JPS62521A - 縮合多環多核芳香族樹脂の製造方法及びその製造に用いる熱硬化性組成物 - Google Patents

縮合多環多核芳香族樹脂の製造方法及びその製造に用いる熱硬化性組成物

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JPS62521A
JPS62521A JP3332686A JP3332686A JPS62521A JP S62521 A JPS62521 A JP S62521A JP 3332686 A JP3332686 A JP 3332686A JP 3332686 A JP3332686 A JP 3332686A JP S62521 A JPS62521 A JP S62521A
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、耐熱性縮合多環多核芳香族樹脂の製造方法、
該樹脂を与える熱硬化性組成物及び熱硬化性物質の製造
方法に関するものである。
[従来技術〕 従来、芳香族炭化水素化合物を原料とし、これにポリマ
リンを加え、酸触媒の存在下、加熱反応させることによ
って、芳香族炭化水素樹脂を製造することは知られてお
り、その代表的な樹脂として、キシレンホルマリン樹脂
が知られている。しかし、このような樹脂は熱硬化性を
示さず、これを加熱しても耐熱性の硬化樹脂を与えない
。また、特公昭37−17499号公報によれば、ポリ
芳香族炭化水素グリコールを原料として用い、これを酸
性触媒下でアセナフテン又はアセナフテンのホルムアル
デヒド樹脂と反応させて硬化樹脂を得る方法が示されて
いる。しかしながら、この方法の場合、原料として用い
るポリ芳香族炭化水素グリコールの製造に難点があり、
工業的に有利な方法とは言うことができない。
〔口  的〕
本発明は、耐熱性にすぐれた芳香族炭化水素樹脂を工業
的に安価に製造し得る方法を提供すると共に、耐熱性に
すぐれた芳香族炭化水素樹脂を容易に与える熱硬化性組
成物及び熱硬化性物質の製造方法を提供することを目的
とする。
〔構  成〕
本発明者らは、耐熱性にすぐ九た芳香族樹脂を工業的に
安価に製造し得る方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、意外にも、原料として縮合ベンゼン核を3個以上有
する縮合多環芳香族化合物を主成分とする原料物質に対
し、ヒドロキシメチル基又はハロメチル基を少なくもと
2個有する芳香族化合物を特定の混合割合で混合し、こ
の混合物を加熱反応させる時には、耐熱性に著しくすぐ
れた不融性硬化樹脂が得られることを見出し、本発明を
完成するに到った。
本発明によれば、第1の発明として、縮合ベンゼン核を
3個以上有する縮合多環芳香族化合物を主成分とする原
料物質と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基又はハ
ロメチル基を有する芳香族化合物を主成分とする架橋剤
とを、関係式1式% (式中、vlは原料物質の重量、す2は架橋剤の重量、
W2は原料物質の分子量又は平均分子量、bは架橋剤の
分子量又は平均分子量を示し、nは架橋剤としての芳香
族化合物1モルに結合するヒドロキシメチル基又はハロ
メチル基の数であり、2以上の整数である) を満たす割合で混合し、この混合物を、酸触媒の存在下
、70〜300℃に加熱し、該混合物の中間縮合反応物
からなる熱硬化性物質を生成させることを特徴とする熱
硬化性縮合多環多核芳香族樹脂の製造方法が提供され、
第2の発明として、締金ベンゼン核を3個以上有する縮
合多環芳香族化合物を主成分とする原料物質と、少なく
とも2個のヒドロキシメチル基又はハロメチル基を有す
る芳香族化合物を主成分とする架橋剤とを、関係式1式
% (式中、IJl、vl、W2、 b及びnは前記と同じ
意味を有する) を満たす割合で混合し、この混合物を酸触媒の存在下、
70〜350℃に加熱し、不融性の硬化物を生成させる
ことを特徴とする耐熱性縮合多環多核芳香族樹脂の製造
方法が提供され、第3の発明として、縮合ベンゼン核を
3個以上有する縮合多環芳香族化合物を主成分とする原
料物質と、少なくとも2個のヒドロキシメチル基又はハ
ロメチル基を有する芳香族化合物を主成分とする架橋剤
と、酸触媒との混合物又はその中間縮合反応物からなり
、該混合物中、原料物質と架橋剤とは、関係式1式% (式中、W、、W2、W2、b及びnは前記と同じ意味
を有する) を満たす割合で存在することを特徴とする熱硬化性組成
物が提供される。
本発明の熱硬化性組成物は、加熱により、耐熱性にすぐ
れた不融性の縮合多環多核芳香族樹脂(以下、C0PN
A樹脂という)を与える。このC0PNA樹脂は、3環
以上の縮合多環芳香族が1環以上の芳香環を介してメチ
レン結合により結合した基本構造を有する熱不融性の芳
香族炭化水素高分子物質である。
本発明の熱硬化性組成物を加熱硬化させる場合、ヒドロ
キシメチル基又はハロメチル基を有する芳香族化合物は
架橋剤として作用し、縮合多環芳香族化合物を縮合(架
橋化)させ、高分子化させるが、この架橋化に際しては
