JPS6251906B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6251906B2
JPS6251906B2 JP2970280A JP2970280A JPS6251906B2 JP S6251906 B2 JPS6251906 B2 JP S6251906B2 JP 2970280 A JP2970280 A JP 2970280A JP 2970280 A JP2970280 A JP 2970280A JP S6251906 B2 JPS6251906 B2 JP S6251906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
fiber
fibers
pva
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP2970280A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS56125265A (en
Inventor
Arata Oka
Akio Mizobe
Junichi Hikasa
Masaki Okazaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2970280A priority Critical patent/JPS56125265A/ja
Publication of JPS56125265A publication Critical patent/JPS56125265A/ja
Publication of JPS6251906B2 publication Critical patent/JPS6251906B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、有機合成繊維で強化したセメント製
品の材料に関するものである。従来、セメント、
石膏等の水硬性原料を用い、天井、壁、床仕上げ
を行なつたり、コンクリートブロツク、セメント
がわら、舗道石、コンクリート管などが製造され
ているが、周知の通り、セメント成形品は引張り
強度、衝撃強度に劣るためこれらのセメント製品
を有効に利用するために、繊維等で補強されて、
用いられることが一般に行なわれている。 繊維等の補強材としては4・5・6クラスの石
綿が代表的なものであるが、近年、スチールフア
イバー、ガラス繊維等の無機補強材、ポリプロピ
レン、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の有
機合成繊維が単独または複合で用いられている。 石綿を用いてのセメント製品の補強の場合、石
綿の添加量は15〜35%で僅かな厚さでも比較的大
きな強度を有するが、衝撃強度の点で、未だ充分
であるとは言えず、石綿補強のセメント基材を
管、スレート等の製造に用いるに対してはなお問
題を残している。また国内における石綿需要は海
外からの輸入に依存しており、世界的に見た場合
にも産出国に片寄りが著しいことに加えて、資源
が枯渇しつつあり、石綿の入手が益々困難になつ
てゆくことが予想される。 ガラス繊維補強の場合、Eガラスを原料とした
ものの場合セメント混練時の浸出液の強いアルカ
リ性によつてガラス繊維が著しい損傷を受け事実
上補強材としての役をなさない。近年、耐アルカ
リ性を付与した所謂耐アルカリガラス繊維が開発
されているが、高価であり、またこれとて耐アル
カリ性については万全とは言えず、セメント補強
材としては、耐久性に問題があることが判明し
た。セメント成形品等の使用状況から見て、長期
にわたつての補強繊維の耐アルカリ性は絶対的な
必要条件であるし、またガラス繊維単独では引張
り強度、ヤング率等の機械的物性に優れたもので
あるが、脆性が著しく、水へのスラリー分散時、
或いは、セメントとの混合撹拌時に繊維の折損が
あり、添加率の割には補強効果が発現しがたい難
点がある。 セルロース、木綿、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリオレフイン等の天然或いは合成繊維が石
綿代替又は石綿添加量減少を目的としてセメント
基材中に添加されることが知られているが、いず
れの場合も成形品の耐衝撃性の向上、ヘアクラツ
クの発生防止に有用なのみであり、セメント成形
品の曲げ強度向上にへの寄与は充分でない。 繊維状物質によるセメント成形品等の補強の機
構は、単純ではないが、モデル的には外部応力の
負担と、補強効率の問題であると考えられる。前
者の応力の負坦については、短かく切断した繊維
状物質で補強された複合体に、引張りに代表され
る様な外部応力が加わつた時に複合体全体に働く
