粒の成長を
抑制するいわゆるインヒビターが必要である。現
在工業的に利用されているインヒビターとしては
AlN,MnS,MnSe,BN等があるがこれらインヒ
ビターとしての条件は微細に析出分散ししかも一
定の温度域まで溶解せずサイズ変化を起さない事
が重要である。加えて高温の純化過程においては
これが分解し鋼中から消失する事が大切である。 この様なインヒビターを得るには溶解時の成分
及び成分調整はもとより、後工程の条件を厳密に
制御することが重要である。特に仕上げ焼鈍は2
次再結晶組織を発達させる工程であるため昇温速
度、雰囲気ガス等のわずかな変化が磁気特性に大
きく影響して来る。これは昇温過程において鋼板
中のインヒビターの析出状態に変化をきたすから
である。例えばMnS或いはAlnをインヒビターと
した材料を仕上げ焼鈍する場合、その雰囲気ガス
にH2とN2の混合ガスを使用するとN2の含有量の
違いによつて窒化(N2含有量大)或いは脱窒、
脱硫(N2含有量小)現象を起こしAlN,MnSの析
出状態に変化を起し、ひいては仕上げ焼鈍後の磁
気特性が大きく変つてくる。 第1図はAlを含む3%珪素鋼板(板厚0.23mm)
の仕上げ焼鈍昇温過程における雰囲気ガスの違い
によるAlNの変化を示したものである。図から判
る様にN2(25%)+H2(75%)混合ガスを使用し
た(a)では焼鈍温度が高くなるにつれAlNの量は増
えてくる。この様な場合は2次再結晶粒は安定に
発達するが磁気特性としては好ましい方向ではな
い。逆に水素ガスのみで焼鈍した(b)ではAlNが減
少してくる。これは脱窒現象によるもので、この
様な場合は2次再結晶粒の発達は不安定になつて
くる。 磁気的に非常に優れた材料が得られる条件は
AlN,MnSの量及び析出サイズが脱炭焼鈍後と2
次再結晶開始近傍の温度とでほとんど変らない状
態にあることである。 この様な状態を得るために本発明者等は特開昭
57−47830号公報においてH2ガス中に微量のO2を
添加する方法を提案した。しかしながら鋼板板厚
が薄くなつてくるとこの方法だけでは効果が弱く
2次再結晶粒の発達が悪くなつてくる事が判つ
た。そこで板厚0.27mm〜0.15mmの鋼板についてH2
+O2をベースに微量のN2と微量のH2Sを単独ある
いは複合で添加して実験を行なつた結果非常に特
性の優れた一方向性電磁鋼板が安定して得られる
事が判つた。 以下その詳細について述べる。 本発明の方法はS化合物、あるいはN化合物を
インヒビターとした電磁鋼材料に適しているがこ
こでは主としてAlN+MnSを利用し一回圧延法で
処理される電磁鋼材料について述べる。 本発明に用いた素材はSi2.5〜4.0%、酸可溶性
Al0.010〜0.05%の他にC0.035〜0.100%、
Mn0.030〜0.20%、S0.005〜0.050%を含む珪素鋼
塊あるいは連鋳スラブであり、夫自体公知の方法
で熱延板とした後、1200℃以下、好ましくは1000
〜1150℃で30分以内の焼鈍、及び1050℃以下、好
ましくは850〜1050℃からの急冷工程より成る熱
延板焼鈍、急冷工程にかけ、ついで圧下率80〜95
%の冷延工程により成品板厚とした後、自体公知
の方法により脱炭焼鈍をする。かくして得られた
脱炭焼鈍板は、焼鈍分離剤を塗布後仕上げ焼鈍さ
れるが、この焼鈍にあたり次の条件を充すことを
必要とする。 雰囲気ガスはH2ガスに50〜1000ppmのO2ガス
と更に1〜10%のN2を添加した混合ガスを使用
する。必要に応じてこれにH2Sを10〜1000ppm添
加する。この雰囲気ガスは昇温過程、特に2次再
結晶完了温度まで必要であり、1100℃以上の純化
過程においてはH2単独あるいはH2+O2にする必
要がある。 なお、焼鈍分離剤としてはMgOにTiO2を添加
したもの等既に知られたものを用いることができ
る。 本発明において上記の如く成分条件、焼鈍条件
等を定めた理由について以下に説明する。 まず出発素材の化学成分であるが、Siは2.5%
より少ないと電気抵抗が小さく渦電流損失が大き
くなり、また4%を超すと冷間圧延性が劣化する
ので、2.5〜4.0%と限定した。 Alは鋼中に含まれるNと結合してAlNの微細析
出物を形成し、強力なインヒビターとして働く。
