JPS6252434B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の関連する技術分野 本発明は予燃焼室が少なくとも１つのあふれチ
ヤネルを介して内燃機関の主燃焼室に接続されて
おり、主燃焼室から予燃焼室に流入する混合気に
所定の方向の渦流を発生する形状を予燃焼室が有
し、これにより比較的薄い基本混合気から点火可
能な混合気が発生するようにした、予燃焼室に組
込む点火プラグに関する。

従来技術 渦流を発生するために特別の形状に形成された
予燃焼室は公知である。燃料が全体的には薄い混
合気の場合、斯様な所定の方向の混合気の運動に
よつて、公知のように燃料の沈滞と成層とが行わ
れ、その場合点火性を有する比較的濃い混合気が
燃料の薄い混合気と残留ガス成分とから分離され
る。濃い混合気は壁との境界領域に形成され、そ
の境界領域で点火プラグによつて点火される。

斯様な形式の公知の装置において、それぞれの
点火プラグは通常の形状を有し、鈎形のアース電
極と棒状の中心電極とが設けてある。そのために
電極と点火プラグのケース部分とが予燃焼室内に
突入するのは避けられない。斯様な点火プラグを
設けると、渦流を発生するために特別の形状に形
成された予燃焼室の場合、所定の方向に形成され
る混合気の渦がかなり妨害を受ける。

公知の装置のまた別の構成によれば、点火プラ
グは予燃焼室に対して引込めて設けてある。この
ように電極を流れの静かな領域に設けることによ
つて、混合気の燃焼特性が改善されるので有利で
ある。

また斯様な装置は、電極に加わる熱負荷が僅か
であるので有利である。

しかしその場合点火プラグケースに設けられた
貫通孔は予燃焼室の側で静止空間を形成し、その
静止空間によつてそれぞれの渦流の形成が阻止さ
れる。

特公昭52−39971号公報から２つの楕円形渦流
室（副燃焼室）を備えた内燃機関が公知である。
各渦流室（副燃焼室）は１つの流入通路と通常の
点火プラグとを有し、この点火プラグの電極が流
入通路に突入しているので、放電区間は流入通路
内に在る。これは、所属の内燃機関が通常のよう
に、燃料をできるだけ経済的に機械的動力に変換
するために早め点火方式で作動されるということ
を前提としている。従つて混合気の点火は、混合
気が渦流室に流入する間に行われる。さらに、渦
流室を混合気が満たす間に半球形の主燃焼室にお
いて、ひいては流入チヤネルにおいても強い渦流
が生成されるということが前提となつている。こ
の渦流は当然、通常の点火プラグの放電区間の間
にも達し、そこで、放電ごとに発生される初期火
炎を強く冷却する。従つて電極に流入すべき混合
気は全体的にできるだけ多くの化学エネルギーを
含まなければならない。なぜなら、そうしなけれ
ば、初期火炎が渦流による冷却によつて消えてし
まうからである。それ故、そのような渦流室を備
えた内燃機関の作動のためには、燃料と空気とを
有利には理論的混合比で有するかまたは極く僅か
に空気量が過剰な混合気が不可欠である。燃料含
有量を次第に低くしていくと、次第に失火も多く
なり、結果的に内燃機関を停止させてしまう。従
つてこのような形式の内燃機関においては、空気
過剰率を、排気中の有害成分の持続的低減をもた
らすほど大きくすることができない。

実開昭50−107834号公報から、その長手軸線上
に通常の点火プラグを備えた円筒形の室より成る
点火栓装置が公知である。このような点火栓ない
し点火プラグは電極が突出している。円筒形室に
は点火プラグに対し平行に配向された任意の複数
の流入通路を備えており、この流入通路の特異性
は、流入路が、突出した点火プラグ電極に真つす
ぐに向けられているかまたは点火プラグに向かつ
て漏斗状に急激に広がつている点にある。円筒形
室と上記のように配置された。ないし配向された
流入通路は混合気の流入時に非常に強い渦流を惹
き起こし、この渦流は前者の場合には直接点火プ
ラグ電極に向つて急進する。後者の場合にも漏斗
状に広がつた流入チヤネルが渦流を強める作用を
するので、やはり、着火したばかりの初期火炎を
急速に冷却してしてしまう。それ故、この公知技
術のような燃焼室を備えた内燃機関の作動のため
には、やはりほぼ理論的混合気が不可欠である。

発明の目的 本発明の目的は、点火プラグによつて予燃焼室
の渦流が妨害されずしかも混合気の着火特性が良
く、電極に加わる熱負荷も僅かな、ひいては非常
に薄い燃料空気混合気で作動可能な、予燃焼室に
組込む点火プラグを提供することにある。

発明の構成 この目的は、本発明によれば、冒頭に述べた形
式の点火プラグにおいて次のようにして解決され
る。即ち、中心電極をアース電極によつて環状に
包囲しかつ環状のアース電極の予燃焼室の表面よ
り引込めて設け、点火プラグが予燃焼室の表面に
対して直角にねじ込まれ、このねじ込み位置で、
アース電極の表面が予燃焼室の平滑な表面の一部
をなすような形状に形成されているようにする。

発明の効果 上記の構成を特徴とする本発明の点火プラグ
は、非常に薄い燃料―空気―混合気で作動し、か
つ予燃焼室の境界領域に燃料の豊富な混合気の層
を形成するような強い基本渦流を発生させる特別
な幾何学形状を有する予燃焼室の場合、形成され
る所定方向の混合気の移動が点火プラグのねじ込
み位置において妨害を受けることがないので有利
である。中心電極を引込めることによつて、燃料
―空気―混合気が、壁の境界に静められ層流を形
成し、着火特性が改善される。このような良好な
着火特性により、更に薄い混合気で作動するよう
になるので、排気ガス中の有害成分を持続的に低
減することができる。