応力は理想的には、 補強材負担応力+マトリツクス負担応力 =複合体応力 として表わされ、複合体形成材料間の接着力が充
分であれば材料特性の加成性が成り立つ。従つて
各材料間の一定混合比率下で複合体の強力を向上
せしめるためには、補強材負坦応力を向上させる
のが有効であつて補強材負坦応力は、補強材体積
分率をV、補強材のヤング率をEとし、複合
体全体の変形(伸び)をεcとすると、前式左辺
第一項は 補強材負担応力=VεcE で表わされる、V、即ち添加率一定、セメント
基材が特定の場合E即ちヤング率が大なる程補
強材負坦応力分が大きくなり、従つて複合体の強
力が向上する。これは複合体強度理論として公知
の事柄で、繊維補強複合体では、高ヤング率繊維
物質が補強材として用いられる所以である。 また、一方補強効率については、補強材のマト
リツクス中への分散、配向等の二次的な要因も存
在するが、最も基本的な問題はマトリツクスへの
補強材の捕捉性、即ち接着力或は摩擦力で表現さ
れる界面結合力である。上記の如く、複合体に負
荷された外部応力は、マトリツクスと補強材界面
で剪断力として作用し、その剪断力が、補強物の
引張り応力に転換されてはじめて補強材としての
応力分坦を荷ない得るわけである。従つて如何に
ヤング率、強度の高い補強材が用いられようとも
補強材とマトリツクス界面での接着性が良くなけ
ればその補強効果に期待は持てないわけである。
逆に繊維マトリツクス間の結合力が充分強固な場
合には、補強効率が向上するわけで、そのため、
補強繊維の機械的物性が多少低レベルであつても
補強材としての総合的性能は優れたものとなり高
度な補強作用を発揮する。この様な補強のメカニ
ズムから補強材として求められる性能は高いヤン
グ率、強度に加えて、マトリツクスとの高度な界
面結合力であることは明らかである。 ポリビニルアルコール(以下PVAと略記す
る)は、それ自体が高度な耐アルカリ性を有し、
かつ、水に対する親和性が極めて優れていること
から、セメントとの混合に於いて充分安定であり
かつなじみが高度であることが期待され補強繊維
とセメントとの結合力の向上のため、成形物中へ
PVA水溶液を添加したり(特公昭50−20094)、
或いは、繊維をPVAで表面処理して(特公昭53
−6168)セメント基材に用いられることが公開さ
れている。また高強力PVA繊維と石綿との併用
(特開昭54−31420)或はPVA繊維とガラス繊維
との併用(特開昭54−31419)の湿式抄造法によ
る繊維補強セメント板の製造方法が公開されてい
る。この様に高いヤング率のPVA繊維をセメン
ト成形品の補強材として使用することは、上述の
補強のメカニズムから、他の無機、有機繊維が持
つセメント成形品補強材としての種々の基本的な
欠点を克服してかつ強度の高い耐久性の優れたセ
メント成形品を提供するものであつて、通常の高
強力、低伸度タイプのPVA繊維で補強したもの
に比べて、曲げ強度を更に向上するものである。 我々は、上記補強のメカニズムから、繊維補強
セメント成形品の強度、耐久性の向上を目指して
鋭意研究の結果、セメントマトリツクスとの結合
力が極めて高く、かつヤング率の高い、セメント
成形品補強用として優れたPVA繊維を見出し、
またこの繊維を用いての、セメント成形品におけ
る破壊試験の結果、従来のPVAセメントストレ
ート板のそれより一段高いレベルのものが発現す
ることを確認した。 セメント成形品等の凝結、硬化機構は、複雑で
充分解明されているとは言えないが、セメント成
分と水との反応、即ち水和反応と密接なる関係が
あることは常識である。従つて、セメントは、親
水性物質とは親和性が良く、疎水性物とは良くな
いと言われる所以である。 ところでPVA系合成繊維は、その原料は極め
て親水性に富む繊維形成可能なものとしては特異
な鎖状高分子物質であるが、セメント成形品等の
耐屈曲性を改善するため、紡糸繊維を種々な方法
で高度に延伸せしめると同時に、一般のPVA繊
維と同様に適度な熱処理を施して結晶成長を促が
し、強度、ヤング率を確保しながら、形態安定性
を得ている。このためPVAの本来有している水
に対する親和性が滅殺されせつかくの高度な強度
ヤング率が、その接着性の低下のために充分に利
用されない面がある。本発明者等はこの相反する
特性を同時に満足させる方法について研究の結
果、本発明に達したものである。 即ち、本発明者等はセメント基材補強用として
のPVA繊維につき種々実験の結果、強度90Kg/
mm2以上、ヤング率1700Kg/mm2以上を有し、かつ3
〜10mmに短かく切断した状態で沸騰中で煮沸した
時、30分間の溶解量が10%以上であるPVA繊維
を配合したセメント成形品が極めて望ましいもの
であることをつきとめた。以下詳細に説明する。 本発明で用いるPVA系合成繊維は工業的に採
用されている湿式紡糸法又は乾式紡糸法のいずれ