とくに一回圧延法において2次再結晶粒を十分発
達させるには0.01〜0.05%の範囲の酸可溶性Alが
必要である。 Cは熱延組織を適正なものにし、ひいては脱炭
焼鈍後の1次再結晶粒を整粒化し、2次再結晶粒
を安定に発達させるために必要な元素である。こ
のC量は製品板厚が薄くなる程高めていく事が好
ましいが適量範囲は0.035〜0.100%である。 Mn,SはMnS分散析出相を形成し、インヒビ
ター効果を増進する。 Snは、0.03〜0.5%の範囲で添加することによ
り、B8を劣化させることなく二次再結晶粒を小
粒化する効果がある。 上記の成分を有する鋼塊あるいは連鋳スラブは
熱延により熱延板とされる。熱延加熱温度は1200
℃以上で行なわれるが、望ましくは1250℃以上が
好ましい。熱延板は1200℃以下、好ましくは1000
〜1150℃で30分以内の焼鈍をし、次いで850〜
1050℃から急冷する。上記熱延板焼鈍、急冷処理
工程は鋼板を焼鈍と急冷処理することによつて微
細なAlN析出物を形成させるために行なわれる。
従つて、焼鈍温度はAlNの析出量を確保するため
に1000〜1200℃の温度が必要となる。冷却速度は
AlNの適切な量を確保する範囲で行なわれる必要
がある。例えば950℃から室温まで冷却するに要
する時間は30〜60秒程度が有利である。 前記した急冷処理によつて冷却された熱延板は
酸洗後、圧延率80%以上の強冷延によつて成品板
厚とされる。成品板厚とされた鋼板に1次再結晶
を兼ねて脱炭焼鈍を施す。脱炭条件は公知のいず
れの方法でもよいが通常800〜900℃、露点+30℃
〜+70℃の湿水素ガスあるいは水素と窒素の混合
ガス中で2〜3分間焼鈍される。 次に本発明の最も重要な構成要件であるところ
の2次再結晶と不純物の除去を目的とする仕上げ
焼鈍の雰囲気ガスについて述べる。前記した様に
MnS及びAlNを主インヒビターとした電磁材料で
は、仕上げ焼鈍前の析出状態を2次再結晶温度域
までほとんど変化なく保つような焼鈍条件を採用
することにより優れた磁気特性を得ることができ
る。 H2ガス中に微量のO2を添加することはこうし
た条件を得るために有効な方法であるが、鋼板の
板厚が本発明が対象とする鋼板の如く薄くなつて
くるとO2添加のみでは困難になつてくる。 本発明はかかる困難性を排除するためにO2の
ほかに1〜10%のN2ガス及び必要に応じて10〜
1000ppmのH2Sを添加するものである。この場合
O2の添加量は50〜1000ppmである。 第2図は雰囲気ガスと鋼板板厚と2次再結晶発
生率の関係を示したものである。図から判る様に
H2単独(a)、H2+O2(b)の場合は、鋼板板厚が薄く
なる程2次再結晶率は劣化するが、H2単独より
O2を添加したものの方が2次再結晶の発生率は
良くなつている。このO2の効果が現われる量は
50ppm以上である。またO2が1000ppmを超える
と鋼板表面層に形成される表面被膜が劣化してく
る。こうした理由からO2の量は50〜1000ppmと
した。第2図cはbにN2:8%を添加した結果
である。N2ガスを1〜10%とした理由は1%未
満では2次再結晶発生への効果が弱く、一方10%
を超すと2次再結晶は安定するが製品の磁気特性
は劣つてくる。N2の添加量は鋼板板厚によつて
変える必要がある。つまり板厚が厚い場合は添加
量は少なくてもよいが、板厚が薄くなつてくると
N量を増加してやる必要がある。 次にH2Sであるがこれは結晶の方向性の向上に
役立つもので、特に素材成分のSの含有量が
0.025%以下の材料に適用するとより効果的であ
る。この添加量は10ppm未満では効果がなく一
方1000ppmを超える必要はない。H2Sの添加量が
増加すると表面被膜の面から不利になつてくる。 本発明を実施例にもとづいて説明する。 実施例 1 C0.060%、Si3.00%、Mn0.075%、S0.026%、
Sol Al0.027%、N0.0080%を含む電磁鋼連続鋳造
スラブを熱延し、2.0mm厚みの熱延板とした。こ
の熱延板に1120℃、2分間の焼鈍を施し、次いで
冷間圧延を行ない、0.23mm厚の冷延鋼板に仕上
げ、次いで850℃、2分間の脱炭焼鈍をH275%、
N225%の混合ガス(露点63℃)雰囲気中で施し