、架橋剤としてヒドロキシメチル基を有するものを用い
る時には水が副生じ、ハロメチル基を有するものを用い
る時にはハロゲン化水素が副生ずる。そして、この反応
は、酸触媒により促進されることから、その硬化反応機
構は、カチオン反応機構に基づくものと考えられる。
本発明により、縮合多環芳香族化合物としてのピレンと
フェナントレンの混合物(モル比= 173)に、架橋
剤としてジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンを等モル及び
酸触媒としてP−トルエンスルホン酸を適量加えて混合
し、この混合物を加熱すると。
混合物は100℃付近で溶融し、120℃付近から気泡
の発生がはじまり、この温度に保持すれば、気泡の発生
は40分後にはほぼ収まって1反応物は1次第に粘度を
増し、2〜3時間後には流動性を失い、15時間程度経
過すれば完全に固化して、黄色ないし黄緑色の不融不溶
性の緻密な硬化物となる。この場合、反応の初期から認
められる気泡の発生は、脱水反応に伴って生じる水が水
蒸気として系外に出るためである。
本発明の熱硬化性組成物から得られる硬化物(固化生成
物)は、ピレン及びフェナントレンがランダムに架橋基
によって架橋された構造を有するもので、第1図にその
モデル構造図を示す、加熱時間20時間程度で不融性に
なったこの硬化物の収率は、多くの場合、脱水反応によ
り生成されたものとして計算される理論収率(87,8
%)よりも2〜3%大きいのが普通である。これは1反
応により生じた水分が硬化初期にはまだ完全には系外に
除かれていないためと、架橋反応が完全には完了してい
ないためと考えられる。また、第1図のモデル構造図は
、・元素分析及びIRスペクトル分析などの結果とも一
致する。前記硬化物は、感光性があり、空気中、直射日
光の下では数時間のうちに緑色または褐色に変化する。
これは第1図のモデル構造にみられるメチレン架橋部の
(CH2)の酸化によるものと考えられ、これは第1図
のモデル構造を支持するものでもある。またこの硬化物
は、不活性気相中で加熱し、後硬化させることにより。
時間にもよるが160℃付近から緑色、暗緑色へと変化
し、最終的には黒色となる。この変化は、第1図に示し
たモデルの架橋部分の一部が閉環し、第2図のように縮
合環数が増大することに起因する。この第2段の過程、
すなわち閉環反応は空気中の酸素によって促進される。
したがって、もし原料混合物の加熱を空気雰囲気中で行
うと、硬化に要する時間に大きな影響はあられれないが
、硬化物の脱水素閉環反応だけが促進される。
前記閉環反応を終った硬化物は堅く、かつ極めてすぐれ
た耐熱性をもつ。例えば、上記の例では、最終硬化温度
200℃の生成物は、10℃/分の昇温速度による熱重
量分析の結果によれば空気中においてすら400℃まで
顕著な減量はなく、400℃では僅か1〜2%前後の減
量にすぎない。また250℃で500時間空気中に保持
した時の重量減少は僅か6.5%である。この黒色硬化
物は、通常のデジタル式テスターでは抵抗値が測定でき
ない程度の電気絶縁体である。
本発明の熱硬化性組成物の硬化反応から得られるC0P
NA樹脂の構造についての概略は前記の通りであるが、
次に、本発明組成物の成分組成及びその予備縮合反応と
その硬化反応における各種因子の影響について説明する
(1)原料縮合多環芳香族化合物 本発明で原料物質として用いる縮合多環芳香族化合物と
しては、縮合ベンゼン核を3個以上有するもの又はこれ
を主成分として含む混合物が用いられる。原料物質とし
てナフタリンやアセナフテンのような2個の給金ベンゼ
ン核を有するものを用いる場合は、硬化反応に長時間を
要するようになるので余り好ましくない。本発明で用い
る縮合多環芳香族化合物は、縮合ベンゼン核3〜5個の
ものが好ましく用いられ、このようなものの具体例とし
ては、例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン
、クリセン、ナフタセン、フルオランテン、ペリレン、
ピセン及びそれらのアルキル誘導体、各種ベンゾピレン
、各種ベンゾペリレン等があり、また、それらの縮合ベ
ンゼン核がメチレン基や、フェニレン基、キシリレン基
等で連結された多環多核構造の炭化水素も包含される。
本発明で原料物質として用いる前記縮合多環芳香族化合
物は単独で用いる必要はなく、好ましくは、それらの混
合物を主成分として含むものが用いられる。このような
多環芳香族化合物を主成分とする原料物質としては、石
炭系又は石油系のピッチ類の他、重質炭化水素油の熱分
解生成油の蒸留残渣油や、減圧軽油の分解残渣油、ナフ
サの熱分解残渣油等が挙げられる。
本発明では、特に軟化点が10〜200℃、好ましくは
20〜180℃の範囲にある石炭系又は石油系重質炭化
水素成分が用いられ、特に、芳香族炭化水素分率fa値
が0.6以上、好ましくは0.7以上でかつ芳香環水素
量Ha値が20%以上、好ましくは30%以上の石炭系
又は石油系のピッチが用いられる。この場合のfa値及
びHa値は次の式で定義されるものである。
但し、このfa値は元素分析値とH−NMRを用いてB
rown −Ladner法によって計算して得られる