の方法であつても良い。湿式紡糸法としては (1) PVA水溶液を濃厚なる塩水溶液からなる凝
固浴中に紡糸する。 (2) PVA水溶液を濃厚なるアルカリ水溶性から
なる凝固浴中に紡糸する。 (3) PVA水溶液中に硼酸を添加し、アルカリ性
の塩水溶液からなる凝固浴中に紡糸する。 セメント成形品等の補強繊維としては、高ヤン
グ率、或は高強度であることが必要条件で、この
意味から、湿式紡糸法の場合は、(3)の方式が好適
ではあるがこれに限るものではない。また乾式紡
糸法とは30〜50%の濃度のPVA水溶液を空気中
に紡出し、熱延伸することを基本とする紡糸法で
ある。 PVA系合成繊維に限らず、有機合成繊維一般
として延伸後の繊維をそのまま製品として取扱う
ことはまれで、熱延伸後、更に、延伸温度よりも
高温で、定長、若しくは収縮させて熱処理するの
が普通である。適度な熱処理、若しくは熱収縮に
より、延伸等の繊維形成に際して受けた内部歪が
緩和され、構造が安定化するため、処理後の繊維
は密度、結晶化度、複屈折、モジユラス、収縮
性、膨潤性など、種々の性質が変化を受けること
は、公知のことである。(高分子工学講座−4地
人書館1965) PVA繊維の原料であるPVAは、元来水に対し
て溶解性のものであり、紡糸、延伸等の加工工程
を経た後もなお、他のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリルニトリル、ポリオレフイン等の
一般的有機合成繊維に比べて水に対する親和性は
特異なものがあり、熱水に対する収縮、溶解等の
挙動は繊維としての使用段階で問題を誘起する場
合がある。このため、PVA系合成繊維では他の
有機合成繊維に比べて、耐熱水性に関する要請に
は厳しいものがあり、通常の工業的繊維製造法で
はアルデヒド類を用いてアセタール化による疎水
化、或は延伸後の熱処理による繊維構造の緻密化
等により耐熱水性を一定の水準にしている。この
様に、PVA系繊維の場合、一般的な用途に於い
ては、耐熱水性が高度であることは絶対的な必要
条件であり、この意味から熱処理は極めて重要な
工程である。 しかるに本発明者等は、PVA系合成繊維を補
強材とするセメント成形品に於いて、繊維とセメ
ントマトリツクスとの界面結合力の向上について
検討中熱処理条件を制御することにより、繊維と
マトリツクスの結合力を制御することが可能であ
ることを発見した。即ち、上記の如く、PVA系
繊維にとつては熱処理工程を経ることによつて、
充分なる耐熱水性を求めることが一般的である
が、セメント基材への補強材繊維としては、単に
従来の充分な耐熱水性を有するPVA繊維では望
ましくなく、むしろ熱処理条件を緩和することに
よつて逆に耐水性を低下せしめ繊維としての強
度、伸度、ヤング率等の基本物性を保持しなが
ら、かつ水に対する親和性を向上して、セメント
マトリツクスに対する界面結合力を向上せしめる
ことが可能であることを知つたのである。 このようなPVA繊維の製造法としては、湿式
又は乾式紡糸法によりPVA水溶液を紡出乾燥後
適当な乾熱延伸を施し、しかる後に、乾熱部での
延伸で繊維が経た最高温度よりも2℃以上低い温
度で(室温を含むことは勿論である)定長、又は
最大3%までの収縮を付与するものである。 この様にして得られたPVA系繊維は、従来の
概念から言えば、耐水性が不良となるが、セメン
ト成形品等の製造過程或はその使用過程で問題に
なるレベルのものではなく、寧ち逆に強度、ヤン
グ率を高い値に維持したまま、水に対する親和性
が向上することによるセメントマトリツクスとの
接着性が向上してセメント成形品等に於ける補強
効果が向上し、そのためにセメント成形品等の性
能が、一段と高レベル化することを確認した。例
えば、このPVA繊維を短かく切断して、湿式抄
造法或は、型枠注入のモールデイング法でセメン
ト板を作り、曲げ試験を行なつた処、従来の製造
法による、耐熱水性の高度なものに比べ15〜25%
高い強度を示すものであつた。 繊維の親水性、或は耐水性等、水に対する親和
性についての評価法は種々の方法があるが、本発
明者らは、繊維を3〜10mmにカツトして煮沸した
時の減量の程度がセメントへの親和性を示す尺度
として有用であることを知つた。即ち、例えば、
フイラメント状の長繊維(100mm程度以上)での
煮沸テストで、繊維の収縮率等が、親水性の一つ
の尺度として採用されることがあるが、この値は
セメントとの親和性の直接的評価としては明瞭な
傾向を示さないのに対し、3〜10mmにカツトした
繊維を用いての煮沸減量が、セメント製品の性能
評価の目安になることがわかつた。即ちこのテス
ト法で30分間の煮沸減量値が10%を界として大巾
に異なり、それ以上の場合はセメント成型品の性
能向上が著しいものである。カツト長を長くし
て、煮沸テストを行なつた場合、煮沸減量が小さ
くなり、判定が下しにくく、標準法として3〜10