た。かくして脱炭焼鈍された冷延鋼板に、MgO
中にTiO25%添加してなる焼鈍分離剤を塗布し、
次の3通りの条件で仕上げ焼鈍を施した。 なお1200℃での純化焼鈍はH2中で行なつた。
造するための仕上げ焼鈍方法に関するものであ
る。 一方向性電磁鋼板は軟磁性材料として主にトラ
ンスその他の電気機器の鉄心材料として使用され
るもので特に鉄損特性が良好でなくてはならな
い。 一方向性電磁鋼板の鉄損特性を左右する要因と
しては結晶方位の他に結晶粒度、鋼板の電気抵抗
及び板厚等があげられる。 従来からこれら要因を理想的な方向に近づける
ための研究が行なわれて来ており、現在では板厚
0.30mmで800AT/mにおける磁束密度B8=1.94
(T)(テスラー)、1.7(T)、50Hz(ヘルツ)に
おける鉄損W〓〓=0.97W/Kg程度のものまで工
業的に製造することが可能になつて来ているが、
更に鉄損の低い材料を得るには製品板厚の薄い材
料を安定に製造する技術が必要になつて来る。 本発明の目的は鉄損の低い薄物一方向性電磁鋼
板の製造方法を提供せんとするものである。 一方向性電磁鋼板は2次再結晶現象を利用して
圧延板に(110)面、圧延方向に<001>軸をもつ
たいわゆるGoss組織と称される2次再結晶粒を
発達させることによつて得られる。この2次再結
晶粒を発達させるためには仕上げ焼鈍昇温過程の
2次再結晶温度域までは、1次再結晶粒の成長を
抑制するいわゆるインヒビターが必要である。現
在工業的に利用されているインヒビターとしては
AlN,MnS,MnSe,BN等があるがこれらインヒ
ビターとしての条件は微細に析出分散ししかも一
定の温度域まで溶解せずサイズ変化を起さない事
が重要である。加えて高温の純化過程においては
これが分解し鋼中から消失する事が大切である。 この様なインヒビターを得るには溶解時の成分
及び成分調整はもとより、後工程の条件を厳密に
制御することが重要である。特に仕上げ焼鈍は2
次再結晶組織を発達させる工程であるため昇温速
度、雰囲気ガス等のわずかな変化が磁気特性に大
きく影響して来る。これは昇温過程において鋼板
中のインヒビターの析出状態に変化をきたすから
である。例えばMnS或いはAlnをインヒビターと
した材料を仕上げ焼鈍する場合、その雰囲気ガス
にH2とN2の混合ガスを使用するとN2の含有量の
違いによつて窒化(N2含有量大)或いは脱窒、
脱硫(N2含有量小)現象を起こしAlN,MnSの析
出状態に変化を起し、ひいては仕上げ焼鈍後の磁
気特性が大きく変つてくる。 第1図はAlを含む3%珪素鋼板(板厚0.23mm)
の仕上げ焼鈍昇温過程における雰囲気ガスの違い
によるAlNの変化を示したものである。図から判
る様にN2(25%)+H2(75%)混合ガスを使用し
た(a)では焼鈍温度が高くなるにつれAlNの量は増
えてくる。この様な場合は2次再結晶粒は安定に
発達するが磁気特性としては好ましい方向ではな
い。逆に水素ガスのみで焼鈍した(b)ではAlNが減
少してくる。これは脱窒現象によるもので、この
様な場合は2次再結晶粒の発達は不安定になつて
くる。 磁気的に非常に優れた材料が得られる条件は
AlN,MnSの量及び析出サイズが脱炭焼鈍後と2
次再結晶開始近傍の温度とでほとんど変らない状
態にあることである。 この様な状態を得るために本発明者等は特開昭
57−47830号公報においてH2ガス中に微量のO2を
添加する方法を提案した。しかしながら鋼板板厚
が薄くなつてくるとこの方法だけでは効果が弱く
2次再結晶粒の発達が悪くなつてくる事が判つ
た。そこで板厚0.27mm〜0.15mmの鋼板についてH2
+O2をベースに微量のN2と微量のH2Sを単独ある
いは複合で添加して実験を行なつた結果非常に特
性の優れた一方向性電磁鋼板が安定して得られる
事が判つた。 以下その詳細について述べる。 本発明の方法はS化合物、あるいはN化合物を
インヒビターとした電磁鋼材料に適しているがこ
こでは主としてAlN+MnSを利用し一回圧延法で
処理される電磁鋼材料について述べる。 本発明に用いた素材はSi2.5〜4.0%、酸可溶性
Al0.010〜0.05%の他にC0.035〜0.100%、
Mn0.030〜0.20%、S0.005〜0.050%を含む珪素鋼