換言すれば、本発明によれば渦巻き室（予燃焼
室）は、渦巻いて（乱流をなして）流入する混合
気が例えば円形の渦巻き室壁に沿つて遠心力によ
り静められた壁に沿つた層流を形成するように構
成されており、その際に渦巻き室の壁に沿つて全
体の平均値より濃い燃料濃度の混合気層が形成さ
れる。さらに本発明によれば渦巻き室は、この平
均値より燃料濃度の濃い混合気層が点火火花に接
するように構成されており、しかも点火プラグの
電極は電極によつて燃料濃度の濃い混合気層がほ
とんど妨害されないように形成されている。この
ために、例えば球形の輪郭の渦巻き室壁の一部分
が点火プラグの環状の電極によつて形成されてお
り、この環状の電極内に所謂中心電極が、この環
状電極より引込めて設けられている。従つて本発
明の構成では点火プラグ電極が渦巻き室に突入し
ているのではなく、むしろ電極のうちの一方が点
火すべき混合気の流れを静めるガイド手段を形成
している。

次に本発明を図示の実施例につき詳しく説明す
る。

第１図に示した挿入体２は図示されてない内燃
機関のシリンダヘツド３に差込まれており、かつ
内部に渦巻き室５の形の予燃焼室を有する。渦巻
き室５はあふれチヤネル６を介して内燃機関の主
燃焼室７に接続されている。挿入体２内に点火プ
ラグ９がねじ込まれており、点火プラグ９のケー
ス１０はプラグの端面側に環状のアース電極１１
に移行している。アース電極１１は中心部に貫通
孔１２を有し、その貫通孔内に同軸的に点火プラ
グの中心電極１４が突入している。

渦巻き室５に向いたアース電極の表面は球欠面
として形成されており、かつ球形の渦巻き室の表
面の１部を形成している。貫通孔１２は２つの部
分に区分されている。即ち中心電極１４の端部を
収容するシリンダ形の部分１６と、シリンダ形の
部分１６に連接しかつ渦巻き室５の方向に拡大さ
れた漏斗形の部分１７とに区分されている。公知
のように燃焼室７内に収容された比較的薄い燃料
―空気―混合気は、圧縮工程の間にあふれチヤネ
ル６を介して渦巻き室５に供給される。あふれチ
ヤネルの流入口が接線方向を有することによつ
て、実際に際立つた渦流が生ずるかまたはエネル
ギーをもつた渦が生ずるので、渦巻き室５の周縁
部に濃縮化の程度に基づき点火可能な濃い燃料―
空気―混合気が生ずるようになる。斯様な構成は
アース電極が渦巻き室の形状に適合しているの
で、点火装置に障害を与えることはない。

また混合気の流れの速度が点火火花の生ずる個
所で余り大きくない場合、混合気に容易に点火で
きるようになる。先ずこれは直接に壁と接する層
についての場合である。貫通孔１２に円錐形の部
分を設けて点火プラグを構成することによつて、
非常に安定な静止領域で点火が行われるようにな
る。このためにできるだけ燃料の少い混合気で内
燃機関を作動できるようになる。

第２図の実施例は簡単な形状のアース電極を示
す。この場合第１図の実施例における漏斗形の部
分１７は、点火プラグのアース電極１１′の予燃
焼室側の全面に拡大している。その場合漏斗形の
部分１７′が予燃焼室ここでは渦巻き室の形状の
一部をなすように円錐体の角度を定める。またこ
の実施例においても第１図の場合のように、電極
１４は球形の渦巻き室５の中心点に向いている。

また勿論本発明の構成による環状のアース電極
１１または１１′は他の予燃焼室の形状にも利用
できる。その場合点火プラグはその都度予燃焼室
の表面に垂直にねじ込まれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるアース電極が球欠表面を
有する点火プラグの第１の実施例示す断面略図、
第２図はアース電極が円錐形の表面を有する点火
プラグの実施例を示す断面略図である。 ２…挿入体、３…シリンダヘツド、５…渦巻き
室、６…あふれチヤネル、７…主燃焼室、９…点
火プラグ、１０…ケース、１１，１１′…アース
電極、１４…中心電極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 予燃焼室が少なくとも１つのあふれチヤネル
   を介して内燃機関の主燃焼室に接続されて、かつ
   前記予燃焼室に流入する混合気に所定の方向の渦
   流を発生する形状を予燃焼室が有し、以つて比較
   的薄い基本混合気から点火可能な混合気が発生す
   るようにした予燃焼室に組込む点火プラグにおい
   て、中心電極１４をアース電極１１，１１′によ
   つて環状に包囲しかつ前記環状のアース電極の予
   燃焼室側の表面より引込めて設け、点火プラグ９
   が前記予燃焼室の表面に対して直角にねじ込ま
   れ、このねじ込み位置で前記アース電極の予燃焼
   室側の表面が予燃焼室の平滑な表面の一部を形成
   するような形状に形成されていることを特徴とす
   る点火プラグ。 ２ アース電極の中心部貫通孔１２の予燃焼室側
   の部分１７を漏斗形に形成し、かつ中心電極の位
   置は貫通孔１２のもう１つのシリンダ形の部分１
   ６内で終るようにした特許請求の範囲第１項記載
   の点火プラグ。 ３ 貫通孔１２の漏斗形に形成された部分１７′
   はアース電極の予燃焼室に向いた表面全体に延在
   しかつ円錐面として点火プラグ９のねじ込み位置
   で予燃焼室５の球形壁の一部を形成する特許請求
   の範囲第２項記載の点火プラグ。