mmカツトとして評価することにした。 この水に対する親和性の優れたPVA繊維は、
複合材の補強理論から見て高ヤング率、高強力で
あることが望ましいが、セメントマトリツクスと
の接着性が良いので補強効率が高く、ヤング率と
して1700Kg/mm2以上であれば、その目的を充分果
たし、強度は90Kg/mm2以上であれば良い。またセ
メント成形品への添加量としては、2〜15容量%
が適当である。繊維添加量が2%以下では、経験
によれば、曲げ強度に著しい改良が期待できず、
15%以上では、成形品中への均一な分散がし難く
なり、これがために添加量の割には補強効果が発
現しがたい。繊維を切断して成形物中に分散して
使用する場合は、3〜25mmに切断して混合され、
繊維の太さに応じてその長さは適宜選択されるべ
きで、繊維長をLmm繊維の直径をDmmとすると
L/Dに関して、200≦L/D≦470が望ましい。
L/Dが200未満であると補強材としての機能が
低下し、470を越える場合、セメント成形品等へ
の均一分散性が困難となる。繊維の太さについて
は、均一分散さえ可能であれば、セメント製品補
強材としては、細い方が望ましいが、比表面積が
大きくなるため繊維製品段階で、延伸段階での熱
処理が効いて水に対する親和性の低下をまねき、
補強効率が低下する。分散性、接着性の面から1
デニール以上である必要がある。繊度が太くなる
と同一添加率の場合繊維本数が減少し、セメント
との接着面積が少くなるため接着力が減少する。
さらにL/Dの関係から、繊維長も長くなり益々
分散が困難となる。これらのことから、経験的
に、25dが上限である。又、使用形態は、1〜
25drで、3〜25mmのカツトフアイバー、フイラメ
ント状、不織布、ネツト、織物等適用対象物の特
性に合わせて適宜選べる。 繊維は、セメント成形品中で一様に分散させて
も良いし、機械的な力を受け易い処に局所的に高
い濃度で分配させても良い。 また、PVA系繊維は、単独で用いられること
はもちろんであるが石綿、ガラス、金属繊維等無
機質繊維との併用によつて、耐熱性、防火性を付
与することも可能である。パルプの様な、フイブ
リル繊維質を該繊維と、混合組み合わせることに
より、繊維の分散性向上が得られセメント成形品
の性能向上がもたらされる。 本発明は、曲げ強さを必要をされるセメントを
含む成形品或は、構築物の総て、又は、それらの
局所的部分に適用し得るし、又、鉄筋、鉄骨と組
み合わせた部分的なひび割れ防止にも当然効果が
あり、又、適度の伸度を有するため、耐衝撃性改
善の効果も著しい。即ち、更に具体的に言えば、
ボード類(石綿スレート、石綿セメント板、石綿
パーライト板、パルプセメント板、木毛及び木片
セメント板、コンクリート板等)、パイプ類(水
道用石綿セメント管、セメント円管、パルプセメ
ント管)かわら類やその他種々の2次製品、又、
鉄骨、鉄筋との組み合せによるセメント、モルタ
ル、コンクリート構築物、成形品に適用可能であ
るが、上記以外にも本発明の特質が生かされるセ
メントを使用する総ての用途に適用可能なことは
言うまでもない。 以下に実施例で、代表例により、具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1、比較例1 重合度1730のPVA16重量%の水溶液にPVAに
対して2%の硼酸を添加した原液を苛性ソーダア
ルカリの芒硝水溶液中に紡出し、中和、湿熱延伸
後水洗して、繊維に対して、0.3%の硼酸を残
し、乾燥後、延伸炉温を240℃として乾熱延伸を
施して全延伸倍率が15倍なる様にして、引続き炉
温238℃で2%の収縮を与えて3秒間熱処理して
単繊維の太さが1.8デニールのものを得た。比較
例として、熱延伸までは、実施例1と全く同じ条
件として、熱延伸に引き続いて、炉温244℃で3
秒間の熱処理を行なつて比較例1を得た。それぞ
れの繊維を6mmに切断して、湿式抄造法でセメン
トに混合して積層板を作り曲げ試験を、また、単
繊維のセメント中からの引抜きテストを行なつ
た。6mmの切断繊維を2重量%パルプ2%石綿
(5Rクリソタイル石綿)を5重量%残部をポルト
ランドセメントとして、湿式抄造法で0.4cm厚と
するセメント板を得、これを14日空気中養生後曲
げテストに供し、また50mm長の単繊維の一端を水
−セメント比0.5のセメント中に埋設して引抜テ
ストを行なつた。結果を表−1に示す。
【表】
【表】 実施例1の方が、繊維の物性としては、稍劣る
にもかかわらず、曲げ強度は大であつた。電子顕
微鏡での破断面の観察結果は、実施例1では繊維
が短かく切れ、その繊維に多量のセメント粒子が
付着しており、接着の良さをうかがわせるもので
あつた。又、比較例の方は、単繊維のすつぽ抜け
があつたり、切れた場合でも、その繊維に付着し
ているセメント粒子は少なく、実施例との差は明