塊あるいは連鋳スラブであり、夫自体公知の方法
で熱延板とした後、1200℃以下、好ましくは1000
〜1150℃で30分以内の焼鈍、及び1050℃以下、好
ましくは850〜1050℃からの急冷工程より成る熱
延板焼鈍、急冷工程にかけ、ついで圧下率80〜95
%の冷延工程により成品板厚とした後、自体公知
の方法により脱炭焼鈍をする。かくして得られた
脱炭焼鈍板は、焼鈍分離剤を塗布後仕上げ焼鈍さ
れるが、この焼鈍にあたり次の条件を充すことを
必要とする。 雰囲気ガスはH2ガスに50〜1000ppmのO2ガス
と更に1〜10%のN2を添加した混合ガスを使用
する。必要に応じてこれにH2Sを10〜1000ppm添
加する。この雰囲気ガスは昇温過程、特に2次再
結晶完了温度まで必要であり、1100℃以上の純化
過程においてはH2単独あるいはH2+O2にする必
要がある。 なお、焼鈍分離剤としてはMgOにTiO2を添加
したもの等既に知られたものを用いることができ
る。 本発明において上記の如く成分条件、焼鈍条件
等を定めた理由について以下に説明する。 まず出発素材の化学成分であるが、Siは2.5%
より少ないと電気抵抗が小さく渦電流損失が大き
くなり、また4%を超すと冷間圧延性が劣化する
ので、2.5〜4.0%と限定した。 Alは鋼中に含まれるNと結合してAlNの微細析
出物を形成し、強力なインヒビターとして働く。
とくに一回圧延法において2次再結晶粒を十分発
達させるには0.01〜0.05%の範囲の酸可溶性Alが
必要である。 Cは熱延組織を適正なものにし、ひいては脱炭
焼鈍後の1次再結晶粒を整粒化し、2次再結晶粒
を安定に発達させるために必要な元素である。こ
のC量は製品板厚が薄くなる程高めていく事が好
ましいが適量範囲は0.035〜0.100%である。 Mn,SはMnS分散析出相を形成し、インヒビ
ター効果を増進する。 Snは、0.03〜0.5%の範囲で添加することによ
り、B8を劣化させることなく二次再結晶粒を小
粒化する効果がある。 上記の成分を有する鋼塊あるいは連鋳スラブは
熱延により熱延板とされる。熱延加熱温度は1200
℃以上で行なわれるが、望ましくは1250℃以上が
好ましい。熱延板は1200℃以下、好ましくは1000
〜1150℃で30分以内の焼鈍をし、次いで850〜
1050℃から急冷する。上記熱延板焼鈍、急冷処理
工程は鋼板を焼鈍と急冷処理することによつて微
細なAlN析出物を形成させるために行なわれる。
従つて、焼鈍温度はAlNの析出量を確保するため
に1000〜1200℃の温度が必要となる。冷却速度は
AlNの適切な量を確保する範囲で行なわれる必要
がある。例えば950℃から室温まで冷却するに要
する時間は30〜60秒程度が有利である。 前記した急冷処理によつて冷却された熱延板は
酸洗後、圧延率80%以上の強冷延によつて成品板
厚とされる。成品板厚とされた鋼板に1次再結晶
を兼ねて脱炭焼鈍を施す。脱炭条件は公知のいず
れの方法でもよいが通常800〜900℃、露点+30℃
〜+70℃の湿水素ガスあるいは水素と窒素の混合
ガス中で2〜3分間焼鈍される。 次に本発明の最も重要な構成要件であるところ
の2次再結晶と不純物の除去を目的とする仕上げ
焼鈍の雰囲気ガスについて述べる。前記した様に
MnS及びAlNを主インヒビターとした電磁材料で
は、仕上げ焼鈍前の析出状態を2次再結晶温度域
までほとんど変化なく保つような焼鈍条件を採用
することにより優れた磁気特性を得ることができ
る。 H2ガス中に微量のO2を添加することはこうし
た条件を得るために有効な方法であるが、鋼板の
板厚が本発明が対象とする鋼板の如く薄くなつて
くるとO2添加のみでは困難になつてくる。 本発明はかかる困難性を排除するためにO2の
ほかに1〜10%のN2ガス及び必要に応じて10〜
1000ppmのH2Sを添加するものである。この場合
O2の添加量は50〜1000ppmである。 第2図は雰囲気ガスと鋼板板厚と2次再結晶発
生率の関係を示したものである。図から判る様に
H2単独(a)、H2+O2(b)の場合は、鋼板板厚が薄く
なる程2次再結晶率は劣化するが、H2単独より
O2を添加したものの方が2次再結晶の発生率は
良くなつている。このO2の効果が現われる量は
50ppm以上である。またO2が1000ppmを超える
