JPS6251357B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、先端にビツトを備えた正逆回転切換
え自在なオーガ本体の先端側に、撹拌兼用の切削
刃体を設けると共に、例えば水やベントナイト、
セメントミルクやそれにベントナイトをまぜたよ
うな原位置土砂に対する硬化剤、硬化促進剤等の
流動体をオーガ先端側から吐出させる流路を設け
たアースオーガに関する。

かかるアースオーガによる地中掘進時に、例え
ばセメントミルクやそれにベントナイトをまぜた
硬化剤をオーガ先端側から吐出させると共に、オ
ーガの引抜き時には硬化促進剤を吐出させたり、
あるいは、前記硬化剤に代えて水やベントナイト
を吐出させると共に、前記硬化促進剤に代えて硬
化剤を吐出させたりして、所謂ソイルモルタル杭
を構築したり、該杭を連ねて連続地中壁を構築し
たりしている。

さて、各種の流動体をビツトの先端近くから吐
出させる形態をとる場合は、アースオーガ先端の
掘進抵抗が小となり、かつ、切削刃体による原位
置土砂と流動物との撹拌も良好に行なわせられる
のであるが、アースオーガの引抜き時において
は、流動物を撹拌物の中心部に吐出位置させるだ
けの状態になり、即ち、アースオーガの引抜き工
程において吐出させる硬化促進剤あるいは硬化剤
を、十分に撹拌物にまぜ込ませることができず、
杭強度が低下しやすい欠点がある。

而して、流動物をオーガ周部に吐出させる形態
をとる場合は上記欠点を解消できる反面、オーガ
先端の掘進抵抗が大きくなる欠点を伴う。

本発明は、上記の流動体吐出形態のうち優れた
点のみを兼ね備えるように構成すると共に、その
構成を構造簡単にして提供することを目的とし、
冒頭に記したアースオーガにおいて、オーガ本体
に対して前記ビツトあるいは別の中間部材を、前
記オーガ本体の正逆回転に伴つて設定角度だけ相
対回動自在に設けると共に、前記オーガ本体の地
中掘進方向への回転時に少なくとも前記ビツトの
先端近くから流動体を吐出させる流路と、それと
は逆方向へのオーガ本体の回転時にオーガ周部に
のみ流動体を吐出させる流路を、前記ビツトある
いは中間部材に設けてあることを特徴とする。

以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図〜第４図は第１実施例のアースオーガ１
を示し、このアースオーガ１は、上端側が回転駆
動装置（図外）に取付けられる有底筒状のオーガ
本体２の先端（下端）側を小径にして、該小径部
２ａに砲弾状の中空ビツト３を同芯状に外嵌し、
かつ、半径長さの異なる撹拌兼用の切削刃体４
ａ，４ａ、４ｂ，４ｂを、前記ビツト３に対して
夫々取付け位相を異ならせて掬い角を持たせて取
付けてある。

そして、前記オーガ本体小径部２ａとビツト３
の嵌合部において、一方の小径部２ａに180度の
位相を持たせて突出体Ａ，Ａを連設すると共に、
他方のビツト３の内周部に、前記突出体Ａ，Ａを
嵌入する凹部Ｂ，Ｂを設け、かつ、該凹部Ｂ，Ｂ
の軸芯まわりの巾を前記突出体Ａ，Ａの軸芯まわ
りの巾よりも大にして、第３図に示すように、オ
ーガ本体２に対してビツト３を或る角度（図では
60度程度であるが、角度設定は不問である。）だ
け相対回転のみ自在に嵌合させてある。

即ち、第４図に示すように、前記小径部２ａに
環状の溝ａと凸条ｂを形成し、かつ、該凸条ｂに
突出体Ａ，Ａを連設し、前記ビツト３の上部側に
環状の溝ｃと凸条ｄを形成すると共に、突出体Ａ
を嵌合させる凹部Ｂ，Ｂを設け、前記溝ａ，ｃの
夫々に嵌入する凸部ｅ，ｅを備えた割リング３
ａ，３ａを、ボルト３ｂ，３ｂにより連結自在に
構成し、前記割リング３ａ，３ａを介してオーガ
本体２とビツト３を、或る角度にわたつて相対回
動自在に連結してある。

前記ビツト３の先端側には、中空部Ｃに連なる
流路５が形成され、オーガ本体２の底部２ｂに
は、オーガ軸芯まわりの貫通孔６…がほぼ等間隔
で複数個（図では３個）形成され、またビツト３
の上部壁３ｃには、オーガ本体２に対するビツト
３の相対回動端の一方、詳しくは、オーガ本体２
の地中掘進方向の回転に伴うビツト３の相対回動
端において前記貫通孔６…に連通する流路７…
と、相対回動端の他方において前記貫通孔６…に
連通する流路８…とが、前記一方の流路７…を中
空部Ｃにかつ他方の流路８…をビツト外周面に開
口する状態で形成されている。