らかであつた。また引き抜き試験の結果は、セメ
ントマトリツクスからの引抜長が比較例よりも短
かく、かつ、引き抜き時のモジユラス(引抜き変
位〜応力曲線の初期勾配)ははるかに高い。これ
は比較例の場合、繊維が抜け易いのに比べ、実施
例では、セメントマトリツクスとの結合力が大き
いことを物語るもので、曲げ試験時の破断面観察
結果と併せて、補強繊維の接着力の良さが、曲げ
強度向上に寄与している証左である。一方耐熱水
性については、浴比200:1の沸騰水中での測定
であり、セメント製品の製造工程、或は使用段階
で耐水性が問題になる心配は全くない。 実施例2、比較例2 実施例1と同じ原液を、6000ホールのノズルか
ら実施例1と同じ凝固浴中に紡出し、16錘分を、
集束して、中和、水洗乾燥後、延伸炉温を250℃
とし乾熱延伸を施して、全延伸倍率を14倍とし、
引続いて、245℃で、60秒定長熱処理して、単繊
維の太さが、2デニール、とする192000デニール
のトウを作つた。 比較例として、熱処理温度のみを260℃とした
以外は実施例2と全く同一条件とする比較例2を
作つた。それぞれの繊維5mmに切断してモールデ
イングテストを行なつた。水とセメントとの比を
50:50にしたセメントペースト中へ、繊維を2.5
重量%添加し撹拌分散せしめた後、型枠へ流し込
みプレスを施して、8mmのセメント板を作り、28
日水中養生した後その曲げ強さを測定した。その
結果を表−2に示す。
【表】 曲げ試験に供したサンプルの破断面の電子顕微
鏡での観察結果は、実施例2では、実施例1の場
合と同様、単繊維が切れ、かつ、切れ端へのセメ
ント粒子が多量付着していた。これに対し、比較
例2の場合では、比較例1と同様、繊維のセメン
トマトリツクスへの界面結合力が弱いことを示す
ものであつた。この繊維とセメントマトリツクス
との優れた接着力が、補強効率を高め、セメント
板の曲げ強度を向上せしめたものである。 実施例3、比較例3 重合度1730、ケン化度99.9%のPVAを用いて、
40%の濃度とする水含浸のチツプを作り、スクリ
ユー押出機を用いて、溶解後200ホールのノズル
から空気中に紡出して、乾燥後、炉温239℃で11
倍の乾熱延伸し、引続いて、234℃で2%の収縮
を与えて、3秒間熱処理して、1200d/200の
ヤーンを得た。 比較例として、温度を244℃、処理時間を5秒
とする以外は総て、実施例3と同じ条件とする比
較例3を得た。 これを実施例1の場合と、同様な方法で評価し
て、表−3の結果を得た。実施例1の場合と同様
に、繊維性能としては、比較例よりやや劣るにも
かかわらず、セメント板の曲げ強度は、実施例1
の方が優れたものであつた。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 3〜10mmに切断した状態での沸騰水中での30
    分間における煮沸減量が10%以上であつて、1700
    Kg/mm2以上のヤング率、90Kg/mm2以上の強度、1
    〜25デニールの繊度を有するポリビニールアルコ
    ール系繊維を2〜15容量%含有することを特徴と
    する繊維補強セメント成形品。 2 ポリビニルアルコール系繊維の切断繊維長が
    3〜25mmであることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の繊維補強セメント成形品。 3 石綿を含有することを特徴とする特許請求の
    範囲第1〜2項のいずれかに記載の繊維補強セメ
    ント成形品。 4 ガラス繊維、金属繊維もしくは他の天然又は
    合成繊維又は繊維質を含有することを特徴とする
    特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の繊
    維補強セメント成形品。 5 パルプ、木毛若しくは木片を含有することを
    特徴とする特許請求の範囲第1〜4項のいずれか
    に記載の繊維補強セメント成形品。
JP2970280A 1980-03-06 1980-03-06 Fiber reinforced cement product Granted JPS56125265A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2970280A JPS56125265A (en) 1980-03-06 1980-03-06 Fiber reinforced cement product

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2970280A JPS56125265A (en) 1980-03-06 1980-03-06 Fiber reinforced cement product