と鋼板表面層に形成される表面被膜が劣化してく
る。こうした理由からO2の量は50〜1000ppmと
した。第2図cはbにN2:8%を添加した結果
である。N2ガスを1〜10%とした理由は1%未
満では2次再結晶発生への効果が弱く、一方10%
を超すと2次再結晶は安定するが製品の磁気特性
は劣つてくる。N2の添加量は鋼板板厚によつて
変える必要がある。つまり板厚が厚い場合は添加
量は少なくてもよいが、板厚が薄くなつてくると
N量を増加してやる必要がある。 次にH2Sであるがこれは結晶の方向性の向上に
役立つもので、特に素材成分のSの含有量が
0.025%以下の材料に適用するとより効果的であ
る。この添加量は10ppm未満では効果がなく一
方1000ppmを超える必要はない。H2Sの添加量が
増加すると表面被膜の面から不利になつてくる。 本発明を実施例にもとづいて説明する。 実施例 1 C0.060%、Si3.00%、Mn0.075%、S0.026%、
Sol Al0.027%、N0.0080%を含む電磁鋼連続鋳造
スラブを熱延し、2.0mm厚みの熱延板とした。こ
の熱延板に1120℃、2分間の焼鈍を施し、次いで
冷間圧延を行ない、0.23mm厚の冷延鋼板に仕上
げ、次いで850℃、2分間の脱炭焼鈍をH275%、
N225%の混合ガス(露点63℃)雰囲気中で施し
た。かくして脱炭焼鈍された冷延鋼板に、MgO
中にTiO25%添加してなる焼鈍分離剤を塗布し、
次の3通りの条件で仕上げ焼鈍を施した。 なお1200℃での純化焼鈍はH2中で行なつた。
【表】
これから判るようにb)の条件によつて得られた
製品の鉄損特性が最も優れている。 実施例 2 C0.072%、Si3.10%、Mn0.073%、S0.022%、
sol Al0.028%、N0.0085%、Sn0.10%を含む電磁
鋼連続鋳造スラブを熱延し、2.0mm厚みの熱延板
とし、これに1130℃、2分間の焼鈍を施し、次い
で冷間圧延を行ない板厚0.20mmの冷延鋼板に仕上
げた。この冷延鋼板に850℃、2分間の脱炭焼鈍
をH275%、N225%の混合ガス(露点63℃)雰囲
気中で施し、次にMgO中にTiO25%添加してなる
焼鈍分離剤を塗布して、次の4通りの条件で仕上
げ焼鈍を施した。 なお1200℃での純化焼鈍はH2中で行なつた。
製品の鉄損特性が最も優れている。 実施例 2 C0.072%、Si3.10%、Mn0.073%、S0.022%、
sol Al0.028%、N0.0085%、Sn0.10%を含む電磁
鋼連続鋳造スラブを熱延し、2.0mm厚みの熱延板
とし、これに1130℃、2分間の焼鈍を施し、次い
で冷間圧延を行ない板厚0.20mmの冷延鋼板に仕上
げた。この冷延鋼板に850℃、2分間の脱炭焼鈍
をH275%、N225%の混合ガス(露点63℃)雰囲
気中で施し、次にMgO中にTiO25%添加してなる
焼鈍分離剤を塗布して、次の4通りの条件で仕上
げ焼鈍を施した。 なお1200℃での純化焼鈍はH2中で行なつた。
【表】
この結果から、b)の条件によつて得られた製品
の磁気特性が最も優れているのが判る。
の磁気特性が最も優れているのが判る。
第1図はAlを含む3%珪素鋼板(板厚0.23mm)
の仕上げ焼鈍昇温過程における雰囲気ガスの違い
によるAlNの変化を示す図、第2図は雰囲気ガス
と鋼板板厚と2次再結晶発生率の関係を示した図
である。
の仕上げ焼鈍昇温過程における雰囲気ガスの違い
によるAlNの変化を示す図、第2図は雰囲気ガス
と鋼板板厚と2次再結晶発生率の関係を示した図
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、C:0.035〜0.100%,Si:2.5〜
4.0%を含有するとともにAlN,MnSを主要イン
ヒビターとして単独或は複合して含有し、残部
Feおよび不可避的不純物からなる珪素鋼熱延板
を焼鈍し、1回以上の冷間圧延で0.27〜0.15mm厚
さの冷延鋼板とし、これに脱炭焼鈍と仕上焼鈍を
施して(110)〔001〕集合組織を発達させるプロ
セスにおいて、前記仕上焼鈍における雰囲気ガス
として、H2中にO2:50〜1000ppm、N2:1〜10
%、およびH2S:10〜1000ppm添加することを特