値であり、またHa値はH−NMRを用いて得られる値
である。
本発明において、前記の原料物質と架橋剤との反応は、
勿論適当な溶媒を用いた溶液反応として行うことができ
る。特に初期の段階だけを溶液反応で取り扱うことには
意味がある。しかし生成物の分子量が増加するにつれて
溶解度が低下するので1通常は、溶媒を使用しない溶融
状態で行う方が簡単である。この場合、反応温度に達し
た時に混合物が溶融状態であることが、反応を順調に進
ませるための好ましい前提であり、原料縮合多環芳香族
化合物の選択にかかわる一つの要件である。
一方、架橋剤としてのヒドロキシメチル基とハロメチル
基の反応性を比較すれば、後者の方が遥かに大きく、低
温から進行する。したが−っで、低温の溶液状態での反
応では後者が適し、原料縮合多環芳香族化合物の溶融温
度からみて比較的高温を必要とする無溶媒反応において
は前者の方が好都合なことが多い。ヒドロキシメチル芳
香族化合物を用いた場合、反応開始温度はおおよそ70
℃ないし120℃からはじまる。従って原料縮合多環芳
香族化合物も、この程度の温度ないしは150℃までの
うちに溶融する物質または混合系が適している。
しかし、このことは決してそれ以上の融点をもつ物質を
原料として使用できないことを意味するものではない。
例えば、アントラセンの融点は216°Cである。しか
し、これにモル比として0.5のジ(ヒドロキシメチル
)ベンゼンを加え、急速に180℃まで加熱すると、2
量化されたアントラセン誘導体が生成し、溶融温度は1
50℃以下に低下する。
この場合、架橋剤のモル比が0.5あるいはそれ以下で
あることが好ましい。その理由は、この場合には、平均
2量体以上に高分子化が進まないことを保証するからで
ある。このような工夫をすれば、高融点物質でも原料縮
合多環芳香族化合物として使用することが出来る。
コールタールピッチは、3〜5環の縮合多環芳香族を主
体とする複雑な混合物であり、平均分子量は300前後
で、純粋な3〜4環の縮合多環芳香族のそれよりは一般
に大きい。しかし、混合物であるために、溶融温度は一
般に100℃前後ないしはそれよりも低い。このことは
、溶融状態で反応させる時の原料としては取扱いやすい
ことを示している。他方、ピッチ類は、純縮合多環芳香
族化合物にくらべて反応性が劣るのが一般である。その
原因については必ずしも明らかではないが、環員として
窒素を含む芳香族化合物の、この種の反応に対する反応
性が劣ることと関係するものと思われる。しかし、この
反応性の劣ることは、かならずしも原料としての有用性
を基本的に損うものではない。むしろ、その価格を考え
れば、量産型C0PNA樹脂の主要な原料と思われる。
コールタール又はコールタールピッチから酸洗いによっ
て塩基性成分を除いたもの、あるいは、特に3〜5環の
芳香族成分を分画して得たような物質は当然量も好まし
い原料の一つとなる。
常温で液体状態のコールタールもそのまま原料とするこ
とができるが、しかし、この場合には、ピレン、フェナ
ントレンなどの純縮合多環芳香族化合物と比較してはも
ちろん、コールタールピッチにくらべても反応°性が劣
り、より高い反応温度か、より長い反応時間を必要とす
る。例えば純縮合多環芳香族化合物では酸触媒(パラト
ルエンスルホン酸)5%の時に120℃、20時間で進
む硬化反応が、ピッチでは140℃で30時間を必要と
し、コールタールでは180℃で30時間を必要とする
。また硬化物中に昇華しやすい成分を残しやすい。この
ことからすれば、コールタールを原料とする場合には低
揮発成分をあらかじめ適度に除いておく方が望ましい。
これら石炭系及び石油系重質成分を縮合多環芳香族化合
物として選定するにあたっては、軟化点が10℃以上2
00℃以下、好ましくは20℃以上180℃以下のもの
が最も取り扱いやすい。軟化点がこの範囲以下のもので
は反応に際し、蒸発逸散する割合が増し、一方、軟化点
がこの範囲以上のものでは良好な溶融粘度が得にくいか
らである。
(2)架橋剤 架橋剤としては、ヒドロキシメチル基(HOCHz  
)又はハロメチル基(XCH2−1X:ハロゲン)を少
なくとも2個、通常2〜3個有する芳香族化合物が用い
られ、この場合、芳香族化合物としては、縮合環芳香族
化合物及び非縮合芳香族化合物を問わず使用可能である
が、一般には、そのベンゼン核数が、1〜5、好ましく
は、1〜4のものが使用される。このような芳香族化合
物から誘導される架橋剤の具体例としては、例えば、ベ
ンゼン、キシレン、ナフタレン、アントラセン、ピレン
、又はそれらのアルキル誘導体等のポリ(ヒドロキシメ
チル)化合物や、ポリ(ハロメチル)化合物が挙げられ
る。また、前記芳香族化合物を含むコールタール留分や
石油留分のポリ(ヒドロキシメチル)化物や、ポリ(ハ
ロメチル)化物も使用可能である。本発明で用いる架橋
剤のうち、ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、ジ(ヒド
ロキシメチル)キシレン及びトリ(ヒドロキシメチル)
ベンゼンは特に好ましいものである。
ポリ(ヒドロキシメチル)芳香族化合物とポリ(ハロメ