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS56125265A JPS56125265A (en) 1981-10-01
JPS6251906B2 true JPS6251906B2 (ja) 1987-11-02

Family

ID=12283437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2970280A Granted JPS56125265A (en) 1980-03-06 1980-03-06 Fiber reinforced cement product

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS56125265A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109456013B (zh) * 2018-12-29 2021-05-11 济南大学 水泥吊顶板及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS56125265A (en) 1981-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI105912B (fi) Kuituvahvistetut muotokappaleet
JP5770091B2 (ja) 繊維−セメント製品組成物及びそれらから得られた形作られた製品
US4772328A (en) Hydraulic cementitious compositions reinforced with fibers containing polyacrylonitrile
JP2018500466A (ja) 改良されたポリプロピレン繊維、その製造方法および繊維セメント製品の製造におけるその使用
PL207867B1 (pl) Włókno polipropylenowe do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu, sposób powierzchniowej obróbki włókien polipropylenowych do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu oraz zastosowanie włókien polipropylenowych poddanych powierzchniowej obróbce do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu
Balea et al. Fiber reinforced cement based composites
JPH0216258B2 (ja)
JP2835806B2 (ja) 補強用ポリプロピレン繊維および繊維補強セメント成形体
EP0484283B1 (en) Manufacturing of fibrocement articles without asbestos fibre
JPS6232144B2 (ja)
KR20050042553A (ko) 열경화성 수지로 코팅된 섬유를 포함하는 섬유보강콘크리트 조성물 및 그 제조방법
JPS6251906B2 (ja)
DK169430B1 (da) Fiberforstærket, hydraulisk afbundet byggemateriale og fremgangsmåde til dets fremstilling
WO2007128679A1 (en) Fibre-cement product compositions and shaped products obtained therefrom
JP2867087B2 (ja) ポリプロピレン繊維および繊維補強セメント成型体
JP3720471B2 (ja) 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物
JP2565517B2 (ja) 繊維強化水硬性成形物
Grebenişan et al. A REVIEW CONCERNING COMPOSITE MATERIALS USED IN CONSTRUCTION FIELD
JPH0450403B2 (ja)
JP4364343B2 (ja) 混練成形水硬性材料補強材及び混練成形体
JPH0469098B2 (ja)
JPS6221743B2 (ja)
JPS60161362A (ja) 繊維強化水硬性無機質抄造製品及びその製造方法
JPS6251907B2 (ja)
JPS61151051A (ja) 繊維により強化されたセメント材