徴とする鉄損の優れた薄物一方向性電磁鋼板の製
造方法。 2 重量%で、C:0.035〜0.100%,Si:2.5〜
4.0%,Sn0.03〜0.5%を含有するとともにAlN,
MnSを主要インヒビターとして単独或は複合し
て含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
る珪素鋼熱延板を焼鈍し、1回以上の冷間圧延で
0.27〜0.15mm厚さの冷延鋼板とし、これに脱炭焼
鈍と仕上焼鈍を施して(110)〔001〕集合組織を
発達させるプロセスにおいて、前記仕上焼鈍にお
ける雰囲気ガスとして、H2中にO2:50〜
1000ppm、N2:1〜10%、およびH2S:10〜
1000ppm添加することを特徴とする鉄損の優れ
た薄物一方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20583182A JPS5996220A (ja) | 1982-11-24 | 1982-11-24 | 鉄損の優れた薄物一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20583182A JPS5996220A (ja) | 1982-11-24 | 1982-11-24 | 鉄損の優れた薄物一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5996220A JPS5996220A (ja) | 1984-06-02 |
JPS6253574B2 true JPS6253574B2 (ja) | 1987-11-11 |
Family
ID=16513428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20583182A Granted JPS5996220A (ja) | 1982-11-24 | 1982-11-24 | 鉄損の優れた薄物一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5996220A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5547324A (en) * | 1978-10-02 | 1980-04-03 | Nippon Steel Corp | Manufacture of al containing monodirectional silicon steel sheet with extremely high magnetic flux density |
JPS5747830A (en) * | 1980-09-01 | 1982-03-18 | Nippon Steel Corp | Production of unidirectional electrical steel plate of superior watt loss |
-
1982
- 1982-11-24 JP JP20583182A patent/JPS5996220A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5547324A (en) * | 1978-10-02 | 1980-04-03 | Nippon Steel Corp | Manufacture of al containing monodirectional silicon steel sheet with extremely high magnetic flux density |
JPS5747830A (en) * | 1980-09-01 | 1982-03-18 | Nippon Steel Corp | Production of unidirectional electrical steel plate of superior watt loss |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5996220A (ja) | 1984-06-02 |
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