チル)芳香族化合物とを比較した場合、後者の方がはる
かに大きな反応性を示し、一般には、低温の溶液反応で
は後者が適し、高温の無溶媒反応では前者が適する。本
発明のC0PNA樹脂を得る場合、架橋剤として用いる
ポリ(ヒドロキシメチル)芳香族化合物及びポリ(ハロ
メチル)芳香族化合物においては、その芳香核は、ベン
ゼン核よりも、縮合多環芳香核の方が反応性の点では好
ましく、従って、ジ(ヒドロキシメチル)ナフタレン、
ジ(ハロメチル)ナフタレン等の縮合多環芳香族化合物
のポリ(ヒドロキシメチル)化合物やポリ(ハロメチル
)化合物は好ましい架橋剤となる。
(3)架橋剤/原料物質モル比 2置換の架橋剤を用いた時に、架橋剤/原料物質モル比
を0.5にすれば2量体が生成し、融点の低い生成物と
なり、0.5を越えて1.75に近付くほど硬化速度は
速くなり、且つ硬化生成物の強度は大きくなるが、しか
し、2.0を越えると1反応は逆に抑制傾向を示し、や
や不均質な生成物を与えるようになる。
コールタールやピッチ類のような複雑な混合物を原料と
する場合には、その平均分子量が架橋剤の混合量をきめ
る基準として有用である。多くの経験をまとめると、平
均分子量を使用すれば、前述した架橋剤/原料物質モル
比の影響は、そのままピッチ類のような混合物ついても
当てはまる。
この関係をモル比でなくて、混合重量で表現すれば、平
均分子量の増大につれて、混合すべき架橋剤重量は逆比
例の関係で減少することになる。この関係は、架橋剤と
して2置換体を用いた場合を例にとれば、均質で強固な
硬化生成物を得るには、原料物質と、架橋剤との重量割
合は、次の関係式を満たすことが要件になる。
(W 2/Ij 1 )X (a/b)=0.55〜3
.0 (好ましくは0.6−2.0)前記式中、す1は
、原料物質の重量、w2は架橋剤の重量、W2は原料物
質の分子量又は平均分子量、bは架橋剤の分子量又は平
均分子量である。
一般的に言うと、n個の反応基(ヒドロキシメチル基又
はハロメチル基)を持つ架橋剤を用いる場合、均質で強
固な硬化生成物を得るためには、原料混合比は、次の関
係式を満足させることが要件になる。
1、IX1/n≦(W z /’J t ) X (a
/b)≦6 X 1/n(式中、nは架橋剤としての芳
香族化合物1モルに結合する反応基の数で2以上の整数
である)本発明においては、硬化反応を進行させ、目的
の硬化固形物を得るには、前記のように、架橋剤の使用
割合量には、その架橋剤の持つ反応基の数に対応した最
小値があり、本発明では、次の関係式 %式% を満たす場合の架橋剤使用割合量を、架橋剤の最小架橋
化割合値と定義する。この値より小さな架橋剤割合では
、初期硬化反応が遂行されるだけであり、目的の硬化固
形物を得るには、この値以上の架橋剤割合が必要とされ
る。
(4)硬化反応温度の選択 ポリ(ハロメチル)芳香族化合物を架橋剤とし、塩化ア
ルミニウムのようなルイス酸を触媒とする方が硬化反応
温度は低く、室温でも充分に反応が進行する。従って、
溶液系で反応を行う場合にはこの方が反応温度としては
有利である。一般には、50℃以上、好ましくは70℃
以上である。しかし、ポリ(ハロメチル)芳香族化合物
には有毒性の大きなものがあり1反応の結果ハロゲン化
水素が発生するなど、装置設計及び操業上不利な点もあ
られれる。さらに、既に指摘したように、溶媒系では縮
合を最後まで進めることが難しいし、溶媒を分離する過
程が必要になる。従って、一般には、ポリ(ハロメチル
)芳香族化合物の溶液反応は、ベンゼン、クロロベンゼ
ン、ニトロベンゼンなどの溶媒に対してよい溶解性を示
す高融点の芳香族原料の初期反応を行なわせるなどのた
めに利用する方が好ましい使い方である。
ポリ(ヒドロキシメチル)芳香族化合物を架橋剤とし、
プロトン酸を触媒として無溶媒で行う時には、反応は約
70℃付近から開始され、120℃付近では顕著になる
。この場合、反応の進行は、水蒸気の発生と反応物の粘
度の増加が伴う。緻密な気孔のない生成物を得るために
は反応速度が小さい方が好ましく、温度を上げて反応を
促進させれば、生成する固体は多孔質な状態を示すよう
になる。
反応性は原料物質及び架橋剤の種類によって差があられ
れるし、架橋剤/原料物質モル比によっても影響される
から、適当な反応温度もまた原料の種類と組成によって
違ってくる。不融性の硬化物を得るための加熱温度は、
一般的には70℃から300°C1好ましくは110℃
〜250℃が適当な温度である。緻密な気孔のない生成
物を得るには、特に100〜150°Cの加熱温度を用
いるのがよい。
反応処理温度に関して、さらに考慮しておくべきことは
、その反応処理の目的によって選定さるべき温度が違う
ことである。本発明の組成物の利用にあたっては、組成
物から直接最終の耐熱性樹脂成形物を得る場合と、まだ
溶融性が残っている段階の中間縮合反応物(Bステージ
樹脂)をつくり、これを成形後再び熱処理(硬化処理)
をして不融性の耐熱性硬化物を得る場合とがある。Bス
テージ樹脂の調製は、原則的には、不融性硬化物に達す
る以前の反応時間で反応を停止するか、架橋剤と原料物
質とのモル比を前記最小架橋化割合未満にすることによ