而して、筒状のオーガ本体２における中空部を
流路Ｄとして、該流路Ｄにセメントミルクやそれ
にベントナイトをまぜたもの等の硬化剤を供給さ
せながら、オーガ本体２を地中掘進方向に回転さ
せ、原位置土砂の切削を行なうのである。

このとき、前記ビツト３は前記一方に相対回動
端に位置しており、従つて硬化剤は流路Ｄ、貫通
孔６…、流路７…、中空部Ｃ、流路５を通してビ
ツト３の先端から吐出されるのであり、これによ
つてオーガ先端における掘進抵抗を小ならしめ得
る。そして次に切削刃体４ｂ，４ｂ、４ａ，４ａ
が地盤の切削を開始するのであるが、このとき流
動体はビツト３のまわりに位置しており、従つて
刃体４ｂ，４ｂの切削回転によつて流動物と切削
された原位置土砂とは効果的に撹拌されるもので
あり、次いで刃体４ａ，４ａがその先端側で地盤
切削を行なうと共に、その切削土砂と前記撹拌物
を撹拌するものであつて、これを継続することに
よつて地中に柱状の流動化部分を有する切削穴を
形成できる。

所定深さの切削穴を形成した時点においてアー
スオーガ１を逆転させながら引抜くのであるが、
このオーガ１の逆転に伴つて前記ビツト３は他方
の相対回動端に位置することとなり、而して該ビ
ツト３の流路８…が貫通孔６…に連通状態とな
る。

さて、このアースオーガ１の引抜きに際してあ
るいはそれに前後して、流動体を硬化剤から珪酸
ソーダ等の硬化促進剤に変更し、該流動体を流路
８…から吐出させるのである。かくして吐出され
た流動体は、刃体４ａ，４ａの回転に伴つて既に
流動化状態にある原位置土砂と硬化剤の混合物に
効果的にまぜ合わせられ、オーガ引抜き後の硬化
によつて強度ムラのないソイルモルタル杭を構築
できるのである。そしてこの工程を繰返し行なつ
て杭どうしを連ねることによつて地中連続壁を構
築できるのである。

以上の構築工程において、切削穴内には常に原
位置土砂と硬化剤の混合物が存在していて、その
穴まわりの地盤の土圧と混合物の圧とがバランス
しているので、穴まわりの地盤崩壊を効果的に防
止できる。

第５図に第２実施例を示す。このものは、前記
流路７…に連なる流路９…を設けたもので、オー
ガ本体２の掘進方向への回転時に、流動体をビツ
ト３の先端側とビツト３の周部の両方に吐出させ
るようにした点に特徴がある。

第６図イ，ロに第３実施例を示す。このもの
は、ビツト３をオーガ本体２に固定的に設けると
共に、切削刃体４ａ，４ａを備えた中間部材１０
を、適宜の手段によつてオーガ本体２に対して設
定角度だけ相対回動自在に設け、かつ該中間部材
１０に、流動体をビツト先端近くの流路５から吐
出させる流路７と中間部材１０の周部に吐出させ
る流路８を設けたものである。

尚、第２及び第３実施例において、第１実施例
と同一の構成部品には同符号を付し、その説明を
省略してある。

以上説明したように本発明によれば、アースオ
ーガによる地中掘進時には流動体を少なくともビ
ツトの先端近くから吐出させ、そしてアースオー
ガの引抜き時には、流動体をオーガ周部のみから
吐出させるものであるから、冒頭に記した流動体
吐出の２形態のうち、優れた機能のみを発揮させ
得、しかもその吐出形態の切換えを必然的に行な
うオーガ本体の正逆回転の切換えによつて行なわ
せるものであるから、例えば２形態の専用の流動
体吐出流路を設けてバルブ操作する等が考えられ
るに比べて、切換え操作を何ら要することなくか
つ構造簡単であり、簡単な改造でありながら従来
欠点を解消する使用上有用なアースオーガを提供
するに至つた。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るアースオーガの実施例を示
し、第１図は流動体の先端吐出状態を示す部分断
面図、第２図は流動体の周部吐出状態を示す部分
断面図、第３図は第１図の―線断面図、第４
図はアースオーガ先端部の分解斜視図、第５図は
第２実施例の断面図、第６図イ，ロは第３実施例
の部分断面図である。 ２…オーガ本体、３…ビツト、４ａ，４ｂ…切
削刃体、７，８…流路、１０…中間部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端にビツトを備えた正逆回転切換え自在な
   オーガ本体の先端側に、撹拌兼用の切削刃体を設
   けると共に、流動体をオーガ先端側から吐出させ
   る流路を設けたアースオーガであつて、前記オー
   ガ本体に対して前記ビツトあるいは別の中間部材
   を、前記オーガ本体の正逆回転に伴つて設定角度
   だけ相対回動自在に設けると共に、前記オーガ本
   体の地中掘進方向への回転時に少なくとも前記ビ
   ツトの先端近くから流動体を吐出させる流路と、
   それとは逆方向へのオーガ本体の回転時にオーガ
   周部にのみ流動体を吐出させる流路を、前記ビツ
   トあるいは中間部材に設けてあることを特徴とす
   るアースオーガ。