JPS625116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、トンネル内のシールド工事におけ
る一次覆工である支保工のセグメントを立坑より
台車を用いて切羽部まで運搬し、それをシールド
マシンの所定位置まで安全に搬入するセグメント
搬入装置に関するものである。

従来、この種の工事は、第１図ないし第２図に
示すようにして行なわれていた。図において、シ
ールド工事のセグメント１は、立坑１０１よりバ
ツテリーカー１０２で連結される台車１０３を用
いてトンネル坑１０４内を切羽部まで運搬し、そ
れをモノレールクレーン１０５でシールドマシン
１０６の所定位置まで移動し、エレクター１０７
でリング状に組立てていた。

しかしながら、セグメント１は、一般的にスチ
ール製とコンクリート製等があるが、コンクリー
ト製はスチール製に比較して約５倍の重量があ
り、殊に大断面になると例えばセグメント外径が
5900ｍ／ｍの場合、１ピース当りの重量が2.5tに
もなるものである。従つてこれらのセグメント１
をモノレールクレーン１０５のチエーン１０８で
吊り上げ、縦向きになつていたセグメント１を横
向きにしてエレクター１０７の下まで運搬する場
合、セグメント１が横振れを起し、作業性や安全
性の面で幾多の問題があつた。

すなわち、上述した従来方式によるセグメント
の運搬組立の順序は、下記のような手順にて行な
われている。

立坑１０１上のストツクヤードからクレーン
で立坑下に降す。このとき、立坑１０１の下に
は、バツテリーカー１０２で連結される台車１
０３を位置させ、この台車１０３上にセグメン
ト１を載せる。

バツテリーカー１０２で台車１０３をトンネ
ル坑内１０４を走行しシールドマシン１０６の
後方にあるモノレールクレーン１０５の下方に
運搬され、モノレールクレーン１０５でセグメ
ント１を台車１０３より吊り上げ、台車１０３
及びバツテリーカー１０２を後退させる。

モノレールクレーン１０５のチエーン１０８
で吊り上げたセグメント１は、縦向きになつて
いるので、横向きに90度程回転させ、走行モー
タ１０９でシールドマシン１０６のエレクター
１０７の下方まで移動してセグメント１を降
す。

モノレールクレーン１０５を後退させ、セグ
メント１をエレクター１０７で所定の位置に組
立てる。

以下〜を所定の回数、例えば第２図に示
すような分割法によれば７回繰り返し一次覆工
を終了し、順次前進していく。

上述した従来法では、装置が簡易である反面、
セグメント１をチエーン１０８の一点で吊り上げ
ているため、セグメント１が安定せず、移動中に
左右、又は前後に振れて作業員の安全性に問題が
あるとともに、振れて後続台車やシールドマシン
に衝突し、コンクリート製セグメント１の角、端
部が欠損するなどの弊害も起り易い欠点があつ
た。

この考案は上述した従来法によるセグメント搬
入装置の欠点を改善するためになされたものであ
り、セグメントをチエーン等による一点吊り上げ
によらず、油圧ジヤツキ等によりセグメントを吊
り上げると共に、ジヤツキと当て金具で固定し、
走行にはラツクレール式のモータ駆動やチエーン
駆動などで円滑に所定位置まで運搬できるセグメ
ント搬入装置を提供するものである。

以下、この考案による実施例を第３図ないし第
５図にもとづいて詳細に説明する。図において従
来例と対応する箇所には同一符号を付して説明す
る。第３図はこの考案によるトンネル坑内のセグ
メント搬入法を説明する概略図であり、セグメン
トストツクヤードに積み上げられたセグメント１
はクレーン等で立坑１０１の下方に位置した台車
１０３上に載せられ、バツテリーカー１０２で後
続台車２の下方を通り、セグメント搬入装置４の
先端下まで運搬される。

上記セグメント搬入装置４は、第４図ないし第
５図に示すように、油圧モータ、又は電気モータ
等の走行用駆動モータ部１０を有する台車部１１
と、台車部１１に設けた左右の昇降ジヤツキ１
２，１２と、昇降ジヤツキ１２，１２により懸吊
されているフレーム２５と該フレーム２５に支持
され左右のセグメント当て金具１３，１３を有す
る軸１４と、この軸１４に装着され、かつスライ
ドジヤツキ１５により吊り上げ位置を調節する吊
り上げ部１６とにより構成され、この吊り上げ部
１６には、吊り上げピン１７の左右にセグメント
当て金具１８，１８が設けられている。また、上
記台車部１１に設けた左右一対の昇降ジヤツキ１
２，１２とその前方に設けた左右一対のスイング
ジヤツキ１９，１９とでフレーム２５を懸吊して
いる。また、該フレーム２５後側にブラケツト２
５ａを介して装着した揺動ジヤツキ２０により上
記吊り上げ部１６を上記軸１４を中心にして前後
に揺動せしめるようになつている。上記吊り上げ
部１６とセグメント１の吊り金具１ａとに吊り上
げピン１７を挿入する際に、スイングジヤツキ１
９、及び揺動ジヤツキ２０を用いて調整するよう
になつている。