って目的を達する。この場合には生成物はまだ溶融状態
にあるから直接硬化物をつくる場合とは違って、仮に反
応温度が高く、気泡の発生が盛んであっても、そのこと
が特に支障をきたすことはない。従って、中間縮合反応
物を硬化させる場合は、直接硬化物をつくる場合にくら
べて取りうる温度範囲は高温側に広くなる。
(5)触媒の選択 反応触媒としては、ルイス酸、プロトン酸のいずれも利
用できる。従って、その選択は原料組成と反応手法の選
択に応じてなされるべきである。
ポリ(ハロメチル)芳香族化合物を架橋剤とする溶液法
による場合は、塩化アルミニウムのようなルイス酸が適
当であろうし、ポリ(ヒドロキシメチル)芳香族化合物
を架橋剤とする時には、プロトン酸がより好ましいこと
は明らかである。無溶媒で後者の触媒を利用する場合の
触媒量は、原料物質の反応性と反応温度によって影響を
受ける。一般的には、原料物質に対し、0.2重量%以
上が必要で、好ましくは1〜10重量%である。添加量
の上限は純縮合多環芳香族化合物の場合には7重量%程
度、ピッチ類では10重量%程度で、これ以上の添加は
1反応速度が速くなりすぎて取り扱い難くなる。ルイス
酸及びプロトン酸としては、従来公知のもの、例えば、
塩化アルミニウム、フッ化硼素、硫酸、有機スルホン酸
等の種々のものが挙げられる。
(6)中間縮合反応物(Bステージ樹脂)の調製と性質 熱硬化性組成物を各種複合材料の結合剤として利用する
にしても、単独で硬化させて成形物として利用するにし
ても、原料組成物を直接使用するよりは、ある程度反応
が進行し、まだ不融性硬化物にはいたらない中間段階の
中間縮合反応物を結合剤又は成形素材として使用する方
が便利である。
一般には、不融性硬化物に至る以前の、溶融性、溶解性
のある段階の樹脂前駆体(中間縮合反応物)をBステー
ジ樹脂と呼んでいる。
C0PNA樹脂のBステージ樹脂をつくるには、大きく
区分すれば、次のような方法がある。1つは最終硬化に
必要な架橋剤量及び触媒を含む原料組成物を加熱し、不
融性硬化物が生成するよりも短い反応時間で加熱を止め
1反応を停止する方法である。そのために適当な反応時
間は、原料組成物の組成や反応温度によって異なる。こ
のようにしてつくられるBステージ樹脂は、成形後単に
加熱するだけで不融性硬化物を得ることができる。つぎ
の方法は、架橋剤lyK料物質モル比が前記最小架橋化
割合値前後の混合原料を加熱して充分反応を進め、その
後最終硬化のために必要とする架橋剤を追加する方法で
ある。この方法の利点は、最初の段階の反応温度と反応
時間の設定に広い選択範囲がある点である。最後の方法
は、触媒量を少く、反応温度を高くして、Bステージ樹
脂をつくる方法である。このBステージ樹脂を成形し、
硬化させる場合には、成形に先立って、改めて触媒を追
加混合した方が成形物の硬化を容易にする。いずれの方
法をとるにしても、最終硬化物に到達する時の原料組成
はこれまでに述べてきた組成範囲に入る。Bステージ樹
脂を得るための反応温度は、一般に、70〜300℃、
好ましくは、90〜250℃である。
C0PNA樹脂のBステージ樹脂はメタノール、n−ヘ
キサンなどには不溶で、ピリジン、キノリン、テトラヒ
ドロフランなどには可溶で、ベンゼンにはかなり溶は難
い。反応初期で取り出したBステージ樹脂は、室温でペ
ースト状を示す。やや反応が進めば、しだいに軟化温度
が上昇する。各種複合材料の結合剤や接着剤として利用
するためには70〜120℃の温度範囲で完全に流動状
態となる程度のものが利用しやすく、単独の成形物のた
めには。
更に反応を進めて、80〜150℃で注型できる程度の
溶融粘度を示すものの方が便利である。粉末を利用して
加熱成形法を適用するような場合には、更に溶融粘度の
高いものの方が扱い易い。またBステージ樹脂は、前述
したように各種の溶媒に可溶であるから、溶液状態で基
材に塗布乾燥させてフィルム状に成形することも可能で
ある。Bステージ樹脂の成形に際しては、骨材を添加す
るのが有利である。
(7)硬化処理 本発明の熱硬化性組成物は、これを空気中又は不活性ガ
ス中で70〜350℃に加熱することにより、メタノー
ル、ヘキサン等の溶剤には全く溶解しないが、テトラヒ
ドロフラン、ピリジン、キノリンに溶解する成分をわず
かに含み、ベンゼン中で膨潤する不融性硬化物を経由し
た後、完全に不融不溶性硬化物に変換される。熱硬化性
組成物から完全に不融不溶性硬化物を好ましく製造する
ためには、(i)熱硬化性組成物を100〜350℃、
好ましくは150〜300℃の同一温度で加熱する方法
、(ii)熱硬化性組成物を100〜200℃、好まし
くは110〜150℃に加熱して硬化させる硬化工程と
、得られた硬化物を150〜350℃、好ましくは18
0〜300℃で加熱する後硬化工程との組合せを用いる
方法、及び(iii)熱硬化性組成物を加熱し、150
〜300℃の温度に連続的に昇温させる方法等が採用さ
れる。最終硬化物の製造のしやすさ及び得られる最終硬
化物の品質の面から言うと、前記した(ii)の方法の
採用が有利である。特に、原料物質としてピッチを用い
る場合、ピッチを100〜200℃で硬化させて完全不
融不溶性の硬化物に変換しようとすると、ピッチ中には
反応性の低い低分子量の芳香族化合物を含むため、著し
く長時間を要する場合が多い。
このような場合には、ピッチを100〜200℃の温度
で加熱して硬化物とした後、この硬化物をさらに150
〜350℃の温度に短時間加熱する後硬化処理を施すの
が有利である。
〔効  果〕
以上において示した本発明の組成物、即ち縮合多環芳香
族化合物を主成分とする原料物質と2置換以上の官能基
をもつ架橋剤と、酸触媒とからなる組成物及びその中間
縮合反応物は、得られる硬化樹脂の構造を制御しやすい
点に特徴がある。
本発明の組成物から得られるC0PNA樹脂の最大の特
徴は、きわめて容易にかつ安価に製造し得る樹脂である
にもかかわらず、きわめてすぐれた耐熱性を示すことで
ある。10℃ノ分程度の昇温速度で熱天秤で重量変化を
測定すると、空気中、不活性雰囲気中を問わず、400
℃以下の重量変化は2%を菖えない。また不活性雰囲気
中では450℃〜600°C間で大きな減量がみられる
が、800℃での重量減少は60〜25%に止る。この
場合は平均分子量の大きいピッチ類を原料とした硬化物
の方が減少率は小さくなる。また空気中で250℃に保
持した時の700時間後の重量減少は、約10%にすぎ
ない。
これらの特性は現在量もすぐれた耐熱性樹脂とみられる
ポリイミド樹脂に匹敵するし、本発明のC0PNA樹脂
は、原料及び硬化反応の容易さがらみてこれまで無かっ
た汎用の耐熱性樹脂と称することができる。
本発明のC0PNA樹脂用組成物において、100〜3
50”Cで硬化して得られた成形物は電気的には絶縁体
である。この特徴は450℃においても保持され、60
0℃以上の処理温度で徐々に比抵抗は減少する。
C0PNA樹脂の前駆体である中間縮合反応物をアルミ
箔に薄く塗布し、熱硬化させることなく冷却すれば、箔
よりはがすことができ、フィルム状の成形物が得戯れ、
これを加熱することにょ4j、フィルム状のC0PNA
樹脂を得ることができる。一方、塗布したまま加熱して
硬化させれば、アルミ箔と強固に結合した樹脂の塗膜が
得られる。従って、C0PNA樹脂前駆体の中間縮合反
応物は、耐熱性の焼付は塗料に使用することができる。
中間縮合反応物をシリコンゴム製の成形をを用いてこれ
に流し込んだり、粉末状として加熱プレスすることによ
って樹脂単独の成形物を得ることができる。予備的な研
究によれば、中間縮合反応物を炭素繊維やガラス繊維の
結合剤として使用することができる。従って、ガラス繊
維/C0PNA樹脂複合材は、安価でかつ耐熱性にすぐ
れた絶縁材料として大きな応用分野を持つ。また炭素繊
維/C0PNA樹脂複合材料は、耐熱性の改善を果すこ
とができるし、その高い収炭素率から当然考えられるよ
うに、炭素m維/炭素複合材料の前駆体としてきわめて
すぐれた特性を示す。勿論骨材はこれら繊維材料に限ら
ない。本発明の組成物には、粒状、フレーク状、繊維状
の各種セラミックス、炭素質、有機質を骨材として添加
し、硬化させることによって、強度の大きな硬化成形物
を得ることができる。この場合、炭素質骨材を用いた成
形体は、そのまますぐれた炭素成形体の前駆体となる。
C0PNA樹脂を、骨材使用の有無にかかわらず炭素前
駆体として評価した時に、最も面白いのは、用いる原料
物質及び架橋剤とのモル比を選択することによって、構
造の異なる前駆体をがなり任意に用意しうろことである
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 ピレンとフェナントレンとの混合物にP−キシリレング
リコール(PXG)及びp−トルエンスルホン酸(PT
S)を表−1に示した割合に配合し、乳鉢で混合し、試
験管に入れ、窒素ガスを流しながら、120°C114
0℃、160°Cの各温度の油浴中で加熱した。
表−1(原料組成) 次に、前記加熱反応物の硬化状態を、加熱条件との関連
で第3図に示す。第3図において、領域Aは反応温度で
流動性のなくなる固体、領域Bは室温で固体の溶融体及
び領域Cは室温でペースト状物をそれぞれ示す領域であ
る。
前記の加熱試験において、140℃及び160℃でI時
間加熱して得られた硬化物は不融不溶の黒色ないし暗緑
色の固体であった。120℃、4時間の生成物は上部が
不融不溶の黄緑色固体で、下部が黄色の緻密な固体であ
るが、加熱により軟化の傾向を示した。この下部生成物
のH/C原子比は約0.75で、メタノール、ヘキサン
などには全く溶解しないが。
テトラヒドロフラン、ピリジン、キノリンに溶解する成
分を僅かに残し、ベンゼンにより膨潤した。
しかし同温度で硬化時間を20時間以上にすれば、完全
に不融不溶性になる。収率は91%であった。
200℃で後処理すると形状は全く変らずに黒色となり
、完全に安定な物質に変った。出発原料に対する収率は
約87%であった。この黒色硬化物は電気的には絶縁体
であった。120℃、4時間の硬化物を200℃で後処
理した試料につき、10℃/分の昇温速度で熱重量分析
を行って第4図の結果を得た。
第4図において、曲線−1は空気中及び曲線−2は窒素
中での結果を示す。また同じ試料を空気中で250℃に
放置して重量減少を測定したところ、500時間で6.