また、上記台車部１１の左右端部には平歯車２
１，２１が装着され、セグメント搬入装置４のコ
字形のガイドレール２２，２２のラツクレール２
３，２３上を走行用駆動モータ部１０の駆動によ
り走行するように懸架されており、ガイドローラ
２４，２４により横振れが防止されている。

なお、上記台車部１１の走行は走行用駆動モー
タ部１０により駆動されるが、両端部は平歯車２
１とラツクレール２３に限定するものではなく、
チエーン駆動、ウインチ駆動などでもよい。

つぎに上述したように構成されたセグメント搬
入装置４の作動について説明する。まず、台車１
０３でセグメント搬入装置４の下方に運搬された
セグメント１は、昇降ジヤツキ１２，１２が下降
し、スイングジヤツキ１９、揺動ジヤツキ２０、
スライドジヤツキ１５を作動させてセグメント１
の吊り金具１ａと吊り上げ部１６のピン孔位置を
合わせ、ピン１７を挿入して吊り上げる。

このとき、吊り金具のねじ部で、縦向きになつ
たセグメントの向きを人力で90゜回転させ横向き
にした後、セグメント当て金具１３，１３及び１
８，１８をセグメント１の内周面に当接して固定
して左右への横振れを防止するとともに、台車部
１１の走行用駆動モータ１０によりラツクレール
２３上を走行してシールドマシン１０６の下方ま
で移動させる。尚吊り金具１ａ部にスイベル等の
回転部を設けることにより、セグメントを簡単に
横向きにすることが可能である。次に、昇降ジヤ
ツキ１２，１２を用いてセグメント１をシールド
マシン１０６の下部に降す。このとき、セグメン
ト１が水平になるように揺動ジヤツキ２０を作動
させる。つづいてセグメント搬入装置４は、後退
しエレクター１０７でセグメント１を所定の位置
に組立てるものであり、以下、上述した順序を繰
り返すことにより、セグメントの一次覆工が行な
われる。

以上、詳細に説明したように、この考案による
セグメント搬入装置は、昇降ジヤツキ、スイング
ジヤツキ、揺動ジヤツキ、及びスライドジヤツキ
等により、セグメントの吊り上げ、吊り卸しとと
もに、横移動、横振れを防止した装置であり、安
定したセグメントの搬入が可能であり、安全性が
保持できる。

また、セグメントの吊り上げ時にピンを挿入す
れば、後は遠隔操作で作業ができるため、安全性
が十分であるとともに、セグメントが安定して搬
送されるため、横振れによつてセグメントが他の
物体に衝突して欠損する等の弊害がなく、しかも
作業人員も削減できる等省力化が可能であり、実
用上の効果は極めて顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の実施例を示すシールド工事にお
けるセグメント運搬の説明図、第２図は第１図の
Ａ−Ａ線断面図、第３図は、この考案による実施
例を示すシールド工事におけるセグメント運搬の
説明図、第４図はこの考案によるセグメント搬入
装置の正面図、第５図は第４図の側面図である。 １……セグメント、１ａ……吊り金具、４……
セグメント搬入装置、１０……走行用駆動モータ
部、１１……台車部、１２……昇降ジヤツキ、１
３……セグメント当て金具、１４……軸、１５…
…スライドジヤツキ、１６……吊り上げ部、１７
……ピン、１８……セグメント当て金具、１９…
…スイングジヤツキ、２０……揺動ジヤツキ、２
１……平歯車、２２……ガイドレール、２５……
フレーム、２５ａ……ブラケツト、１０１……立
坑、１０３……台車、１０４……トンネル坑内、
１０６……シールドマシン、１０７……エレクタ
ー。２３……ラツクレール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トンネル内のシールド工事におけるシールドマ
   シンのエレクター部へセグメントを搬入する装置
   において、上記シールドマシンへ連結したガイド
   レール上に走行用駆動モータ部で走行する台車部
   を懸架し、該台車部に左右一対の昇降ジヤツキと
   その前方に左右一対のスイングジヤツキとを装着
   してフレームを懸吊し、該フレームに支持した軸
   に吊り上げ部をスライドジヤツキで左右へ摺動自
   在に取り付け、上記フレーム後側にブラケツトを
   介して装着した揺動ジヤツキにより上記吊り上げ
   部を上記軸を中心にして前後に揺動せしめること
   を特徴とするセグメント搬入装置。