5%、700時間で約10%であった。
実施例2 軟化点64°Cのコールタールピッチ(平均分子量30
0 fa値: 0.95. tla値:83.1%)1
5gに対し、重量%で57%にあたる8.63gのPX
G、及び5重量%のPTSを加えて充分混合し、これを
4等分して空気と接触した状態で、120℃、140℃
、160℃、180℃の各温度で加熱した。反応物の硬
化状態は第5図に示す通りであった。なお、第5図にお
いて、Aは不融性硬化体、Bは室温で固体の溶融体、C
は室温でペースト状を示す溶融体をそれぞれ示す領域で
ある。
前記原料混合物組成は、ピッチの平均分子量を用いてP
XG1M料物質モ層物質モル比ると約2.0に相当する
。この実験においては、160℃、180℃での生成物
はいずれも多孔体となり、140℃での生成物は緻密体
で、120℃では硬化までに著しく長い時間を要した。
140℃、65時間の硬化体の収率は94%、+I/C
原子比は0.73で、加熱しても溶融しないが、テトラ
ヒドロフラン、ピリジンなどには強く着色する程度の溶
解性を残し、200〜300℃間で僅かな黄色の昇華物
が認められる。この試料を空気中で300℃まで加熱処
理すると、出発原料に対する収率は87.4%となり、
強度は明らかに増加し、完全に不融不溶となり昇華物も
認められなくなる。
この300℃硬化物を空気中及び窒素中で、熱天秤によ
り10℃/分の昇温速度で熱重量分析を行い。
第6図の結果を得た。第6図において、曲線−3は空気
中、曲線−4は窒素中での結果を示す。空気中の減量曲
線−3は実施例1の第4図の同種の曲線−1にくらべ約
50℃高温側にずれ、窒素気流中の重量減少率も小さく
なっている。
実施例3 軟化点169℃、平均分子量600のコールタール系ピ
ッチと、フェナントレンとをモル比9:1で混合して原
料物質とし、これにPXGを50.35.20の各重量
%、及びPTS5重量%を加えてよく混合し、140℃
で空気と接触する条件下で加熱した。ピッチとフェナン
トレンとの混合物からなる原料物質の推定平均分子量は
558となり、PXGを35重量%(モル比1.4)混
合したものがもっとも硬化速度が速く、約10時間で硬
化し、次いで20重量%(モル比0.8)で、50重量
%(モル比2.0)では硬化時間が30時間となった。
また硬化物の状態は50重量%の場合、不均質となる傾
向が見られ、20重量%の場合には均質ではあるが強度
が小さくなる傾向を示した。実施例1.2と同じ原料物
質と温度条件を用い、PXG/g料モル比を0.5.0
.75.1゜0.1.25.2.0として同様の実験を
行うと、モル比0.5ではいずれも硬化させ蔑く、モル
比2.0以上ではいずれも硬化速度が遅くなり、かつ不
均質になる傾向を認めた。従って硬化物を得るための適
当なPXG/原料物質モル比は、ここにあげた原料に限
れば、0.6〜2.0以内であることがわかった。この
関係を原料物質の平均分子量とPXGの重量%との関係
で表現すれば、第7図の如くになる。第7図中の(P)
と(Q)の境界、(P)と(R)の境界に線を引いて区
分してはあるが、これら3領域間の移行は相互に漸進的
であって、その間に画然とした境界があるわけではない
が、おおよそ(P)の領域が硬化物をつくるための適切
な範囲を示するものであると言うことができる。この関
係を、原料物質の分子量又は平均分子量(a)、その重
量を(Wi)g、PXGの分子量(b)、その重ffi
(Wz)gとして数量的に表現すれば、(W 2 /W
 1 ) ×(a/b)の値がおおよそ0.6以上2.
0以下になるような混合比が適当であることがわかった
。領域(Q)は硬化速度が遅くなり、硬化物が不均質と
なる領域であり、領域(R)は反応速度が遅く、硬化物
の強度が弱い領域である。
実施例4 実施例1で示した原料組成物を反応温度120℃、反応
時間50分の条件で反応させて得られる中間縮合反応物
(Bステージ樹脂)の固体微粉末を炭素繊維の表面に均
一に塗布し、その塗布面の上にさらに炭素繊維のペーパ
ーを重ね、80kg/cJのプレス圧力下で、温度を1
10℃、130℃、160℃と段階的にあげ1合計10
0分でプレスからはずした。ついで、得られた成形体を
200℃で60分間後硬化処理した。この後硬化成形体
の熱安定性を調べるために、この成形体を250℃の空
気中で10時間加熱後。
曲げ強度、弾性率、せん断強度を謂定したところ、加熱
前にくらへて±3%以」二の変化は認められなかった。
実施例5 軟化点49°Cの石炭系ピッチ(平均分子量300)と
p−キシリレンジクロライドをモル比で1=2の割合で
混合し、この混合物に無水塩化アルミニウム5重量%を
添加した。この混合物を140℃で30分間加熱してB
ステージ樹脂とした後、このBステージ樹脂を200℃
に加熱し、ペースト状で20 X 50 X 100m
mの金型に入れ、成形硬化した後、この成形硬化物をさ
らに300℃で2時間後硬化した。この成形体を窒素中
で20°C/分の昇温速度で加熱したところ。
420℃まで重量減少を示さなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の組成物から得られたC0PNA樹脂
において、その非縮合環部分が閉環する前の状態を示す
モデル構造図を示し、第2図はその閉環後のモデル構造
図を示す。第3図及び第5図は、それぞれ本願実施例1
及び実施例2で得られる硬化生成物の硬化状態を加熱条
件との関連で示す説明図である。 第4図及び第6図は、それぞれ実施例1及び実施例2で
得られる硬化物を200°Cで後硬化処理したものを1
0℃/分の昇温速度で空気中及び窒素中で加熱した時の
重量減少曲線を示す。 第7図は、好ましいC0PNA樹脂を与える原料物質の
分子量又は平均分子量と架橋剤(PXG)の混合割合(
重量%)との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)縮合ベンゼン核を3個以上有する縮合多環芳香族
    化合物を主成分とする原料物質と、少なくとも2個のヒ
    ドロキシメチル基又はハロメチル基を有する芳香族化合
    物を主成分とする架橋剤とを、 関係式 1.1×1/n≦(W_2/W_1)×(a/b)≦6
    ×1/n(式中、W_1は原料物質の重量、W_2は架
    橋剤の重量、aは原料物質の分子量又は平均分子量、b
    は架橋剤の分子量又は平均分子量を示し、nは架橋剤と
    しての芳香族化合物1モルに結合するヒドロキシメチル
    基又はハロメチル基の数であり、2以上の整数である) を満たす割合で混合し、この混合物を、酸触媒の存在下
    、70〜300℃に加熱し、該混合物の中間縮合反応物
    からなる熱硬化性物質を生成させることを特徴とする熱
    硬化性縮合多環多核芳香族樹脂の製造方法。 (2)原料物質として、ピレンとフェナントレンとの混
    合物を用いる特許請求の範囲第1項の方法。 (3)原料物質として、軟化点10〜200℃を有し、
    芳香族炭化水素分率fa値が0.6以上でかつ芳香環水
    素量Ha値が20%以上の石炭系又は石油系のピッチを
    用いる特許請求の範囲第1項の方法。 (4)架橋剤が、ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンであ
    る特許請求の範囲第1項〜第3項の方法。 (5)縮合ベンゼン核を3個以上有する縮合多環芳香族
    化合物を主成分とする原料物質と、少なくとも2個のヒ
    ドロキシメチル基又はハロメチル基を有する芳香族化合
    物を主成分とする架橋剤とを、関係式 1.1×1/n≦(W_2/W_1)×(a/b)≦6
    ×1/n(式中、W_1は原料物質の重量、W_2は架
    橋剤の重量、aは原料物質の分子量又は平均分子量、b
    は架橋剤の分子量又は平均分子量を示し、nは架橋剤と
    しての芳香族化合物1モルに結合するヒドロキシメチル
    基又はハロメチル基の数であり、2以上の整数である) を満たす割合で混合し、この混合物を、酸触媒の存在下
    、70〜350℃に加熱し、不融性の硬化物を生成させ
    ることを特徴とする耐熱性縮合多環多核芳香族樹脂の製
    造方法。 (6)該混合物を、酸触媒の存在下、70〜300℃に
    加熱し、該混合物の中間縮合反応物からなる熱硬化性物
    質を生成させる工程と、該熱硬化性物質を酸触媒の存在
    下、100〜200℃に加熱し、不融性硬化物を生成さ
    せる工程と、該硬化物を150〜350℃に加熱する後
    硬化工程からなる特許請求の範囲第5項の方法。 (7)該不融性硬化物を生成させる工程を、骨材の存在
    下で行う特許請求の範囲第6項の方法。 (8)該不融性硬化物が実質的に溶剤不溶性である特許
    請求の範囲第5項〜第7項のいずれかの方法。 (9)縮合ベンゼン核を3個以上有する縮合多環芳香族
    化合物を主成分とする原料物質と、ジ(ヒドロキシメチ
    ル)又は(ハロメチル)芳香族化合物を主成分とする架
    橋剤とを、関係式 (W_2/W_1)×(a/b)≦0.5 (式中、W_1は原料物質の重量、W_2は架橋剤の重
    量、aは原料物質の分子量又は平均分子量及びbは架橋
    剤の分子量又は平均分子量を表わす)を満たす割合で混
    合し、この混合物を酸触媒の存在下、70〜300℃で
    加熱反応させた後、得られた生成物に、さらに前記架橋
    剤を、関係式 0.55≦(W_2/W_1)×(a/b)≦3.0(
    式中、W_1、W_2、a及びbは前記と同じ意味を有
    する) を満たす割合で混合し、この混合物を70〜400℃に
    加熱反応させることを特徴とする耐熱性縮合多環多核芳
    香族樹脂の製造方法。 (10)縮合ベンゼン核を3個以上有する縮合多環芳香
    族化合物を主成分とする原料物質と、少なくとも2個の
    ヒドロキシメチル基又はハロメチル基を有する芳香族化
    合物を主成分とする架橋剤と、酸触媒との混合物又はそ
    の中間縮合反応物からなり、該混合物中、原料物質と架
    橋剤とは関係式 1.1×1/n≦(W_2/W_1)×(a/b)≦6
    ×1/n(式中、W_1は原料物質の重量、W_2は架
    橋剤の重量、aは原料物質の分子量又は平均分子量、b
    は架橋剤の分子量又は平均分子量を示し、nは架橋剤と
    しての芳香族化合物1モルに結合するヒドロキシメチル
    基又はハロメチル基の数であり、2以上の整数である) を満たす割合で存在することを特徴とする熱硬化性組成
    物。 (11)原料物質が、ピレンとフェナントレンとの混合
    物である特許請求の範囲第10項の組成物。 (12)原料物質が、軟化点10〜200℃を有し、芳
    香族炭化水素分率fa値が0.6以上でかつ芳香族炭化
    水素量Ha値が20%以上の石炭系又は石油系のピッチ
    である特許請求の範囲第10項又は第11項の組成物。 (13)架橋剤が、ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンで
    ある特許請求の範囲第10項〜第12項のいずれかの組
    成物。 (14)該混合物又はその中間縮合反応物が骨材と結合
    されている特許請求の範囲第10項〜第13項のいずれ
    かの組成物。
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